公的雇用事業に非失業者を多数雇用 本社調査(朝日新聞)

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 04 日 08:28:33:



 急増する失業者に、自治体が国からの交付金で働く場を提供する「公的雇用」。この拡充を目玉にした雇用対策を盛り込んだ補正予算案と関連法案が9日、国会に提出される。公的雇用事業は99年度から実施されており、その運用状況を朝日新聞社が調べたところ、失業者でない人が多数雇われていることがわかった。3分の2を非失業者が占める自治体もあり、失業者への緊急救済策というより、財源不足の自治体が交付金を通常の事業に利用した側面もありそうだ。

 公的雇用事業は国の「緊急地域雇用特別交付金」を使って行われる。47都道府県と12政令指定都市に問い合わせたところ、交付金事業で雇った人について、失業者と非失業者の人数をそれぞれ把握し回答したのは16自治体だけだった。ほかの43自治体は、事業で非失業者を何人雇ったか正確に把握していなかった。

 非失業者の人数を把握していた16自治体のうち、非失業者の割合が最も大きかったのは広島市の66%、最も小さいのは北九州市の8%だった。平均は29%。3自治体で40%を超えていた。この交付金制度には、事業で雇う失業者の割合などの定めはなく、非失業者をたくさん雇っても罰則などはない。

 広島市では、00年度までに1181人を雇用。うち782人が、事業を委託された会社の社員など非失業者だった。例えば、市立学校へパソコン習熟者を派遣する「情報アドバイザー派遣事業」では、187人のうち非失業者が63%の118人を占めた。事業の一部を受託した人材派遣会社の場合、派遣した41人のうち28人が以前から雇用している社員だった。

 現場の学校から、「午前中だけ」「放課後だけ」といった要請が多く、ハローワークなどで募集しても失業者が集まらなかったという。

 同市勤労市民課によると、事業の要件を「新規雇用者が最低1人以上」などと定めたが、事業を選ぶ際には「公共事業としての緊急性や必要性を優先させた」という。

 非失業者の割合が2番目に高かったのは島根県の51%。同県は、1人が1日働いた場合を「1人日」と計算して回答したが、「松くい虫枯損木除去対策事業」では約1万6000人日の85%が非失業者だった。一部を受託した江津市森林組合の場合、約50人が事業に携わったが、新規雇用は事務職の1人だけで、残りは元からいる組合員だった。

 同組合は「枯れ木の伐採は、素人では無理。不況で仕事がとぎれがちだったので助かった」。また県林業振興課は「県内の森林組合には失業状態の組合員が少なくない。組合員を継続雇用しても交付金の趣旨に合う」と説明する。

 交付金で非失業者が多数雇われている事例があることを踏まえ、厚生労働省も、今回の補正予算案に盛り込まれる3500億円については、失業者の新規雇用の割合を4分の3以上とするなどの条件を課すことにしている。ただ、この条件を満たす事業となると、草刈りや簡単な調査のような単純作業が多くなると見られ、事業選びに自治体が苦慮することが予想される。

 ◇緊急地域雇用特別交付金◇

 99年度補正予算で、01年度までの臨時措置として新設。都道府県向けに計2000億円の基金を設置して各自治体に割り振り、自治体が事業を選定する。本格的な就職までのつなぎとの趣旨から、雇用期間は6カ月間未満。厚労省によると、00年度までの実績は事業費約1340億円、雇用された失業者は約21万6000人。

 今年度補正予算案では新たに3500億円の交付金を設ける予定で、04年度までに50万人強の雇用創出効果を見込む。




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