「金融再生最前線」〜再編第2幕はあさひ銀行の行く末から動き出す・下[PAXNet] 2001/11/22 09:37:00

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 11 月 22 日 10:36:10:

あさひ銀行<8322>が他との結婚相手に振られたり、煮え切らない態度を取られた末、梁瀬新頭取が決意したのは、大和銀行<8319>が来年4月に設立する金融持ち株会社との経営統合だ。あさひをそこまで追い詰めたのは、言うまでも無く金融庁である。これは、まさに過去の護送船団方式が復活した事を意味する。あさひ銀行は、大和銀行との話の直前、7月に入り、金融持ち株会社を設立しようと目論む。持ち株会社の元、地域銀行への分割や親密信託の取り込みを図るものだった。
この手法を活用して持ち株会社制へ移行すれば、法定準備金を大きく取り崩す事が出来るようになり、配当原資を確保しようとした。実質的には国有化を回避したいすることになるからだ。しかし、これも金融庁は拒絶。この時金融庁は、今後の金融再編を勢い付かせるためにも、大和銀行グループと統合させるという方針に腹が決っていたという。だがその後、中央三井信託銀行<8408>が、あさひ銀行が画策した同様の持ち株会社構想で国有化を回避している。それも金融庁のお墨付きで、である。これにはあさひ銀行首脳も唇をかみ締めたのではないか。

●事実上の大和によるあさひ買収、再分割?

ところがあさひ銀行の一部の人間にとっては、これが念願の第1歩にもなったはずだ。大手銀行とは言っても、埼玉県の公金が支えのあさひ銀行にあって、旧埼玉銀行が経営の主導権を握るはずなのだが、最近の行内は旧協和銀行勢が経営の中枢を抑え逆転現象が起きていた。そのねじれを解消するため、梁瀬新頭取は、旧埼玉銀行系のエリートとして銀行の再分割を内々に主導してきた。それに、ペイオフを前に、格付けが低いままでは、命綱の埼玉県の公金が逃げて行く事態が確実視されていたのだから。
大和ホールディングの下、埼玉銀行と首都圏銀行とに分割されれば、あさひ銀行はいつか来た道を引き返す事になろう。ここで浮び上がってくるのが、事実上の大和銀行による「あさひ銀行」の買収、そして分割という筋書きである。大和銀行という大手行中、下位レベル行に吸収される位なら、何故、UFJ<8307>グループを離脱したのか。あさひ銀行の株価が売り浴びせられるのは、事実上、1つの時代と役割双方の終焉(えん)を意味しているともいえる。

●株価100円程度の銀行同士が合併しても・・・

あさひ銀行のデューデリジェンス(資産の適正評価手続き)を終えた大和銀行のスタッフは、驚きを隠せなかったという。自分の所を棚に上げての議論に聞こえるが、その驚きはあさひ銀行の資産査定の甘さにある。今回、100円割れまで株価が急落した要因に、あさひ銀行がメインバンクのゼネコンの経営不安説がある。11月27日、決算発表の翌日から金融庁の特別検査が始まる。このゼネコン、債権放棄を受け再建計画を進めているが、実質債務超過であるという見方が絶えないだけに、特別検査では厳しく査定区分の見直しを求められるという。
このため、あさひ銀行が検査を見越して、このゼネコンの処理に手をつけるという見方が広がり、実際に破綻した場合あさひ銀行の経営に甚大な影響が出るという見方から売り浴びせられた。しかし、あさひ銀行の火種は実はこれだけではない。大手マンション業者、中堅ゼネコン、大手リース会社など枚挙にいとまが無い。大和銀行との経営統合が株式交換方式で行われる事を考えても、株価を上げなければならない。経営の主導権を少しでも握ろうと考えれば、できるだけ大胆に不良債権など経営の不安定要因を取り除き、それを市場に株価の上昇という形で評価してもらう必要がある。そうであればなおの事、市場が求める不良債権処理の具体的な証、企業の淘汰(とうた)・再編に率先して手を下す必要がある。
市場には「株価100円程度の銀行同士が合併しても、結局は100円の大手銀行が出来るだけ」という冷めた見方しか無い。仮に中途半端に事を収めようとすれば市場からの退場を突きつけられ、統合を前に不良企業とともに沈みかねない危険が常について回る事になる。

●始まる大手金融再々編

あさひ銀行が、大和銀行グループとの経営統合を決め、これで金融再編が終ったと思うのは早計だ。あさひと大和の結婚話も金融庁の意向が強く働いているからこそ、磐石にみえるが、経済環境の激変の今、実はいつ壊れるか分からないといった危険性もはらんでいる。そうした破談を虎視眈々(たんたん)と狙う外資系と大手銀行も存在している。金融再編の第1幕が閉じようとしている時、それと重なり合いながら、大手銀行の再々編の波音が聞こえ始めている。あさひ銀行はどこに向かって泳ぐのか―。再々編の大波に飲まれていくシナリオが徐々にではあるが、現実のものになってきている。
(東山 恵)
 
・「金融再生最前線」〜再編第2幕はあさひ銀行の行く末から動き出す・上
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200111/15/20011115092018_47.shtml
・「金融再生最前線」〜露呈した三井住友のアキレス腱、どうなる最終判断・上
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200110/25/20011025122517_40.shtml
・「金融再生最前線」〜露呈した三井住友のアキレス腱、どうなる最終判断・下
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200111/01/20011101111012_87.shtml
・「金融再生最前線」〜すでにソフトバンクは「過去の話」?
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200111/08/20011108102004_45.shtml
・銀行株急落は事業法人の見切り売り〜持ち合い解消活発に
http://www.paxnet.co.jp/news/datacenter/200111/13/20011113114002_85.shtml
・あさひ銀行
http://www.asahibank.co.jp/
・大和銀行
http://www.daiwabank.co.jp/

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