sanetomiさん、↑の記事とバーターということで(笑)

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投稿者 DC 日時 2001 年 9 月 02 日 15:58:34:

回答先: インフレ・ターゲティング論とデフレ経済 投稿者 DC 日時 2001 年 9 月 02 日 15:38:42:

日本「国家更生法」(試案)の内容について、ちょっと紹介。: 会社更生法の考え方に基づき国家更生法論を展開して
いる。国家更生法のメリットは「利払いを停止」 すること、大前提は「破綻を公然と認めること」。更正法の原則を無視
して失敗した企業整理の実例 (=旧国鉄清算 イコール国家倒産の雛形)を示しながら、国家更正の方法論を説く。
【国家破産とはないか、本当に起こるのか】 【国家破産の噂で郵貯取り付けにならないか】【ドル暴落・円高が先行し
た場合に必要な対応】【円が暴落しないか、国際経済 との摩擦はどうか】【不良債権処理に「公的資金」を使ってよい
か】などの個別の問題にも細かく対応して論説を述べている。 (【ドル暴落・円高が先行した場合に必要な対応】にお
いて筆者は「超円高の場合には日本は米国および世界のエネルギー企業の 株式を取得して」エネルギー政策を牽制
することも選択肢にしてよい」と述べている。(p.198)    補章2において、「世界恐慌と地球環境破壊 −二重の危
機−の克服について」の項目もある。  ###実施できるかどうかは別として、かすかな希望は出てきますよ。
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日本「国家更生法」(試案)においては【資金逃避の防止措置】も唱えているんだよね。(p.164)抜枠してみよう。 ---
  もし、この国家更生措置の進行過程で、資金逃避を許し揖失負担の逃げ道をつくったら、危機の 収拾は不可能に
なる。損失負担が、逃げ道をもたない 「金融弱者」にしわ寄せされたら、すべてが 画餅に帰する。金融機関の決済機
能を保全しながら、金融資産の減価を達成できるか、これは未曾 有の試みである。しかし、衆知を結集してこの課題
に挑戦すべきである。また、事前に引き出して 現金化したら負担を免れるとなったら、取り付けは必至である。「現金
資産に対しても平等の負担 を課す」 こと、「そのためには新円切り換えを行うこと」を予め宣言しておくべきであろう。
 ケイマン島やバハマのような国際的脱税基地に対する規制措置も必要であろう。これについては、 もはや国際的な
共同対策を講じるべきときである。いまやアメリカ、EUを含めていかなる国も破 綻の可能性をはらんでいる。「投機と
脱税の自由」を放置すれば、正直者に際限なく負担がかかる。 損失負担を最小に抑えるためには公正な負荷が至上
命令である。この資金逃避を防ぐために、固有 の専門的「危機管理機構」を設けるべきであろう。経済事犯に対する
捜査体制と刑罰を徹底的に強 化し、個人犯罪にのみ厳しく制度・組織犯罪に甘い現在の司法制度を改めることも緊
急の課題である。 数万円のコソ泥やひったくりより、数十、数百億円の組織的・制度的犯罪の方が軽科であるかぎ
り、 大犯罪は引き合うことになる。   −−−(抜枠終わり) ### 趣旨は理解できるのだが、あくまでも河宮氏
の提言が小泉内閣で採択された場合だけ、協力してやってもよいとは 思うが(あくまでも個人的意見)。採択される可
能性はあんまり無いだろうから、資金逃避はやっぱり 考慮したほうがええのかなぁ?
