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3月25日イラク人道復興支援活動等に関する特別委員会会議録[酒井啓子氏]
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/412.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 5 月 03 日 19:45:07:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: イラク復興と自衛隊 第132回琉球フォーラム [酒井啓子氏] 投稿者 なるほど 日時 2004 年 4 月 28 日 23:34:05)

○酒井参考人 アジア経済研究所の酒井でございます。本日は、この委員会にお招きいただきましてありがとうございました。
 私は、本日、イラク支援に対して日本が一体どういう形で支援ができるかということをメーンにお話しさせていただきたいと存じます。
 その前に一点だけ、この委員会の名称ともかかわることでございますけれども、テロと現在のイラクに対する支援というものについての関連性について、一言だけ申し上げておきたいと存じます。
 私は、今、アメリカを中心として昨年行われましたイラク戦争が、テロに対する闘い、九・一一のアメリカでの同時多発テロ事件以降進められているテロに対する闘いの一環であるというふうに位置づけられておりますけれども、この位置づけ方に対してそろそろ見直していく必要があるのではないかということを一言申し上げておきたいと思います。
 これは、九・一一の首謀者と言われておりますビンラディンやその他アルカイダといった、いわゆるアフガニスタンを拠点にしてその当時活動していた国際テロ集団がああいった事件を起こしたということで、いわゆるアルカイダを中心とした国際テロ組織の掃討作戦にアメリカがその後乗り出していったんだと。そういう意味では、アフガニスタン戦争までは比較的、直接的な連関性のある行動であったというふうに考えられますけれども、それ以降、イラク戦争、フセイン政権の打倒、そしてその後の戦後統治ということは、これは必ずしも、いわゆるアルカイダあるいはビンラディンと直接つながりのあるものではない、国際テロ組織を壊滅するために有効な手段としてイラク戦争が機能したわけではないということがあろうかと思います。
 これは繰り返しになりますけれども、御存じのように、大量破壊兵器の問題、あるいはビンラディンとフセインのつながりといったような、戦前にアメリカがしばしば引用していたような証拠というものが見つかっていないというようなことがあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、ここで対イラク支援とテロに対する闘いというものを切り分けて考えていくということは、大変必要なことになってくるのではないかと思います。
 すなわち、テロに対する闘いということであれば、イラク支援とはまた別の形で、本来、しっかり警察等々を起用して、国際的なテロ組織を撲滅するというような方向は別の方途で考えなければいけないわけでありまして、イラクに支援をすればテロが根絶されるというのは極めて短絡的な発想ではないかというところだけ、一つ申し上げておきたいと存じます。
 それを踏まえまして、それでは、イラク支援ということに限って何が今求められているかということをお話しさせていただきます。
 お配りいたしました資料、大変読みにくい資料になっておりまして恐縮でございますけれども、三枚ございます。一枚目は英語の表が二つついたもの、二と三は、これはイラクの今一番発行部数の多いアルザマーンという新聞の国際版と地方版、イラク国内バグダッド版と、三つございますけれども、そのうちからとってきたものでございます。
 まず、その資料一のところ、資料一をつけさせていただいた理由は、この表は、これは実は著作権の許可を得ずに勝手に引用させていただいておりますので若干問題になるかもしれませんけれども、NHKさんを中心としてオックスフォード・リサーチ・インターナショナルという調査会社がこの二月から三月にかけて行われたイラク国内での世論調査の結果の一部でございます。
 この設問はちょっと順番が逆になっておりますけれども、問いの十一、下の方でございますけれども、表の下の方では、イラクの復興においてどの国が最もリーダーシップをとってほしいか、主導権をとってイラクの復興を進めてほしいかというポジティブな問いでございます。上の方の表はそれと逆でございまして、どの国にとってほしくないか、どの国には積極的に関与してほしくないかという表が上の表でございます。
 これを見ますと明らかなように、積極的に復興に協力してほしいというふうに挙げられている国は、まずアメリカがございます。これは、まず第一番目に協力、リーダーシップをとってほしいという、ファーストカントリーというところを見ていただくと明らかなんですけれども、まず第一にアメリカにその中心になってほしいという回答が最も多い。そして、さらに注目すべきは、それに続いて一番リーダーシップをとってほしいのは実は日本なんだという答えが大変数字的には近接した形でアメリカに続いております。
 この質問から何を読み取るかということで、日本がそれだけ大変期待が大きく持たれているということが読み取れるわけなんですが、重要な点は、両方ともまず第一の国として中心になってほしいという回答なわけです。すなわち、アメリカが第一で、二番目に日本に手伝ってほしいという順番ではないわけなんです。つまり、ある意味では、アメリカがいいか日本がいいかという、一種、代替のような形でイラクの人たちが日本とアメリカを選んでいるという形になります。
