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内偵の道具としてのインターネット[No More Capitalism]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 4 月 30 日 16:54:18:dfhdU2/i2Qkk2
 

2004年02月27日
内偵の道具としてのインターネット
ここ一年くらいだろうか、僕が管理しているメーリングリストのユーザや元ユーザからウエッブに自動転送されているメッセージログを削除してほしいという依頼が増えている。

これまでもログの削除依頼はあったが、主な理由は、メッセージの書き手本人ではなくて、メッセージに自分のことを書かれた当事者からのクレームだったり、まちがって私信をメーリングリストに投稿してしまったので削除して欲しいとか,メッセージに不特定多数に知ってもらいたくない個人情報が含まれているといったことだった。こうした理由によるログ削除の依頼は、ないわけではないが以前に比べてかなり減った。ありがちなミスに気をつけるようになったり、どの程度の表現を誹謗中傷というべきかについて、ある種の漠然とはしているとはいえコミュニティの「物差し」のようなものができつつあるのかもしれない。

最近目立つのは、こうした理由ではない。就職にさしさわるとか、仕事の都合でといった理由で、ログの削除を依頼してくるケースが増えているのである。ある依頼者は、「友人からおまえのメッセージが会社の目にふれると就職に差し障るのではないか」というアドバイスを受けたと述べている。僕が管理人をやっているのは、市民運動などの運動情報に関わるものばかりだ。学生であれすでに就職している人であれ、個人の思想信条の自由は保障されなければならない基本的な個人の自由権だ。今、この内面の自由が大きな危機にさらされている。

こうしたログ削除の依頼は、単なる依頼者の過剰な不安ではないと思う。もう一つ僕が最近経験した事例はもっと深刻なものだった。僕が管理しているメーリングリストに投稿されたメッセージを右派のマスコミが報道し、これを読んだ右派の議員や行政が投稿者の身元探しを始めたという出来事があったのだ。投稿者がこうした周囲の動きに大きな不安をいだくだろうことは容易に想像できる。

インターネットは、個人の自由な情報発信のツールであると同時に、Googleのような検索エンジンは、人々の発言を網羅的に収集できるので、企業の人事担当者、大学の学生運動担当者、教育委員会から警察や民間の調査機関にいたるまで、人々の行動を監視する組織にとってたいへん便利な監視のツールになっている。同時に、Googleがどのように便利かは誰もが知っているから、それが監視のツールとして悪用されればどのような事態になるかも理解できる。こうなると、人々は、検索エンジンでチェックされることを念頭においてメッセージを書くようになり、言論の自主規制を強いられる。強いられた自主規制が長引くと、これが「当たり前」な環境となり、強いられることなく検閲が内面化されてしまう。そして、企業や政府を批判する言動が逆に不道徳であるとか公序良俗に反するかのようにみなされて排除されかねない。「民主主義社会」の言論弾圧は、こうした抑圧を秘密警察が強権的に民衆を押えつける独裁国家のやり口ではなく、自主規制として内面化したり、道徳や倫理などで縛り、それでもダメな場合は、経済的不利益(雇用差別や昇進差別)で対応する。企業にも誰を雇用するかを決める「自由」があるというわけだ。

インターネットの掲示板やウエッブでの発言は、ごく例外的なケースを除いて、原則として表現の自由、言論の自由によって保護されるべきものだ。企業を批判することも政府に抗議することも自由だし、自分がどのようなイデオロギーや信仰をもとうが、内面の自由は権利として保護されるべきものだ。しかし企業は意に沿わぬ労働者を容易に排除したり雇用しない権利を持つ。資本主義が利潤優先で暴走することを抑制できるような労働運動や市民運動がそれ相当の力を持ち得ない場合、民主主義の多数決は、企業の価値に支配され、企業をスポンサーとする政権政党の事実上の独断を許す。

インターネットの言論の自由は、インタラクティブで個人ユースのコミュニケーションの技術的なインフラによって自動的に保障されるわけでは決してない。また、当事者の孤独な闘いに期待すべきでもない。人々の言論はストレスなく文字通り自由に発言できなければならない。彼・彼女の思想信条が社会の価値観のなかでマイナーであればあるほど、その発言に勇気を必要としたり、ある種の社会的経済的不利益を代償として強いられてはならない。


こうした監視と検閲に対抗するには、僕たちがインターネットの言論・表現の環境の多様性を確保することに意識的であること(法的な政策的な規制ときちんと闘えるコミュニティを作ること)と、インターネットでの監視や検閲の問題を当事者まかせにしないことだ。苦しい当事者を支え、不当な抑圧を加える相手と闘えるのは、野次馬だったり外野席にいるこの言論の受け手である僕たち自身だということをわすれるべきではない。

Posted by toshi at 2004年02月27日 22:15 | TrackBack

http://www.jca.apc.org/~toshi/blog/no_more_cap/archives/000020.html



★関連

第1回口頭弁論 訴えにあたって ジャーナリスト斎藤貴男 [住基ネット差し止め訴訟を支援する会]
http://www.asyura2.com/0401/it05/msg/450.html

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