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 【郵貯民営化の「反対勢力」とはだれか】  小泉内閣があらゆる「抵抗」を押し切って「郵貯民営化」を掲げたことによ
り、民主党は解体の 危機にさらされている。政局の最大の争点に対して、賛成することも反対することもできず、ひた
すら首相に「お伺いを立てる」しか手がないからである。そしてじつは、自民党内の反小泉派−郵 貯民営化反対論者
−も菅・鳩山と同じ混迷に陥っている。  「郵貯民営化」政策は日本の世論を二分する。一方は「国営郵貯と財投の不
良債権化を放置すれ ば日本が潰れる」という認識に立ち、それを防ぐために「郵貯民営化」に賭けている。この認識を
もつ議員は自民・民主両党内でもまだ少数である。自民党内には、小泉の国民的人気に恐れをなし て不承不承追随
する議員も多いが、郵貯改革の意味を知ったら離反するかもしれない。確信ある支 持者は現段階では少数派であり、
国民の強い支持を糾合しないかぎり、改革断行には進めない。し かも、共産・社民が民営化反対である以上、「民営
化」の成否は暗黙の多数派である「無党派」の 支持を獲得できるかどうかにかかっている。無党派層は、多くの場合
単なる無関心派ではなく、高 い政治的見識から真に支持しうる政党を見出せないだけである。重要な政治的争点に
投票権を行使 して、意志表明をする可能性は十分に高い。              他方、民営化への「反対勢力」は
「日本が潰れる最後の瞬間まで郵貯・財投に関わる利権を確保 したい」というグループである。いまやこの 「利権」
は国民資産の食いつぶしになっているので、 資産消尽の時点では必ず潰れる。そのときには「反対勢力」の基盤も失
われる。だから、彼らの 「抵抗」は刹那的であり、展望を欠いている。しかし、彼らは「背水の陣」を敷いている。いま退
いたらここでお終いだからである。       民営化反対勢力を郵貯・簡保資金の利権連合と呼んでおくと、これは自
民党の利権流にかぎらず、 各省庁から公明・保守から共産・社民を含む野党広範な勢力である。かつて、旧国鉄がま
だ「おい しい利権源」であったとき「民営化」反対の利権連合が断然多数派であった。「郵貯民営化」をめ ぐる現在の
政治的陣型はこの当時の再現なのである。  なお注意すべき点として、郵貯・財投資金の利権連合から排除されて
いる共産党と社民党が利権 体制の要である「国営郵貯」を護持しようとしている。共産・社民のこの路線は、数百兆円
の利権 に関わるものではなく、郵政従業員の公務員身分というささやかな(?)利権に関わるものである。   しかし
「民営化反対」を掲げるかぎり、彼らは、札付きの利権派である橋本派や亀井・江藤派と 組むしかない。ところがこの
利権ブランド派は改憲派でもあるから、九条改廃では小泉と組む。  だから、共産・社民は「郵貯民営化」反対に賭け
て無党派の支持を失い、そのことで「護憲勢 力」−良識的保守と無党派が主力ーを分解させる危険がある。彼らは三
七兆円の債務を抱えて倒産 に瀕した国鉄を「公共性」の一点で救おうとして完敗した。いま三七〇兆円の郵貯・簡保
資金の 使途が問われているときに、まさか「郵便事業の公共性」を説いても話にならない。もし、小泉政 権が「郵貯
民営化」を要とする有効な金融財政改革案を出し、共産・社民が無策のなかで漫然と反 対を続ければ、無党派は共
産・社民と民主党労組系を見限るであろう。この問題に対する共産・社 民の無定見と動揺は、憲法擁護の政治勢力を
分散し無力化する危険性が高い。この責任は重大であ り、これらの政党の存在理由を問いなおすものである。ワイマ
ール・ドイツにおいて社民党・共産 党が失業問題に無為無策のままヒトラーに無残な敗北を喫した愚を思い起こしても
らいたい。  この争点に関しては、いずれの政治勢力にせよ、正論を掲げて論陣を張り、無党派市民を味方に つける
ことが勝利の鍵である。少なくとも、「国営護持」派も資金運用内容の根本的変革をいわな いで、ヤミ資金による多数
派工作に走ったりすれば自滅を免れない。しかし、資金使途を公開論議 の狙上にのせたら、そのこと自体で利権隠蔽
は不可能になる。守旧漁は多数のようでも、根本的な 弱点を抱えている。しかし、改革派もこの点を突くことができな
いと、やはり成功はおぼつかない。
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 【バブル後恐慌に直面して−債権国日本の機能不全】  アメリカの株バブルがはじけると、日本の対米資産が不良
