アメリカの連続テロの背景にあるもの (日本アラブ通信)

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投稿者 dembo 日時 2001 年 10 月 06 日 14:14:07:

アメリカの連続テロの背景にあるもの (日本アラブ通信)

http://www.japan-arab.org/syucyou/index.html

 世界を震撼させたニューヨークの世界貿易センターの爆破事件など誰が想像しただ ろうか。それぞれの人生を一瞬のうちに奪われた犠牲者やその家族に心からの哀悼の 意を捧げたい。
 しかし、これは9月18日付けの朝日新聞の「地球儀」が指摘するように「悪を懲 らしめるためにヒーローの活躍を際だたせるのには、どんなに多くの犠牲者を出す惨 劇でも考えつく」テロリストたちの発想はあまりにもハリウッド的であり、同時に 「これは善と悪との戦いになる。そして善が勝つ」と演説し、時を移さず、大軍を動 員して、タリバン征伐に乗り出すブッシュ大統領の姿もまるでハリウッド映画のヒ−ローである。

 ブッシュ大統領がいち早くこの連続テロの黒幕はイスラム過激派の指導者、オサマ・ ビンラディン氏と断定し、庸懲の戦争を展開するため、米国の上下両院が早々と「戦争行為を大統領に一任]を決議し、4兆ドルを越す軍事予算を可決した行動力は、何故、人類の未来のために京都議定書の批准やCTBTの推進と言った中に発揮されなかったか、と頭をかしげたくなってしまう。

  実は、アメリカの政治と中東情勢に詳しい小数の専門家は、今年の夏頃にアメリカ が第5次中東戦争を始めるだろうと予測していた。大統領選挙の際に、投票数の数え 直しのドタバタ劇のあと、ブッシュ氏が、正当な数え方だったら当選した筈のゴア候 補に辛勝して大統領の椅子につけられたその直後からこうした”戦争”の準備が始まっ たという。

 これら評論家は、ソ連の崩壊後、世界が軍縮の方向に流れ、アメリカの経済、特に 軍需産業は大リストラの嵐に襲われる寸前で、どこかで戦争でも始まらない限り、も う限界ギリギリであるとされていた。つまり、アメリカ経済は、テロリストが誰であ れ、中東地域でもう一度新たな戦争を開始する必要に迫られ、その実現を準備してい るのではないかと思う。

 ラムゼー・クラーク元米国司法長官は、その名著『湾岸戦争ー今戦争はこうして作られる』(地涌社刊)の中で、湾岸戦争が綿密なアメリカのシナリオに基づいてとうと う開戦まで持って行かれた経緯を明解に分析している。クラーク氏によれば、湾岸戦 争はアメリカが10年越しに周到に計画したアメリカの策謀だった。事実、アメリカ は、あの戦争の戦費の80%を日本、ドイツ、湾岸産油国に”貢献金”として拠出さ せ、イラク、クゥエートを兵器の在庫一掃と新型兵器の実験場として、この地域への 兵器輸出で荒稼ぎをした。

 アメリカ人は、今回のテロリスト達の奇襲攻撃を日本海軍の真珠湾奇襲攻撃だと言っ ているそうだ。ただ、忘れてはならないのは、この真珠湾攻撃そのものも、実はルー ズベルト大統領は数日前に知っていたにもかかわらず、わざと米海軍の艦船を日本の 特攻隊に沈没させて、アメリカ国民を日本への戦争に駆り立てるのに、利用した。

 まだ真犯人は特定されておらず、かくたる証拠が提出されない限り、単純にオサマ・ ビンラディン氏による犯行などと結論づけることは、乱暴すぎる。ブッシュ政権がビ ンラディンの氏の仕業だとアフガニスタンへの爆撃を遮二無二強行しようとしいるこ とも「はじめに報復あり」の感を深めるが、ブッシュ政権のアフガニスタンへの大規 模攻撃の背後には大きな策謀が秘められいることは間違いない。

