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Re:海保が不審船捕捉手間取り 政府船籍特定急ぐ [毎日新聞]

投稿者 あっしら 日時 2001 年 12 月 23 日 04:44:04:

(回答先: Re:不審船:乗組員約15人不明 海保が全員の姿を見失う [毎日新聞] 投稿者 あっしら 日時 2001 年 12 月 23 日 03:28:03)

 22日未明から始まった鹿児島県・奄美大島近海での不審船追跡は、海上保安庁の巡視船による度重なる射撃、停船・炎上、逃走、そして“銃撃戦”の末の不審船の沈没――と事態は夜になってエスカレートした。巡視船の乗組員にけが人も出た。海保の機関砲による初の船体射撃は正しい判断だったのか。なぜ捕捉に手間取ったのか。そして、この船の「正体」は……。

 「見える範囲では不審船の武器は確認されていないが、船倉にどんな強力な武器を隠し持っているか分からない」。午後7時前に巡視船4隻で不審船をはさみ、停船させた後、すぐに立ち入り検査に着手しない理由について海上保安庁の坂本茂宏・警備救難部管理課長は、荒天のほかに「武器の隠し持ち」を挙げていた。そして午後10時すぎ、坂本課長の懸念は現実のものになった。

 被弾前の不審船の速度は7〜10ノット(時速13〜18キロ)。99年3月に能登半島沖の日本海で見つかった朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)のものとみられる不審船が35ノット(65キロ=推定)だったのとは比較にならないほど遅い。今回、不審船を取り囲んだ高速巡視船3隻はいずれも35ノットの速度が出る。なのに海保の巡視船は当初、なかなか停船させられなかった。

 船脚は遅くても、体当たりされれば、巡視船の船体だけでなく海上保安官にも危険がある。かといって、みすみす他国の領海内に逃げ込むのを許すわけにもいかない。そこで、追跡しながら停船命令と威嚇射撃を続けることになった。

 船体射撃の後に停船させてからも、すぐに立ち入り検査をせず、装備の充実した海保の「最強部隊」、大阪特殊警備基地所属の特殊警備隊17人を乗せた巡視船「おおすみ」の到着を待った。しかし「おおすみ」は“銃撃戦”には間に合わなかった。

   ■  ■

 海上保安庁は、最初の2回の船体射撃はあくまで、相手船の航行能力をなくすのを目的にした「威嚇射撃」の一環と説明する。これに対し、午後10時すぎ、巡視船「あまみ」が不審船から銃撃を受けた後の射撃は「正当防衛」という。

 公海上での武器使用は海上保安庁法で、警察官職務執行法に準じて「犯人の逮捕もしくは逃走の防止、防護、公務執行に対する抵抗の抑止に必要な場合」に認められる。だが、正当防衛でなければ、相手に危害を与えることは禁じられている。

 前2回の船体射撃は、立ち入り検査を求める停船命令に従わなかったため「(海上保安庁)長官の包括的な承認」(坂本課長)に基づき、現場の巡視船の船長判断で機関室を狙った船体への射撃に踏み切ったという。

 今年10月の同法改正によって、領海内に限り、停船命令を無視して逃走する不審船に対する船体射撃を認め、相手船の乗組員に死傷者が出ても、刑事責任を問われないことになった。前2回の船体射撃は領海外で、改正条項を根拠に射撃はできない。このため相手に死傷者が出た場合、刑事責任を問われる可能性もあり、ギリギリの判断だったとみられるが、この点について坂本課長は「小型船舶の機関室部分に人がいることは想定していない。事前に警告し、時間的な余裕も与えた」と説明している。

 一方、午後10時すぎの巡視船の射撃は、不審船からの突然の銃撃に応戦したもので、正当防衛の要件を満たすとしている。坂本課長は「今回の武器使用はぎりぎりの段階だった。不審船のどこを狙って応戦したのかは報告を受けていないが、必要最低限の職務権限の行使だった」との認識を示した。

 不審船について、海上保安庁と防衛庁も北朝鮮の船との見方を強めている。海保警備救難部の坂本茂宏・管理課長は、北朝鮮の工作船の可能性がある理由として、海保で保管している北朝鮮の不審船の写真の中に船型が酷似しているものがあり、例えば、甲板にハッチが二つあることやマストの形などが似ていることを挙げた。銃の乱射も、これまでの中国などからの密航船ではなかったことだ。

