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人口過剰爆弾 − 地球破壊 − 女性差別
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投稿者 今日は雨です。皆さん、お元気ですか? 日時 2003 年 4 月 12 日 16:30:26:

http://jp.figu.org/pub/ueber.htm

人口過剰爆弾 − 地球破壊 − 女性差別

 無制限な出産という狂気を直ちに阻止しなければ、世界の人口が2倍、3倍になるのにそう長くは掛からないだろう。また、社会、政治、経済、自然、環境、気候に関するあらゆる問題、つまりこの地球上で起きているすべての地球的規模の環境問題が人口爆発もしくは人口過剰に起因していることも、争う余地がないのである。


人口爆発から環境崩壊へ
我々の惑星地球の近未来


 1993年の人口増加を見ると、恐るべきことに、この地球に住む人間の数はたった1年間にほぼ1億人増えたことが分かる。より正確に観察すると、1秒間に3人の新生児が誕生した計算になる。


1秒 = 3人
1分 = 180人
1時間 = 10 800人
1日 = 259 200人
3651/4日= 1年 = 94 672 800人


 これに比べ、1994年はまたしても出産に関して常軌を逸脱した年であって、人口増加は2倍となっているところから、次のような計算になる。


1秒 = 6人
1分 = 360人
1時間 = 21 600人
1日 = 518 400人
3651/4日= 1年 = 189 345 600人


 これは、「世界監視機関」およびこれに携わるその他の組織、ならびに統計学者によっても確認されず、認識されなかった事実である。なぜなら、彼らは見せかけの計算パターンにかたくなに従い、大ざっぱに見積もった計算をしているだけだからである。しかし実際は、人口増加に関して例外が生ずる年が度々あり、新生児の数が多くなったり少なくなったりしているのである。そして1994年は、予想の2倍に上る子供が生まれた年だった。この事実に加え、世界人口は人々に信じ込ませようとする大ざっぱな統計よりもかなり多い。それは、多くの国々は自国の人口についておおよそのデータしか提出できず、そのため多くの人間が統計から忘れられているのが普通であり、その数はとどのつまりはその都度2〜5億人プラスになっている。したがって、1995年初めに地球の人口は57億5000万人あるいは58億5000万人だったとする「世界監視機関の計算」とその統計は正しくない。なぜなら、1995年2月14日にはすでに62億7000万人いたと推定されるからである。つまり統計が主張するよりも、はるかに大きな数である。だが、「世界人口監視機関」はそれほど厳密に考えていないようだ。なぜなら、明らかに数億人ぐらい大したことはないように思っているらしいからである。しかしまさにその点で、彼らはまったくとんでもない思い違いをしている。事態はすでに、一人ひとりの人間が大きな意味を持ち、一人ひとりの人間が地上の生命全体とこの地球そのものの破壊と滅亡に加担し、その危険性が日々に増加しているのである。
 1995年初めには世界の人口はすでに62億7000万人以上であったが、それ以来1秒に4人ずつというペースで増えつつある。増加率は再び少し低下してはいるが、それでも1993年に比べると1人増えている。これは、1994年中に多くの人間が生殖可能年齢に達し、そのためにより多くの子供が生まれた必然的結果にほかならない。人類の約4分の3は発展途上国で生活している。そのうちまた約20億の人間が飢えており、さらに飢えと栄養失調のために毎日4万人の子供の命が失われている。これは1年間では1400万人である。飢えが原因で人間のあらゆる種類の不幸、社会的緊張、革命、そしてついには内戦や国家間の戦争が起こる。財の分配をめぐる闘争はますます残忍で非人間的になり、人間的な生活は完全に姿を消す。すべての国家はテロリズムと無政府状態と混沌に陥り、飢え、悲惨、困窮、戦争、迫害、大量虐殺が人間を逃走へと駆り立て、いまだかつてない大規模な民族移動が起こる。こうして1995年の春だけでも、約2億人が難民となった。巨大な人間の波のように第三世界は避難すべく動き始め、最初は住み慣れた地域に限られていたのたのが、やがてますます多くの人間が豊富な食料、富、裕福な生活、贅沢、そして仕事の機会が心をそそる北の方向へ、工業国、経済国、福祉国へと向かう。だが、就職口は減る一方である。なぜならば、逃亡者が次々にこれを占有し、彼らは現地人よりも安い賃金で働くので、現地人は収入の道を失い、福祉制度の世話にならざるを得ない。
