アフガンでの戦いは悪夢 元英特殊部隊員の手記

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投稿者 倉田佳典 日時 2001 年 9 月 29 日 19:31:53:

09/29 16:19 アフガンでの戦いは悪夢 元英特殊部隊員の手記  外信66

 アフガニスタン国内で外国軍が戦うのは、ほとんど「不可能」に
近い―。一九七九年、ソ連軍と戦うアフガン兵士を訓練するために
同国内に入った英陸軍の特殊部隊(SAS)の元隊員の手記が、米
政府関係者の間で注目されている。最近英紙ガーディアンに掲載さ
れたもので、同手記の抜粋を紹介する。            
 ▽西部劇                         
 アフガン人は、第一次大戦前の英国人との戦いに使った戦術を使
って超大国と戦っていた。彼らの戦いは昔の西部劇と同じだ。カウ
ボーイが渓谷に入ってくると、インディアンが丘の上から攻め掛か
る、というあれだ。私の仕事は彼らに近代的なゲリラ戦術を教える
ことだった。                        
 彼らはとても楽しい連中だった。私は彼らの勇気を尊敬し、彼ら
は私の訓練方法を尊重した。私にとってより困難だったのは、アフ
ガンの地形にどう対処するかだった。アフガンの軍事指導者の一人
は「君がうまく適応すればいいね。私の部下たちは極めて素早く行
軍するよ」と警告した。「問題ない」と私は思った。行軍には慣れ
ている。しかし、何てことだ。ヒンズークシ山脈を上に上に登り、
三千メートル以上で酸素が薄くなり、集中力が切れた。連中は慣れ
ているが、われわれはふらふらになった。           
 地形との戦いは、間違いなく悪夢だ。それは自然の砦(とりで)
だった。車両で遠くまでは行けない。すぐ立ち往生し、谷は急傾斜
だ。ロシア人たちは本当にひどい目に遭っていた。アフガン人たち
は村から村へと動き回り、そこには食料がある。こうやって彼らは
二百年にわたり戦争に勝ってきたのだ。基地は少なく、代わりに補
給物資などが埋められた穴がたくさんある。          
 したがって彼らはできるだけの軽装が可能で、西側の部隊よりは
るかに迅速に動ける。                    
 ▽山岳ヤギ                        
 気候も問題だ。九月末には冬が始まり、十月中旬には首までの深
い雪が積もる。凍結でヘリコプターの支援ができなくなり、谷の濃
霧は墜落の原因となる。アフガン戦士は山を知り尽くした山岳ヤギ
のようだ。彼らは古タイヤを利用したサンダルをはいている。外国
の兵士がはく軍靴は足跡を残し、直ちにおあつらえ向きの標的とな
る。                            
 アフガン兵はゲリラ戦法をすぐ習得した。ロシア人の護送集団を
谷に入らせ、その真ん中に一撃を加える。幸運な連中は即死し、不
運な連中は後でおので切り刻まれる。             
 彼らの最大の防御は地形で、武器は粗末だ。メンテナンスはない
に等しい。地対空小型ミサイルのスティンガーは残っているかもし
れないが使用可能かどうかは疑わしい。旧式機関銃のZSU23は
たくさんある。テニスボール大の地雷は無数にあり、プラスチック
製のため検知できない。                   
 アフガン戦士にとって、聖戦で死ぬことは偉大な名誉であり、彼
らは恐れを知らない。地上戦になれば、西側の軍隊に勝利のチャン
スはほんのわずかだろう。アフガンの戦争で最後に勝った外国軍は
アレクサンダー大王の軍だ。アフガン人はとてつもない敵だ。(ワ
シントン共同)                       
(了)  010929 1618              
[2001-09-29-16:19]

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