危うい国債30兆円枠 <同時テロ・危機と日本>(朝日新聞)

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 02 日 03:33:47:


塩川正十郎財務相 株を買ったら、だーんとボーナスをつける税制にしたらどうやろか。

小泉純一郎首相 それはすばらしいな。

9月28日。閣議の後、2人は株価浮揚策を話し合った。来年中に株式を買って一定期間保有すると、売却益への課税を見送るという内容だ。財務省は「禁じ手」と渋る。だが、塩川氏は「このチャンスは逃したらあきまへん」と前向きだ。

同時テロ以降、東証平均株価はなかなか1万円を回復しない。米国が矢継ぎ早に株価対策を打ち出したのとは対照的に、政府・与党の対応は遅い。株価浮上の糸口はいまなおつかめていない。

●揺れた官邸

株式市場の試練は、テロ直後から始まった。

「市場を開けたら暴落の恐れがある」

11日深夜、首相官邸の危機管理センターでの論議は揺れた。翌日の東証を閉じるべきかどうか。欧州市場は急落していた。東京でも投資家のろうばい売りに拍車がかかり、下落に歯止めがきかない可能性があった。
それは政権基盤を揺るがす。

金融庁、財務省は「閉場して投資家の売買機会を奪えば、信頼が失墜する」(柳沢伯夫金融担当相)と主張した。

戦後、突発事件で東証を閉じたのは昭和天皇が亡くなった日だけ。湾岸戦争でも開き続けた。金融当局の意向は、黒田東彦財務官から小泉首相や福田康夫官房長官に伝えられた。

福田氏らの反応は「柳沢大臣の判断を尊重する」。株式の値幅制限を従来の半分に縮小するなどの安全網が用意されることを確認し、官邸がゴーサインを出したのは12日早朝だった。

ふだんより30分遅れで始まった取引は、あっけなかった。取引開始後数分で17年ぶりに株価が1万円割れしたが、下落率は6%台にとどまった。

●円決済にも不安

 「邦銀のドル決済ができるかどうかが問題です。円決済への影響も懸念されます」。テロ事件直後の11日深夜、金融機関を監視する日銀の小林英三考査局長が速水優総裁の自宅にかけた電話の声は緊張していた。

金融機関は低コストで資金を調達するため、市場との間で目まぐるしく資金をやり取りする。1行が支払い不能に陥ると、24時間取引の世界市場にドミノ倒しで広がる。テロでドル決済が集中するニューヨークの金融機能がマヒしていた。「悪夢のシナリオ」が、日銀に突きつけられた。

「取引先からの入金は、めどがつくのか」。日銀は夜を徹して邦銀から資金繰りの情報収集をした。12日早朝には、2兆円を市場に緊急供給する方針を政府に伝えた。

金融市場にも大きな混乱はなかった。

 18日の金融政策決定会合で日銀は、前倒しで金融緩和の実施も決めた。取引を中止していたニューヨーク株式市場が前夜に動き出し、米欧の中央銀行も緊急利下げしたのが決め手だった。

資金供給の目安としている日銀当座預金残高を「6兆円程度」から「6兆円を上回る」に変えた。「決済不全」の恐怖に震える市場に、日銀が機敏に、潤沢な資金を注ぐことを明確に打ち出したものだった。

●危うい30兆円枠

「出たとこ勝負だったが、最悪の事態だけは避けられた」。首相側近たちはこう振り返る。

だが、株価の低迷は続く。米国の軍事行動が本格化すれば、資金面での協力を迫られる場面も出てくるだろう。改革の象徴「国債発行30兆円枠」も風前のともしびだ。自民党三役の一人は言う。「これで小泉政権の死角だった経済問題の責任をすべてテロに転嫁できる。首相は運がいいのかもしれない」

 ただ、経済の有事対応は緊急策から中長期策に移りつつある。その時、日本の経済が耐えていけるのか−−。シナリオは描けていない。

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