■アフガン情報−−タリバン崩壊の闇(週刊ポスト)

 ★阿修羅♪

[ フォローアップ ] [ ★阿修羅♪ ] [ ★阿修羅♪ 戦争・国際情勢4 ]

投稿者 いがらし 日時 2001 年 11 月 20 日 06:49:36:

http://www.weeklypost.com/jp/011130jp/brief/opin_1.html

1. 「強姦」と「略奪」の無法地帯と化す
首都カブールに北部同盟が無血入城――。

 手榴弾やカラシニコフ銃を掲げて歓喜する兵士たちの陰で、そのニュースに一番渋い顔をしたのは、実は、北部同盟の尻を叩き続けてきたブッシュ大統領だった。
「ブッシュ大統領とパキスタンのムシャラフ大統領の会談でも合意されたことだが、米政府は北部同盟がカブールに入るべきではないと一貫して主張していた。なぜなら、マスード司令官というカリスマ的指導者を9月に自爆テロで失った北部同盟は、もはやタリバン以上のならず者集団だという報告が、現地に派遣している米軍の特殊部隊や軍事顧問から入っていたからだ。9日に北部同盟が奪還した要衝都市マザーリ・シャリーフでは、すでに兵士たちによって商店などの略奪、強姦、タリバン支持者たちへのリンチなどが頻発している」(事件を取材する米紙記者)
 その北部同盟を支援し、マザーリ・シャリーフのタリバン勢力に絨毯爆撃を加えたのは他でもないアメリカだ。だからこそ、北部同盟のカブール入城で、その狼藉の実態が西側メディアにバレることを恐れたというわけだ。
 現に、カブール奪還のその日、国連のアフガニスタン人道援助調整事務所は、
「100人以上のタリバン兵士が北部同盟に殺された。兵士たちは若く、戦闘中ではなかった」
 という言い方で、少年兵の虐殺が行なわれていることを厳しく非難した。同事務所によれば、少年兵らは学校に隠れているところを捕らえられたという。また、日本のNGOの報告によると、北部同盟による迫害や粛清を恐れたタリバン支持の市民たちが、着の身着のままカブールから逃げ出しているという。
 前号で本誌特派のドイツ人ジャーナリスト、マルクス・ベンスマンが、米国のアフガン攻撃をいいことに、隣国ウズベキスタンでイスラム教徒への弾圧がエスカレートしている実態をリポートしたが、ウズベクに限らず、タジキスタンやキルギスなど、周辺諸国ではイスラム教徒へのリンチや強姦が半ば黙認されているという報道もある。北部同盟の首都奪還により、そうした蛮行がますます加速することは間違いない。

http://www.weeklypost.com/jp/011130jp/brief/opin_2.html

2. 東京タワーもテロの標的に?

 『アフガン山岳戦従軍記』(小学館文庫)の著者でジャーナリストの惠谷治氏は、北部同盟のカブール入りはアフガンを内戦に引き戻すだけだと指摘する。
 もし、またもや北部同盟が自壊するようなら、カンダハールに撤退したタリバンとビンラディンは、今度こそアメリカや反イスラムの立場を取る周辺国に最終戦争を仕掛けてくるだろう。
 不気味なのは、ビンラディンが親タリバンのメディアで「アメリカに手を貸す日本もテロの標的になり得る」と名指しで警告していることだ。
 米国務省に近い筋は、航空機墜落とカブール陥落が伝えられたその日、少し苛立った様子で、はっきりと対日テロの危険を指摘した。
「アメリカのアフガン政策が日本やヨーロッパで批判されているが、では、わが国にかわって、テロや『ならず者国家』と戦う役目をイギリスやドイツ、日本がやってくれるというのか。日本が自衛隊を派遣することは評価するが、それでも、しょせんはトルコやイタリアと肩を並べたにすぎず、アメリカのパートナーと呼ぶには貢献不足だ。ただ、日本に覚悟してもらいたいのは、テロリストから見れば、どんな協力かに関係なく攻撃目標にされるということだ」
 さらに、
「東京タワーなどは、テロリストにとって格好の攻撃目標だし、リスクを取らずに最大の効果を狙える」
 とも付け加えた。
 泥沼のアフガン情勢とテロ戦争に、日本はずっぽりと足を突っ込んでいる。

http://www.weeklypost.com/jp/011130jp/brief/opin_3.html

3. 北部同盟将軍は冷酷なサディスト

●マルクス・ベンスマン(ジャーナリスト)

