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Ddogさんへ、氏の奮闘に期待しています。
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投稿者 如往 日時 2003 年 6 月 28 日 15:06:36:

(回答先: 日本における所得分配構造の変質と、日本における道徳的規範の必要性。反Ddogの皆さんへ 投稿者 Ddog 日時 2003 年 6 月 28 日 01:04:13)

 Ddogさん、こんにちは。
 状況は氏の孤軍奮闘の様相を呈しているようですが、そのDdog氏にエールを贈りたいと思います。


 先ず、明治期から第二次大戦終結期まで、たとえ形式的にであっても天皇がこの国に君臨していたとするならば、応分に敗戦責任を含む戦争に纏わる自国(民)にたいする責任があるのは明白でしょう。もし、責任がないとするならば天皇それ自体の存在理由の否定になります。つまり、責任を引き受けることは天皇ご自身の存在意義の明示と同義であるのです。
 しかし、何の因縁かそうすることを許されなかった、あるいは許されない事情があった。しかも、天皇には責任を引き受ける用意があった、あるいは退位の意思があったとの後追い的な擁護論は、何ら弁護の用も為さず、却って天皇の価値を限りなく割り引くことになりかねない無惨な結末を招来するものと推測しています。

 天皇はじめ我々日本人は要所のところで自ら答えを出して来なかったのです。もし、終戦時に戦争責任を引き受けられて天皇自ら退位を表明されていたならば、それこそ日本国民が自ら答えを出したものとして天皇の所為は象徴的な規範になっただろうと想像できますし、その後正しく総意のもとに天皇を自分達の倫理・道徳の体現者であると国民が選び取り、かつ崇敬しただろうと夢想することも可能だったでしょう。
 残念なことに、天皇の系譜を辿ってみると(国家経営の)CEOとして奉り上げられることはあってもCOOとして国政をリードした事例に特筆すべきものがあまりありません。少なくとも自ら答えを出そうとしたと辛うじて言えるのは、隣国の文化・文明との対置に腐心した聖徳太子だけではないでしょうか。「和をもって尊ぶべし」には、忌憚なく議論を戦わせることを前提に、最終的には皆が力を合わせて事に当たるという、ある種民主主義的な思想の萌芽が見られますし、何よりも自ら答えを出していくときの重要な手続きに資するものであると言えます。

 私もおそらくDdog氏も、戦後思潮を含む日本(人)的な思考の影響を受けていることは確かでしょうし、それを拭い去ることも新旧の織り交ざった日本的な価値観に起因した呪詛呪縛から解き放たれるのも容易なことではありますまい。その中で、このサイトをウオッチし参集している人達の感性はかなりの確度で信頼するに足るものであると思っています。もちろん、氏も同様に見ています。けれども、論理的な構築性に関しては少なからぬ差異があることは否めません。私は、教育勅語や武士道を云々する以前の問題として、戦前は言うに及ばず戦後においてさえも日本人に理論構築のスキルを与えて来なかったその怠慢さ加減は文部省も日教組も同罪であると思っています。
 さらに、その人の思考(思想)に信憑性があるとしたら、あるいは信憑性について他者が精査することが可能だとしたら、それは思考のContextの具現性に関係していると捉えています。しかし、遺憾ながらとりわけ戦後世代では、Contextに出遭うことができても社会・政治的に触媒し追体験する状況には恵まれなかったことが、論理展開の限界状況を示していると思われますし、それはDdog氏も私も例外ではないはずです。
 政治家や所謂寄生者やその周辺の人間達が様式にまで固められたゲーム・スキルを駆使して生存継続を企図することについてそれはそれで道理があるとしても、氏がそれを代弁擁護することに何の真骨頂があると申されるのでしょうか、判然とはしません。

 ところで、天皇が君臨していなかったとの定立から論を進めることの愚挙や不毛性やについては、Ddog氏は十分承知であると推察し、敢えて詳細には触れませでした。
 歴史上度重なる隣国の侵蝕を受け幾多の内外の戦役に晒された民族や国家が、自己保存のために諸国の動向を窺いながら成りを潜め消極的な答え(強国の先導)に身を委ねるのは認容されるべきことかも知れません。しかしながら、殆ど国史上最初でしかも比較的短期の間他国によって統治された日本の、伝統の固有性がまたしても自ら答えを出さないことにあるとしたら、今後の悲惨な状況を物語るものでしかないでしょう。


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