 何しろ、アメリカには、ベトナム戦争の時のトンキン湾事件から、1986年のド イツのデスコでの爆発がシリア、イランやパレスチナ抵抗組織が仕組んだと断定し、 リビアではトリポリとベンガジを爆撃して、カーザフィ大佐を暗殺しようとしたり、 1998年には、アメリカはケニア、タンザニアの米国大使館の爆破事件の報復とし て、スーダンの製薬工場を巡航ミサイルで破壊している。1993年の世界貿易セン ター爆破事件の首謀者として現在なお服役中のイスラム過激派の盲目の指導者アブデ ルラハマンは、サダト大統領の暗殺事件に関与したとして、エジプトからの出国を禁 じられていたはずなのに、彼がスーダン訪問中にアメリカが同師にアメリカへの入国 ビザを提供している。こんなミステリーじみたエピソードを列記していたら紙数がた ちまち尽きてしまう。

 こんどの連続事件にはイスラエルが一枚噛んでなければ幸いだ。なにしろ、ケニア、 タンザニアの米国大使館爆破事件に使われた爆薬はイスラム過激主義者の扱えるよう なものではなく、FBIが査察のために現場に到着する以前に、この爆破現場を事前 に知っていたかのように、現場に急行したイスラエル軍が証拠物件を持ち去ったとい も言われているこことからも疑ってみる必要がある。

 ここで、ユダヤ人を自ら殺して、イスラエル建国に役立てようと言うシオニストの やり口をいくつか紹介したい。第2時大戦中にナチのアイヒマンと秘密取り引きをし て、屈強のシオニスト青年をパレスチナに送り出すためにナチの収容所から出所させ、 代りに何千人の老人、婦人、幼児を火葬したとか、イギリスの委任統治末期に、非合 法の移民船「パトリア」「ザ・シュトルマ」、「エクソダス」を地中海の海上で自ら の手で沈没させたり、あるいは無用の戦闘をさせて難民を死なせたりして、ユダヤ人 への国際的同情を集めようとしたこと、イラクのユダヤ教会堂に自ら放火して恐怖心 を起こさせて、ユダヤ教徒をイスラエルへの脱出者をさせたなどなどイスラエルの手 段を選ばぬやり口は枚挙に暇がない。

 そして、今回の連続テロは確かに史上稀に見る大事件ではあるが、そもそも、19 47年11月、1947年末の国連総会で、アメリカ国内のユダヤ人ロビーストの要 請を受けて、無理矢理にいくつかの小国をアメとムチで脅し、3千年前の神話を基に 人工国家イスラエルを造り上げ、75万人以上のパレスチナ人を追放、パレスチナの 大地をハイジャックしたのはアメリカであった。その後、パレスチナ人は残された僅 かな土地も次々ト銃剣とブルドーザーで奪い取られ、今なお人権もなきに等しい苛酷 な扱いを受けている。ある国の国土が異国人にハイジャックされる!! これこそ歴 史上未曾有のテロではないか。アラブはこれこそ米国とイスラエルの天も許さぬ 壮大 なテロだと思っている。

 さらに、イラクでは湾岸戦争の際には、その産業、生活の基盤が徹底的に破壊され、 その後10以上続く経済制裁による医薬品、食糧などの不足のため、幼児、高齢者、 婦人を中心に150万以上の死亡者が出ていると言う。これは国連専門機関(WHO (世界保健機構)、UNICEF(国連児童基金など)も認める数字で、これだけの 膨大な死傷者を生み出して、なお経済制裁の継続を主張するアメリカの”人権外交” とは一体なんであろうか。パレスチナ人、イラク人など、中東の石油権益の支配や、 イスラエル擁護のためには、こうした弱小国家の人々の命などものの数に入れていな いと言うのが「国際新秩序」だろうか。

 湾岸戦争の時に、油まみれの水鳥の映像が放映され、これはイラクの爆撃で流され た油のせいとされたが、実際にはカナダで撮影された映像であることが後に判明した。 これからは、世界的な報道管制が行なわれ、アメリカ、イスラエルに都合のいい情報 しか流されなくなる可能性は大きい。今後、益々強まるこうした報道における犯罪行 為には警戒を怠らないことと、市民レベルの情報交換がますます重要となるだろう。

 うした世界を震撼させる大事件が何故起こったを知るためには、世界の多くの民 族が西欧の大国の植民地化政策に痛みつけられてきた歴史を学ぶことが必要となって くる。「今日は人の身、明日は我が身」とも言う。決して海の彼方の問題ではない。