 ちなみに、参考までに申し上げておきますと、そうした一番リーダーシップをとってほしい国に続いてどの国に、二番目にはどの国に頼りたいかというところでは、数字として高いのはフランスとイギリスということになります。
 そういったことを全体に考えると、今イラクを占領しているイギリスとアメリカに依存せざるを得ないと考えてイギリス、アメリカを支持する人々と、それと違った形で、日本やフランスなどのように、少なくとも戦争に加担していない国に期待したいという声が高いというふうに理解するのがここで読み取れるのではないかと思います。
 次に、資料の二と三をごらんいただきたいと思います。
 これは、先ほど言いましたように、イラク国内のアラビア語の新聞でございますけれども、ここをなぜ挙げたかといいますと、一面で日本のことが載った日を挙げております。三月のみに限っております。これは、一月、二月は自衛隊の派遣云々で、国際ニュースとして日本が一面に載ったことは多いんですけれども、三月、今現在自衛隊がサマワにいる中で、その活動を含めて日本が現地のアラビア語新聞の一面を飾った二つのケースです。
 一番目は、資料二の方は、これは名前がちょっと不明確なんですけれども、自衛隊の佐藤隊長が現地の発言として、社会労働省と合意に至ったというタイトル、ヘッドラインが躍っております。
 これは、実は中身を見ますと、先ほど外務省の御説明にもありましたように、自衛隊が給水活動を行うとか病院の修復を行うとか、常に言われているような自衛隊の活動内容の説明をしたという記事内容でございますけれども、その中でもとりわけヘッドラインとして取り上げられているのは、社会労働省と失業対策について自衛隊がアグリーした、合意したというヘッドラインが躍っているということで、ここから、要するに、イラク人が自衛隊に、よく言われているように、失業を何とかしてほしいというような期待が非常に強く出ているということをこの新聞報道ぶりで見ていただけるのではないかと思って掲載した次第です。
 そして、さらにつけ加えて言えば、今月二回目に日本が第一面に躍ったのは、私もこれは存じ上げないんですけれども、静岡で今度開催される青年フェスティバルというものがある、それにサマワの青年が招聘されていますということが、これはバスラ版、地方版でございますけれども、それが第一面に躍るというような報道ぶりでございます。
 すなわち、何を申し上げたいかというと、日本での自衛隊がサマワで何をしているかという報道ぶりと現地での日本に対する報道ぶりはかなり違うということを申し上げたい。すなわち、同じ自衛隊を取り上げるにしても、自衛隊の給水活動云々ということよりも、まず失業対策で何とかしてほしいというような期待が前面に出た報道になっているということを申し上げたかったわけです。
 そうしたことを踏まえまして、あと五分で、では具体的に日本がどういう支援策を行うことが最も有効かという点に移らせていただきたいと思います。
 その意味では、今申し上げましたように、失業対策等々というようなことに対する期待からもおわかりのように、日本が最も求められていることは、イラク全体の経済活性化ということであります。これはサマワだけに限らず、イラク全体の復興、産業活性化というようなことに日本がもっと積極的に関与していってほしいということであります。
 これに対して、具体的に、ではどういう活動が今のイラクの経済復興、経済活性化に一番効果的かというと、これは恐らくバスラという町、都市、地域での活動が一番有効であろうと私は考えております。
 イラク国内では、発電所、製油所あるいは石油コンビナート、港湾施設等々、これはもう社会主義体制をとっておりましたころから、バスラの周辺というのは油田地帯でもありますし、一大産業集積地になっております。この産業集積地が港湾施設も含めて復興することが可能になれば、イラクの経済復興はほとんど、三分の一から半分は終わったものというぐらいに極めて効果的な事業でございます。
 こうした南部バスラの計画的な、総合的な開発というものがまず求められている。そして、そうした産業集積地の多くがかつて日本の企業が携わったことのある事業であるということを考えると、何とかしてこうしたバスラを中心とした経済施設の復興に関与していくということが非常に有効ではないかと思います。
 二番目の有効策としては、そうはいいましても、まだなかなかイラク国内に日本人が入って事業を展開するということが難しいということがよく論点として指摘されますけれども、それに代替する案といたしましては、国外でのイラク人の技術者あるいは医師あるいは知識人に対する研修、技術協力といったようなものをもっと積極的に進めることが可能ではないかと思います。
 とりわけ、この点に関しては、最近発表されましたようなイラク通信網の改善計画、これに日本が積極的に乗り出すという発表が総務省の方からなされた、あるいはその前に、電力回復について外務省が積極的に乗り出すというような案が出されておりますので、そうした方向で進めることは十分可能だ。特にヨルダンへの文民派遣というような、そういった方向での事業をもっと大きな形で進めていくことは可能ではないかと思います。