 タリバンは今、退却を続けている。そして、主要都市を占領した北部同盟の将軍たちは、以前アフガン全土を不安と混乱に陥れたその人たちである。マザーリ・シャリーフを奪還したウズベク系のラシッド・ドスタム将軍は、今ではアメリカ軍の同盟者だが、冷酷なサディストとして恐れられた人物である。捕虜を死ぬまで拷問させて眺めるのが楽しみだといわれ、97年には、ジャーナリストたちの目の前で命令に背いた兵士を戦車で轢き殺している。兵士たちもお世辞にも上品とはいえない。彼らの際限のない強姦と飲酒は有名である。
 確かに喜んでいる住民もいる。理髪店の前には、タリバンに強制されていた髭をそり落とそうと客が長蛇の列を作っている。多くの者が、久しぶりに音楽に耳を傾けたり、何年かぶりにダンスに興じたかもしれない。しかし、間もなく不安が生まれてくるはずである。買い物に出かけることさえ、再び命がけになるかもしれないのだ。
 そして、今やアフガニスタンの支配者は北部同盟を支持することになった西側諸国である。ドイツも、アメリカ合衆国との同盟関係から、戦場への派兵という義務の遂行を強いられている。ドイツ最大の大衆紙『ビルト』は連日大見出しで、出来るだけ早く国防軍を派遣するよう要求している。ドイツは、日本同様に第2次世界大戦の敗戦国であり、両国とも軍隊を国外の戦争に派遣しないことを政治原則としてきた。ところが、ドイツにとっても日本にとっても最も重要な同盟国アメリカが、この原則に反する要求を突き付けているのである。

協力/グレッグ・デービス(IPJ)

http://www.weeklypost.com/jp/011130jp/brief/opin_4.html

4. アメリカン機墜落「空白の1時間」のなぞ

 事故なのかテロなのか、当局が詳しい調査結果を公表していないだけに、専門家の意見は確かに割れている。
 各国の諜報機関に人脈を持ち、テロに詳しい国際コンサルタントの磯村順二郎氏は、ビンラディンとの関連には疑問を呈しながらもテロの可能性は否定しない。
 一方、軍事評論家の西沢優氏は「第2のテロ」という見方をする。「第一報を聞いた時には、スティンガー・ミサイルが使われたと思いました。これは熱線追尾型の対空ミサイルで、航空機のエンジンめがけて飛んでいくからです。が、目撃証言でミサイルの軌跡に関する話がありませんから、貨物室に時限爆弾が仕掛けられた可能性が大きいでしょう。
 そもそも、エンジントラブルの影響で離陸が1時間遅れたという当局の説明に疑問が残ります。故障に関する心配があるなら、異常が感知された段階で管制塔と航空機の間で通信があってしかるべきなのに、それが一切なかったという発表からして何か隠していると感じる。むしろ、事前にテロ情報があり、その対応のために離陸が遅れたのではないか。そうだとすれば、ジュリアーニNY市長が、墜落直後に周辺の橋やトンネルを封鎖した意味もわかる。テロリストの逃走路遮断、テロの第2波、第3波阻止のための措置だからです」
 当局の対応も非常にちぐはぐだ。早くからテロの可能性を否定して、調査を国家運輸安全委員会に委ねるとしたはずなのに、FBIはその後も捜査を継続しており、フライト・レコーダーなどの分析結果も要求しているという。
 捜査当局と政府に対する国民の不信感はもはや抑え難くなってしまった。
 実は、12日の墜落が起きる数日前、やはりテロリストの標的になると警戒されているシカゴの空港で、催涙スプレーとナイフを持った男がつかまっている。が、男はすでにセキュリティ・チェックを通り抜けており、挙動不審だったために警備員に呼び止められて“武器”の所持が発覚した。つまり、猫の子一匹通さないようなことをいっている警備体制も、しょせんはザルだということがわかってしまったのである。
 これを機に、以前からあった共和党タカ派への批判が噴出している。
「空港警備の強化を理由に、共和党タカ派は、関係の深い民間警備会社を次々と参入させた。その利権は相当なものだろうが、実際にはどんな高性能の金属探知機をつけても意味はない。セキュリティ・チェックをする空港職員は、その多くが貧困層のマイノリティであり、中には英語の不自由な者までいる。新しいシステムを定着させるまでには時間がかかるし、最悪のケースとして職員がテロリストに買収されれば、逆に何の苦労もなくどんなものでも機内に持ち込める」(米在住フリージャーナリスト)
 炭疽菌テロでも、FBIは当初は「事件ではない」という立場を取り、その後にはビンラディンの関与を匂わす言い方をしてきたが、結局、今になって「米国内に居住する単独犯で、化学の知識がある対人関係の苦手な男」という犯人像を想定していることを明らかにしている。
 一連の捜査では、すでに1000人を超えるイスラム教徒を逮捕したり拘束したが、その多くはテロとの関係が何も証明されず、中には取り調べ段階で拷問を受けたと訴える者もおり、人種問題、人権問題に発展することも危惧されている。
 今回の航空機墜落が事故かテロかははっきりしないものの、少なくとも≪早すぎるテロ否定≫をせざるを得なかった米政府が、自ら追い詰められた立場を露呈してしまったことは間違いない。


フォローアップ:



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。