 北の工業国および経済国に住んでいる、富める人類の3分の1は、南の貧しい第三世界の人間と比べて1人当たり10倍以上かせいでいる。そして、この富める3分の1は、世界経済の生産量の5分の4を生み出している。いっぽう、北の経済国の人間の止めどない消費欲は、すべての地球資源、すなわちこの惑星のすべての原材料およびすべてのエネルギー資源のなんと3分の2をも費やしている。しかも、北の工業国が生み出しているあらゆる種類の環境破壊は、第三世界のすべての国を合わせたよりも、はるかに大きく、破壊的、壊滅的である。工業国は環境保護においても、環境に対する被害を避けるためのテクノロジー等が発展途上国に比べて数倍も進んでいるにもかかわらずである。
 世界の全部の自動車の約70パーセントは北半球に集中しているが、そのため工業国が大気や環境の汚染に関与する割合は非常に高い。そのうえ、北の経済国の人間は、第三世界の人間に比べ、1人当たりほぼ100倍の量の水を消費している。だから、工業国の国民はすべての河川や湖や海など、あらゆる水資源の汚染に最も大規模に、最も激烈に関与しているのである。
 農業においては工業化がいっそう進み、今でも化学薬品を止めどなく使用するために、土壌は完全にやせ衰えている。その結果、穀物の収穫量は減少の一途をたどり、浸食が広がり、種の死滅がますます加速している。また、「スポーツ精神」やその他の見え透いた理由、さらには純粋な殺傷の快楽から、あらゆる種類の動物が無意味に撃ち殺され、根絶やしにされている。もちろん、密猟監視人や猟場番人の保護育成などあり得ない。それのみならず、大洋や河川や湖でも、ハイテクを駆使した小型漁船や最新の装備を積んだ漁獲船団による過剰漁獲が、あらゆる水棲動物の生息数を無思慮かつ無責任に激減させている。だが、漁獲量は急速に減少しはじめ、多くの魚種や他の水棲動物はすでに絶滅の危機に瀕しており、すでに根絶されてしまったものもある。だが、南の第三世界の国々も、自然に対して無責任で犯罪的な乱獲を行っている。一例を挙げれば、熱帯雨林は犯罪的かつ組織的に伐採され、1995年初めにはすでに元の面積の半分にまで縮小、破壊、壊滅したのである。
 人間が無責任に引き起こしている環境変化の規模と速度は、衛星によってはっきり分かる。たとえば、カザフスタンとウズベキスタンにまたがりトゥラン低地に位置するアラル海は、わずか30年以内に半分に縮小し、そのうち40パーセントはここ数年で起きたことが衛星写真によって証明された。アムダリヤ川とシルダリヤ川が注ぐ排水路のないこの塩湖には、水は雨量の多い年にしか湖に達しないが、表面積は1975年にはまだ5万4400平方キロメートルあった。だが、湖水を潅漑に利用したため、わずか15年後の1990年までに湖は40パーセント縮小したのである。その結果、かつて地球上で4番目に大きかった湖の魚は無残にも死滅し、漁業と魚加工業は終焉を迎えた。その責任は農場主、技術者、科学者、そして政府にある。彼らのある者は庭園や広大な農地の集中的潅漑のために湖から水を引き、他の者はそのための手段や方策を提供する一方、責任者たる政府はそれらを認可した後は、手をこまねいて傍観していた。
 こうした行動や振る舞いは、実際にはこの地球の他のすべての国々でも見られるものであり、それぞれ形を変えて現れているにすぎない。たとえば、地中海でも凄まじい破壊が生じるということが、実際に起こりうるのである。これは主として、ポー平原から洗い流されて海に流入する化学肥料やあらゆる種類の廃水によってアドリア海が絶えず汚染されているところから毎年、病的なまでの海草の増加がますます大規模に発生し、海中のすべての生物を窒息死させている。これには、ナポリ、ジェノバ、ブリンディシ、カタニア、シラクサ、トラパニ、パレルモ、マルセイユといった港町も関与している。なぜなら、これらの町は有毒な廃水を何の処理もせず海に流しているからである。

