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違法伐採で壊滅の危機に瀕するボルネオ島の熱帯雨林(HOT WIRED)
http://www.asyura2.com/0401/bd33/msg/818.html
投稿者 シジミ 日時 2004 年 2 月 19 日 20:00:58:eWn45SEFYZ1R.
 

http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20040219206.html

Niall McKay


2004年2月13日 2:00am PT  かつて南米アマゾンとともに「地球の肺」と呼ばれたインドネシアのボルネオ島[現地名:カリマンタン島]では、違法な森林伐採が熱帯雨林(写真)を破壊し、生態系を壊滅の瀬戸際に追いやっている。

 『サイエンス』誌2月13日号に掲載されたイェール大学のリサ・M・カラン準教授による新たな報告では、ボルネオ島では合法的な伐採用に確保されていた熱帯雨林のうち95%がすでに切り払われてしまっただけでなく、国立公園として保護されているはずの森林でも約60%が違法に伐採されているという。

 非合法に伐採された木材は合板に加工され、アジアの他の地域へ輸出されている。また、日本や欧米の市場に向けた家具の製造にも使われている。ボルネオ島の貴重な原生林から採れるメランティー材(フィリピン産のラワンに相当)も、床材や高級車の内装に使われる。

 イェール大学熱帯資源研究所の所長でもあるカラン準教授の報告によれば、現在のペースで森林破壊が続くと、テキサス州とほぼ同じ大きさのボルネオ島から、あと3年で完全に熱帯雨林が消えてしまうという。そんな事態になれば、野生生物や現地に住む人々、さらには地域の気象パターンにも甚大な影響を及ぼすことになる。現在でも、マレーグマやサイチョウ、ヒゲイノシシ、オランウータンといった動物は、急速に絶滅危惧種になりつつあるという。

 今回の報告は、航空・衛星写真を、マッピングシステムや遠隔探査(リモートセンシング)機器から得たデータと統合したものだ。調査は1999年から2003年9月にかけて行なわれた。

 カラン準教授は、「(森林の)残っている範囲は狭く、寸断されてしまっているので、すでに熱帯雨林に依存して生きている多くの種を支えられなくなっている。オランウータンやマレーグマ、野生のイノシシといった大型哺乳類が飢えている姿を初めて見た」と述べている。

 ボルネオ島には420種類以上の鳥類と222種の哺乳類が棲息しており、そのうち半分は熱帯雨林がないと生きていけない。さらに、ボルネオ島の先住民であるダヤク族は、主にイノシシをタンパク源としている。

 「動物たちが危機に瀕しているのは明らかだ。たとえば、西ボルネオのグヌン・パラン国立公園では、これから数年のうちにオランウータンの個体数が3分の2に減少するだろう」とカラン準教授。

 カラン準教授は、現在の減少率が続けば、熱帯雨林に棲む動物の多くが10年も経たないうちに絶滅するだろうと考えている。「ある種の限界点に達するまでは、動物が絶滅することはない」とカラン準教授。「われわれは今、その限界点のごく近くまで来ていて、いったん限界点に達してしまえば、もはや手遅れで踏みとどまることは不可能だろう」

 また、アブラヤシ農園が急速に拡大し、1992年から40倍になっていることも、問題をさらに深刻にしている。アブラヤシの栽培場所を確保するため、広大な熱帯雨林が伐採されているほか、農園が動物の移動を妨げる障害にもなっているからだ。

 ボルネオ島の熱帯雨林の成長サイクルはエルニーニョ現象と関連がある。エルニーニョは以前、森林の再生を促す力を持っていたが、熱帯雨林が寸断されたことにより、むしろ森林を破壊する方向に働くようになってしまった。また、森林が切り払われたため、干魃(かんばつ)が以前より頻繁に起きるようになり、その深刻度も増した。その結果、森林火災も増加している。

 ボルネオ島は、比較的大きな陸地のなかで、『エルニーニョ・南方振動』の影響を最初に受ける場所だ。また、1997年と1998年にはボルネオ島とブラジルでエルニーニョに起因する森林火災が起きたが、カラン準教授によると、この際に排出された二酸化炭素は西ヨーロッパ全体の工業生産による排出量よりも多かったという。

 これほどまでに熱帯雨林の破壊が進んだ理由については、数多くの説がある。たとえば、地方分権化された政府が監視を怠ったことや、目先の利益を追う地元住民の行動に原因を求めるものだ。

 だがカラン準教授は、森林破壊の真の原因は、世界的に木材の需要があることや、合法的に伐採された木材が業界全体で大幅に不足していること、スハルト独裁政権当時に始まった政治腐敗にあるとみている。しかも、政治腐敗はスハルト政権に限った話ではない。

 過去20年間にボルネオ島で伐採された木材の量は、中南米とアフリカから輸出された熱帯の木材をすべて合わせた量を上回る。輸出が最高潮だった1990年代半ばには、木材産業は年間90億ドル規模に達していた。だが今や、合法的に伐採できる森林はほとんど残っていない。インドネシアの木材生産量のうち、90%以上は違法な伐採によるものだ。


[日本語版:長谷 睦/高森郁哉]

