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グラビテーションが僕たちを支える
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投稿者 馬場英治 日時 2003 年 8 月 13 日 01:28:40:dcAX/x0KhXeNE

(回答先: とりあえず橋頭堡は確保された 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 8 月 11 日 10:50:18)

すみちゃん,こんにちは.

タイトルにある「とりあえず橋頭堡は確保された」という認識はとても重要であると思いますし,
同時に,とても励まされました.ありがとう.我々はこの地点から決して後退してはならないし,
また,そうすることもないだろうと思います.

> 重層的信用創造、複利を「廃絶」するというとは、人間性を考えますとなかなか難しいですね。
> 人間には知恵があります。

私は前にあっしらさんへの応答の中で「価値観の転換が必要であることに原則的に同意する」
としました.原則的にというのは,それが必要ではあっても難しいということを暗黙に含意します.
私は前に(別のところで)「グラビテーションが僕たちを支える」と書きました.グラビテーション,
つまり重力と呼ばれる地球中心に我々を落下させようとする力によって逆に我々は地面に直立
します.頭は天に向かい,足裏の占めるわずかな面積が地面から受ける反発力によって我々
を支えます.地球を取り巻く薄い大気層によって散乱された全天光によって形成される我々の
頭上の青空と呼ばれる天蓋の存在も我々が2足歩行を覚えたことと無縁ではないでしょう.

象徴的にはグラビテーションとは我々を堕落させ,地上的なものに向かわせるすべての力を意
味します.つまり,肉なるものに対する飽くなき嗜好と言ってもよいでしょう.しかし,それが無け
れば我々は直立することも無かったはずです.我々は我々を堕落させようとする力によって始
めて直立し,天上的なものを志向することが可能になったという反語が我々人間の条件です.
ユートピアを夢想することはできますが,地上に王国を建設しようとするなら,それは反重力的
なものになるはずも無く,必ず重力という物理的制約条件下で設計されなくてはなりません.

> 株式担保による、共同マネタリシステムからの無対価金融を認めないということで、基本的に資金供給のパイプは細くなったわけですね。
>
> 住宅も同様。 人間はチューリップを対象にしてバブルを作り出せる動物なので、とりあえず廃絶までは考えなくとも良い(非常に難しい)と判断します。 廃絶はイタチゴッコになりそうですし、下手に活力をそぐ結果になるかもしれません。

多分2つのことが必要だと思います.ひとつは特に我々の提案している税制の数量的・数理経
済学的評価です.我々はまだこの我々自身の提案を我々自身よく把握していないと思います.
取引税が金融システムにどの程度の負荷として働くか,劣化する貨幣という徴税方式のメリット・
デメリット,外形課税が独占の形成に対しどの程度の反力としての効果を持つかなど...

それ以前の問題として,インフレーション・デフレーションなどの貨幣現象のメカニズムをもっと
掘り下げて研究する必要があります.そうでないと,たとえ思いつく限りの抜け穴とその対抗策
を列挙したとしても,いつか必ず掘り崩されてしまうでしょう.無利子金融というアイディアそれ自
体は現実的なものです.実際,イスラム銀行としてそれは実現されてさえいます.素直に考え
れば,無利子金融があれば銀行は不可避的に淘汰されると思いたくなりますが,すみちゃんご
指摘のように,明らかに現実はそれほど単純なものではありません.

> しかし重層的信用創造および複利システムが経済社会の中枢にある場合に比べて、ずいぶんと進歩しており、災厄は縮減できる見通しが立ってきましたね。
> この方面では「致命的」な問題はないと思います。

私もそのような感触を持っています.しかもそれは,それほど柔なものでもなく,また政治権力
による強制によってしか実現できないような非合理なものでもないと思っています.おそらく,
それは一旦確立しさえすれば「千年」は持つシステムになると思っています.ただし,それでさ
えも,根源的な地の力を恒久的に廃絶するものではない(聖書の予言によれば千年後に再び
蘇るとされている)ということは,覚えておく必要があるのではないでしょうか?

> あとで考えることにして、英文の方にお進みになってはいかがでしょう。

マルハナバチさんからも強く勧められていますが,私は同時にはほとんど一つのことしかでき
ないタチで,それに着手するにはある程度まとまった時間が無いとダメのような気がしています.

> 次の大きな問題は以下の点だと判断しています。
>
> (1) 無対価金融における信用供与の規律をどこに求めるか。 購入物の担保の範囲内なら無制限というのでは規律にならないですね。もの凄いマネーサプライを生じさせるかもしれません。

ご指摘の通りです.マネーサプライ→物価高騰→担保価値の上昇→となりますから,歯止め
がかかりません.

> (2) 政府支出の偏りや規律をどこに求めるか(支出の量と質の規律の問題)。

政府貨幣による政府支出の交換条件として政府(および関連企業の)会計帳簿の完全公開が
少なくとも必要であると考えています.しかし,これは言わば外形的な問題で支出の内容につ
いて問うているものではありません.如往さんの用語で言えば「政体」の問題ということになり
ますが,今のところその「政体」の輪郭さえも見えないというところではないでしょうか?しかし,
ドレスを縫い上げればそれを着る人のボディもある程度までは想像付くように,やがてその外
形が透けて見えてくるのではないかとも思っているのですが...

> (2)についてはあっしらさんが提起をお始めになりましたが、私はとりあえず次の問題ということで良いかなとも思っています(ごめんなさい)。

あっしらさんの念頭には「ソフトランディング」という構想があります.それは@現在の長期不況
からの脱出という現実的課題の克服とA近未来的な共同社会構築への漸近的接近という2面
を持ちます.共同的資本主義のプランを,

(1)政府貨幣発行(というオプション)を認める
(2)税制改革は(無税化を将来展望した)長期課題とする
(3)銀行の存続を認め,国有化した銀行を(超)低利融資の政府系金融機関に転換する

と修正すると,かなり現実味が出てきます.その意味でソフトランディングという可能性を追求
する作業の意義は非常に大きいと思います.上記の自由貨幣発行とマネーサプライの関係な
ども,もし実物経済上で「実験的」に観察できれば多くのことを短期間で学習することができる
でしょう.(その意味で半端でもやってみたら?という気持ちは,私などにはあります.危険です
が.^^;) 様々な国内的現実政治的諸条件から最終的にソフトランディングという選択は有り得
ないという結論が出るかもしれませんが,そのことについて広範な議論を起すことは必要です.

> もちろん失敗したら致命傷になりますが、政治および価値観の問題まで分け入ることになり、解決には次の「飛躍」が必要なように思われるからです。

(適切な表現であるとは必ずしも思いませんが)「国論の統一」のようなことが無いと,上記のよ
うな暫定(的修正)案ですら現実化することは難しいと思います.(現行法制下で可能,つまり
憲法改定が不要というのは結構重要なポイントかもしれません.)今は,マスメディアの煽る扇
情的なプロパガンダに引き回されることなく,頭を冷やして冷静に観察しクールに判断すること
が必要だと思います.我々は共同的資本主義という確保された不動点に立つことができます.
ここから眺望するとさまざまな事柄の(隠蔽された)意味もより鮮明に見えてくると思います.

英治

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