同時テロで強まるか――アメリカとイスラエルの絆(きずな)(MSN)

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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2001 年 10 月 02 日 22:51:03:

同時テロで強まるか――アメリカとイスラエルの絆(きずな)
2001 年 9 月 27 日 ジェイコブ・ウェイスバーグ(Slate)

今回の連続テロ事件の一因は中東紛争にあるという人がいる。しかし、アメリカはイスラエルとより緊密な関係を築くべきだ。アラブ諸国に軍事的協力を求めることは難しい状況だけに、テロ対策の経験が豊富なイスラエルは、アメリカの力強い味方となりうるからだ。
湾岸戦争が起きたころ、ユダヤ系アメリカ人の間では、アメリカとイスラエルの関係を懸念する声が聞かれた。アメリカが自衛のためではなく、脆弱(ぜいじゃく)な同盟国を守るための戦いで多くの犠牲者を出すようなことになれば、イスラエルに好意的なアメリカの世論も長続きはしないのでは、という心配である。
しかし、そうした不安は現実にはならなかった。コリン・パウエル統合参謀本部議長(当時)のおかげで戦いは早々と決着がつき、米兵に多くの犠牲者が出なかったためだ。次にヤセル・アラファト率いるPLO(パレスチナ解放機構)がサダム・フセインを支持したため、パレスチナのイメージが悪化したこともある。さらに、何よりも決定的だったのは、アメリカの介入はイスラエルを守るためではなく、クウェートを守るためだ(実際の目的は両方だったのだが)とジョージ・ブッシュ大統領(当時)が明確に示したことだった。

●新たな湾岸危機

息子ジョージ・W・ブッシュ大統領の時代になり、新たな湾岸危機が起きようとしている今、永遠の問い――米国とイスラエルとの関係はどうなるのか――が再び注目されている。
湾岸戦争時と異なり、この問いに最も関心があるのは、イスラエルと反目するアラブの人々かもしれない。コラムニストのロバート・ノバクは、同時多発テロ事件でアメリカとイスラエルの関係はより緊密になるかもしれないと主張している。
「テレビに映ったアメリカ人の大虐殺を喜ぶパレスチナ市民の姿を、人々は忘れない。
アメリカとイスラエルはこれまでになく緊密な関係を結び、『アメリカの長期的な政策』は棚上げされるだろう」
「アメリカの長期的な政策」が、「米国がイスラエルへの支持を破棄する」という彼自身の願いを意味していることは明らかだ。ノバクほどではないにしろ、米国のイスラエル寄りの政策に異を唱える人々は、今こそ中東政策を「見直す」べきだと説く。
ノバクの予測はおそらく正しいだろう。筆者も、テロリストとの戦いは米国とイスラエルとの関係をより強固にすると考える。ただし、その理由は、ノバクとは異なる。彼は「イスラエルの敵であるパレスチナ人の多くがテロに歓喜したから」米国はイスラエル寄りの政策をとると説明しているが、私はそう思わない。
一般の人でも気づいていることを、ノバクはまったく理解していない。それは、アラブとイスラエルの紛争が同時テロの主因ではない、ということだ。中東紛争はテロの背景ですらないかもしれない。つまり、いくらイスラエルと距離を置いても、テロ事件の解決策にはならないのである。

●イスラエルよりもアメリカに憎悪

テロ事件の主要な容疑者とされるオサマ・ビンラディンにとって、イスラエルやユダヤ人は煙たい存在だろう。しかしそれ以上に、イスラエルを支持するはるかかなたにある国(アメリカ)のほうがより許しがたい存在なのだ。
パキスタンのジャーナリスト、アハメッド・ラシッドは著書『タリバン』で、ビンラディンの動機をこう説明する。
サウジアラビアの富豪の息子として生まれたビンラディンは、ソ連に抵抗するアフガン・ゲリラを支援するなど原理主義に傾倒。次第に、イスラム国家からすべての異教徒を追放することに執着するようになる。湾岸戦争の際にサウジアラビアが米軍の国内施設利用を認めると、ビンラディンはサウジアラビアの王室(とアメリカ)に宣戦布告した。
アメリカがイスラエルとの関係に終止符を打てば、自爆テロを厭わないアラブ人の数は減るかもしれない。しかし、それでビンラディンが収まるという保証はない。他のイスラム過激派も同様だろう。イスラエルと地理的に遠い地域の過激派はなおさらだ。プリンストン大学の中東専門家バーナード・ルイスは、10年前にアトランティック・マンスリーに寄せた『イスラムの怒りのルーツ』に「アメリカに対するイスラム過激派の憎悪はイスラエルへの嫌悪とは別であり、より悪意に満ちている」と書いている。ルイスはその証拠に、旧共産圏がイスラエルを支援していた20年ほどの間、アラブ諸国はソ連にこれほどの牙を向いていなかったと指摘している。

