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(回答先: あっしらさんへ質問したい事があります。 投稿者 三四郎 日時 2003 年 12 月 03 日 17:24:57)
三四郎さん、こんにちわ。
[三四郎さん]
あっしらさん説1
「国際金融家のファミリーはカルタゴ→ヴェネツィア→アムステルダム→ロンドン→
ニューヨークを経て現在に至る。」
根拠として地理的特性や政体の類似を挙げておられましたが、これに対する私の疑問は
「貿易都市というものは多かれ少なかれこのようなものではないか?」というものです。
例えば北欧都市のストックホルムやコペンハーゲンも海上貿易の要所に築かれており
周囲は海や湖、川などに囲まれた「水の都」的構造になっています。
北ドイツのハンブルグなども同様です。
中世日本に栄えた貿易都市「日本のヴェニス」堺も周囲を水に囲まれ、
防衛しやすく海路・水路にアクセスしやすい構造にありました。
政体に関しても、ヴェニス等と同じく、有力商人による寡頭支配体制です。
そもそも大阪自体が巨大な海運・水運都市であり「水の都」構造です。
小島も多いですし、水路も張り巡らされています。
江戸も同様です。神田にあった山を切り崩して干拓しましたし、数多くの水路がありました。
現在の東京の環状道路は江戸期は水路だったと聞きます。
割とアムステルダム的構造に近いと思います。
ですからカルタゴ〜ニューヨークが地理的に同じような構造にあるという根拠では
必ずしも「カルタゴ起源の国際金融家が時代に応じて拠点を替えていった。」
という結論には到らないと思います。
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国際交易都市の地理的条件に関する助言ありがとうございます。
フェニキア・カルタゴに由来するセム系国際商人(国際金融家)の系譜推論は、地理的条件だけによるものではなく、歴史的経緯・商圏・政体などを総合的に勘案したものです。
地理的条件に関して言えば、国際交易都市が都市ではなく国家となり、逆に、周辺地域を支配するという構造を重視しています。
ヴァイキングの根拠地でもあった北欧はつまびらかではありませんが、堺は、あくまでも農村共同体の政治的統合者によって許可された自治都市であり、堺が周辺を支配していたわけではなく、統治者の政策によって隆盛もすれば衰退もするという国際交易都市でした。
フェニキアそのものは、後背地に勢力を拡大するというより地中海沿岸に交易権益を拡大する道を選択しましたが、カルタゴは、後背地を植民地もしくは貢納地として支配しています。
ヴェネチアも、沿岸に近い島嶼に国家を築き、そこから半島に支配地を拡大しています。
アムステルダムも、低地地帯一帯を支配し交易拡大を進める独立的存在で、最後には独立国家となっています。(英国も乗っ取ったと言えるかもしれません)
ロンドンやニューヨークも、英国や米国というより大きな統合体(国家)を差配する地位を占めたということが言えます。(ロンドンやニューヨークの国際金融家の意向が国策を動かすという意味です)
国際金融家の系譜的拠点都市と考えているところとその他の国際交易都市は、国家に従属的な都市か、国家もしくは後背地を支配する都市かという点で大きく異なると考えています。