 もう1つの大きな地球的規模の危険は、地球のオゾン層の希薄化である。これも人間の罪過と無責任さによって引き起こされている。オゾンホールは南極上空のみにとどまらず、年々大きくなっている。というのは、紫外線から生命を守ってくれるこの保護層は別の場所でも破壊されているからである。宇宙空間に発し、地球上のすべての生物に致命的な危険をもたらす紫外線は、ますます強く地球を照射する。その理由として、北半球上空でもすでにオゾン層が急速に減少し、もう危険なまでに薄くなっているからである。こうして、紫外線はすでに測定によって確認できるほど温暖な地域にも広がり、人間の間に「メラノーマ(悪性黒色腫)」と呼ばれる皮膚癌を引き起こしている。人間によって引き起こされた人工的な温室効果が同時に地球的規模で広まりつつあり、気候全体が崩れてしまう恐れがそこから発生したのである。種々の不自然な自然災害も、人間の破壊の狂気が原因であり、すでに現在では気象学者が、熱帯ハリケーン、異常な干ばつや、洪水など、自然災害の増加を記録している。これには、また地震や火山の噴火も含まれる。科学者たちはいまなお、それらは純粋な自然災害であると主張しているが、この主張は事実ではない。事実、こういったすべての事態や出来事や事件は、昔ながらの自然の枠にはとっくに収まらなくなっているのである。北極と南極、グリーンランドの氷原、それに山岳氷河が急速に融けて、その結果世界中で海面の上昇が顕著となっている。標高が低いすべての島国や沿岸地域は危険にさらされ、ゆっくりと、だが確実に上昇している水面下に消えようとしている。みずからを被造物の王と見なしたがる人間は、あからさまな非理性と利己主義を増長させて、地球的規模であらゆる生命にとって暴力的な脅威となってしまった。世界中ですでに無数の生命に対して危険な変化をもたらした最悪の悪弊と化しているのである。しかも、人類はとどまるところを知らず、凄まじい速度で増え続けているのだ。だが、地球がますます砂漠化している原因となっているのは、まさにこの事実にほかならない。つまり、人間の盲目的出産のせいで、あらゆる貧困とあらゆる悲劇、総じてすべての社会的、生態学的ならびに経済的悪がとどまることなく広大無辺に増加し、ついにはもはや取り返しのつかないところに発展していくのである。


 人間は地球の一部である。だが、人間は生きることの在り方を理解しようとしない。人間はそれぞれ異っているが、ある者は色が違い、ある者は異った人種、民族に属し、またある者は単によそ者であるというだけで受け入れられなかったり、軽蔑されたり憎まれたり、侮辱や迫害を受ける。権力欲の強い者や強力な者は、無力な人間から土地や財産を奪う。それとまったく同様、人間は自分の居住地である地球を、あたかも他人であるかのごとくあしらい、地球と全生物との調和のためではなく、ただ私利のみのために生きる。夜盗のごとくやってきて、まるで他人のように自分が要るものを何でも大地から奪い取り、何でも気の向くままに地上のものを破壊し、破滅する。人間は母なる大地と共に生きるのでなく、敵であり、大地の一部を侵略し、臣従させると、さらに前進し、次の場所でまたしても同じことを繰り返す。


