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[騒乱・彩の国]土屋知事辞職 11年の「王国」に幕 /埼玉 (毎日新聞)
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投稿者 エンセン 日時 2003 年 7 月 20 日 18:40:37:


[騒乱・彩の国]土屋知事辞職 11年の「王国」に幕 /埼玉

 ◇職員の見送りもなく
 「土屋王国」とまで称された県政は、あっけなく幕を降ろした。自らの資金管理団体をめぐる不正経理事件で引責辞任を表明していた土屋義彦知事(77)の辞職が、18日の県議会で正式に決まった。11年にわたって君臨した土屋前知事だが、職員による見送り式もないまま、追われるようにして権力の座を去った。議会終了後、各政党は「ポスト土屋」の選出に向けた候補者調整を本格化させた。「彩の国」の騒乱はまだまだ続く。
 県政トップとして迎えた最後の朝。土屋前知事は公館に幹部職員24人を集め、午前9時から臨時庁議を開いた。「お別れになるが、この償いのために一県民としていくらかでもお役に立ちたい」と述べた後、一人一人に「ありがとう」と声をかけた。そして最後の本会議へと向かった。
 「知事の辞職に同意することにご異議ありませんか」。滝瀬副次議長の問いかけに「異議なし」という言葉が続き、土屋前知事の辞職は決まった。午前10時5分。自らが築き上げた「土屋王国」の崩壊の瞬間だった。
 議長の許可を得て、登壇した土屋前知事は「長女が逮捕され、県庁と知事公館が捜索を受けたことは弁解の余地もない。県議会や県民の皆様に心からおわび申し上げます」と淡々とした口調であいさつした。
 引き続き、与党会派を代表して自民党議員団の深井明団長が送別の言葉を贈った。「埼玉を愛したその情熱と精神をしっかりと受け継いでいきます。功績に心から敬意を表したい」。土屋前知事は、深井団長の言葉を目をつぶって聞き入った。
 休憩に入った後、退場する土屋前知事を見守りながら、涙をぬぐう古参議員の姿もあった。県議2期、参院議員5期、知事として3期。秘書時代から数えて53年に及んだ土屋前知事の政治家生活もここでピリオドが打たれた。
 議場を後にした土屋前知事は、エレベーターで地下駐車場へ。居合わせた清掃員の女性たちに「お世話になりました」と頭を下げた。目には涙があふれていたという。午前10時32分、公用車で県庁を後にする際、土屋前知事は動向を追う報道陣に手を振ってみせた。11年前に畑和氏が退任した際は正面玄関前で職員約700人が参加して見送り式が行われたが、土屋県政の幕切れはあまりにも寂しいものだった。
 午前11時26分、土屋前知事を乗せた車は春日部市の自宅に到着。報道陣や見物人計100人が待ち構えていたほかは、訪れる支持者もほとんどいなかった。近所の主婦(67)は「何とも言えない思い」と言って絶句し、最後に「まあ、しようがないよね」とつぶやいた。
 ◇最大の弱点は娘だった
 涙、涙の一日だった。県庁幹部を集めた最後の庁議、議会、記者団に対して、土屋前知事は「申し訳ない」と何度言っただろう。知事公館を出る時も「ここ(賓客を招く正面玄関)から出るのは申し訳ない」と裏口の公邸玄関を使うと言い、幹部から止められた。家宅捜索の夜以来、訪れていない知事室に立ち寄ることもなかった。
 昭和天皇の弔辞を読んだ人である。「彩の国の王」に例えられたこともあった。しかし、会ってみると違う。正直、誠実、仕事熱心、不正を嫌い、弱者を思いやる。子供のような人なつっこさもあった。大正生まれのがんこ親父の弱点にして最大の欠点、それが娘への「溺愛(できあい)」だった。
 長女の計画性のない事業に「桃子は夢を追うからなあ」とこぼし、パーティーでは「娘のあいさつが良かった」と喜んだ。怒ったことなどなかったに違いない。ある県庁幹部は「ずっと家庭を顧みてこなかったことに負い目があった」と説明した。政治家として生きた前知事に、家族団らんの時はなかった。
 平和を愛し、小国をもてなす「草の根外交」が好きだった。「権力によらない政治」――これはこの人柄から出た言葉と思う。埼玉は11年ですっかり国際的になった。故・畑和元知事、土屋前知事と人気の知事が2代続けて突然辞職した。権力の座には自分を見失わせる魔物がすむのだろうか。【小谷守彦】
