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査定厳格化が引き金に…りそな資金注 入の舞台裏 読売online
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投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 18 日 10:38:41:

(回答先: 政府の手法手詰まり、金融安定化へ大胆な政策必要 読売online 投稿者 小耳 日時 2003 年 5 月 18 日 10:33:49)

 りそなホールディングスは、政府に対して公的資金注入を申請することを決めたが、水面下で、りそなは監査法人との間で5月に入って、2003年3月期決算を巡る激しい交渉を続けていた。一方で、政府は、金融システム危機の回避のために徹 底した情報管理体制を敷いた。公的資金注入が決断されるまでの舞台裏を探った。

【急変】

 勝田社長と監査法人の交渉は4月初旬から始まった。勝田社長は繰り延べ税金資産の取り扱いについて「昨年並みの7092億円か微減」を主張した。監査法人は「赤字が3期続いており、認められない」と難色を示し、2700億円の減額を主張し平行線のままだった。それでも、りそなには「付き合いが深く、最終的には多少目をつ ぶってくれるのでは」と淡い期待があった。

 一方、りそなの決算を巡り、金融庁と監査法人の協議も同時並行で続いた。一時は、「(国内業務を行う銀行の自己資本比率の最低基準の)4%を上回る水準になるように繰り延べ税金資産の計上を認める」との案に傾いた。しかし、監査法人側には、日本公認会計士協会の監査の厳正化の通達を受けて「(評価が)緩いと見られては監査法人として存続があやぶまれる」との危機感が高まっていた。金融庁内部にも「4%超」という結論ありきで、繰り延べ税金資産の計上を認めることには「かつての裁量行政に逆戻りする」との異論もあった。

 5月2日、勝田社長は、りそなの財務担当者から「なんとか5%台後半の自己資本比率を保てる」との見通しを伝えられ、安心して連休を取った。だが、結果的に、連休明けに形勢は一気に逆転し、公的資金の注入の申請に向けた流れができ上がっていた。

【攻防】

 「5月に入ってからそんなことを言うのは背信行為だ」。連休明けの6日、りそなホールディングスの勝田泰久社長は、監査法人の代表に詰め寄った。りそなは、銀行の経営の健全性を示す自己資本比率をかさ上げする効果がある多額の繰り延べ税金資 産の計上を求めていたが、監査法人は同日、「りそな側の主張は認められない」と最後通告した。

 銀行は、不良債権を処理した際の損失を、将来の課税所得から差し引けるとして、その分の金額を自己資本に算入している。だが、監査法人は、りそなの収益力の回復を疑問視、繰り延べ税金資産を大幅に減額するように求めたのだ。

【緊張】
 
 「これは破たんではなく、再生です。経営陣が若返って、りそなが再生すれば、銀行業界に自浄作用を促します」

 5月14日午前、官邸で竹中経済財政・金融相は、小泉首相に資本注入の狙いを、こう力説していた。小泉首相は、「迷うことなくそれでやってくれ」と述べ、りそなへの公的資金注入を最終的に決断した。

 りそな側が公的資金を申請する方針を金融庁に伝えてきたのは、翌日の15日。竹 中氏はさっそく官邸を訪れ、福田官房長官と、りそなへの公的資金注入の方針を最終確認した。

 官邸と金融庁は、金融システム不安を回避するため、極度の緊張を強いられた。情報管理を徹底させるため、主要国首脳会議(エビアン・サミット)財務相会議へ出席のため渡仏中だった塩川財務相にも事前に連絡することを見合わせた。一方、16 日、週末の別荘行きをやめた竹中経財・金融相は平静を装って午後7時半に金融庁を離れ、深夜、自ら電話で与党幹部に金融危機対応会議を17日に開催することを伝えた。

【責務】

 「りそなと同様の問題が起きる懸念はまったくない」。日本銀行の福井俊彦総裁は金融危機対応会議の終了後、日銀で行った記者会見で、市場の懸念を強い口調でうち消した。

 しかし、りそな株が額面割れ寸前の1株あたり54円にまで下がった3月上旬、4 大銀行の株価下落にも歯止めがかからない状況が続く中で、日銀内部には緊張感が高まっていた。

 金融再生プログラムは銀行の不良債権処理を加速するための、政府による銀行への公的資金の注入と、日銀特融による資金繰り支援の2本柱からなる「特別支援」の枠 組みを盛り込んだが、銀行への信認は回復するどころか、3月末を超えても、株価回復の兆しが一向に見えなかったからだ。

 日銀は個別行の資金繰りを監視するとともに、量的金融緩和策の強化で銀行の資金を潤沢にすることで金融システムの安定を図る責務を負っている。福井総裁は17日の記者会見で「危機に至る前の予防的な公的資金注入の枠組みがあった方が良い」とかねてからの持論を展開した。福井総裁が予防的な注入にこだわるのは「銀行が資金繰り破たんして金融危機に波及すれば、日銀の信認に傷がつきかねない」(日銀幹部)との懸念が背景にあるからだ。

 4月に入ると、大手銀行と大手生命保険が、資本と基金を持ち合っていることによる共倒れを懸念する声が高まっていたことも、日銀が、資金繰り破たんを回避する枠 組みを強化したいとの思いを強めている要因だ。日銀は、りそなへの公的資金注入をテコに、予防的な公的資金注入の枠組みの整備に向けた政府への働きかけを一段と強めていくとみられる。

 監査法人=企業の財務諸表の監査を行う法人で、5人以上の公認会計士で組織する。アメリカでは、企業会計を巡る不祥事が相次いだ際、監査法人のあり方も問題になった。

(2003/5/18/02:04 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20030517ib24.htm

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