「取り付け騒ぎを恐れるなら」/オープニングコメント[FISCO] 2001/11/06 09:10:14

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 06 日 09:33:12:

米国市場が、FOMC(米連邦公開市場委員会)での50ベーシスの利下げ期待と引け後のシスコ・システムズの決算に対する期待から、NYダウ、ナスダック総合指数ともに上昇。シカゴ先物は、10610円大阪比160円高で取引を終了。相変わらず、米株写真相場よろしく、ハイテク中心に強い動きとなりそうだ。
一方、わが国では、自民党内でペイオフ解禁再延期論が強まっているようだ。亀井前政調会長に続き、麻生政調会長も「日本銀行は前回延期した時よりも(経営の)内容が良くなっているのか。(解禁して)取り付け騒ぎとなるのが一番怖い」と述べ、解禁に慎重姿勢を示したようだ。まあ、森金融庁長官は、「ペイオフ凍結はは先進国でわが国だけの臨時異例措置であり、来年3月末には終了させたい。」と述べており、「予定通り」とアナウンスした。
その当事者の銀行は、日銀がマネーをジャブジャブに供給してくれることをいいことに、国内融資に資金を回さず、米国債投資にご執心のようだ。10月の外債投資は、国内金融機関の買い越し額合計は4兆8千億円と昨年1年間の買い越し額合計の5兆3千億円に匹敵する。ご丁寧に、為替予約していることで、為替市場では円安にならず、わが国のデフレ圧力緩和にもあまり役に立たない資金流出となっている。為替のヘッジコストをかけて、利払い分の為替リスクだけを被りつつ、値上がり期待を持ちたいとの気持ちは分からないでもないが・・・。
市場が期待する本来の姿は、銀行が不良債権を抜本的に処理して、資金を国内の成長分野に振り向け、金融の仲介機能をきっちり果たすことだ。それが、日銀の緩和策を逆手に、日本国債を買い込み、さらに、米国債を買うのなら、金融市場にお金を溢れさせても、一向に市中にカネは回らない。銀行は、融資業務を半ば放棄した債券投資会社でしかない。そこに公共的な存在意義はあるとは言えないだろう。
ただし、これも長くは続かないだろう。既に塩漬けとなってい見合いの貸付金は、わが国マクロ景気の悪化とともに質が劣化し、更に、保有の持ち合い株式の劣化もどんどん進むからだ。ペイオフ解禁は、銀行の構造改革を促す当然の政策だ。いつまでも、預金者が本来得られるべき利子所得を銀行に移転させ生命維持装置をつけ続け、カネを渡しても債券しかかわない金融機関を生き長らえさせる必要はもはやあるまい。取り付け騒ぎを恐れなら、解禁前の今しか手術のチャンスはなかろう。

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