化する。日本のバブル破綻では貸借の 連鎖が国内で閉じていた。そのため、なお国家信用(赤字国債)を引き当てに
した債務転がしが行 われている。しかし、米国の場合は対外債務が二兆ドルに及ぶため、ごまかしが効かない。この
とき、 米国債が「究極の不良資産」となる。国外で最大の被害を被るのは最大の融資者である日本の金融 機関(と
その預金者)である。日本の政府と金融機関は歴史的に進行したドル安・円高で数十兆円 に及ぶ為替差損に喘ぎつ
つも、ドル債権を買ってきた。それは利払いに惹かれてのことであった。 それが止まると、日本の金融機関は辛うじて
残った収益の源泉を失うことになる。      われわれは否応なく、破産管財人の役を負わされる。その事態に備え
て、適正な破綻処理を行い、 公正で安定的な国際的金融システムを再建する責任がある。これはきわめて難しい任
務である。な ぜなら、この処理では、預金者の金利ないし元本まで犠牲になるからである。事態の深刻さを知ら ず
(知らされず)、国家幻想の枠内にとどまる預金者は無邪気に総預金(元利合計)の保護を要求 する。無責任な政治
家はこれに応えるポーズをみせる。この状況が続くかぎり、真のバブル清算は 不可能で、先送り(不良債務膨張)が
続く。       一つの安易な「解決策」は、アメリカのバブル破綻・外債支払い停止を弾劾し日本の被害者意識 をあ
おって、アメリカに「ノーといえる日本」をめざす道である。この新国家主義は当然、さらな る国家バブル−(核武装を
含む軍事バブル)で国家への国民的結集をはかる−を意図するものであ る。まさしくこれが石原・中曽根らのめざす
路線である。国際的金融バブル破綻への対応で、新国 家バブルをはかるこの路線に成功の芽があるか。これは時代
錯誤、一九世紀的(明治的)帝国主義 に後戻りする迷案にすぎない。しかし、アメリカのバブル損失をまともに被った
後、その怨みをこ のような形で発散する道が市民の共感をえないという保証がない。しかも、そうした新国家主義へ
の政治的対抗軸がない現状では、彼らの政権掌握には少なからぬ成算があるといいうる。  しかし、アメリカが外債
不払いを起したとしても、アメリカだけを責めてすむ話ではない。戦後 成長した国と地域はすべてアメリカ市場への輸
出拡大をテコに発展を遂げてきた。まず、日欧つい でアジアNIESついで東南アジア、そして今の中国、すべてがアメ
リカ市場への参入を通して経 済成長を遂げた。この国際的かつ長期的な有効需要提供の果てに、今日の輸入大国・
借金大国アメ リカの挫折がある。単純に反米や自主独立を叫んで事足りる事態ではない。  ここで重要なことは、国
家自体が救済能力を失っていることである。国家幻想に酔う国家主義者 にはここがわからない。日本の場合、金融安
定化資金七〇兆円を用意した。しかし、九三年以来す でに五〇兆円を超える倒産債務が発生し、なお倒産が続発す
る状況にある。公的資金すべて赤字国 債で調達された。その日本国家は国公債六六六兆円と特殊法人の借り入れ
二三〇兆円を併せて、九 〇〇兆円を超える債務を負っている。民間金融機関を救うどころではなく、政府が破綻に瀕
している。                国家破産処理の根本前提は、破綻を公然と認めること、そのうえで公正かつ透明
な処理をするこ とである。もう一つ重要なことは、破綻債権には利払いを停止しなければならないことである。政 府・
自治体であれ民間であれ、返済できない借金が利子で自動的に膨張していくと、時間をかけて 処理することができな
くなる(典型的な失敗例は旧国鉄清算事業団の場合)。あまりに巨額で返せ ないから破綻したのであるから、短時間
で処理できるはずがない。それに利子を付けたら、破綻が 新たな破綻を呼ぶだけである。しかし、利払い停止は最初
の貸手である預金者にも損害が及ぶとい うことである。失われた信用を回復するには実態を公表するしかない。金融
的な信用を「正直さへ の信用」に切り換えるのである。
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【国際バブル清算と日本の責任】  二〇世紀型の国家と市場の共同の失敗(共犯)から旧ソ連圏の混迷、日本の長
期不況がもたらさ れ、近くアメリカの株バブル崩壊がもたらされた。バブル破綻は信用崩壊であるが、これへの対策
