二信金の破綻に表される信金業界の諸問題(23日・スタンダード&プアーズ)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 24 日 11:27:26:

スタンダード&プアーズは、本日、「信用金庫業界のリスク分析:業界の現状と今後の見通し」と題するリポートを発表した。この中で、最近、2つの信用金庫(信金)の破綻が発表されたことにより、これまで日本の中小・零細企業向け金融において大きな役割を担ってきた信用金庫業界が直面する弱い資産の質や低い収益性などの問題が浮き彫りにされたとの見解を示した。スタンダード&プアーズは、従来、信金は中小企業を対象とした事業基盤においては強みを発揮してきたが、日本の経済の低迷が特に財務力の弱い中小企業に打撃を与えると考えられることから、近い将来、さらなる信金の破綻がありうると考えている。
信金は、これまで、日本における中小・零細企業および地域住民向け金融の貸し手として、大きな役割を担ってきた。信金は、徹底した地元密着型の営業を行うことにより、営業圏内では堅固な顧客基盤を有してきた。
しかし、こうした信金の強みは、都市銀行や地方銀行からの脅威にさらされている。高齢化や若年層の信金離れが進むなか、信金は、地域に密着した顧客情報獲得のノウハウを維持しつつ、新しい販売ルートや商品を通じて新たな顧客を開拓する戦略を立て直さなければならない。
また、安定した収益性や強力な自己資本を特徴としてきた信金の財務力も、国内の長引く景気低迷と事業環境の変化により圧迫されている。今後は、負担増が予想される不良債権問題を解決し財務基盤を固めるとともに、いかにして多様化する顧客ニーズに対応し、顧客層を拡大してゆくかが、成否を分けるだろう。
破綻した2信金の規模は小さく、信金中央金庫(信金中金、格付け「AA−/安定的/A-1+」)の格付けに影響することはないが、これらの破綻は、水準自体は低いものの安定していた収益性、平均すると堅固な自己資本、一方で他業態に比べて低い資産の質などの、信金の財務実績に対する圧力を示している。
特に、財務力の弱い信金の中には、こうした課題に直面して破綻を余儀なくされるところが出てくる可能性がある。スタンダード&プアーズは、近い将来、数件の破綻とそれに伴う業界の再編が続くものと考えている。信金中金の格付けおよびアウトルックは、破綻に至る信金の規模が大きくなく、業界全体に対するマイナスの影響が限定的である限りは、信金の破綻を主因として変更されることはないだろう。
信用金庫は、1951年の信用金庫法の施行により誕生した、中小企業ならびに地域住民のための協同組織形態の地域金融機関である。2001年3月末現在、国内には、371の信用金庫が存在し、日本国内の総預金量の約1割に当たる104兆円の預金を有している。これは、業界単位で見ると、大手銀行業界、第一地方銀行業界に次いで3番目に大きい規模である。

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