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テレビ・新聞が報じない「人質家族」吊るし上げ会見!! [週刊現代]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 4 月 27 日 03:52:16:dfhdU2/i2Qkk2
 

件  名 : [資料] テレビ・新聞が報じない「人質家族」吊るし上げ会見!! - 『週刊現代』vol.46 (No.19) 2004/05/8・15合併号より



『週刊現代』vol.46(No.19) 2004/05/8・15合併号 (04/26 発売 講談社 \333+税)

[pp.274-277] 全日本人必読 この剥き出しの敵意は何なのか
テレビ・新聞が報じない「人質家族」吊るし上げ会見!!
空港に「自業自得」のプラカード 「ヤク中のくせに」と罵倒されて

[太字]「帰国後の信条としては1%の安堵と99%の不安を感じる」と高藤修一さんは言う. 自己責任をめぐる議論は過熱する一方だ. しかし, この3人へのバッシングは, 政府の「自己の責任を他者に転嫁する」姿勢が発端だ. そもそもの原因は人質にはない. 本当に責任を取るべきは誰なのか---. そのことを冷静に考えてみよう.


■ 「耳が聞こえないのか」と

「自業自得」. 関西空港に到着した3人を待ちかまえていたのは, そんな言葉だった.

人質となった, 高藤菜穂子さん, 今井紀明さん, 郡山総一郎さんは 4月18日, ドバイから関西空港経由で羽田空港に到着した. 出迎えたのは, 100人を超える報道人と数十人のやじ馬. 一斉にフラッシュがたかれる中, 空港駐車場脇には, 「自業自得」「税金泥棒」「ぬるぽ」(ネット上で相手を揶揄するときの合い言葉のようなもの)という言葉と, 日の丸が書かれたプラカードを持った若者が集まっていた. 3人に付き添っていた弁護士はこう話す.

[写真キャプション] 関西空港で3人を待っていたのは「自業自得」のプラカード [注: 日の丸に『自業自得』『税金泥棒』と書かれたプラカードで顔を隠す二人組の写真]

「驚きました. 本来なら『無事に帰ってこれてよかったね』というところでしょう. それが非難の声しか聞こえないんです. 本人たちにはプラカードが目に入らないように配慮しました」

わざわざ関西空港から羽田空港に向かう飛行機に同乗したやじ馬までいたという. 空港内を移動する3人はやじ馬やマスコミに追いかけ回された. マスコミと一緒に3人の乗るバスを追跡した友人に, 「見失っちゃった?」などと携帯電話で話しながら, 空港内を歩く若者までいたというから尋常ではない.

そんな殺伐とした雰囲気を引きずったまま, 18日22時, 3人の帰国後初めての記者会見が行われた. 東京・羽田空港近くの東急ホテルで用意された会場には, 開始予定の1時間以上前から 200人近い報道陣が詰めかけた. 受付で「3人は PTSD(心的外傷性ストレス障害) のため, 記者会見に出席するのは無理」と書かれた用紙が配られていたが, 会場では依然として,

「3人は来るのか」

という緊張ムードが漂ったまま. 家族の代理人が,

「本人の到着が遅れていますので……」

と「本人」と「家族」を言い間違えると,

「本人は来るんですか? 来ないんですか? どっち!」

という声があちらこちらから上がり, 代理人が慌てて訂正する場面もあった.

予定時間より送れて到着したのは, 高藤さんの弟・修一さんを始めとする3人の家族とその弁護士, 3人を診察した精神科医の斉藤学[さとる]氏だった.

「やっぱり現れなかった」

3人の会見がキャンセルになったことで, 会見場には不満の空気が高まっていた. 弁護士が経過を説明しようとすると, その声を遮るように記者の質問が飛ぶ. 家族が3人のメッセージを代読して感謝とお詫びの言葉を繰り返すと, 会場内にたまっていたモヤモヤが噴き出し始め, 家族を糾弾する質問が次々に浴びせられた.

「たとえ PTSDにしても, 我々がバグダッドで解放された様子や発言を見る限り, にわかには信じがたいのです. バッシングはご存知ですよね. ご本人がこの場で肉声を出さないと, バッシングや頭を冷やせといった方々を利するというか, 思う壺という流れになる. それだけで救出活動が水泡に帰すると修一さんは思いませんか」

と, ある記者が指摘した. 代理人が, 会見中止は家族の判断ではなく, サポートチームの判断だと説明したが, 記者はなおも食い下がった.

「修一さん個人だけでもお話を聞きたい. 弁護士がガードする話ではない」

「ガードはしていない」

代理人が反論すると, 質問者はなおも興奮気味にこうまで言い放った.

