金、復活! 21世紀の米世界戦略とは

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投稿者 DC 日時 2001 年 9 月 07 日 01:33:57:

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金、復活!21世紀の米世界戦略とは―A RETURN TO THE GOLD STANDARD
高橋 靖夫
広済堂出版

内容説明

アメリカ経済独り勝ちの舞台裏とは。ニクソン・ショックから始まる独り勝ち経済へのアメリカの対
内・対外戦略の分析と、独り勝ち経済の永続化と経常赤字4000億ドル対策としての、「金本位
制復帰大戦略」の解明を試みる。

著者紹介

1943年東京都生まれ。埼玉大学大学院経済科学研究科修士。国際投資経済研究所主宰。スト
ラテジスト。川崎市立看護短期大学講師。著書に「新世界秩序」など。

日経ビジネス

過去に金投資に関する複数の著書を執筆してきた著者が、今後米国は「金本位制」を復活させる
という仮説の下、現在の世界金融市場や米国の金融戦略を分析したもの。
 21世紀、「新ローマ帝国」を目指す米国は、覇権国家であるための最大の弱点である「経常赤字
4000億ドル」を帳消しにするため、「国際通貨制度という為替のルール」を強大な政治外交力で変
えようとしているという。つまり、現行の為替ルールである変動相場制から、「ドル」と「金」を結びつ
けた「金本位制」への移行である。
 現在、金の価格は20年にわたり下落し続けている。著者はその理由を「第2次パクスアメリカー
ナ(米国覇権)を目論む米国が、世界中を欺きつつ、他国に知られずにかつ『低価格』で『金備蓄を
増加』させようとしたから」と記述している。
 では、その金はどこに隠されているのか。著者は、国際通貨基金(IMF)の統計に表れない「非
金融目的」の備蓄や、オフバジェットと呼ばれる「社会保障基金関連予算」が帳簿上の隠れ蓑だと
いった大胆な仮説を披露する。
 不透明な国際金融に独自のユニークな視点から切り込んだ1冊。

21世紀に残る似非学術書
中宮崇

 怪しげな人物による怪しげな陰謀経済史観。本書を一言で表現すれば、こうなる。
 筆者が本書で主張していることはこうである。1971年のアメリカによる金・ドル兌換停止(ニクソン
ショック)以来の経済政策は、金本位制復帰を狙った巧妙な戦略である……。
 筆者は自らのこの主張を立証するために、実に多くの情報を収集している。読者がその情報量
の多さに惑わされ、著者の珍説を信じ込んでしまったとしても無理はあるまい。
 ところが彼がやっていることは実際には、都合のよいデータを恣意的に並べているに過ぎないの
である。本書に載せられなかった、著者の主張を崩壊させてしまう幾万ものデータは、読者の目か
ら隠されている。そして、それらの都合のよい情報の羅列に基づき、「仮説的近未来予測法」なる
珍妙な技法で陰謀をでっち上げるというわけだ。
 本書を読み終えて気づくことは、世に氾濫するUFO本との類似である。機密でもなんでもないニ
ュースや事件を都合よく並べ解釈し、「UFOはやはり存在する」とわめきたてる手合いと同じだ。彼
らの手にかかると、国連での合衆国大統領の発言は「宇宙人存在宣言」になり、TMD構想は「対
宇宙人戦力の獲得計画」となってしまうのである。
 巻末の経歴によると、「1999年埼玉大学大学院経済科学研究科修士」とある。これだけだと修
士号を授与されたのか、それとも単に籍を置いているだけなのか不明だが(意図的に紛らわしい
書き方をしているのかもしれない)、1998年にノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・セン教授
について、「(受賞により)名前も知られていなかったが今や日本でも何冊もの著作が翻訳されて
いる」などとの認識しかないようでは、埼玉大学の修士のレベルについて疑問を抱かざるを得な
い。
 セン教授の著作は90年代にはすでに多数翻訳されており、厚生経済学の分野ではすでに一定
の地位を得ていた。現在出版されている書籍の多くは、そのころ翻訳されたものの改訂版に過ぎ
ない。学部生ならともかく、修士にもなってセンを知らないようでは、経済学徒の名に値しない。
 未だ、金というものに幻想を抱く人々は数多く存在する。特にバブル崩壊後は、数多くの「黄金
教」の信者達により書物が量産された。
 そうした多くの奇書の中でも、並べ立てられた情報量の多さにおいて、本書は特筆されるべき存
在である。
 さらに言えば、世迷言を大衆に信じ込ませるためにはどうすればよいのか学びたい方にも、貴重
な資料となることであろう。

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