米国式ソルベンシー・マージン比率を公開−各社のコメント付き(佐藤立志の保険・ほけん・Insuranceより)

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 9 月 06 日 02:56:07:

昨年同様に米国式ソルベンシー・マージン比率を算出しました。今回は公表のソルベンシー・マージン比率の算出が変更されているので、それに合わせて今回の算出式も修正しています。今回の金融庁の変更では、有価証券の時価を一部、計算式に参入することになったが、それでも全部の有価証券を参入しているわけではない。
 生保の経営状況を正確に表してなければ、契約者の信頼は得られない。今回の数値からでは、どこかがすぐ破綻するというものではない。いつも健全性が高いのは、大同と太陽がまずあげられる。東京生命を太陽・大同が傘下におさめるということになるので、これで大手生保誕生は決定的となつた。大同は本当に逆ざやがあるのか、ぜひ聞いてみたいところである。
 朝日と三井が200%をわずかに下回っているが、朝日は新商品の保険王が好調で、前年比でトップの伸び率を示している。三井は7月に基金を増額して200%を超えそうである。今年の9月と来年3月の数値を見なければ、財務が悪化していっているのか、上向いているのかがわからない。破綻した協栄と千代田の3年間の米国式ソルベンシー・マージン比率を見てみると、

        協栄       千代田
 98    268.3%    374.7%
 99     50.1%    −47.2%
 20   −131.1%   −273.8%

 となっており、もし100%まで落ち込むようなことにでもなれば、相当、やばいことになってしまう。しかし、今の段階では身売りの生保はあっても、破綻の決定的な段階にはいたってはいないといえる。9月に50%とかマイナスになれば、危険水域となる。その時は警鐘をならしますので、よく注意してください。

     《米国式ソルベンシー・マージン比率》
          米国式          公表
 @ソニー生命  1798.2%     1905.9%
 Aアメリカン  1279.7%     1333.4%
 BJA共済     約660%        580%
 Cセゾン生命   581.8%      713.7%
 D大同生命    482.1%      757.6%
 E太陽生命    459.9%      806.8%
 F富国生命    434.7%      779.3%
 G日本生命    406.9%      778.1%
 H第一生命    353.8%      682.3%
 I明治生命    347.9%      667.2%
 J安田生命    289.4%      602.6%
 K大和生命    289.0%      553.1%
 L住友生命    226.7%      551.3%
 M朝日生命    189.4%      543.4%
 N三井生命    185.5%      492.7%
 OアクサG    166.0%      464.7%
 P東京あんしん 3036.4%     1744.1%
 Q三井みらい  1767.6%     1603.3%
 R安田ひまわり 1219.8%      960.7%
 S住友ゆうゆう 1188.0%      986.1%
日本生命については、基本数値に誤記があり、訂正の上、再度計算し直しました。

《各社のコメント》
 ・日本生命
 コメントは差し控えさせていただきます。
 ・JA共済
 安全といわれる200%を超えていますが、ソルベンシー・マージン比率だけが安全性を示す指標ではないと認識しています。  長期にわたり、支払責任を負う共済・保険事業においては、資産の運用環境に左右されない部分での経営の健全性の評価も大切だと思っています。JA共済ご加入の皆様にご安心いただけるように、堅実な事業運営に努めてまいります。
 ・セゾン生命
 セゾン生命保険は、2001年3月に親会社クレディセゾンにより、200億円の自己資本増強を実施し、また有価証券含み益の大幅な増加等でS/M比率は713.7%に上昇しています。責任準備金積立率は100%を確保、リスク管理債権は13億円で一般貸付残高に対する比率は、1.2%と低く、貸倒引当金等によるカバー率も112%となっています。基礎利益は39億円計上し、新契約高も個人保険で前期比102.3%となっています。
 ・大同生命
 特にコメントはありません。
 ・太陽生命
 当社のソルベンシー・マージン比率は806.8%(平成12年度)と十分な保険金支払余力を保持している水準と考えています。今後、当社は販売面、運用面等において一層の収益向上に向けた取り組みに努め、財務・収支面ですべてにおいて健全性をさらに強化していきます。
 ・第一生命
 当社の公表ソルベンシー・マージン比率(682.3%)については、将来にわたって保険契約の履行に何ら問題なく、十分な水準です。また、基礎利益、有価証券の含み益、実質純資産額などの健全性を示す指標についても、高い水準を維持しています。なお、保険財務力格付けは、営業面・財務面に対する様々な取組がS&P社から評価され、平成12年12月22日付で、AからA+に引き上げられております。
 ・明治生命
 当社は、今後ともリスクを適正管理し、環境変動に左右されないよう自己資本わ強化することによって、将来にわたるソルベ  ンシー・マージンの確保に努めてまいります。
 ・住友生命
 基礎利益は逆ざやを埋めた上でなお2779億円と、引き続き高い水準にあります。この堅固な収益力を背景に不動産の含み損や不良債権等を処理した上で、内部留保を積み上げ自己資本を拡充しております。この結果、資産の健全性はさらに向上し、一層強固な経営基盤となりました。ソルベンシー・マージン比率も551.3%と十分な水準にあります。新発売のライブワンも好調な売れ行きで、お客さまからの高いご支持をいただいております。
 ・朝日生命
 平成12年度は、新契約業績が好調に推移し、120.2%という高い伸展率を確保しておりますが、平成13年度に入っても、新商品「保険王」の発売により、4〜5月の速報値では前年度の伸展をさらに上回る、約140%の伸展率で推移しております。今後も、ミレア保険グループの中核生保として、「保険王」で新契約のさらなる増産を図るとともに、事業内容の一層の充実に努めたいと考えております。
 ・住友海上ゆうゆう
 前年度に続き12年度も単年度黒字。元気トク割や100歳定期の販売が好調で、新契約高(個人保険・個人年金)は約6700億円(前年比121%)と過去 最高。保有契約高(同)は2.2兆円(前年比125%)。また保険料収入も603億円(前年比127%)と大幅アップ。責任準備金追加繰入(5億円)によりね経常利益は約1億円減少したが、基礎利益は11年度2074百万円から12年度2355百万円と順調に増加。
 ・安田火災ひまわり
 当社は、こうしゃ公社債、円建外債の満期保有を基本とした運用方針をとっています。この方針に則り、運用ポートフォリオには株式や一般貸付を組み入れておらず、安全かつ健全な資産内容を維持しています。こういった資産運用方針が当社の米国式ソルベンシー・マージン比率に反映されています。
 ・アクサ生命
 コメントは控えさせていただきます。

佐藤−−−いやー、この計算と集計は大変だった。この他には色々な数値を算出しているが、どこまで出すか検討中である。     内容がちょっとやばすぎるわ。生保さんにはFkといえばわかりますよね。何の算出式か。

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