 人間はその故郷、地球と大気、すべての水、全環境、あらゆる種類のすべての生命を、それらが使用され、利用され、破壊され、略奪され、搾取され、そして使用後は廃棄され、絶滅されても構わないものであるかのように扱っている。大地の溢れんばかりの富への欲望と、抑えのきかない人間の盲目的出産とが、やがてこの惑星をすべての生命もろとも飲み込んで、破壊し、そして生命のない荒涼とした砂漠以外の何も残さない。
 さて地球の人間が、何の明るい予測も許さない自滅的な状況に滑り込んだわけは何であろう。これについては、人類の誕生から今日に至るまでの歩みを調べてみなければならない。人間という種、すなわちホモ・サピエンスが増えて、世界中に住むようになるまでに数百万年掛かった。西暦元年には、せいぜい1億246万5000の人間が地球上に生きていたと推測されている。その時点から3億人に達するまでわずか1000年しか掛からなかった。しかし、あらゆる種類の戦争と疫病や伝染病が、繰り返し何百万という人間の命を奪った。これについては、特に中世が挙げられる。14世紀、ヨーロッパでは特に「黒死病」が人口の減少をもたらした。というのは、ペストが猛威を振るって蔓延し、一度に大勢の人が死に、全体では数千万人もの人間が死んだのである。だが、医学の最初の成果が出るやいなや、死亡率はまた減り、その結果、人間の死亡数は出生数よりもずっと少なくなった。そのために世界人口の増加はますます速くなり、1810年には初めて10億に達した。結果として、新生児の増加率が増えるのは言うまでもなく、世界人口の増加する速度もあいまってどんどん加速されたわけである。そして早くもそれを通じて劇的な問題が生じようとしていた。それは、生命圏全体と生命および惑星の来るべき破壊をほのめかしたものをすでにたくさん含んでいたわけである。人間の激増とその破壊的な帰結に関する警鐘はすでに当時鳴らされはしたが、今日同様無視されてしまった。今日では確かに、誰もが人口過剰によって引き起こされている地球的規模の破壊を話題にしているけれども、人口過剰の問題を認めようとせず抑圧しているのである。1926年には人類は20億、そしてその数を2倍に増やすまでなんとわずか116年しか掛からなかった。そして1960年には早くも30億人、1977年には40億人であった。つまり、次にその数が倍になるまで今度は51年しか掛からなかったのである。10年後の1987年には地球の人類はすでに51億に達し、それからわずか8年後の1995年2月までに、その数はなんと60億にまで増えた。これは世界中の誤った統計が出している数字より約3億人多い。最初の人間から数えてホモ・サピエンスという種が10億人に達するまでに数百万年、正確には450万年要したが、その後、世界人口が6倍に増えるのにたった185年しか掛からなかったのである。だが、人口過剰の擁護者、たとえばカトリックの教皇である法王は、際限なく子供を生むように人間を激烈かつ狡猾にたぶらかし、信仰によって事実上強制して、カトリック教会が搾取できる信者をできるだけ多く作り出そうとしている。その際、法王は、聖書に書かれている、控えめに言っても非理性的で犯罪的な指示を引き合いに出す。それは、モーゼの書第1編第9章第7節に次の言葉で言われているように、狂気の沙汰ともいえる人口過剰の増長を宣伝している。


「あなたたちは産めよ、増えよ  
地に群がり、地に増えよ」注)
(注)(1996年版 新共同訳)


