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『破たん 米の国益誘導』 同時テロで変化「世界経済システム」 [東京新聞]

投稿者 あっしら 日時 2001 年 12 月 27 日 18:54:25:


「東京新聞」12月27日の6面に、「破たん 米の国益誘導」(ワシントン・喜聞広典氏)という記事がある。

その全文の紹介。


 同時テロで変化「世界経済システム」

米国の政治経済の中枢を狙った同時多発テロから百日余。二十一世紀初頭に、世界を歴史的な悪夢で覆った年が、引き続く混乱のなかで暮れようとしている。この間、世界経済はテロの打撃で、さまざまなシステムに変調をきたし、回復の先が見えない霧の中に迷い込んでしまった。半面、テロは、世界経済を裏で支配してきた米主導の国益誘導システムなどの実態もあぶり出した。テロの前後、大きく変わった世界経済システムを米国からの視点で展望した。


▽CIA黙認

 一九九六年。ひそかに米国を訪れたスーダンのエルファティ・エルワ国防相(当時)は、国内に亡命して国際テロ組織「アルカイダ」の基盤構築を進めるウサマ・ビンラディン氏に国家転覆の危機を感じ、米中央情報局(CIA)に身柄の引き渡しを打診した。
 CIAにとって、ビンラディン氏は当時から、サウジアラビアの米軍施設テロなどで最重要の“指名手配犯”。しかし、CIAはなぜか同氏の引き受けを断り、スーダンからの国外追放を国防相に勧めた。エルワ氏自身の回顧談を載せた米誌などによると、CIAはこうしてビンラディン氏をみすみす取り逃がし、同氏のアフガニスタン入りを黙認したのだった。
 奇妙な動きはまだ続く。九八年夏。アフガンのタリバン政権さえもビンラディン氏の処遇に手を焼き、サウジアラビアへの引き渡し交渉を持ちかけてきたのに、CIAは一貫して消極対応。直後にアフリカで起きた米大使館爆破テロでタリバンとの関係が悪化し、話は立ち消えとなった。

▽皮肉な結果

 敵が向こうから近づいてきても捕まえに行かず、自由に泳がせて監視するCIAの戦略は「相手を完滅せず、その脅威を残しておくことで、CIAの役割の重要性を米国内に誇示し続ける」(チョドフスキー・オタワ大教授)狙いだ。テロや地域紛争の火種を残すことは「将来の米軍需産業の利益につながる」(米上院民主党筋)との政治的な思惑も背後にちらつく。しかし、CIAは結局、ビンラディン氏にこの戦略の裏をかかれ、同時テロ事件の遠因を自ら作り出す皮肉な結果を招いてしまった。
 「自作自演」の国益誘導システム−それは冷戦後、唯一の超大国となった米国が、国際社会を支配し、米企業や政府の利権を守るために築いた巧妙な舞台装置だった。

▽不 均 衡

クリントン前米政権は、経済分野で「グローバリゼーション」の美名の下にこのシステムを駆使した。
 情報技術(IT)革命の浸透や自由貿易のルールづくりを通じて、途上国の経済力を底上げし、そこに米企業が乗り込んでいくための新たな市場を開く。九〇年代後半、空前の繁栄に沸く米国が目指したグローバリゼーションは、しかし、「国益の誘導ばかりが先行し、まず途上国の雇用や教育、福祉などを支援する素地づくりに欠けていた」(ライタン米ブルッキングス研究所員)。
 米IT産業は、こうしてグロバリゼーションの素地が整う前に、将来への期待を集めたその本は、
株価が暴落。今やパソコン需要の低迷などで“IT不況”の冷たい風に吹きさらされている。貿易ルールづくりは、九九年末の世界貿易機関(WTO)シアトル閣僚会議で、身勝手な米国に途上国が猛反発して行き詰まった。米国の一方的な国益優先の半面で、「世界の貧困を置き去りにした国際政策の不均衡が、対米テロを生む土壌になった」(コープ米外交評議会研究副主幹)との見方もある。

▽利権の矛先

そして同時多発テロ事件。米国経済は、IT革命のけん引力で十年間続いた景気拡大から一気にマイナス成長のふちに転落した。米企業は軒並み収益悪化に陥り、海外展開への野望など跡形もなく消し飛んだ。政府はいま、国内景気の立て直しに血眼となっている。国益誘導の最前線を担った米軍需産業も、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの離脱など、テロ後、本土防衛への傾斜を強めるブッシュ大統領の先導で、利権の矛先を国内に向け始めた。
 途上国を踏み台にして、国外に稼ぎ口を求め続けた米国の国益誘導システムは、同時多発テロ事件で大きくつまづいた。テロ後の米国は、国内に閉じこもって国益を守る保護主義路線を一段と強める気配だ。米一極の強大なけん引力を失った世界経済は今、全体の成長が急減速する中、回復への足掛かりさえ見いだせないでいる。


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“国益”が“強欲な支配者達の利益”であることを見抜かない限り、いろんな謎は解けないでしょう。

“強欲な支配者達”は、自分たちの利益を追求するためなら、一般国民や諸国の市民が三千人死んでも構わないのです。

それでも、現在の「読売新聞」など他の新聞ではお目にかかれない立派な記事だと思います。







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