はいままでのところは信用の捏造すなわち債務先送りで「処理」されている。  アメリカ株バブル崩壊によって、大戦
後世界に累積した債務は強制的な清算過程(恐慌)に入る。 そのとき、最も大きな損失を受けるのは日本の預貯金
者・保険契約者である。すでに地価バブル崩壊 後、大手銀行では拓銀、日債銀、長銀の三行、山一証券そして日産
生命、東邦生命、第百生命、 大正生命、そして千代田生命、協栄生命、東京生命の生保七社が破綻に追い込まれ
た。しかし破綻 銀行の預金者は元利とも満額受け取っている。生保では契約者は、予定利率の引き下げを被ったも
のの利回り自体は保証されている(ただしバブル期の法外な利回りを超低金利時代の利率に引き下 げた)。     
         今後のペイオフ実施と破綻の仕組みも一応つくられたが、予想される強制的清算過程に対応でき るも
のではない。おそらく今でも不良債権や逆ザヤ資産に苦しむ大半の銀行や生保は、アメリカ株 バブル崩壊と共に一斉
に債務超過に陥ることになろう。そうなった場合の危機管理・対処方法を今 から考えておかなければならない。しかも
それは金融当局と関係者だけで考えればいいという問題 ではない。すべての有権者(広い意味での預金者とほぼ同
義)が議論すべき問題である。         このような事態に陥った場合、まずバブルを主導して債務超過に陥って
いる国家財政の破綻を宣 言しなければならない。そして即刻郵貯・簡保及び国債の利払いを停止し、取り付けが起こ
る前に 民間金融も含めて全金融機関の預金封鎖が必要になる。これらの措置なしにバブルの根源にメスを 入れるこ
とはできない。       しかし今のまま行けば、たとえ強制的清算過程(恐慌)に入ったとしても、郵貯・簡保及び国
債 の利払い停止ができないだろう。なぜなら有権者(=預金者)が恐慌の実態を知らず、この措置の 必然性を理解し
ないからである。かつての大恐慌の不良債権はいったん戦時国債(軍事バブル)に 先送りされ、それを補填した郵
貯・簡保等の国民金融資産は終戦後の超インフレによって清算され た。この悲惨な過程を戦後世代は知らない。たと
え史実として学んだとしても、自分や親の保有す る郵貯・簡保および銀行生保への預金が同じ運命にさらされている
とは知らない。つまり彼らは、 恐慌が起ってもこれらの預金(自分の金融資産)の元利合計の支払いを無邪気に請求
する。もちろ ん有力政治家も同じ認識レベルでその要求に唱和する。しかし貸借を仲介した国家にも最終の借り 手に
も元利返済の資力はない。ただ返済するフリをして時間をかせぐだけである。これが最悪の道 である。         
    日本から米国に波及した国際バブルの最終局面が強制的な清算過程(恐慌)に入りつつある。目 前に追ってい
る危機に最大の債権者である日本の預金者はどう対処すべきか。それに対する議論を 急ぐべきである。二一世紀を
「戦争と成長」の二〇世紀から脱却させ「共生と定常」の時代へと転 換できるかどうか。それは戦後世界経済の最後
の貸し手である日本の預金者が、有権者としてどう 行動選択するかにかかる。しかし、いまのままでは動きがとれな
い。日本はまず内なる国家バブル の処理をすませないで、いきなり国際場裡でのバブル処理を論じるわけにはいか
ない。      より基本的舵な選択肢、<優勝劣敗型の競争を推進する市場原理主義>に立つか、   <国内的・
国際的所得再分配による経済安定化与経済民主主義>)に立つかということにかかわる。  市場原理主義は、結局
勝者が敗者を、強者が弱者を収奪するシステムである。このシステム、 たとえばグローバル資本主義は、経済的弱者
を収奪に耐えないほど貧困化することで確実に行き詰まる。
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  【国家バブル造成症候群−日・米の国家エゴイズム】&【IMFがやってくるとはどういうことか?】  第二次大戦の終
結後、世界は大恐慌を経験していない。恐慌とは〈大規模かつ長期の不良債権清  算)である。その前段階は〈大規
模かつ長期の債権・債務累積)である。これがバブルの本質であ る。バブルは必ず長期の好況をもたらす。なぜなら、
バブルの推進者は借金 (債務累積) で得た資 金を「所得」として消費にまわすからである。この「借金という所得」
こそはコスト・ゼロ、反対 給付なしの能率的な所得である。この恐るべき饗宴が何年も続くのは、累積債務がいつか