「答えてほしい. (修一さんが) 耳が聞こえないのなら, 別ですけれど」

この一言で, 会見場は凍りついた. マイクを握りかけた修一さんは手を離して黙りこみ, 「最後の言葉で話したくなくなった」とつぶやいた. 吊るし上げのようなその場の雰囲気に, 他の家族も表情をこわばらせて固まった.

その後は, 「にわかに PTSDとは信じがたい」の言葉に引きずられる質問ばかり.

「3人が PTSDというのは現地の医者の診断か. それとも外務省の医務官, あるいは斉藤先生の診断か」

「(3人の) コメントは本人の意思なのか. PTSDの状態でそんなことは可能か」

「もう一度聞きますが, (ドバイの) 先生が PTSDだと診断したんですね」

会見自体は 45分ほどのものだったが, その 30分以上が「本当に PTSDなのか」という質問で占められた.

斉藤医師が, 定義上, 4週間以上ストレス状態が続かないと PTSDではなく, 現時点では急性ストレス障害だと説明した. すると, 一部からは「PTSDじゃないんなら, 出ろよ」という声が聞こえてきた.


■ 「いまさら逃げるなよ」

各社の自由質問が続いたが, 解放を祝福する言葉や, 家族の労をねぎらう言葉は, もちろん一言も発せられなかった. 会見後には,

「うまく質問すればバッシングについてどう思うか, 聞けたのに」

「いまさら逃げるなよ」

など家族への冷ややかな言葉があちこちで聞かれた.

家族をサポートしている弁護士の一人が語る.

「暖かい出迎えの言葉がひとつもない. 『何で出てこない』『PTSDはウソだろう』『家族が隠しているのではないか』. そんな空気が会見場を覆っていました」

拘束直後から家族をサポートし, 20日に3人が実家に帰る際に, 郡山さんを地元の宮崎まで送り届けた NGOイラク救済基金代表の大平直也氏はこう振り返る.

「バグダッドからドバイに移って以降はまさにもみくちゃです. 郡山さんを宮崎に送っていったときも『ひとこと何か言ってくれよ』と容赦なく, 強引に迫る記者がいた. われわれが制御しようとすると『何でおまえらが止めるんだ』と食ってかかる. 18日の会見も『正直つらかった』と家族たちが漏らしていました」

まさに, 公開裁判, マスコミによる集団リンチが繰り広げられていたのだ.

人質となった3人とその家族に対するバッシングは, 解放から1週間以上経った今もやむことはない. 北海道庁には, 苦情の電話が殺到しているという.

「道庁がやっている支援活動に対する苦情電話は一日 100件は下りません. 道庁の不正経理が発覚したときよりも断然多いんです. 特に拘束事件関係のニュースが放送された直後に, 爆発的に増える傾向があります. それも閣僚が『自己責任』に関して発言したニュースを流すと, とたんに自己責任を問う苦情が多くなる」(道庁職員)

北海道庁だけではない. 今井さんが関わっていた NGOなどにも批難の電話や FAXが相次いでいる. さらに, 以前, 高藤さんや今井さんを自身のホームページで紹介し, その活動を擁護したこともある軍事評論化の神浦元彰氏のところにまで, 異常なメールが届き始めたという.

「『おまえが札幌でそういうことをするから, ああいう若いの (今井さんのこと) がイラクに行くんだ』とか, 『おまえみたいなヤツがいるから若者が人生を誤る. おまえのホームページそのものが若者たちを煽動している』『あんなヤク中の連中 (高藤さんは自著の中でかつてシンナーを吸っていたことを告白していた) に何がわかる』というメールがきました. 救出されて以降は, 『財産を処分して救出費用を払え』といった内容のメールが急増しました」

他にもネット上のあらゆる掲示板では3人に対する悪罵が果てしなく書き込まれている.

≪自作自演してんじゃねえよ. 3人とも死んだほうがイイ≫

≪なんで自衛隊のじゃまをするのか???≫

≪こいつらが殺されても、激しく自業自得≫

連日, 「自己責任」という言葉をメディアの中で見ないことはない. テレビをつければ, 新聞を広げれば, インターネットを見れば, 必ず3人の「自己責任」が問われている. こうした状況に, 本人, そして家族たちは, 心を痛めているという. 前出の大平さんはこう語る.

「高藤さんは, 拘束される前は目を輝かせて, イラクの子供たちについて, 平和について, 他の人が口を挟むスキを与えないくらい喋り続ける人だったんです. それがいまは, とても言葉少なになってしまった. ホテルでも部屋に閉じこもってしまって, 一緒にご飯を食べよう, と言っても部屋から出たくない, と言っていました. 申し訳ないことをした, と繰り返しているんです」

地元に帰る前日, 高藤さんは周囲の人にこう漏らしている.

