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「軍国教師を命じるのか」 請願権の侵害 [琉球新報/沖縄タイムス]社説
http://www.asyura2.com/0401/senkyo2/msg/385.html
投稿者 のらくろ 日時 2004 年 2 月 06 日 18:13:08:lijcWyS1gzuJk
 

(回答先: 沖縄県内教育界も反発/首相、更に注文をエスカレート 「なぜ発言を撤回しなければいけないのか分からない」 投稿者 のらくろ 日時 2004 年 2 月 06 日 12:42:18)

琉球新報 http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/shaindex.html

首相の学校介入・軍国教師を命じるのか

 小泉純一郎首相が教育現場に注文した内容が、波紋を広げている。宮崎県の高校三年の女子生徒がイラクへの自衛隊派遣に慎重な対応を求める首相あての請願書と署名を提出したことについて、小泉首相は「自衛隊がイラクで平和的貢献をすることを学校で教えるべきだ」と指摘し、教育現場に異例の注文を付けた。

 首相が自ら「国論の二分」を認める政治的テーマについて、派遣推進の立場から教育現場の指導の在り方に直接苦言を呈した形だが、これは権力を背景に「軍国教師、軍国少年になれ」と命じているようなものである。戦後の民主主義社会において極めて不穏当で、見過ごすことのできない発言だ。

 小泉首相は発言を撤回し、女子生徒への非礼を率直にわびるべきだ。

 問題の発言は二日、官邸で記者団の質問に答える中で飛び出した。首相は請願書を「読んでいない」と断った上で「自衛隊は平和的に貢献するんですよ。その辺を学校の先生もよく生徒さんに話さないとね」と注文を始め、教師が自衛隊の「平和的貢献」を教えることが「いい勉強になる」と諭した。

 この発言に対し、沖教組の兼城功委員長は「命、平和、人権という学校教育の原点に照らし、自衛隊派兵の『意義』を教えることは不可能」と不快感を隠さない。教育学者の戸波江二・早稲田大教授は「教育内容に政治は立ち入らないという基本認識に欠ける。これが許されるなら、小泉首相の靖国参拝など重要な政治課題はすべて政府の立場で教えなければならなくなる」と指摘する。

 政治権力が教育現場に介入して青少年を“洗脳”し、戦争へと駆り立てていったのが第二次世界大戦だった。その反省に立ち、はぐくまれたのが戦後の平和教育である。五千人余の署名を集めた女子生徒は、請願書で「自衛隊派遣でない方法でイラク支援を」と訴えたが、首相は「平和」「支援」の意味をはき違えている。

 首相は「世の中、善意の人間だけで成り立っているわけではない。なぜ各国に警察官や軍隊が必要か。そういう点、イラクの事情を説明し、国際政治はなかなか複雑だと、もっと先生が生徒に教えるべきだ」とも強調した。これなども自国の国民の安全を守る警察と自衛隊の必要性と、自衛隊の海外派遣の是非を混同しているのではないか。

 ラムズフェルド米国防長官は四日の上院軍事委公聴会で、イラクの大量破壊兵器が発見されない理由について「開戦時点で存在していなかったこともあり得る」と証言した。戦争で多くの犠牲者を出しながら、ぬけぬけと言う神経がしれないが、小泉首相の発言も国民感覚とかけ離れており、早く撤回した方がいい

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沖縄タイムス http://www.okinawatimes.co.jp/edi/20040206.html#no_1

高校生の請願書
首相発言は看過できない

 小泉純一郎首相の「請願書発言」は、憲法の定める国民の請願権の保障に抵触し、政治の教育への介入という二重の意味で看過できぬ問題だ。
 自衛隊のイラク派遣について、宮崎県の女子高校生が小泉首相あての請願書を内閣府に出した。「自衛隊や軍隊では問題は解決しない」と、平和的解決のために各国へ軍隊の撤退を呼びかけるよう求めている。

 首相は請願書に対し、生徒に自衛隊が平和的貢献をすることを学校で教えるべきだと教育現場に逆に注文した。

 世の中、善意の人間だけで成り立っているわけじゃない。なぜ警察官が必要か、なぜ(各国)軍隊が必要か。国際政治は複雑だという点をもっと生徒に教えるべきだ、とも発言している。

 首相発言を受け河村建夫文科相も、自衛隊が行く目的を高校生に理解してもらう必要がある、と語っている。

 宮崎日日新聞によると、高校生はテロや攻撃の続くイラクを知り、昨年暮れから賛同者や口コミなどで署名を集めた。米国やオーストラリア、中国からも届き五千三百五十八人に上った。

 憲法第一六条「請願権」は、国務に関する事項について「何人も、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない」と定めている。

 請願権は歴史的には、専制君主に対し国民が権利の確保を求める手段として発達してきた権利。現在でも国民の意思表示の重要な手段として「参政権」的な役割を果たしている(「憲法」第三版、芦部信喜著)。

 ゆえに「請願を受けた機関にそれを誠実に処理する義務を課するにとどまり(請願法五条)、請願の内容を審理・判定する法的拘束力を生じせしめるものではない」(同著)と、請願権は保障すべきものと理解されてきた。

 首相、文科相は請願書を読むことなく発言している。誠実に処理することもなく、その批判的内容は請願者への「差別待遇」に抵触するものだ。

 このような高校生への発言は、一方で「個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する」ことをうたう教育基本法の理念とも隔たっている。

 また「教育内容に政治は立ち入らないという基本認識に欠けている」という教育学者の指摘も当然といえよう。

 小泉首相は自衛隊派遣に「国民の精神が試されている」と語った。根底で「愛国心」を強調する教育基本法改正の動きと重なってこよう。

 「平和を願う気持ちを伝えたい」とした高校生に対する首相発言は、はからずも政権の体質を浮き彫りにした。

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