●米国の戦略上のかぎを握るイスラエル

イスラエルとの関係を疎遠にすることは、戦略上の誤りになりかねない。イスラエル軍や情報機関は、他のどの国よりもテロに対処する経験が豊富だ。これから始まる戦いにイスラエルの助言は不可欠だ。とりわけイスラエルの情報機関モサドとの協力は欠かせないだろう。
先ごろロサンゼルス・タイムズ紙に掲載された記事によると、モサドは8月、FBI(米連邦捜査局)とCIA(米中央情報局)に大規模なテロの可能性を警告していたという。モサドはビンラディンが関与していることも突き止めていた。
残念ながらアメリカは、その警告を生かすことはできなかった。しかし、今後は警告に慎重に耳を傾けるに違いない。ビンラディンを発見できれば、イスラエルに感謝することになるはずだ。
軍事的に見ても、イスラエルとの関係は重要なカギを握る。湾岸地域には、反フセインを掲げ共に戦ったアラブの同盟国がいる。しかしこれらの国は頼りにならない。
何しろ彼らはこの10年間、テロ組織を援助してきたのだから。親米政権の失墜や市民の反米感情を見るかぎり、アラブ諸国に軍事的協力を求めるのはむずかしいだろう。
一方、イスラエルは頼りになる。イスラエルという味方がいれば、中東へ空母を配備したのに匹敵するほどだ。

●アメリカとイスラエルの関係を支えるもの

アメリカがイスラエルとの全面協力に踏み切れないのは、アラブの穏健諸国の立場が不明瞭だからだ。今回の問題が中東問題の代理戦争になってしまえば、サウジアラビアやエジプト、パキスタンなどの協力を取りつけるのはむずかしくなる。パレスチナとの和解をイスラエルに求めるのは、そうした理由からだ。昨年キャンプデービッドで行われた和平交渉が成功していたら同時テロはなかったとする根拠はないが、アラブの穏健諸国がアメリカに協力しやすい土壌を築けたかもしれない。
とはいえ、イスラエルに和平を迫れば問題が解決するという見方は、2つの危険をはらんでいる。
キャンプデービッドの最終交渉でイスラエルは、入植地のほぼ全土から撤退するという究極の案を出した。それを頑なに拒否したのはアラファトだ。アメリカがイスラエルに和平案を提示するよう求めることはできるだろうが、本当にプレッシャーをかけなければいけない相手はアラファトである。
もう1つの危険は、いくら和平合意が成立しても、アラブ諸国にとって納得のいかないものであれば思いがけない副作用をもたらしかねないことだ。これらのアラブ諸国は、パレスチナの苦悩を利用して自国民の結束を固めてきた。不用意に棘(とげ)を抜くことは、不安定な政権を支えている支柱を抜くことになるかもしれない。

●米とイスラエルの関係を支える共感と利害

中東和平の進展はともかく、アメリカとイスラエルの関係が以前よりも強固になることは確かである。結局のところ、アメリカとイスラエルの関係を支えているのは、利害ではなく、倫理感であり共感なのだ。多くの人が指摘していることだが、イスラエルは何十年もの間、規模こそ違うが、アメリカを襲った悲劇と同様の経験をしてきた。両国は、生活と自由を守るために戦う同志だ。
アメリカとイスラエルの結束の裏では、共感と利害がうまくからみ合っている。フォーリン・アフェアーズ誌のギデオン・ローズが指摘しているように、包囲網のなかでも進歩的な民主主義の理念が守れるということを、イスラエルは身をもって示した。この先、数数週間、いや数年間の戦いのなかで、アメリカにとってよきお手本になるだろう。

Bad for the Jews?
By Jacob Weisberg
(翻訳=吉田多佳子、MSNジャーナル編集部)

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