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現代史が証明する「小泉純一郎の敗退」 立花隆 (月刊現代 2002年3月号)

投稿者 sanetomi 日時 2002 年 2 月 05 日 18:57:27:

(最終段落のみ抜粋。買って読むように)


 最悪の事態

 私は実は、日本の経済改革は、もっともっと事態が悪化しない限り、本当には進まないと思っている。どの程度
の悪化かといえば、第一の敗戦直後とまではいかなくても、それに近い事態の発生である。
 ここまで経済の事態が悪化したら、もう尋常の手段を多少積み重ねてみたところで、改善されることはほとんど
期待できない。相当に過激な手段が必要なのだ -----終戦直後のハイパーインフレ時の預金封鎖とか、新円
切り換えのような(方向性はちがうが、同じくらい過激な)。あるいはいってみれば最近アルゼンチンでなされたよう
なことである。しかし、平時に過激な手段を取ることは、政治的にむずかしい。過激な手段を取るには、過激な手
段もやむをえないと人々に思わせるだけのひどい現実の発生を必要とする。

 そういう現実の発生までいかないと、私は日本経済の再生は望めないと思っている。
 そして多分、そういう事態にたちいたったら、そこを抜けだすまでに、必要な総理大臣のクビは一つ、二つでは
あるまい。最低でも三つだろう。従って、小泉政権が長くつづくということはほとんどあるまいと思っている。
 過激な事態の進行がいつどのような形でやってくるのか、今の私には想像もつかないが、ただ、私は何がこよう
と、どうということはないと思っている。

 こういうことを平然といいきれるのが、一九四〇年生まれの強いところだ。私たちの最初の記憶は、国が亡び
たときに起きた事態の記憶である。私たちの世代は、子供時代からずっと通して、国の経済が破綻した状況の中で
生活してきたのである。
 その経験があるが故に、もう一度国が亡びる事態が目の前で起きたとしても、パニックに陥ることなく事態を平
然と受け入れられる自信がある。自分に対する自信というより、ああいう時代でも、それなりの楽しさを日常生活
の中に発見しつつ、この国の人たちはみんな笑いを忘れずにちゃんと生き抜いてきたという歴史の記憶がある
からだ。
 そういう記憶を持つ世代が生き残っているうちに、最悪の事態が起きるなら起きてほしいと思う。




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