北部同盟に勝たせ過ぎの米英連合が次に狙うもの

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投稿者 あっしら 日時 2001 年 11 月 14 日 17:37:21:

アフガニスタン攻撃同盟国のマスコミは、人権的な危惧を少々抱きながらも、北部同盟によるカブール入城を戦勝気分で報じている。

さすがというか、実戦主力を担っている米英マスコミはもっと慎重である。

BBCニュースは、北部同盟によるカブール入城への懸念(人権問題ではない)を露骨に表明している。イスラム諸国を中心とした治安維持部隊という国連?案に対しても、それよりも先に英米軍が入るべきだと主張している。ブレア首相も、北部同盟が勝利できているのは英米の空爆があればこそ(これは正しい)、北部同盟には好きなようにさせないと語っている。

アメリカは、北部同盟によるカブール入城の意義を抑制的に報じている。ブッシュ大統領は、北部同盟によるカブール入城後も、「北部同盟はカブールを占領しない」と言っている。これは、太平洋戦争終結に伴い米(連合)軍が日本に進駐しても、占領ではないと言っているようなものだ。ブッシュの発言は、9割が今後の対応をもとにした本音で、1割がパキスタン向けであろう。

このような英米の反応は、北部同盟によるカブール入城が何ら戦果とは言えないからだ。それは、別に、ウサマ・ビン・ラディン(アルカイダ)やタリバンを殲滅していないからという理由ではなく、北部同盟が親米勢力ではないからだ。
北同盟が親米勢力であれば、一気に全土を制圧させ、政権を樹立させる。
それにしては、現在の北部同盟は、非親米であり、ロシアやイランそしてインドの影響を受けすぎている。北部同盟が米英地上部隊の大量進駐を認めれば、親米というお墨付きをもらえるかもしれないが、北部同盟が内部分裂を引き起こし後ろからも鉄砲を撃たれるという事態をもたらすだろう。

もちろん、米英政権もアフガニスタンに平和がもたらされるのは歓迎だ。(軍需産業にとってもアフガンの貢献はたかがしれている)
しかし、その平和なアフガニスタンは、英米+α勢力が自由に経済活動を営める(アフガン自体にはたいした経済権益はないが)とともに、中央アジアで確固たる軍事的政治的影響力を行使できる根拠地でなければならない。

そのような米英政権が今後期待することは、「北部同盟の内部分裂そして抗争」・「北部同盟の“悪逆非道”」・「南部地域での北部同盟対抗勢力拡大」であろう。間違っても、北部同盟がアフガン全土を支配し“善政”を行うという事態は避けたい。
北部同盟の内部分裂と抗争は、発火点がいくつもあり、誰がどうやって巧く点火するかというだけである。
南部地域での北部同盟対抗勢力拡大は、これまでも追求してきたことだが、戦況の変化でよりやりやすくなった。
北部同盟の“悪逆非道”は、情報操作を別にすれば、戦果に高揚している北部同盟の規律次第である。

米英連合は、北部同盟に勝たせ過ぎないようにしながら、残るアフガニスタン南部(=タリバン中核部隊&アルカイダ)を攻めるという結構難しい軍事作戦を展開しなければならない。

今後のアフガニスタン報道を注視したい。



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