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待ち構える文明国のための戦争第二幕 Robert Fisk :Independent

投稿者 dembo 日時 2001 年 12 月 25 日 15:06:25:

待ち構える文明国のための戦争第二幕

アメリカの空襲は、ハイジャック犯が殺した西洋人より、
さらに多くのアフガニスタン人を殺している。


Robert Fisk:(オサマ・ビン・ラーディンへインタビューしたじゃあなりすとさん)
Brace yourself for Part Two of the War for Civilisation
Independent 22 December 2001
http://www.independent.co.uk/story.jsp?story=111323

私には往年のアイルランド人ジャーナリストの同僚、ビンセント・ブラウンの助けが必要だった。アフガン戦争の「余波」を想定した1000もの新聞報道を通読し、アフガニスタンほど巨大な頭痛を抱えた私は、溢れるウソで薬漬けになりそうだ。少なくともアフガニスタン女性は自由だったし、「我々、欧米の」平和維持軍は展開中で、タリバンは崩壊された。パキスタンでの反米デモも形無し、ホンの数週間前、私とホンモノのアフガン人との間に起こったちょっとした小競り合いも、我々は忘れてしまうだろう。アル・カイーダは洞穴からいぶり出されているところだし、身柄を確保されていない、あるいはもう死んでいるかもしれないオサマ・ビン・ラーディンにしても同じだ。我々の怪物は、ニューヨークとワシントンで非人道的な犯罪を計画した「証拠」とやらのビデオテープを持ったアメリカ政府に追いつめられている。もっともその「証拠」は、私の会ったアラブ人全員が首を傾げる代物だが。

そこでビンセントが必要になるのだ。腹を立てるといつも蒸気機関のような気炎をあげる彼は、私の大好きなダブリンのニュース通信社でジェマ(GEMMA O'DOHERTY記者)の記事を指し示す。「ったく、いったい何がどうなってるんだい、ボブ?」と、彼。「この揃いも揃ってふざけたヘッドラインを見たかい?」と吐き捨てながら、「悪魔のあとに」という特集の「ニューズウィーク」誌を棚から引っ張り出した。

「聖書的な見解でも何でも勝手にしやがれってンだ」ビンセントは私に訴える。ビデオテープに録画された粒子の粗いオサマ・ビン・ラーディンが表紙を飾る。
http://prn.newscom.com/cgi-bin/pub/search/search?f=PRN/prnpub&p1=20011216-HSSA005&doc=PRN/prnphotos/docs/021/153
ダンテの「神曲・地獄編」に出てくる地獄の輪を思い起こすような暗い極悪非道な顔。ベルリンを陥落させたスターリンは自分の軍隊が「ファシストの獣の巣窟」に侵入した、と発表したが、それとは全く無関係に第二次世界大戦は行われた。

さて「お話はここまで」にしよう。アラブ人の大量殺人犯が4機のハイジャックした飛行機をワールドトレードセンター、ペンタゴン、そしてペンシルバニアへ激突させた非人道的な犯罪は、4000以上の無実の生命によって購われた。そのあと、ブッシュ大統領は「不屈の正義(後に「正義」から「自由」に改められた)」十字軍作戦への賛同を求め、アフガニスタンへ空爆を行った。北部同盟の狙撃手と殺し屋を雇い、タリバンの狙撃手と殺し屋を殲滅し、アメリカ軍はビン・ラーディンの洞穴要塞を爆撃して、何百ものアフガニスタンとアラブの兵士を抹殺した。ちなみにアングロ・アメリカ-北部同盟が合同で行ったマザリシャリフにおける囚人処刑はこの数に含まない。

イスラム社会があえて無視した、ビン・ラーディンの罪を世界の報道に完全に確信させる証拠として作られたビデオ作品「ビン・ラーディン」は、事実をあいまいにする手助けになっただけで、肝心のミスター・イーブルは消えてしまったように思われる。さらに、エアブラシの処理がほんの少しの事実さえ掻き消してしまった。シカゴの大学教授によってまとめられた統計によれば、アメリカの空襲が殺した無実のアフガニスタン人の数は、ハイジャック犯が殺した欧米人の数を上回る。そんなことを我々は忘れてしまう。逃亡者の一人である正体不明のタリバン指導者、ムラー・オマル師のことも忘れてしまう。