 まさに人間がこのとおりに振る舞ったし、現在に至るまで変わってはいない。しかも、それは法王とその枢機卿、司教、僧侶、そして信者などによって、人類と生命と地球に対して犯罪と言ってもいいほど、恐ろしい行動パターンとして継続させられている。これによって、出産を犯罪的に促進し、−ある国家や市町村ではこれを正式に行い、それに従う者には多額の出産手当や児童手当を支給している− 一方では、法王への服従を通してあらゆる理性をつぼみのうちに摘み取っている。そのうえ法王は、母親の命を救い、また必要性のある中絶をでさえもしばしば禁止するだけでなく、あらゆる避妊法や、妊娠と出産の回避に適したその他の措置も禁止しているのである。法王とその信奉者は、妊娠中絶や、いかなる種類のものであれ避妊でさえも神に対する冒涜であり、非人間的であると言う。だが、法王は、無数の女性が妊娠、出産を通じて困窮と悲惨に陥り、子供が両親あるいは片親によって虐待され足蹴にされるとき、また多くの女性が同じように虐待され苦しめられるとき、また食料がなくて子供たちが悲惨にも飢え死にするという事実について何と言うのだろうか。それは恥ずべきことであり、非人間的なことではないだろうか。しかし法王もその信奉者も、そのことについて、明らかに心を煩わす様子は見えない。そしてたまたま、ある信者がそのことに構ったとしても、良心を安らげるために、わずかばかりの献金をするのが常である。その様なことや、セクト的な決まり文句や、美辞麗句ではことの進展はなく、また多くの問題を1つとして解決することはできない。殊に世界中に存在するすべての悪と問題の根源となる最大の問題、つまり人口過剰の問題を解決することはできない。
 人類の増加と食料生産との較差がますます大きくなっている。そこでバランスを取り戻すのは、疫病、伝染病、飢餓、戦争など、極端な形で人間の数が減少することによってしかない。ただし、もし人間自身がついに正気に戻って、論理的な行動と対策により、つまり厳格で徹底した産児制限と効果的な出産停止を実現し、またこれを容赦なく遂行することによって人口過剰のこれ以上の進行に終止符を打つならば話は別である。
 ついでながら食料生産についても簡単に一言。本格的な農業および菜園に利用できるのは、地球の全陸地面積のわずか12パーセントにすぎない。残りの面積は、山岳、岩、ツンドラ、ステップ、森林、砂漠など、耕作不能な地域である。しかし、12パーセントの利用可能面積は、人類の数とはまったく釣り合っていない。というのは、ごく自然に計算すると1人当たりの人間がきちんとした生活を営むために必要な生存圏は8万3333平方メートルであり、たった1人の人間の食料需要を満たすのに4000平方メートル(これは63.245×63.245メートルに相当する)の肥沃な耕地を必要とするからである。これを60億の人類に換算すると、総面積は約2400万平方キロメートルとなる。だが、これは確保できない。この地球全体の利用可能な12パーセントの耕地面積は、わずか1800万平方キロメートルにすぎないからである。つまり、60億の人類が食料生産に必要とする面積より、600万平方キロメートル少ないのである。そして、この矛盾は新生児が1人誕生するごとに悪化し、しかもこの12パーセントの面積は増えないどころか、土壌流出と砂漠化、家屋、道路、飛行場、村落および大都市の建設、さらにはあらゆる種類のスポーツ施設などによって日ごとに減少し、消滅しているのである。
 牛肉1キログラムを生産するのに、9キログラムの穀物が必要である。肉lキログラムは人間の1日の栄養価に相当する。だが、換算すれば、穀物9キログラムは16人の人間を養うことができるのである。今日、世界中の海で300万隻の漁船が漁をして、魚や水中のその他の生命体の生息数を激減させている。しかも、漁獲量は過去40年間で3倍に増えている。人間の食物連鎖に入った魚やその他の水棲動物は、1950年はまだ2000万トンだったが、1990年までに年間1億トンに増えた。だが、漁師は海だけでなく、収入と利益が得られるなら、つまり金勘定さえ合えば、湖や河川をも良心のひとかけらもなく収奪している。そして、すべてが非常にプロフェッショナルに、だが遺憾にもすべての点でまったく将来を考えずに無責任に行われる。しかし、このような乱獲はすべての海や河川での世界的な過剰漁獲をもたらした。こうして、多くの海や湖などに生息する多数の生物がすでに再生能力の限界に達し、あるいはすでに完全に搾取されて死滅または絶滅してしまったのである。
 人間はすでに、漁師や農場主や菜園家などがいくら努力しても、人口増加についていけない状態に至っている。つまり、毎年新たに生まれて著しく増大する人口に加わる数千万の人間を養うことができるためには、すでに生息している人間が、自分の食料消費量を制限しなければ無理である。だが、これはまったく新しく直面する状況であり、人間がこれに順応しなければ、これからも数百万の人間が餓死するであろうし、しかもその数は増える一方であることが予測される。
 空気や気候も問題になっている。地球の大きさに比べると、大気は実際のところきわめて薄い膜にすぎない。精密このうえない自然の複合的な制御系は、地球の生命体が呼吸できる種々の気体の混合比を5億年もの間、一定に維持してきた。気温さえも、きわめて狭い帯域内に保たれた。こうして天然の防盾が生じ、その下でやはり天然の温和な温室気候が発達し、その中で次第に多様な生命が繁栄できたのである。しかし、この精妙な均衡に人間が干渉したために、およそ100年前からすべてが変わってきている。人間自身がその技術や毒物生産などによって、地球の気候さえ変化させ、徐々に一切を壊滅させる危険で、生命に敵対的で、破壊的な温室効果を新しく生み出している。人間の自己欺瞞は、最後には人間自身とすべての生命体、さらには地球の破壊と滅亡を招くのである。
 化石燃料の燃焼や、自動車、その他のエンジンの排気ガスなどにより年間230億トンの二酸化炭素が、化学産業や個人消費によって100万トンのフロンが、牧畜、稲作、ゴミの山により3億8000万トンのメタンが、窒素肥料とバイオマスの焼却により1100万トンの一酸化窒素が、大気中に放出されている。
 オゾン層破壊や温室効果、すなわち地球の気候変動に対する責任が、ひとえに人間にあることは疑いなく、またこの世界に住む人間が増えれば増えるほど、それらすべては悪化し、救いようがなくなるのである。現在すでに明らかになっている気候変動が、ハリケーンや災害を伴うその他の激烈な自然現象の増加を招いているのは間違いない。
 人口過剰の弊害が蔓延するのは、女性が抑圧され、軽蔑され、虐待され、男性に比べ、劣等であるとされるからである。女性には権利がない。したがって、実に多くの女性たちは男たちから、さまざまな脅迫を受けているが、中でも最たるものは信仰による中絶と避妊の厳禁である。しかも、このような差別はキリスト教とその教派だけでなく、その他の宗教やそれらの教派にも見られるのは以下の短い抜粋が証明している。