 ただし、北朝鮮の工作船はエンジンを二つ搭載するなどして高速を出せることが多い。99年に能登半島沖で発見された北朝鮮籍とみられる不審船は35ノット(推定)を出したが、今回はせいぜい10ノット程度で、この点は大きく違う。

 一方、防衛庁は、哨戒機P3Cが撮影した不審船の写真を海上幕僚監部で分析。その結果、今回の不審船は(1)形状などを一般の漁船に見せかけている(2)漁具が著しく少ない――ことなどが99年の不審船と似ているという。今回、不審船が逃走したのは中国方面で、さらに船体に書かれた船名も「中国風の名前」(幹部)だったが、ある幹部は「中国船籍を模している可能性もある」と語った。

 ☆不審船事件の経過

 21日午後4時、海自のP3Cが奄美大島近海で不審船発見。

 22日午前2時5分、海上保安庁が「九州南西海域不審船対策室」を設置。巡視船と航空機での情報収集を始めた。

  同午前6時20分、同庁の航空機が奄美大島の北西約240キロの海上で不審船を発見。午後0時48分に巡視船「いなさ」が同島の西北西約324キロで同船を確認し、同1時12分には停船を命じたが、逃走した。

  同午後2時36分から、「いなさ」は上空に向けて計5回威嚇射撃。不審船は無視。

  同4時16分、「いなさ」が不審船の船尾に向けて20ミリ機関砲を撃ち、命中。

  同5時25分、巡視船「みずき」が機関砲で船体前部を射撃したところ、甲板から出火。不審船は奄美大島の西北西約393キロの海上で停船したものの、約30分後に鎮火したため、再び逃走を始めた。

  同6時53分、不審船は巡視船4隻にはさまれて、停船。

  同9時22分、不審船がまた逃走を始める。

  同9時35分、「みずき」が発砲。不審船が停船。

  同9時42分、不審船が逃走し、同53分、奄美大島の西北西約390キロで停船。

  同10時、巡視船「あまみ」「きりしま」が、不審船をはさみ込む作戦を開始。

  同10時9分、不審船が発砲。巡視船が被弾し、「あまみ」の乗組員2人が負傷。「いなさ」も機関砲を発砲し応戦。

  同10時13分、巡視船の発砲を受け、不審船が沈没。

 不審船の応戦と沈没という事件の新たな展開を受けて政府は、外交問題に発展する可能性があるとみて、不審船の国籍が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)であるとの見方を強め最終的な特定を急いでいる。22日、首相官邸では安倍晋三官房副長官、杉田和博内閣危機管理監らがいったん集まったが、国籍特定や事件解決前に全員が官邸を離れ、不審船沈没の報を受けて再び官邸に駆けつけた。危機管理問題への対応の甘さを指摘する声も出そうだ。

 小泉純一郎首相が公邸で秘書官から不審船発見の連絡を受けたのは同日午前7時半。同時に、杉田危機管理監らが首相官邸別館の危機管理センターに入り、海上保安庁や防衛庁、外務省などと連絡を取りながら情報収集に当たった。

 外務省は不審船が中国領海方向に航行したため、追尾について外交ルートを通じ中国当局に通報。中国からは「中国領海に近づいているのであれば、関心を有している」との回答を得た。

 午後4時半過ぎ、地元の山口県にいた安倍副長官が日程を1日繰り上げて帰京。杉田危機管理監から説明を受け、小泉首相にその後の事態を報告。安倍氏は自民党本部で山崎拓幹事長にも対応などを報告した。

 安倍副長官、杉田危機管理監らは同夜、海保の巡視船が不審船を捕捉する可能性が高くなったことを見届けたうえで首相官邸を後にした。しかし、その後、不審船が巡視船に応戦して事態が一変。巡視船の射撃で不審船が沈没した後、安倍副長官、杉田危機管理監、大森敬治官房副長官補、谷内正太郎外務省総合外交政策局長らが続々と危機管理センターに集まり、沈没時の状況の把握など情報収集に追われた。

 安倍副長官は22日深夜、小泉首相に事態の展開について報告。首相は「漂流中の乗組員の身柄確保に当たっては、これ以上負傷者を出さないよう万全を期してほしい」と指示した。

 不審船の国籍については、逃走経路などから中国の密航船ではないかとの見方があったため、外交ルートを通じて中国側に非公式に照会作業を行いつつ、99年の朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の不審船と形が似ていることなどから同国の船との見方を強め、特定作業を進めている。

[毎日新聞12月23日] ( 2001-12-23-02:22 )





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