勇敢な一握りの女性を除けば、カブールのほとんどのアフガニスタン女性がブルガを着用し続けているといった事実を、我々は無視してしまう。新たな国連の支援と欧米諸国の支持を得たカブールの新政権に代表される圧倒的な力を持った北部同盟の殺人には完全に目を閉じてしまう。都市で活動するためにカブール政府の許可が必要になるであろう、国連が決議しイギリスが指揮権を持つ「平和」部隊(ISAF国際治安支援部隊)はたった数千人、1842年にカブール峡谷を破壊したイギリス陸軍の動員数のおよそ3分の1ほどである。今週末、その「平和」部隊のお世話をするためにカブール入りした、たった50人ばかりのイギリス海兵隊の到着に、我々は拍手を送ってしまう。

「平和」部隊の仕事は、強盗や反体制派タリバンから人道援助団体を守ることになるだろう。実際、北部同盟マフィアやケシ栽培者、そしてビン・ラーディン一派の生存者によって人道援助団体を攻撃するため送り込まれた邪なゲリラと同じ穴のムジナの将軍どもと、一戦交えることになるかもしれない。最低限、アフガニスタンの道路や村々を、アフガニスタン人、そして外国人にとって安全にしたタリバン同様の治安維持を。現在、カブール-ジャララバード間を車で走ることはとてもできない。

たぶんCIAはアフガン戦争での北部同盟ギャング団へのツケを我々に払わせるつもりなのだろう。この矛盾のなかで語られない筋書きの一つには、アメリカのために戦うように説得するために、軍団の指導者たちに渡った巨額の現金がある。タリバン兵士を北部同盟に寝返らせるのに報酬25万ドル支払われ、そうして彼らが恩人を攻撃すると、我々のすべては彼らの背信行為を上げ連ねた。火中のタリバンに25万ドルを送ることもできたのに、我々は、誰一人として、数週間前に北部同盟に弾薬を買うために十分な資金がないことを問題視しなかった。真新しい四輪駆動車を乗り回すカンダハール州のパシュトゥン部族の長が狙撃者への報酬、数千ドルをいかにして捻出したかについても。ソマリアの将軍が、文明国のための戦争の新ラウンドを控えたアメリカに資金の貸し付けを申し出ているという記事を読んでも、もはや私は驚かない。

我々にとって幸運なことは、アメリカのB-52戦闘機による文明の犠牲者たちは、新しく掘られた墓地でずっとその名も知られぬままであることだ。ムラー・オマル師とオサマ・ビン・ラーディン、そしてビン・ラーディンの戦士は除く彼ら3700名は、文明国のための戦争によって、戦闘が終わるまでにずたずたに引き裂かれたのだ。たとえば2週間前、家族が殺されたことに憤慨して、私を襲撃した群衆のような、ほんの少しの不満が点在している現状など、素早く記録から抹消されるだろう。

普通のイスラム教徒はじめ、多くの欧米人、パキスタン、アフガニスタン、アラブ、イギリス、フランス、アメリカの誰一人として実際にこのくだらない話を信じる人に会ったことがない。……と、こう書き留めることは、誰の目にも明らかなつむじ曲がりだ。ただ思い出してみよう、カブールの新政府が「イスラム教、民主主義、多元論および社会正義」を支援するために全力を尽くすものであることを、そして正しく、聖書の通り「悪魔の粛正(the Destruction of Evil)」
http://www.worship.net/bible/biblepromises_view.asp?topicid=77
を行うブッシュ氏のようにあることを。次の年が明けて、またビン・ラーディンの行方を心配するのはやめよう。文明国のための戦争の第二章には、参加するのにちょうどいいところで、彼は戻ってくるのだろうから。

http://www.geocities.co.jp/Hollywood/1123/annex/fisk/index.html





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