「千歳の実家に早く帰りたいけど, 帰るのが怖い, 外に出るのが怖い」

20日に千歳市の実家に帰った高藤さんは, 妹と母親に支えられてやっと歩けるという状態だった. 玄関前で報道陣に頭を下げたが, そのまま動けなくなってしまい, 玄関に入ったところで倒れ込んだ, と弟の修一さんは後で明らかにしている.

さすがに生命を脅かされてはいないが, その危険がまったくないとも言えない. バッシングやマスコミの取材が殺到することによって, 身体を壊すほど衰弱しているのは事実だ. 3人ともに帰国直後から体内血液循環不全などによる発疹や食欲不振の症状も出ているという.

彼らはなぜこれほどまで憎悪を買ってしまったのだろうか.

「自覚というものを持ってほしい」

「血税を投入している」

「費用負担はたった 66万円」

小泉首相や閣僚など政府関係者, そして新聞, テレビは世論つくりに影響力を持つ. 今回の人質事件では,

「悪いのは人質 (本来なら被害者) 」

「正しいのは小泉と自衛隊」

という論法があっという間に作られてしまった.

[写真キャプション] 攻撃する発言ばかりが目立った 18日の帰国会見

[写真キャプション] なぜ "被害者" が頭を下げるのか


■ 集団ヒステリー状態

こうした情報操作, 世論捜査の結果, どんな悪影響が出ているのか. 北星学園余市高校の現役教師で『ヤンキー母校に帰る』の著者でもある義家弘介氏は, こう語る.

「あれは自己責任だという生徒がいます. 『俺たちだって犯罪を犯したら, 責任とらなきゃいけないだろう』と言うのです. 私は, 『あの人たちは犯罪を犯したのか, そうじゃないだろう』って, 教えました. 何で自己責任なのか, 何で賠償なのか. いま, 希望の芽が『責任』という名目で詰まれようとしているんです」

今井さんからイラクでの劣化ウラン弾の被害を見に行きたい, と相談を受けた参議院議員の中村敦夫氏もこう話す.

「人質事件の原因をつくった自衛隊派遣問題について, 小泉首相は国民に納得できる説明をしていない. それをごまかすために, 個人を叩いたりして, すり替えている. 今回の事件の事件の被害者に対する批判は, 人品が卑しすぎます」

「自己責任」という妖怪がこの日本を徘徊している. しかし, その「自己責任」は, 政府の側に都合よく使われすぎてはいないか. 評論家の佐高信氏が話す.

「今回一番おかしいのは, 与党の人間が『自己責任』を口にしていることです. 彼らが自己責任を言うのは, 自衛隊派遣のインチキを覆い隠すための方便でしかない. 第一, 自己責任を云々するなら, デタラメ経営を公的資金の注入で救ってもらった銀行経営者にも言わないとおかしい. しかし, 政府与党が銀行経営者の自己責任を追及したことがありますか」

小泉首相は自らの言動にすべて責任を持ってると言い切れるのだろうか.

戦場ジャーナリストのピーター・アーネット氏は, 日本の世論に驚きを隠さない.

「彼ら3人のどこが罪なのだろう. カナダでは人質にとられた家族に対して, 首相がさっそく電話をかけて激励した. ロシアでは, 政府がチャーター機を飛ばして, ロシア国民の国外移住を行っている. 政府や世論からバッシングを受けて, 被害者がただひたすら謝罪を繰り返しているのは日本だけだ. この様子を見ていて, 私は日本がまだ戦時中の集団主義から脱却していない不気味さを感じた」

アーネット氏の言う「不気味さ」を3人は身をもって感じている.

家族たちは拘束後から連日, 報道陣を前に会見を続けている. しかし, 最近になって,

「カメラのフラッシュとかテレビカメラに囲まれると気持ちが悪くなる」

と漏らしているという. PTSDであると診断された3人はいずれ, 会見を行う. そのときに, 彼らはどんな目に遭うのだろうか.

-- (C) 講談社『週刊現代』

http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20040421/mng_____tokuho__000.shtml
http://www.asahi.com/column/hayano/ja/TKY200404200189.html

http://media.excite.co.jp/book/interview/200311/p01.html
http://www1.jca.apc.org/aml/200404/39255.html
http://www1.jca.apc.org/aml/200404/39230.html
http://www.keio-up.co.jp/iyasi/iyasitop.htm

http://www.freeml.com/message/truce@freeml.com/0016488



★関連

3人を出迎えたのは恐怖のメディア・スクラムだった [JANJAN]
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