 ◇「三権の長」から転身
 土屋前知事は1926年、旧内務省で建築技師だった父親の下、東京に生まれた。5歳で父親を失い、母親も間もなく再婚、静岡で酒店を営む祖父母の下で育った。戦後、叔父で大正製薬社長でもあった上原正吉参院議員(当時、故人)の秘書を務めた。59年、県議に初当選し2期、65年からは参院議員に転身し、5期連続当選を果たした。
 防衛政務次官を経験、第2次大平正芳内閣で環境庁長官として初入閣。88年には62歳で史上最年少の参院議長に就任した。
 「三権の長」からの転身は92年。革新県政の畑和知事(同)の打倒を期す自民党県連の要請を受け、出馬を表明。ところが、金丸信副総裁(同)が「土屋降ろし」に転じ、混乱した。金丸副総裁のもくろみは外れ、畑知事だけが辞職し土屋県政が誕生した。畑知事は毎日新聞の取材に「土屋さんは知事に向かないと思い、金丸さんサイドに『土屋降ろし』をお願いした。最後は自分が降りれば彼も降りると考えたが」と話していた。
 「今回の混乱ぶりを見ていると、畑さんの退任時を思い出してしまう。再び同じことが繰り返されるなんて」と県幹部の一人はつぶやいた。【高木諭】
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 ◆県民に聞く
 ◇「功績」と「裏切り」−−「関与の有無知りたい」
 11年間続いた「土屋王国」に18日、ついにピリオドが打たれた。土屋県政、辞職、強制捜査などについてどう感じたか……。県民の声を聞いた。
 ◇熊谷市末広2、主婦、岡喜久江さん(63)
 箱ものを多く作りすぎた。維持費が大変。県からこれらの施設を移管された自治体では、維持費がかさみ、ほかの部署に予算が回らない状態だ。特に小中学校の体育館にその反動がきている。
 ◇川越市仲町、自営業、塩野すい子さん(55)
 川越に12年前に引っ越ししてきた当時は「ダサいたま」のイメージが強かった。それを消して「彩の国」のイメージを植え付けたことは大きい。実行力のある人で、こんなことになり残念。
 ◇所沢市小手指2、無職、上野忠勝さん(76)
 権力者の父の背中に隠れ、集まる政治献金を長女が自分の会社経営に使っていたなんて許せない。知らなかったとはいえ、道義的に知事の辞任は当然だ。裏切られた思いだ。
 ◇草加市中央2、塗装業、会田大輔さん(29)
 「彩の国」で埼玉のイメージを良くした功績があり、信じていたので残念だ。しかし、政治家として注意すべき金銭問題が表面化した以上、辞職するのは当然と思う。裏切られた思いだ。
 ◇さいたま市桜区田島5、会社員、須田陽一郎さん(24)
 最初は強気で疑惑を否定していたのに、突然ポキっと折れてしまった印象を受けた。やましいことがないならば、辞めずに知事としての立場でしっかりと追及に応えるべきだった。
 ◇秩父市大野原、パート従業員、内田郁子さん(48
) 潔白を信じたい。頑張って県民のために仕事をしてくれたように思う。秩父でも皆野・寄居バイパス建設など、環境整備に力を注いでくれた。辞職はしかたない結果と思う。
 ◇川口市中青木3、主婦、松尾容子さん(34)
 娘に対して親がどこまで責任があるかを考えさせられた。娘がしたことを黙認していたとしたらおかしい。「やめなさい」というべきだった。本人が関与していたかどうかを一番知りたい。
 ◇川越市今福、市職員、細田隆司さん(44)
 新都心の再開発を手がけるなどパッとしなかった県に光を当てた功績は大きかった。リーダーシップがあったからだと思う。、最後は娘さんのスキャンダルでの辞職は残念だ。
 ◇春日部市中央、自営業 中妻〓子さん(42)
 「長女と私は別人格」の発言は恥ずかしい。資金管理団体の責任者はあなただ。金の流れを解明してほしい。なぜ土屋知事は影響力が大きかったのか? 土屋県政のやり方を明かにしてほしい。
 ◇さいたま市南区根岸4、無職、塚越泰一さん(73)
 知事辞職は遅すぎた。2期で辞めるべきだった。自らの王国を作り、残したのは赤字だけ。事業も見通しが甘すぎた。「桃湖」なんてばかげている。逮捕されたとしても仕方がない。
 ◇秩父市永田町、私設美術館長、西富男さん(49)