イスラム教のコーラン第4章
「男は女より上位にある。なぜなら、アッラーは一方を他方よりも優位を賜ったからである。」

儒教
「百人の女子は、1人の男子に如かず」

ヒンズー教
「妻たる者は決して独立を享受してはならない」

新約聖書/パウロがエペソ人に書いた手紙
「妻たる者よ、主に仕えるように自分の夫に仕えなさい」


 これらの格言は、宗教および多くの男の観点から女性の価値について語った、実に明瞭な言葉である。そしてこの女性を差別する言葉は、過去に語られただけでなく、今なお至る所で語られているのである。このことは、とりわけ女性を出産機械として乱用しながら、女性はそれに抵抗できないことを証明しており、また、人口過剰が今後も敏速に止まることなく活発に進んでいくことを証明している。
 カトリック教会は避妊や出産防止に対して重厚で頑丈な防御壁を築いた。これは、出産制限と出産防止のあらゆる理性、女性のすべての権利、そして出産や妊娠中絶について自分で決めたいという女性の願いに真っ向から対立するものである。しかも、政治家までがこの意味で女性の権利を切りつめ、不当にも女性について裁定し、国の法律でその自由を奪うのである。そのため、特にカトリック教(およびその他の宗教)の間では、放縦な出産増加が今後もはびこり、地球上のすべての生命を、それどころかこの惑星の存在さえも危うくするのである。今後も出産を管理せず、出産停止および産児制限を導入、実施しないことは、死の文化を育むことを意味する。だが、犯罪的なローマ教皇もしくは法王とそれに従うすべての者たちは、強大な権力を持っており、それによって法王(および他の宗教とその代表者)は、全人類と地球および地球上のすべての生命を苦しみと悲惨さ、破壊と絶滅へと導くのである。


 法王とヴァチカンの枢機卿は、世界中の地域のすべての種族の10億近い信者が属するカトリック教会の最高権威をなしている。1968年、当時の法王パウロ6世の回勅「フマナエ・ウィタエ」が公布された。この標題は「人間の生命の伝達の公正な秩序について」ということを意味する。その第14節には、避妊法の許されないやり方が詳しく述べられているが、それは法王と枢機卿らが女性を差別し、その権利を切りつめ、世界の人口を引き続き無制限に増やして、人類とあらゆる生命と惑星地球を損ね、破壊するために、企んだものにほかならない。
回勅「フマナエ・ウィタエ」第14節
「たとえ治療の目的であっても、すでに芽生えた命を直ちに摘み取ること、特に直接、妊娠中絶を行うことは、法に適った産児制限の方法ではなく、絶対に排すべきことである。同じく、男性または女性の直接的、恒久的または一時的不妊手術は、排撃されなければならない。全く同様に、夫婦の行為を遂行するにあたって、子孫繁殖を妨げるために、途上、前後に関わらず何らかの所行を講じることは、それが目的であっても、目的のための手段であっても退けるべきである。」


 これについて見解を述べると、法王が言っていることはすべて、非人道的で生命に対して敵意を持ったものであるから、躊躇せずに無視すべきである。というのは、そのくだらないおしゃべりは取るに足らないものであり、彼が提示したものは、世界と人類が直面しているいっさいのものに対していかなる現実的な関係も持っていないからである。

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