ペイオフ再延期は“日本失墜”(Weeklyポスト・ドットコム)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 29 日 17:43:21:

1) 預金者売買は経営健全化か

テロリズムとの国境なき戦いが拡大していくと、世界は戦場化し、ひいては≪第三次世界大戦≫へと進む危険をはらんでいる。
そこに≪正義の側≫の自制と抑制が強く求められる。何よりも、世界が戦場化すれば、世界経済は大混乱に陥り、その中で日本が最も弱い環として、恐慌の扉をあけることになりかねない。それほど日本経済の疲弊は深く進行しているのだ。もはや目先の景気浮揚策や小手先の危機回避策など通用しない。政府が来年4月から実施されるペイオフの再延期を検討しているのがそのことを象徴的に物語っている。
現在、銀行が破綻した場合、一時的に銀行取引が停止することはあっても、政府(預金保険機構)が預金を全額保護しており、最終的には預金者に戻ってくる。それが、ペイオフが実施されると、保護されるのは1000万円までで、それを超える預金は破綻した銀行の損失として処理され、いわば“没収”される。
それがペイオフということで、本当は今年4月から実施される予定だったが、金融危機対策として1年間延期された。柳沢伯夫金融相は「再延期はしない」と説明してきたが、その後、一段と深刻化する金融危機にそうはいっていられなくなってきた。
まず何をさておいても≪ペイオフ危機の回避≫こそ最優先でやる必要に迫られている。
だが、再延期すれば従来通り預金は全額保護され、国民は万々歳かというと、決してそうではない。ペイオフ実施はすでに日本政府の国際公約となっており、またも先送りすれば政府が銀行危機を認めることになる。エコノミストの間では、国際金融市場で日本の信用は失墜し、国債の格付けは引き下げられ、株価暴落につながると危険視されている。
実際、日本経済は、いまや、“進むも地獄、退くも地獄”の緊急事態なのだ。
そればかりではない。追いつめられた大手銀行は預金者を守るどころか、預金を他の銀行に売り渡すというまさになりふりかまわぬ経営健全化計画を進めているのだ。
アメリカで同時多発テロが発生した直後、日本の有力都市銀行のニューヨーク支店の邦人預金者たちに突然、通知書が送られた。預金口座を解約し、米銀に取引を移してほしいという内容だった。
その銀行はすでに顧客への説明会を開き、ほとんどの客から提携先の米銀に口座を移す同意をとりつけた。テロ事件を口実に、預金者を米銀に売り渡したわけである。
こうした預金者の売り渡し行為は邦銀が海外部門を縮小し始めた数年前から進められ、テロ事件をきっかけに本格化した。海外ばかりか日本国内でも預金者の売り買いにつながる≪預金者切り捨て≫が始まっている――。

(2) 預金保険料さえ負担とは!

かつて銀行は預金者を神様扱いしては預金拡大に血眼になり、預金高ランキングはそのまま銀行のステータスシンボルとされた。
それが、いまや、大手銀行はあろうことか≪預金排除≫の方針へと転換している。
ある上場企業の財務担当役員が資金繰りで数億円の余裕資金が出たことから、メーンバンクの都銀に預金を申し込んだ。その時の都銀支店長の対応は信じ難いものだった。財務担当役員が語る。
「こちらは預金したいといっているのに、支店長はのらりくらりと話を変え、『預金ではなく社債を買ったらどうでしょう。短期の社債ならいつでも換金できるし、金利も高い』としつこく勧める。当社は今後の事業計画が流動的だったので、あくまで自由がきく預金の方がいいというと、支店長は本当に困った顔をした」
 財務担当役員が支店長に、「本当のことをいってくれたら社債を買ってもいい」と水を向けると、支店長は事情をこう説明した。
「預金してもらっても運用先がない。今、融資を申し込んでくる企業は経営不振で、融資すれば不良債権に計上しなければならない。だから、大口預金が持ち込まれた場合、社債を勧めるというのが当行の方針です」
かくして、かつての神様=預金者は“疫病神”になった。
政府はこれまで主要銀行に7兆5000億円の税金を投じて経営を支援したのをはじめ、破綻した銀行の損失穴埋めを含めると数十兆円が使われている。にもかかわらず、“貸し出し先がないから預金もいらない”というなら、銀行はもはや無用の長物どころか、日本経済を悪くした元凶というほかない。
支店長はなおもうそぶく。
「表立ってはいえませんが、今は預金は1円もいらない。融資先がないのも本当です。無理に貸せば、貸した時点ですでに不良債権なんてことにもなりかねない。預金を集めれば預金保険料を払わなければならないから、かえって損をしてしまいます」――。
預金保険料とは、銀行が破綻した場合に預金を保護してもらうために政府(預金保険機構)に払う文字通り預金の掛け金だ。住専破綻が表面化した96年から従来の7倍に引き上げられ、料率は現在0・084%、10万円の預金につき84円である。
その保険料さえ負担になっているということなのだ。
相次ぐ銀行破綻の処理には保険料では足りずに、巨額の税金が使われているのだから、結局は国民が損失を穴埋めしている。それでも、ペイオフが再延期されると銀行が破綻した時の払い戻し金額が増えるために、保険料がさらに値上げされる可能性がある。
預金者保護に金を使うくらいなら、いっそ預金を受けつけない方がいいという無責任この上ない論理である。

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