 政治家としての実力は最高で、職員からも信頼されていた。知事本人の関与がないことを願いたい。県民のために働いた政治家だけに残念だ。家宅捜索は重大な結果の予言だろうか。
 ◇志木市下宗岡2、鉢物生産業、金子直哉さん(28)
 県のトップとして自ら謝罪するなど責任感が強いように思えた。私利私欲を感じなかっただけに辞職は残念。事件に関与していたとすれば信頼を裏切った事になり、憤りは大きい。
 ◇新座市大和田3、団体職員、大金洋子さん(43)
 無駄な公共工事が多かった。畑県政時代に築いた老人医療費無料化などは切り崩され、県民に借金を押し付けたのは許せない。娘のせいにして自分は手を染めてないとの言い訳は通らない。
 ◇川口市中青木1、飲食店主、南雲公義さん(60)
 残念、の一言だ。川口のために本当に良くしていただいた。前の知事と比べると日本晴れとみぞれほど違った。身内から出たことで、こんな方を失うのは国としても県としても損失だ。
 ◇春日部市大場、書籍編集者、片山布自伎さん(59)
 さいたま新都心とか功もあるだろうが、その裏には膨大な借金と談合問題だ。「虎の威を借るキツネ」長女に対して、「知事の娘」という反応しかできない関係者に怒りと失望を抱く。
 ◇騎西町正能、公務員、正能豊さん(39)
 「ダサいたま」と言われていた埼玉が「彩りのある国」として有名になった。立派なサッカースタジアムができてワールドカップが開催され、うれしかった。まだ県の発展に尽くしてほしかった。
 ◇吉川市吉川1、主婦、吉野正美さん(26)
 最近はイベント会場などが整備され、「ダサイ」といわれた埼玉のイメージは近代化したと思う。県庁に家宅捜索が入ったのは、やはり県政と自分の欲が一緒だったような気がする。
 ◇狭山市広瀬、主婦、松井恵さん(25)
 狭山にはハード面で土屋知事の力添えによる施設などはない。ただ、くぬぎ山の自然再生への働きかけは評価できる。強制捜査が県庁や自宅に及んだことは驚きと同時に、情けない。辞職は当然。
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 ◆土屋県政11年の軌跡
92年 6月 土屋知事が初当選 畑県政20年に幕
   11月 東京外郭環状道の県内区間が開通
   12月 運輸省が地下鉄7号線に事業免許
93年 5月 Jリーグ開幕、浦和レッズも参加
    5月 県議会議長選汚職事件で自民党県議3人逮捕
    5月 さいたま新都心整備事業が本格始動
94年 3月 米不足、県内にも波及
    6月 国体メーン会場、熊谷市に決定
   10月 さいたま芸術劇場オープン
95年 1月 阪神大震災。食糧、医薬品輸送など救援活動
    3月 県内初の女性副知事誕生
    7月 県内初の地下鉄、埼玉高速鉄道起工
    9月 核実験に抗議し、仏製防災ヘリ購入を中止
   12月 旧2信組事件
96年 1月 さいたま市出身の若田光一さんが宇宙へ
    6月 土屋知事が知事選に再選2期目へ
   12月 02年サッカー・ワールドカップ開催地に決定
97年 1月 県費不正支出が発覚、3年間で23億円の不正
    1月 さいたまスーパーアリーナ着工
    2月 埼玉スタジアム2002建設開始
    9月 県によるダイオキシン調査データ隠ぺいが発覚
98年 3月 所沢高校卒業式を生徒400人がボイコット
    4月 雁坂トンネル開通
    7月 不況で県内の有効求人倍率が統計史上最悪に
99年 2月 ダイオキシン汚染疑惑のテレビ報道で所沢市の農家らがテレビ局などを相手に損害賠償提訴
    8月 サッカー・ワールドカップ準決勝の開催地に
   10月 県の財政危機を受け、行財政改革プランを策定
00年 4月 桶川女子大生刺殺事件で上尾署調書改ざん発覚
    5月 さいたま新都心が街びらき
    6月 土屋知事が218万票の大量票で3選
    6月 川越保健所によるO(オー)157検査ミスが発覚
    9月 さいたまスーパーアリーナが開業
01年 3月 県内初の地下鉄、埼玉高速鉄道が開業
    5月 浦和、大宮、与野3市合併でさいたま市誕生
   10月 小鹿坂、長尾根両遺跡がねつ造と断定される
   10月 埼玉スタジアム2002こけら落とし
