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熾烈を極めたM&A(買収合戦)。結果は金価格に好材料。◆SUMITOMO GOLD NEWS

投稿者 DC 日時 2002 年 1 月 23 日 08:51:06:

(回答先: 非鉄株がしっかり=ペイオフ控え金販売量の増加で―東証(yahoo 株式ニュース) 投稿者 sanetomi 日時 2002 年 1 月 22 日 21:47:10)

Subject: SUMITOMO GOLD NEWS 2002/01/21
Date: Mon, 21 Jan 2002 12:39:03 +0900


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◆SUMITOMO GOLD NEWS http://www.sumitomo-gold.com/
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熾烈を極めたM&A(買収合戦)。結果は金価格に好材料。(☆☆)

このところの金市場の大きな関心事だった大型M&A(企業の買収・合併)案件に決
着がついた。

結論から言うと、北米最大の金鉱山会社であるニューモント・マイニングがオース
トラリア最大の金鉱山会社ノルマンディー・マイニングをその傘下に入れることが
ほぼ確定的となった。1月18日のことである。

最初に「決着がついた」と表現したのは、この買収劇が始まったのが昨年9月のこと
で、大勢が決するまで時間がかかったこともあるが、それよりむしろその経過が泥
沼化の様相を帯びていたからである。

話の発端は、世界最大の金鉱山会社であるアングロ・ゴールド(南ア)が、ノルマン
ディー・マイニングに触手を伸ばし、買収提案をしたことにある。2001年9月6日の
ことだった。受け入れ側(ノルマンディー)の姿勢により平和裏にことが進むか敵対
的なものに変わるかの違いはあれ、いずれにしてもアングロ社の強い意欲(株式交換
による買収で株価換算ノルマンディー社1株当時の時価1.1豪ドルに対し1.42豪ドル
をオファー)によりこの案件はそのまま進むかにみえた。

ところがそこにライバルが現われる。ニューモント・マイニングの参戦である。提
示したのは株価換算で1.7豪ドルだった。2001年11月15日のことである。

後はこうした事例の“お定まり”のコースを歩むこととなった。すなわち、両陣営
入り乱れてのノルマンディー社株主に対する説得工作や相手方の行為に対する非難
合戦や法的対抗措置、あるいは提示条件の引き揚げ合戦に突入していったのであ
る。そこに両社の提示条件とノルマンディー社の時価とを天秤に掛けて「鞘取り(株
価の差を利用した利益狙い“アービトラージ”と呼ばれる)」をもくろむ投資家集団
(アービトラージャー)まで参入し乱戦模様に拍車をかける結果となった。

ノルマンディー経営陣のニューモント傾斜傾向もありアングロ苦戦が伝えられるな
か両社の応酬がしばらく続いていたが、ニューモントが3度目の条件引き揚げ(最終
的には2.04豪ドル)を実施し、アングロが追随の姿勢を示さなかったことからやっと
決着の目が出たのが年明け3日のことだった。その後もアングロサイドの粘り強いノ
ルマンディー株主への説得工作が続いたが、1月14日にオーストラリア政府の関係部
署(海外投資審議委員会)がニューモントの買収につきお墨付き(認可)の方向を示し
たことから事態は大きく終結に向け進展し、18日にアングロ・ゴールドが引く形で決
着となった。

さて、ことの発端はアングロであるが、何ゆえノルマンディーを取り込むことにこ
れほど執着したのだろうか。

そこには南アフリカを基盤とする鉱山会社に共通する背景がある。ひとことで表す
と南ア鉱山の「鉱区の劣化」あるいは「コストの上昇」となる。世界最大の金産出
国南アは、すでに100年以上にわたり金を掘りつづけてきた。ピーク時の1970年に
は年間1000トンもの生産量を誇っていたが、その後は年々減少し2000年のデータで
は428トンと半分以下の水準に落ち込んでいる(それでも世界最大の生産国、2位は米
国で355トン)。長年の採鉱の結果今では地下4000メートルもの深さに達している鉱
区もあると報告されている。富士山の標高以上を逆に地下に潜ることになるので、
採鉱現場は地熱で通常では作業などできない。したがって温度を下げるための設備
が必要となる。地下水の問題もある(高温多湿の過酷な環境)。それ以上に厄介なの
は、地圧の問題である。落盤事故を起こさないよう最新の技術と細心の配慮のもと
作業は進められている。これらは言うまでもなくすべて採掘コストとして跳ね返
る。したがって従来より南ア鉱山の採算分岐点を意味する「産金コスト」は他地域
にくらべ突出して高かった。90年代後半に至るまで1オンス(約31.1グラム)あたり
平均340ドル程度とされていた。ここ数年で平均250ドル程度まで下がってきている
のは、合理化(人員削減と不採算鉱区の閉鎖)もさることながら「通貨ランド」の対ド
ルレート大幅下落によりドル建てで示されるコストの絶対値が大きく下がったのが
実態である。

こうした状況の南ア鉱山会社からすると、露天掘りに代表されるように鉱床が浅い
オーストラリアの鉱山は魅力に映る。また南ア以外に資産を保有することは、企業
戦略上ファイナンス(資金調達)などの上で重要な意味を持つのである。元より国際
金融市場の中では、南アは政治的な部分を中心にカントリーリスクの高い国とされ
ている。そこに資産が集中している状況は、投資マネーを呼び込もうにも自ずと限
界があるだろう。それが世界有数の鉱山会社をして外に目を向けさせているのであ
る。時価総額の上昇が期待できることも株式交換が主流となっているM&Aをさら

進める上でも有利に働くという点もある。これはニューモントサイドの動機の大き
な部分を占めていた点でもあると思われる。

さてニューモント・マイニングの傘下に入るノルマンディーであるが、従来よりヘ
ッジ売り(将来生産予定分の先売り)で有名な鉱山会社でもあった。ところがニュー
モントはヘッジをしないことで知られている会社である。つまり今後、ノルマンデ
ィーが先売りしているポジション(契約)は解消(買戻し)される可能性が非常に高
く、金市場の需給上プラスに働く要因となる。量的には約240トン程度あるとされて
いるが、早くも今週1月16日に約40トン程買戻されたとの報道もあり市場への影響が
出始めている。今後、こうした海外鉱山の再編に関連する動きが金価格に影響を与
える機会が増えそうだ。過去10年がもっぱら「ヘッジ売り」という供給サイドの材
料が中心だったので、買戻しという要素が加わったことは金にとって明るい材料と
なる。(1月19日記)

金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎

※本レポートは執筆者の個人的な見解を述べたものであり、
 実際の投資にあたってはお客様ご自身にてリスクをご判断ください。

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