は返済さ れるという信用(共同幻想)が維持されているからである。  その共同幻想を根底で支えるものが国家であ
る。国家信用をバックにしないかぎり、大規模かつ 長期の債務累積は不可能である。たとえば、日本の地価バブルを
牽引したのも中曾根・竹下政権の 乱開発推進政策であった。八〇年代末の「成長」の実態は土地を担保とした年間
二〇〇兆円に及ん だ国民金融負債(民間・政府債務)の膨張である。債務累積が個々の企業グループや産業部門レ
ベ ルで進行するのであれば、たちまち信用不安を生じて限界を露呈する。バブルを許せば、その清算 過程としての
恐慌は免れない。      じつは戦争もバブルの一典型である。税金だけで戦争を遂行できる国家は存在しない。作
戦発動 のたびに税金が上がっていくのであれば、いかなる政府も国民に対する戦争継続へのアカウンタビ リティに窮
する。だから戦費は必ず借金(戦時債権)でまかなわれる。戦争がバブルだとすると、 戦争終結はバブルの清算(戦
時債権の放棄)でなければならない。ところが、これがなかなか実施 できない。戦勝国には戦債償還(戦勝の代償)、
敗戦国には賠償請求がかかるからである。       第一次大戦では、戦争=バブルを清算する代わりに「貸付によ
る賠償支払い」という粉飾決算を 行った。この世界規模の「債務転がし」(賠償バブル)は結局大恐慌による清算に行
き着いた。こ の反省から、第二次大戦の戦後処理では戦勝国(ソ連を除く)は賠償請求を放棄した。それだけで なく、
アメリカは日欧にマーシャル・プランによる財政給付を行った。これが贈与を含んでいたた めに、驚異的な戦後復興を
可能にした(日本の高度成長もその一翼)。         ところが、その後アメリカはベトナム戦争という戦争バブル
を起こしてドルの金為替本位制を停 止し、みずから国際通貨体制の安定基盤を破壊した。さらにソ連・東欧は軍事バ
ブルの破綻で崩壊 した。また「現存した社会主義」の崩壊と平行して、市場原理に立つはずの中南米の開発バブル
が 崩壊した。両者に対するIMFの対応はバブルの清算(=債権放棄)ではなく、外債返済資金を貸 し付けるという債
務転がし(これが新たな返済不能債務になるというベルサイユ方式)である。 IMF路線(構造調整プログラムなど)に
忠実に従えば従うほど、国民経済の収縮を引き起こす(典 型例はメキシコ)。事実上、IMFは「援助」対象国に債務デ
フレを強制している。その路線でT MF自身が不良債権を膨らませている。日本が破綻した金融機関を赤字国債で救
済しているのと大 同小異である。このままいけば、IMFも破綻の脅威に直面する。
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預金封鎖という事態に陥った歴史的経緯を河宮氏の本から抜粋して説明します。 −−−−  国家は、バブル破綻を
防ぐカをもたないが、バブルを膨らませる力を駆使しうる。しかも、国家 は、バブル−特に軍事バブル−を膨らませる
過程では信じられないほどのパワーと破壊力を発揮 する。第二次大戦で日本が対米開戦した一九四一年に、日本の
GDPはアメリカの一割以下、鉄鋼 生産量一〇分の一、アルミ生産量五〇分の一程度であった。この貧乏国・日本が
米英と中国を敵に まわしてともかくも数年間の総力戦を遂行しえた。  その秘密は、郵貯・簡保の預金を戦時国債と
いう究極の不良債権に替えるところにあった。日本 政府は、郵貯・簡保という国営銀行をもち、そこに預けられた国民
の預金を根こそぎ戦費に転用し た。これが日中・太平洋戦争(一九三七から一九四五まで)の総戦費七五五九億円
のうち、三〇〇〇 億円近くをまかなった。じつに一般会計の一二六〇億円(九年間の合計)の二倍以上の額で国民
は、 戦時下の物資不足で生活を切り詰めて所得を貯蓄に回さざるを得なかった (今も市民は老後や雇用 不安のた
めに貯蓄に励んでいる)。ここに政府がつけこんで、食費以外の所得をまるごと軍事費 (今でいうと公共事業費) にも
っていったのである。         もちろん、返済のあてはまったくなかった。なにしろ、郵貯資金でつくった武器・弾
薬・艦船・ 飛行機は制空権を握るアメリカ軍に片端から破壊された(″不良資産″化)。つまり、郵貯・簡保な どは預
けた途端に不良債権になった。しかしそれで戦費をまかなっていた間はほとんど物価は安定 していた。  (#
sanetomiによる注:これは裏付けとってみないとわからない。物価統制令で 表向きは物価は安定していたかもしれん