02年 3月 あさひ銀行が大和銀行グループと経営統合
    6月 サッカー・ワールドカップ開催
    8月 県人口が700万人を突破
03年 4月 さいたま市が政令市に移行
    6月 ダスキンの特別背任事件
 7月10日 土屋知事の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件で土屋知事の長女逮捕
   11日 土屋知事が県幹部に辞職の意向を伝える
   18日 臨時県議会が土屋知事の辞職に同意。辞職決定
………………………………………………………………………………………………………
 【土屋前知事、初出馬から11年間の主な語録】
 ▼「100%以上出る。自民党より県民の方が大切」=92年5月11日、自民党幹部から立候補辞退を求められ
 ▼「私の後ろには県民がついている。政治家として、男として降りるわけにはいかない」=92年5月13日、知事選への出馬辞退を迫る動きに対し
 ▼「感激で胸がいっぱい。無心でふるさとのために全力を尽くす。一党一派に偏せず誠心誠意やっていきたい。地方自治の確立のために頑張る」=92年6月21日、知事選初当選を果たして
 ▼「各党、会派、団体の推薦をいただき、みなさんの好意に応えるため離党を決めた。地方自治体の長は不偏不党の姿勢が重要と考えている」=96年5月9日、2期目の知事選を前に自民党を離党して
 ▼「感謝でいっぱい。これほど県民の期待の大きさを感じた選挙はない。県民の尊い好意に応えるため、2期目はソフト面に重点を置き、さらなる県政発展のために全力を尽くす」=96年6月23日、再選を果たして
 ▼「まだこんなことを続けているのか」=98年5月6日、埼玉県が6年連続全国最下位となった経済企画庁の「豊かさ指標」を批判して
 ▼「1、2期で辞めるのは無責任。死んでもやるくらいの勢いがないと知事は務まらない。死ぬまでと思ったが、今、方針を変えてね、死んでも知事をやる」=02年12月3日、田中康夫・長野県知事が示した「多選自粛条例」制定の方針に対して
 ▼「やましいことは神明に誓ってない。私だって参院議長までやった人間だ。こんなことでくたばりたくない。悔しいですよ」=03年6月4日、長女の市川桃子容疑者が経営していた会社への不透明な資金提供問題が浮上
 ▼「本当に驚きました。長女には『うそを言うとつじつまが合わなくなるから正直にいいなさい』と言った」=03年6月6日市川容疑者の会社などを東京地検特捜部が家宅捜索
 ▼「私は政治に入ってちょうど53年を迎えたが、今回くらい驚いたことはない。テレビ、新聞等で取りざたされていることが事実であるなら、娘をたたきのめしてやりたい気持ち」=03年6月10日、定例会見で
 ▼「誤解を受けるような結果になって申し訳ない。(知事を)辞める辞めないは私が決断すること。今そういう考えは私は持っていない。=03年7月10日、特捜部が市川容疑者を政治資金規正法違反容疑で逮捕
 ▼「おれは辞める。決断した。これ以上さらし者になりたくない」=03年7月11日午後11時7分、知事公館で辞職を決意して
 ▼「92年7月13日に第54代知事に就任させていただき、はや11年。就任当時は問題が山積していたが、おおかた軌道に乗った。まさに埼玉県の夜明け、これからが本当の正念場。しかし、これ以上県民の皆さま方にご迷惑をおかけすることは政治家として、人間として申し訳ない」=03年7月12日、辞職を発表した未明の緊急会見
 ▼「(知事就任以来の一つ一つの場面が)脳裏によみがえり、万感の思いです。本当にお世話になりました」=03年7月18日、臨時議会で辞職が同意されて(毎日新聞)
[7月19日19時19分更新]

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20030719-00000001-mai-l11

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1. 2023年1月11日 21:26:25 : VzDjUkounM : d2FoajhTa25oeFU=[1] 報告
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