歯止めかからぬ円高ドル安〜日米、思惑かみ合わず 協調介入は実現困難か〔産経新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 9 月 02 日 12:12:43:

外国為替市場の円高ドル安に歯止めがかからなくなってきた。ドル高を容認していた米国の政策転換観測が強まり、週末八月三十一日の東京市場では約三カ月ぶりの一ドル=一一八円台をつけた。日本の景気底割れを防いでいたのが、円安基調に支えられた輸出だけに、円高進行は、大きな打撃になる。しかし、円高阻止の為替介入も、日米の思惑が異なっており、読みきれないのが実情だ。月末に予定される先進七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)でも為替問題が浮上しそうだ。(小島清利)

▽ドル高政策転換?

円高のきっかけとなったのは、八月十五日、米国テレビでのオニール米財務長官の発言だ。「米国は(これまでと)同じ政策を続けている」と述べたことが、市場では「より強いドルを望んでいるわけではない」と受け止められ、ドル安が進んだ。
この背景には、米国がクリントン前政権時代からとっていた「ドル高政策」を変更するのではないかとの根強い見方が市場に存在していたことがある。クリントン前政権の「ドル高政策」は、株式や債券市場へ流入する資金を確保し、おう盛な個人消費や企業の資金調達を下支えしようというのが狙いだった。
しかし、ここへ来て米経済の失速感が鮮明になり、海外からの輸入圧力にさらされている製造業などから「ドル高是正」の声が強まった。七月にブッシュ大統領が「ドル高にもプラスとマイナスの両面がある」と発言している。「経常赤字が膨大になっており、市場では、ブッシュ政権がドル高政策を変えるのではないかとの見方が強まっている」(安田正道・東京三菱銀行為替資金部次長)というわけだ。

▽円安誘導にも壁

円高ドル安基調の転換に最も効果的なのは日米欧協調の市場介入だが、日米欧の世界同時不況の様相が強まる中、実現を困難視する声は多い。
そこで、政府・日銀で浮上している円安誘導策が、銀行が保有する外債などを日銀が購入し、資金を供給するという方法だ。「外貨を買って円を売る形になるので、結果的に円安誘導にも効果が出る」(日銀)うえ、銀行に資金が流れ、日銀の進める量的緩和策にも沿っている。
もっとも、こうした単独策は、米国はじめ、輸出で競合関係にあるアジア諸国からの反発は必至。「特に欧米では自国の通貨高に結びつく円安政策は理解が得られにくい」(ニッセイ基礎研究所の櫨浩一・チーフエコノミスト)からだ。強行すれば、月末のG7で日本が矢面に立たされる恐れもあり、「実施するには、政府の思い切った政治的決断が必要になる」(BNPパリバ証券の河野龍太郎・チーフエコノミスト)といえそうだ。

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