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コメント
1. 2021年3月25日 19:30:56 : 1hWXzpmTgI : QWc3WWtSUUdETmM=[34] 報告
日本林業復活の秘策は、違法木材対策にあり!
https://news.yahoo.co.jp/byline/tanakaatsuo/20151113-00051336/

奈良の興福寺と言えば、五重塔から阿修羅像まで国宝がズラリと並ぶ天下の名刹だが、現在中金堂の再建を進めている。

そこには直径80センチを超える巨木の柱が文字取り林立している。が、その木はアフリカケヤキ、正確に言えばアパという熱帯木材だ。写真のとおり、赤身が強く日本の寺院としては異質の雰囲気が漂っている。

寺側によると、カメルーンの木材市場に出荷されたものを何年もかけて買い集めたものだという。正当な取引だから問題ないというのだが……。それらの巨木は、おそらくアフリカ全域から集められたのだろう。違法伐採ではない、あるいは環境破壊をせずに伐採されたと断言できるだろうか。当時のカメルーンは政情不安が続いていて、とても正確なチェックが行われたと思えない。

日本は、中国に次ぐ世界2位の木材輸入国だが、同時に違法木材の輸入大国だと指摘されている。違法木材とは、各国の森林保全のための国内法を無視した伐採で得た木材のことで、違法木材の貿易が森林破壊を後押ししているという声は強い。

違法木材の貿易は、すでに地球サミット(1992)の頃から問題視され、森林保全のための世界森林条約の締結が議論されていた。しかし輸出国の反対も強く、森林原則声明に落ち着いた。1997年のデンバーサミットで、再び欧州諸国を中心に世界森林条約の締結に向けて動き出した。ロシアやカナダも賛成し、いよいよ具体的になってきたが、議長国のアメリカが反対(もちろん日本は追随)。その代わりに持ち出したのが、条約内容を矮小化した違法木材の取引禁止だった。

それでも何も対策を取らないよりはよい。その後、各国は取引の規制に動き出し、年々強化してきた。アメリカでは2008年(改正レイシー法)、EUでは2013年(EU木材法)に違法木材の輸入が禁じられるようになった。オーストラリアでも 2014年に同様の法律が施行されたばかりだ。消費国である欧米を中心に規制の動きが急速に広がっている。

だが日本の違法伐採対策に関連した規制は、2006年制定のグリーン購入法による「政府調達における合法木材の優先購入」だけだ。これは公共事業に関わる木材だけだし、あくまで「合法木材の優先」だ。民間には努力義務を推奨するのみで、法的拘束力はない。

日本も、早急に違法木材対策を強化すべきだろう。日本の輸入木材で違法伐採されたと見込まれるものは、少なく見積もって9%とされているが、グレーな木材はもっと多い。熱帯木材の輸出国によっては、輸出の過半が合法性に疑問のある木材だという。それらを大量に輸入しているのだ。

にもかかわらず、政府は違法木材の輸入規制に不思議なほど動きが鈍い。このままだと世界中から批判が強まりかねない。

合法か違法かを明確にしようとすると、木材のトレーサビリティを厳密に調べなくてはならず、非常に手間かかかる。必要量の確保も大変になるだろう。だから大量にグレーな木材を使っている合板業界や製紙業界などが反対しているとも聞く。

だが少し見方を変えると、日本の林業界にとって違法木材の締め出しは、非常に有意義なのだ。

現在の日本林業が苦しい理由は、国産材価格の下落だ。ひと頃の半額以下となってしまい、いくら木材が売れても、それでは採算が取れないと森林経営を諦める林業家も増えている。

しかし違法木材を締め出せば、足りない分の調達が国産材に向かう可能性が高い。国産材の大半は人工林から伐りだされており、合法的だ。そして国産材の引き合いが多くなれば、価格は上昇するだろう。

NGO等が2013年に出した試算では、トレーサビリティのないマレーシアと中国からの合板輸入が9%ずつ減少すると仮定すると、国産合板価格が 7.22%上昇し、国産の合板用丸太需要が 15.67%増加するという推計が出た。

当然、合板用の国産材価格にも跳ね返るのは必然だ。製紙チップについては触れていないが、国外調達が厳しくなるだろう。

つまり違法木材を締め出せば、日本林業に薄日が射すのだ。日本林業を救うために外材輸入にセーフガードを発動しろとか、高関税をかけろという声があるが、自由貿易の原則に逆らわずとも外材輸入を抑え、しかも地球環境に貢献することができるわけだ。経済的にも倫理的にもプラスなのである。

それなのに政府は及び腰だ。誰に遠慮しているのだろうか。

もちろん、問題はある。違法木材を取り締まっても、その穴を国産材で埋められるとは限らない。もしかして海外から合法証明付き木材が入ってくるだけかもしれない。あるいは需要そのものが、非木材製品に取って代わる可能性もある。そして国産材そのものも、明確な合法性を証明することができるのか。

日本の合法証明は、木材業界団体が出している。いわば身内の認定だ。世界的には、第三者機関の証明でないと通用しない。全国には一か所で100ヘクタールを超えるような大規模皆伐地が増えているが、これらは合法的に伐採されたのだと聞くと無力感に囚われる。

しかし、まず違法木材の締め出しを行うところからスタートする。

国会では、議員立法で違法木材対策を行う動きも起きている。今後の動きを注視したい。

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