が、物不足で闇値は上がっているはずですから。)     三〇〇万人の日本人、二〇〇〇万人のアジア人を犠牲に
したという大戦争をインフレもなしに遂行 したのである。軍需工場で得た給与も兵士の給与も郵貯に入り、それを戦費
に回してい た。すなわち、国民も兵士も食程消費以外はボランティア同然で働いていた。その食糧や塩の補給 さえ戦
場の兵士には途絶えがちだった。国民の過去の預金と食費以外の所得を食いつぶすことで、 これだけの戦争がやれ
る(だから危ない。今でも財投などで巧妙に国民の預金を取り込めば、旧帝 国陸海軍なみの無茶ができるのであ
る)。         さらに、政府は爆撃で焼尽した軍需工場の損害補償にこの資金をあてた。なんと工場の燃えかす
−究極の不良資産−を政府が郵貯資金などで買い取った。もちろん政府は戦災の犠牲になった国民 には一円の補
償もしなかった。しかしその国民のなけなしの預金が、戦争で大儲けをした軍需資本 の戦災保障にあてられた。さら
に戦争末期に激化した空襲で壊滅的な打撃を受けた工業施設(現代のバブ ル敗戦の不良債権と比較せよ)をすべて
買い取るために、預貯金の動員だけでなく日銀引受けによ る戦時国債が急増した。日本政府は、敗戦後も占領軍の
支払い禁止命令まで無視して、この支払い を続け、戦後インフレの暴走を引き起こした。米軍にきわめて従順だった
日本政府がこの点でだけ 反抗した。  さらにこのインフレを、政府は国民に対する債務不履行の手段として利用し
た。敗戦の翌年に手 持ち現金まで規制(強制預金)して新円切り換えで整理し、郵貯にはさらに一〇年間の預金封
鎖 (払戻し拒否) でインフレの進行を待った。払戻し(?)を再開したのは貨幣価値が三〇〇分の一 になってからで
あった。台湾や朝鮮など旧植民地の円資産にはこの支払いさえ拒否した。 (後略)−−−− 特に気になる記述は「総
戦費七五五九億円のうち、三〇〇〇億円近くをまかなった。じつに一般会 計の一二六〇億円(九年間の合計)の二
倍以上の額」ってのがね、ちょっと気になりますな・・・。 GDPの2倍近くある借金のある現代の日本で「預金封鎖」が
起こるかどうかは政府が決めることやし、 経済状況も全く異なるから、絶対起こるとは言い切れないのやけど、数字だ
けで論議するとムッチャ不安や。 あと、10年間の預金封鎖というのはホンマにあったことや。       キチンと説明
しようとすると、どうしても長くなってしまう。これで文句言われたら何も書けなくなる。

#DCコメント:アホは無視したらよろし(笑)。
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原 薫「戦後インフレーションの研究」時潮社(1976年)という本を図書館から借りてきた。(現在では「戦後インフレー
ション―昭和20年代の日本経済 」八朔社 という出版社から発行されているが、値段が高いよ。)太平洋戦争の敗戦
を契機に激化したインフレーションがドッジ・ラインの実施にもとづき収束を みるに至る時期(昭和20年8月‐24年度・
1945年8月‐1949年度)を対象に、この「戦後インフレ」の考察を試みた本だそうです。学者の書いた文章 ですの
でお硬い文章です。ただ気になるのは各章の最後に参考資料なるものが記述されていて、当時の庶民の生活が垣間
見れる。一つだけ紹介するよ。    「(前略)さらに新・旧券交換の過程でも、新券用証紙をめぐって不正取引きが展
開された。「某町会のある隣組では人数割の全額を  引きとることができたのは一〇世帯中僅かに二世帯で、その他
は三〇%から五〇%近くを返しており、その返還証紙がべラ棒  なプレミアムつきで転売せられた事実もある。・・・一
人一〇〇円までと交換を制限されたはずの新円が早くも一人の手に数千  円集められたり、『旧円で一〇万円出せ
ば証紙七万円を差上げます』という男が銀座の洋品店に現われたり、新円生活未だ四  日というのに街には早くも証
紙付き一〇〇円の札ビラを切って派手な買物をする連中が現れだした。……新円証紙の横流しや  財産税の軽減日
当の買占め等忌わしい事件が早くも起っている」(朝日新聞一二・三・七付)」    あとは当時の新聞を 読むしかな
いけど、縮刷復刻版に書かれている文字は小さいは旧漢字つことるから読みにくいわ。この本で暫く勉強するしかない
なぁ。
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