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「英文訳の4割確認できず」 ビンラディン氏ビデオ決定的証拠か

投稿者 MIROKU 日時 2001 年 12 月 15 日 10:29:34:

「英文訳の4割確認できず」 ビンラディン氏ビデオ決定的証拠か【東京新聞12月15日付】

疑惑呼んでも発表 『米政府の自信の表れ』 『信頼性は自分で判断を』 米国防長官

■冒頭から「正確な逐語訳ではない」
米中枢同時テロの首謀者がウサマ・ビンラディン氏である「決定的証拠」−として、米政府が公開したビデオテープの信頼性は確かだろうか。国防総省はだれが入手したのか明かさず、アラビア語の会話テープは途切れがちで、音質も画質も「非常に悪い状態」という。検証した専門家から「30−40%は確認できなかった」と英訳内容を疑問視する声も出ている。なぜいま公開するのか、そのタイミングにもさまざまな憶測が流れている。

ホワイトハウスは十三日、テープと英訳文を公開した。約一時間のテープは断続的で、十一月二日に悪天候で墜落した米軍ヘリの残がいや子供の遊ぶ風景などの映像がとびとびに入る。英訳文は、冒頭「正確な逐語訳ではない」と断り、随所に「聞き取れず」と注釈が挟まる。

ラムズフェルド国防長官は十三日の記者会見で、テープの入手先については「話したくない」、入手場所は「アフガニスタンのある市のある家」、入手日時は「数週間前」としか答えなかった。しかしニューヨーク・タイムズ紙やロサンゼルス・タイムズ紙などは、米当局者の話として「テープは十一月九日にカブールで録画され、同月下旬にジャララバードの家で米国人以外の人々に発見され、米軍から中央情報局(CIA)に渡った」「公開が遅れたのは、ビデオの中に再テロ指示の暗号が隠されていることを恐れ、チェックに時間がかかったためだと米政府関係者が語った」などと報じた。

国防総省のクラーク報道官は十二日の記者会見で、テープの状態について「質が悪い。映像は良くないし、音質はとてもひどい。アラビア語を上手に話す人でさえ、非常に聞き取りにくい部分がある」と語った。公開前のテープを全編見たジョン・エドワード上院議員らは、出席者四人が同時にしゃべり、周囲の雑音やせきもすべて録音され「大部分は退屈な内容だった」と言う。

■「モハメド」で特定の理由なし
ビンラディン氏の会話の一例は「だれも(…聞き取れず…)知らなかった。(アルカイダのエジプト人集団を意味する)エジプト一族の出身のモハメド(・アッタ)がその集団を率いていた」と、カッコ付きの説明を多用。しかし、「モハメド」が同時テロの実行犯のリーダー格と米政府が見なす「モハメド・アッタ」を指す理由の説明はない。

ロサンゼルス・タイムズ紙が、翻訳家にテープを検証させたところ「ビンラディンの言葉には解読できない個所が多数あった。(公表された)英文訳の30−40%は確認できないと語った」と指摘。ニューヨーク・タイムズ紙も、翻訳家二人が「重大な誤訳はないが、信頼できる英文訳のためにはアラビア語の写しが必要と述べた」と言う。

同紙は、ヨルダン大学(アンマン)のラビビ・カムハウィ政治科学教授の話として「アラブ人は時々、感謝や同情の気持ちを表す時、まるで自分が何かしたかのように話す。だからテープをアラブ人が聞く場合と、米国人が聞く場合では受け止め方が違ってくる」と翻訳に誤解が生じる危険性を指摘。ワシントン・ポスト紙も「決定的証拠としてのテープの価値は、英訳について疑問がわけば危うくなると米政府関係者が語った」と伝えた。

■「関与の可能性示しただけ」
米紙の中には「イスラエルとパレスチナの戦闘激化で、アラブ人が米国への反発を強めており、この時期にテロの証拠を示す必要があった」「弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約離脱を発表してわずか一時間後にテープを公開したのは、世論の政権批判をかわすため」などと、公開タイミングを政治的策略とみる報道も根強い。
ラムズフェルド国防長官は十三日、記者団から「テープは信頼できるのか」と尋ねられ、「作為がないかを調べ、専門家が英訳した後、少なくとも二人の専門家が確かめた。翻訳内容を後押しはしない。テープも翻訳もわれわれのものではないから。最善は尽くした」と主張。「どの部分がビンラディンの責任を明示しているか」との問いには、「みなさんに任せる。世界中の人が自分で判断できる」とだけ答えた。
ビデオの証拠能力を日本の専門家はどうみるか。
畠山圭一・学習院女子大学助教授(国際政治)はビデオは「本物」という見方だ。
「疑惑を呼ぶような証拠を米政府が出したということは、疑われても構わないと考えているためだ。それだけビンラディン関与に自信を持っている」と語り、「普通関与していても『おれがやった』とは言わないもの。もしそういった会話がテープに出てきたら逆に不自然だ」と続ける。
ただ、テープがビンラディン氏がテロを指示した決定的な証拠になるかどうかについては「彼がテロに関心があったのは事実だが、関与の可能性を示しただけ。その程度の証拠としてみておけばいい」と語った。
軍事評論家の稲垣治氏も「米政府からすれば、『あれ以上の証拠はない』ということでしょうが、決定的とはいえない」と話す。
「そもそも、ビンラディン氏らが、なんの目的でテープを撮影し、発見されるような場所に残しておいたのかすら不明」と指摘した上で稲垣氏は、「自分らの終末を意識しての行動かもしれない」と推測する。
「米軍や北部同盟に追いつめられて、すでに死を自覚しているはず。米中枢同時テロという仕事を成し遂げたのは、われわれだということを世界に知らしめ後世に残そうと考えた。テープが米側に拾われることも計算にあったのでは」
一方、米国は最高のタイミングを計って発表したと稲垣氏はみる。
「米軍の作戦行動も最終段階。前線の士気も、国民の世論も盛り上げられる。さらに、普通ならロシアの反発が強くて言い出しにくいABM制限条約から離脱する方針をあわせて発表できた」と分析した。
一方、軍事評論家のガブリエル・中森氏は「ビデオの真偽は分からない」としながらも、稲垣氏同様、公開した時期に注目する。「いよいよビンラディン包囲が縮まりつつある。この数日のうちに殺害したいが、その前に判決文を書く必要から罪状を示す証拠として出したのではないか」
その上で、中森氏はテープの公開が米国に有利になったかどうかについて疑問を呈する。「アラブ社会でもこのテープの評価は二分している。政府が本物と判断しているのと違い、一般市民は偽物という意見が多い。米国は犯罪認定のために公開したんだろうが、逆にアラブ社会でのビンラディン氏の人気を高めてしまったかも」と話す。

■「軍事上の情報 表に出せない」
米政府は今回のビデオを「決定的証拠」としている。しかし、ビデオ入手以前の十月に始まった空爆の際にも、「決定的な証拠がある」としていた。
これについて前出の畠山助教授は、「手のうちを明かすことになるので、軍事上入手した情報は表に出せない。今回公開したのは、ビデオを偶然入手したからではないか」と分析、空爆開始時については「軍事上入手した関与を示す別の確固たる証拠があったのだろう」と推測するのだが…。




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