アラブ諸国:「反イスラエル感情」、急速に高まる〔毎日新聞〕

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 8 月 30 日 12:25:59:

イスラエルとパレスチナとの対立が緊迫化する中、アラブ諸国で反イスラエル感情が急速に高まっている。アラファト・パレスチナ自治政府議長が、従来関係がぎくしゃくしてきたシリアを近く訪問、“共闘”に乗り出す動きを見せる一方、イラクも不穏な兆候を見せており、中東の政治地図が大きく変動し始めている。
昨年9月の衝突発生以来、初めてパレスチナ指導者が暗殺されたことで、アラブ諸国の反米・イスラエル感情は沸点に達している。
シリアのアサド大統領は激しいイスラエル批判を展開、アラブ内での存在感を高めている。来月12日のアラファト・パレスチナ議長訪問受け入れを決めた背景には、「父の故・ハフェズ・アサド大統領時代から掲げてきたイスラエルとの包括的和平を目指す主張が正しかったとアピールする好機」(駐ダマスカス外交筋)との思惑がある。シリアはパレスチナとの関係修復をゴラン高原返還問題を含めた対イスラエル交渉のカードするつもりのようだ。
一方、イスラエルと平和条約を結ぶエジプトやヨルダンでも反イスラエル世論が高まっており、両政府は「下手に仲介に乗り出せばイスラエル寄りとみられ、自国民の批判が一挙に吹き出しかねない」との危機感を抱く。エジプトは昨年11月、駐イスラエル大使を召還、ヨルダンも新大使の任命を先延ばしにしたままだが、政治的圧力のさらなる一手はないのが実情だ。ムバラク・エジプト大統領、アブドラ・ヨルダン国王は「米国が仲介に乗り出すのを躊躇(ちゅう・ちょ)している間に、取り返しのつかない事態に陥る」と警告するしかない。
「フセイン・イラク大統領にとって夢のような状況」。エジプトのシンクタンク、アハラム政治戦略研究所のムハマド・サイド副所長はアラブ諸国の現状をこう指摘する。国連経済制裁全面解除を目指し、たびたび危機を演出、一時は「同胞」のアラブ諸国からさえ距離を置かれてきたフセイン大統領だが、ここに来て、米国やイスラエルを敵視し続けるその姿勢を英雄視する声さえ出ている。
フセイン大統領は、「パレスチナ人を助けるため、600万人の国民を動員する」と発言、パレスチナ問題をてこに国際的孤立からの脱却を画策している。実際、バクダッドなどでは、対イスラエル戦を想定した軍事訓練に志願する若者が増えているという。フセイン大統領が近く、米国やイスラエルに対する揺さぶり戦術に出る可能性は高い。
イスラエルの軍事力がアラブを圧倒している実態を考慮すれば、アラブ側が全面戦争を仕掛ける恐れはない。だが、在アンマンの西側外交筋は「イスラエルが今後、レバノン領内のシリア軍施設への攻撃を激化させた場合、シリアが部分的にイスラエルに応戦。シリア支援を口実にイラクがイスラエルに攻撃を仕掛けるという最悪のシナリオも懸念される」と分析する。【カイロ小倉孝保】
[毎日新聞8月30日] ( 2001-08-30-01:57 )



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