 小泉首相は13日夜、米国での同時多発テロをめぐりブッシュ大統領と電話で約協 議し、「自由、平和、民主主義に対する挑戦との大統領発言と危機意識を共有してい る。テロと断固戦う大統領の姿勢を支持している」と表明、今度は自衛隊の参加に踏 み込もうと言う張りきり方である。日本の最小としては、少し思慮と知識が足りなさ 過ぎると言うのが正直な感想である。

 また、政府、自民党の一部には、湾岸戦争では、日本は金だけ出して、軍隊を送ら なかったから、世界から「一国平和主義」と非難されたことを反省し、日本のアメリ カの武力行使への何らかの協力をすべきでないか、有事立法さえ検討すべきだなどと 言う声が出ている。しかし、これは、日本を集団自衛に誘い込もうと言う巧妙な策略 が潜んでいることを忘れてはならない。今回のテロ撲滅の戦争に日本を組み入れよう と言う第2回目の作戦である。その作戦の目玉は、何と言ってもこれまで中東地域で 「手を汚さなかった」日本を「アラブ人の血で汚させる」という戦略が潜んでいるこ とを見逃すことは禁物である。つまり、伝統的に欧米の縄張りであった中東地域に1 973年のオイルショック以後、華々しく進出し、アラブ中東諸国との結び付きを強 めた新参者の日本をこの国際的も重要な地域からもう一度追い出そうと言う戦略が込 められているのである。

 いまアメリカは、かって日本が昭和の初頭、日本が張作霖爆破事件を関東軍の手で 引き起しておきながら、満州を建国し、アジアの覇権を目指して泥沼戦争にのめり込 んで行った軍国主義の道を突っ張りし始めている。

 今度の連続テロに日本が引き込まれようとしている今、われわれは、冷静にこの問 題を見つめ、パレスチナ問題、イラクの制裁ばかりでなく、世界の中でも現在続けら れている人種差別、貧困、不正などをなくするための世界の人々の団結が必要となっ ている。そうした世界の根本的な歪みの是正をなくする努力をしない限り、不当に抑 圧された人々の怨念のマグマは蓄積され、こうしたテロは根絶できないだろう。

 1960年代末に英国の歴史学者アーノルド・トインビー「パレスチナの 悲劇は、 一地域だけの問題ではなく、世界全体の悲劇である。なぜなら、それは世界平和に対 する脅威であるから」と主張していたように、ほかならぬわれわれ一人ひとりを含め た人類の責任といえよう。

 トインビ−教授は、また日本の平和憲法、特に9条をを高く評価していたことでも 知られているが、われわれは、今十分な証拠もないにもかかわらず、アフガニスタン と言う主権国家を空爆、殲滅しようとしてるアメリカの戦争計画にたいして、暴力で なく、理性をもって、世界平和の確立に努力するのが大国の使命ではないか。「理性 に基づいた行動をしてほしい」と堂々と諌めるべきである。

 現在「国際行動センター」の主催者として世界平和、非抑圧民族の権利擁護に活躍 しいるベトナム戦争当時の司法長官ラムゼー・クラーク氏は、湾岸戦争の翌年199 2年、ニューヨークで国際戦争犯罪法廷を開き、元ブッシュ大統領、チェニ−国防長 官、パウエル統合参謀本部議長らを有罪との判決を下した。クラーク氏は、『湾岸戦 争』の中で「自分がアメリカの政策を批判するのは、愛国者だからである」と言明し ている。

 ベトナム戦争の最中にも、アメリカを訪れて、ベトナム戦争を痛烈に批判する講演 をされた国際文化会館の理事長、松本重治氏も「自分はアメリカを愛すればこそ、ア メリカのベトナム政策を批判するのだ」と述べられたと言う。

 この意味で、アメリカの政策を唯々諾々と追随し、アメリカの破滅を手助けしてい る人々は反米主義者と言えよう。「行け行けどんどんタイプ」の熱血漢小泉首相は、 果して反米主義者か親米家か、本人は勿論、みんなで真剣に考える価値ある問題と思 う。

 われわれ日本人は平和憲法と言う未来を照らす素晴しい憲法を持っている以上、平 和憲法の中から、この難局を打破し、全世界に「恐怖と欠乏から免かれ、平和のうち に生存する権利」が確立できるよう努力すること、また、その最後に書いてある「日 本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを 誓ふ」と言う言葉を今一度真剣に噛み締めるべきだと痛感する。


 



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