舛添氏は空回り気味、速水総裁は声を震わす一幕も-初の直接対決 東京 11月14日(ブルームバーグ)

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投稿者 sanetomi 日時 2001 年 11 月 14 日 22:40:40:

 「今までのやり方に対して改正がなされ たわけなので、当面はその状況を見守っていきたいと思っている」(小泉純一郎 首相)――。過激な日本銀行批判を展開し、参院比例選挙区で
トップ当選を果 たした舛添要一参院議員と宿敵・速水優総裁との直接対決が14日午後の参院予算委員会で実現した。しかし、持論の日銀法改正で、小泉首相の言質(げんち) を得ることもできず、初戦の軍配は、どう
やら速水総裁に上がったようだ。

舛添氏はまず、デフレスパイラルに陥る危険性について質問。これに対し、 速水総裁は「今は物価の下落傾向
が続いている。今後、需要の弱さに起因する 低下圧力がさらに強まる可能性を心配している」と指摘した。

そのうえで「こうした動きを踏まえると、日本経済が物価下落と景気後退 の悪循環というふうになる可能性が
あり、これをデフレスパイラルと呼んでい るが、極めて注意深く、詳しく情勢を点検していく局面にあると判断し
ている」 と述べた。

デフレスパイラルに陥る可能性に言及した部分は、これまでよりやや踏み 込んだ発言で、緊張感からか、速
水総裁はややフライング気味の答弁。舛添氏は そのスキを逃さず、「日銀の存在理由は何か」とさっそく直球
勝負を挑んできた。

    「今の物価は安定しているのか」

速水総裁は「日銀法は3年半前に、60年ぶりに改正されたが、その第1条 に『日銀はわが国の中央銀行とし
て、銀行券を発行するとともに、通貨及び金 融の調整を行うことを目的とする』となっている。通貨の安定とい
うことが、 私たちの責任だと思っている」と模範的な答弁。

舛添氏は「しかし、第2条に『物価の安定を通じて国民経済の健全な発展 に資することをその理念とする』と
なっている」と追い討ち。防戦気味の速水 総裁は「2条の『物価の安定を図ることを通じて』ということを強調し
ていき たい。それで経済全体が健全な発展をしていけば私たちの責任は果たされる」と 述べた。

「それでは今の状況は物価が安定しているのか」と追及の手を緩めない舛添 氏。速水総裁は「消費者物価は
前年比1%前後下がっている。原因が何なのか、 なかなか難しいが、需要が弱いことは確かにある。一方で、
技術革新や流通革命 で輸入品がどんどん入ってきて、かつて問題視されていた内外価格差が狭くな ってきて
いることも事実。その辺をよく見分けることが大事だ」と持論を展開し、 舛添氏の追及をかわした。

       かみ合わないやり取り

かみ合わないやり取りにこの辺からイライラし始めた舛添氏。「私の質問に 答えてないので、別の角度から質
問するが、物価の安定は何%か」と矛先を変 更した。

対照的にのらりくらりとしたいつものペースを取り戻した速水総裁は「物 価の安定というのは、物価が上がりも
しないし、下がりもしないということだ。 何%か、何とも申しかねる。上にも下にも安定するというのが、私たちの
課題だ」 と、人を食ったような答え。

業を煮やした舛添氏は「そういう答えだったら小学生でもできる。やはり 数値ではっきり示すことが必要だ。われ
われは物価安定目標として、2、3年以 内に1、2%の目標を決めると主張している。政策を決めるときは目
標を掲げ るべきで、これについてどう考えるか」と持論のインフレターゲットに言及し た。

速水総裁は「物価が多少上がったり下がったりするのは、経済は生き物と 同じなので当然だし、安定というの
は、そのこと自体が目標だ。特に今のデフ レの状況で、インフレの目標を作ることは極めて適当でないし、難
しいと思う」 と述べ、舛添氏の要求を断固とした口調で退けた。

       「間違ったとは思っていない」

形成が逆転しつつあるのに焦り始めたのか、舛添氏はここで話題を転換。 昨年8月のゼロ金利政策の解除に
ついて「失敗ではなかったか」と批判した。速 水総裁は99年から2000年にかけての経済情勢と、その後の情勢
の急変、さら に今年に入ってからの金融緩和措置について、いつもの説明を繰り返したうえ で、次のように述
べた。

「このように日銀は情勢の変化に対応して、機動的、弾力的に政策対応を 行ってきたつもりだ。日銀としては、
今後とも物価の継続的な下落を防止すると ともに、日本経済の安定的かつ持続的成長の基盤を整備するた
めに中央銀行と してなし得る最大限の努力をしていきたい」――。

総裁はさらに「金融政策というものは、経済・物価情勢を注意深く点検し ながら、その時々に応じて最も適切な
対応を機動的、弾力的に行うものだ。そう いう意味で、わたしたちの金融政策――ゼロ金利を解除し、そして、
新しい当 座預金ターゲットを作ったこと――は、適宜適切に対応してやってきた政策だ 信じている。間違ったと
は思っていない」と、声を震わせながら強調した。

        「町工場のおやじの方がまし」

舛添氏は「私は意見だけ述べるが、昨年のゼロ金利政策の解除は世紀の大 失策だと考えている」と言いつつ
も、速水総裁の迫力に押され気味。「8月の段 階で、量的緩和を強化した後、総裁は『これ以上の量的緩和は
意味がない』と 述べたと記憶しているが、9月のテロ事件の後、日銀は(当座預金残高を)12 兆5000億円まで
増やした。効果があるからやったのではないか」と、市場のプ ロが聞けば耳を疑うような珍質問を繰り出した。

速水総裁は「それは状況に応じて政策を変えるのは当たり前だ。テロ事件が 起こることは誰も予想していなか
ったことで、世界的に影響を与える事件だっ た。流動性を十分に出すことと、為替を安定させることを(各国
と)話し合い、 一斉にやったことだ。予想もしなかった潤沢な資金供給が行われたことは何ら おかしいことでは
ない」と突き放した。

舛添氏は形成不利とみたか、自身がかかわる日銀法改正案に話題を再転換。 9人で構成される日銀の政策
委員会について「総裁と2人の副総裁が同じ投票 行動を取るのなら、日銀から3人出る必要はない。むしろ、
副総裁2人分に町工 場のオヤジでも入れたほうが、国民の意見が反映される」と、半ばやけっぱち な発言。舛
添氏VS速水総裁の初戦は肩に力の入りすぎた舛添氏の空振りに終 わったようだ。

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