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オリンピックの裏側
長野オリンピックではあれだけ盛り上がった日本だが、今回のソルトレーク五輪は今ひとつ盛り上がりムードにかけている。大阪が夏の五輪開催予定から落選したからか、日本選手の活躍が見られないからだろうか？答えは違うと思う。「八百長レース」のもつ独特のうさんくささが、テレビ画面を通じてそれとなく伝わって来るからだ。うさんくさい試合は山のようにある。その一つがスケート競技の華であるスケート・ペアの不正採点問題だった。この事件では審判員の主観が問題とされ、ロシアとフランスの闇取引が疑惑の焦点となった。一方、ショートトラック男子1000メートルの準決勝では、前を走っていた選手が転倒、後続の日本選手が一位となったのだが、その転倒の原因を作ったのが一周前の日本選手のプレーだったという訳のわからない理由で失格となった。日本側は妨害に当たる接触はなかったとして、ビデオテープを添えて抗議文を提出していたのだがあっさり棄却され、門前払いを喰った格好である。こんないかがわしい場面をさんざん見せつけられれば、誰でも馬鹿らしくなってテレビを消してしまうだろう。どうしてこんな八百長が繰り広げられるのだろうか？
オリンピック問題だけに焦点を絞って見ても決して理解できないだろう。まず、何故ロシアとフランスの闇取引が発覚したのか、ということの方が重要だ。そうすれば、日本の抗議が門前払いになった理由も見えてくるだろう。フランスとロシア、この二つの国はアメリカのイラク攻撃に一番反対している国である。
いま、アメリカでは株価は高いように見えているが、大変な経済的危機を迎えている。バブルが崩壊しかかっているのだ。ちょうど1992年頃の日本のように景気の落ち込みがはっきりと解っているので、なんとしても公共投資が必要なのである。既存企業に政府支出を出して、経済活性させないといけないのである。アメリカでは、日本のゼネコンにあたる部門は軍需関連企業なのだ。つまり、「戦争」が必要とされているのである。それを見越したフランスは、９・１１テロそのものまで疑ってかかっており、あちらこちらのメディアで検証が始まっているし、フランス政府は、あからさまにブッシュの一般教書演説の「悪の枢軸発言」を非難している。
湾岸戦争時のアメリカは政府に金がなかったので、各国から軍費を調達しなければならずコンセンサスづくりに躍起となったが、現在のアメリカは大幅な財政黒字である。戦争をするためには国民の合意だけで充分だ。「イラクの味方をしているフランスとロシアはこんないかがわしいことをしている国である。」そう国民に印象づけることが、今回のスケート疑惑事件の目的なのである。だから、この試合に限って、あらかじめ情報収集をきっちりとこなし（しかも、専門の情報機関が！）裏もとれているという事態になったわけである。忘れてはならない、これは国家の重要機密事項なのであり、軍事行動へと促すための重要な作戦なのである。その他の試合の八百長についてまで立ち入る予定は全くない。だから、日本のショートトラックの問題なんぞ、どうでも良いことなのである。
オリンピックとはもともといかがわしい、ショービジネスの世界なのだ。が、東西対立の間は国威発揚の場として、その部分が押さえ込まれていた。ソ連が崩壊して１０年余り、五輪は「ショー」化とビジネス化が、どんどん進みその国際舞台での取引はロビー活動という名の闇取引が行われているのである。そう言う国際舞台の場にまったく無頓着な日本は、蚊帳の外でおたおたしていると言うところだろう。
アメリカは、本気である。ブッシュが疑獄事件で政権から追い払われ出もしない限り、名指しであげられた三つの国のうち、３年後にも政権が変わらない国は無いと考えて良いだろう。イラクと北朝鮮に関しては、完全に抹殺されているだろう。
その時、日本がどうなっているだろうか？
問題の本質が理解できない「無能力者」として、忘れ去られたかわいそうな国となっていると覚悟を決めた方がいいと思う今日この頃である。
題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。