投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 12 月 03 日 13:48:24:
【ニューヨーク２日＝共同】
米エネルギー大手エンロンは二日、ニューヨークの連邦破産裁判所に米連邦破産法一一条（日本の会社更生法に相当）に基づく会社更生手続きの適用を申請したと発表した。
エンロンは昨年の売上高が全米七位の巨大企業。今年六月末現在の資産総額は約六百二十八億ドル（約七兆七千億円）に達し、一九八七年に同条の適用を申請した石油大手旧テキサコを抜いて米史上最大規模の経営破たんとなる。
全米の電力、天然ガス取引の二割以上を仲介していた最有力企業だっただけに、破たんの影響が各方面に波及する恐れがあり、景気後退（リセッション）期入りした米国経済に新たな打撃を与えそうだ。
エンロンは青森、山口、愛媛、福岡の日本国内四カ所で発電所建設などの事業を進めていたが、これらの計画はとん挫する公算が大きい。
電力やガスのオンライン取引で急成長したエンロンは、簿外取引による巨額の損失が発覚したのをきっかけに信用力が急低下。同業大手の米ダイネジーによる買収計画が白紙撤回されたことが破たんの引き金になった。
エンロンは会社更生の申請とは別に、違法に買収交渉を打ち切ったとしてダイネジーに最低百億ドルの損害賠償を求める訴訟を起こした。
エンロンは負債総額を十一月中旬時点で約百七十億ドルとしているが、デリバティブ（金融派生商品）取引などに伴う簿外債務を含めると四百億ドルを超えるとの見方もある。
米財務省など関係当局は、エンロンの破たんが金融やエネルギー市場に与える影響を注視する姿勢を示しているほか、米議会などには、破たんの真相究明や監査法人の責任追及の動きも出ている。
■市場に見放されたエンロン〜自由化の旗手、急転落
【ニューヨーク２日＝共同】
エネルギー自由化の旗手として急成長してきた米エネルギー大手のエンロンが破たんした。
エンロンは昨年、コンピューター最大手ＩＢＭをしのぎ、銀行持ち株会社シティグループに匹敵する売上高を記録した巨大企業。
しかし、今年十月以降、不明朗会計や簿外債務が相次いで明らかになり、金融市場と取引先から「ノー」を突きつけられ、短期間に一気に転落。自由化の旗手が市場に淘汰（とうた）される皮肉な結果となった。
エンロンは、エネルギー自由化の波に乗って急成長。ブロードバンド事業など通信分野へも手を広げたほか、日本を含め世界各地に進出した。
今年七−九月期こそ赤字になったが、インターネットを利用して天然ガスや電力の売買を行う「エンロンオンライン」で業績は伸びていた。
しかし、十月下旬、前最高財務責任者（ＣＦＯ）が絡んだ不明朗な取引が明らかになったほか、簿外に多額の債務を抱えていることが発覚し、市場の信用は失墜。簿外債務はさらに膨らむとの見方もあり、エンロンとの取引を停止する会社が多数出始めた。
破たんを避けるため模索した同業大手ダイネジーによる買収計画も不透明な経営内容が原因で破談。米格付け会社はエンロンの長期社債を投機的な「ジャンク債」に格下げした。
ニューヨーク株式市場ではダイネジーによる買収計画が破談に終わった後、エンロン株が暴落、昨年九○ドルだった株価は一ドルを割り込み、エンロンは投資家からも見放された。
■エンロンとは
エンロン １９８５年、天然ガスパイプライン会社同士が合併して誕生。本社はテキサス州ヒューストン。ブッシュ米大統領がテキサス州知事時代、最大の後援企業だった。
事業範囲はパイプライン、発電、電力・天然ガスなどのエネルギー商品の取引、水道事業、通信分野など幅広い。エネルギー商品取引では、インターネットを使った大規模な取引所「エンロンオンライン」を開設して業界の注目を集めた。
半面、前最高財務責任者（ＣＦＯ）がリスク軽減のための取引を簿外で行って損失を出すなど、不明朗な経営手法が浮上していた。（ニューヨーク共同）
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。