日本債券(終了):もみ合い、5年入札見極め−下期の需要期待(2)(ブルームバーグ)

 ★阿修羅♪

[ フォローアップ ] [ ★阿修羅♪ ] [ ★阿修羅♪ 国家破産2 ]

投稿者 sanetomi 日時 2001 年 10 月 04 日 18:52:46:

東京 10月4日(ブルームバーグ):4日の債券相場はもみ合い。あす行われる5年債の入札を前に、先物市場では証券ディーラーなどのヘッジ売りがやや優勢となった。しかし、2001年度下期入りを受けて投資家の待機資金の一部が債券市場に流入するとの期待が、引き続き相場の支えとなっていた。

富士銀行資金証券営業部の池村幸雄次長は、ここ数日の動きをみる限り債券市場ではほんの一部の投資家しか動いていないと指摘。「下期の収益を求めなければいけないだけに、本当は残高を積んでいきたいところだが、8月以降の投資行動をみると10年債の1.4%台や5年債の0.5%台でないとなかなか思いきった買いには出てこれないようだ」と話していた。

先物中心限月の12月物は前日比2銭高の139円93銭で始まり、午前は139 円90銭台前半での推移が続いた。午後に入ると139円80銭台での取引がしばらく続いたが、2時半すぎ以降はやや売りが優勢の展開となり、引け間際の2時 57分にはこの日の安値となる139円72銭を付けた。

市場では、2週間ぶりの高値圏に対する警戒感が強まったとみられるが、この日の午前の相場は落ち着いた展開だった。UFJキャピタルマーケッツ証券の道家映二シニアストラテジストは、期初からの動きで投資家の押し目買い需要の強さは確認できたとしながらも、「現物市場では来週にかけて入札を控えた5年国債や20年国債に対して、それぞれ0.4%、2%というクーポン水準が警戒されている。週末のG7(7カ国財務相・中央銀行総裁会議)も上値追いをちゅうちょさせる」とみている。

234回債は1.380%

現物10年物の234回10月債の利回りは、前日の終値1.385%より0.01ポイント低い1.375%での取引が続き、引けにかけては1.380%で推移した。

投資家が下期入りのタイミングで債券投資を拡大するとの期待は強く、この日も10年債の利回りが1.4%台に乗せてくれば新たな需要が見込まれていた。一方、「10年債の1.3%半ばや5年債の0.4%前半は売りが出る水準」(つばさ証券債券ディーリング部・酒井哲夫課長代理)とみられており、結果的に234回債利回りは1.4%近辺でこう着していた。

5年債相場は続落

5年物の15回債利回りは前日と同じ0.450%で始まり、午後には0.465%で上昇して取引された。15回債は今週に入って2日と3日の両日に0.435%を付けたが、5日の5年国債入札を控えてやや調整局面入りしている。

15回債利回りが0.465%まで上昇したことで、5日に入札される新発債の表面利率(クーポン)は前回と据え置きの0.5%となると期待されている。発行額は15回債と同額の1兆6000億円。

市場では、新発債の表面利率(クーポン)が前回と同じ0.5%に据え置かれれば、投資家の需要が集まるとの見方が一般的だ。「入札前に5年債の相場が調整するのは予想通りで、入札をこなしながら徐々に下値を固めていく展開だろう」(ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券・水野正明チーフストラテジスト)とみている。

実際、米同時テロの後遺症が世界同時不況につながるとの懸念から、市場では日本政府がいずれ財政支出を拡大させると懸念しているが、中間決算期末を越えたことで投資家の運用意欲は強まっているため、入札は無難に消化するとみられている。

緊急の危機対応を警戒

世界的な景気後退の懸念が高まるなか、6日には7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が予定されていることから、日本政府・日銀がどのような危機対応を打ち出してくるのか注目されている。

「米当局は同時多発テロ事件以降、緊急危機対応で金融・財政政策を柔軟かつ大胆に変更した。一方、日本では金融政策は期末対応にとどまり、財政政策では政治的意味しか持たない国債発行額30兆円枠にいまだに固執している」(大和証券SMBC・野村真司チーフストラテジスト)。こうした状況で、市場では財政支出拡大などへの懸念を徐々に強めつつあるようだ。

小泉純一郎首相は4日午前の衆院予算委員会で、米国の同時多発テロを受けた経済政策について、「安易な国債増発に頼らない姿勢は堅持する」と強調した。しかし、今後の展開次第で「万一、不測の混乱が安全保障面、経済面で出た場合には、不要な混乱を起こさせないような対策を大胆かつ柔軟に考えなければならない」と指摘した。

米国では金融・財政の両面で積極的な対応を行っている。米連邦準備制度理事会(FRB)は2日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.50ポイント引き下げ2.50%とすることを決めた。9月11日のテロ攻撃後、同17日の緊急利下げを含め、1ヵ月以内に1ポイントの利下げに踏み切った。

また、ブッシュ米大統領は3日、ニューヨークでの会見で、「(議会に)600 億ドルから750億ドル(約7.2兆−9兆円)」の追加支出を求める考えを示した。

田谷審議委員が講演

一方、日本銀行政策委員会の田谷禎三審議委員は4日午前、静岡市内のホテルで開催された金融経済懇談会で講演しており、先物市場では午後の取引開始時に一時的に売りが優勢となるきっかけとなったようだ。

市場では、「日銀としては現時点での追加緩和に消極的で、11、12日に開催する金融政策決定会合で政策変更を見送る可能性が大きい。もっとも、今後は実体経済が一段と悪化して、不良債権処理の進展に伴ってデフレ圧力が強まるおそれがある。日銀が、RCCへの資金供給やインフレ目標の導入に踏み切る可能性は依然として高い」(道家氏)とみている。

田谷氏は金融政策について、「さらに何ができるか検討することは重要」としながらも、むしろ「緩和効果発揮の条件整備を発揮すべきだ」と強調した。

また、今後の金融政策運営に関して、具体例を挙げながら見解を表明した。まず「もっと貨幣を発行せよ」との議論については、「金融政策というよりも財政政策」と指摘。インフレターゲティング採用については、「短期金利に下げ余地なく、日銀に実現手段がない」ことや、「望ましい変化率を特定することは難しい」ことなどを挙げ、否定的な見解を示した。

先物12月物は前日比10銭安の139円81銭(利回りは1.444%に上昇)。売買高は1兆2994億円。新発234回10月債の利回りは同0.005ポイント低い 1.380%(価格は100円17銭に上昇、複利利回りは1.381%)。日経平均株価は前日比281円25銭高の10205円48銭。為替相場は午後5時現在1ドル=120円 32銭で取引されている。

東京 赤間信行 Nobuyuki Akama HS


フォローアップ:



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。