 とりわけ、これは政府だけではなく、民間企業が協力して行うことも十分可能なプロジェクトではないかと思います。といいますのは、いずれの民間企業とお話をさせていただいても、どこも今イラク国内に入ることができない以上、イラクでの事業展開をローカルスタッフに任せなければいけない、イラク人のスタッフに任せていかざるを得ない、あるいは、今後事業を展開する上でイラクのどういう、だれにアドバイスを求めればいいのかということを非常に皆さん切望されております。
 そういう意味では、逆に、そうした、だれが知識を持っていて、イラク人のだれに頼るべきかということを探るということもさることながら、むしろ積極的にこれから育成していく。今後日本企業が国内に入っていったときに右腕になって働いてくれるようなイラク人の知識人、あるいは政府の役人ということで考えてもよろしいかと思います。
 例えば、地方行政の立て直し、イラクの今後の暫定政権の立ち上げ、あるいは選挙の実施というようなことを考えれば、必ずしも技術者や医師といったようなところだけではなく、中堅官僚、あるいは選挙実施のノウハウといったようなものを、民間レベルあるいは政府レベルで両方ともにいろいろな形で技術協力をして、それが有効に実るだけの今後の余地というのは大変大きなものがある。よりイラク国外での技術協力というものを考えていくことができるのではないかと思います。
 それから、最後になりますけれども、三番目に、繰り返し申し上げてきたことですけれども、対イラク復興支援は、やはり最終的には民間企業あるいは民間ベースの協力につないでいくという必要があるのではないかと私は考えております。
 これはもちろん、先ほど申し上げましたように、かつて日本の民間企業はイラクの高度成長にさまざまな形で寄与してきたという点もございますけれども、さらに言えば、イラクが産油国であるということを忘れてはいけない。すなわち、イラクが自力でイラクの石油を輸出して、財政を自律的に取り扱うようになれる日が来れば、そのときには、ある意味では、いわゆる援助とか支援とかいうような、一種、施し、施されるというような関係によってしか成り立ち得ないような国ではないということであります。
 つまり、イラクが現在、主権移譲あるいは今後の戦後復興ということで一番強く求めているのは、そうした一人前の国家として、昔のように石油を売って、堂々とその石油収入によっていいものを日本から買うという、一種の対等な関係を最終的に目指しているということを忘れてはならないのだろうと思います。
 つまり、よく言われるように、支援支援という、いわゆる援助というようなことを中心に考えるがゆえに、余りにも援助漬けの体制に、国の方向性を間違った方向に導いてしまうということだけはやはり避けなければいけないわけでありまして、その意味では、極力、最終目標としての民間ベースの平等な商取引に基づいた二国間関係ということを構築するために、どのような支援が今必要かということを考えていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 以上で私の方の御報告を終わらせていただきたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)



○酒井参考人 ただいま、基本法に対するシスターニ師を中心としたシーア派の反対ということについての御質問がございました。
 これは、一言で申し上げれば、今、基本法あるいはそれをつくった統治評議会に対するイラク国民の反発というものは大変大きなものがあるというふうに申し上げてよろしいかと思います。
 先ほどお配りいたしました資料と同じ世論調査の一部にそれを示すような内容が載っておりまして、イラク人が一体今の復興統治体制の中でだれを信用するか、だれに一番期待を持つかということで、一番大きく挙げられているのは、まだ見ぬ形ではあるけれども、イラク人の政府、そしてイラクの人々、これがすべてのことに責任を持ち、リーダーシップを持って動いていくべきだという回答がもうトップに来ております。そして、それを補完するような形で、アメリカの占領体制にある以上はアメリカに依存せざるを得ないということで、アメリカという名前が載っております。かなり下の方に統治評議会という名前がございます。
 要するに、それだけ今の統治評議会は今の国民には疎遠のものである。もっと言えば、統治評議会の三分の二が亡命イラク人であります。イラク国内に基盤を持たない。
 逆に、イラクの国内の人たちはどういったところに政治的な代表性を求めているか、自分たちを代弁する者はだれかというふうに考えていくと、そのように、統治評議会も自分たちを代弁してくれない、ほかに何も代弁する組織がないということで、シスターニ師のようないわゆる宗教指導者のところに、自分たちの意見を代弁してほしいということで意見を言っているわけなんです。
 そういう意味では、この基本法に対する反対というのは、シスターニ師個人が何か問題があって反対しているというよりは、今のイラクの国民、亡命イラク人を除いた、国内に住むイラク人の大半がこれに対して反対をしているというふうに理解した方がいいんだと思います。
 その反対の第一の点は、一番大きいのは選挙の問題でございます。
 これは、先日来問題になっておりますけれども、シスターニ師を中心として、シーア派住民の多くが、選挙によって次の暫定政権が選ばれることを希望している。しかしながら、アメリカ及び統治評議会は、とりあえず今選挙は時期尚早であるということで後送りにしておりますので、この間の暫定政権で決められること、暫定政権の決め方あるいは暫定国会の決め方、それから、一番重要なのは恒久憲法ですけれども、憲法をいわゆる選挙で選ばれていない人々の手によって決められてしまうという形が基本法に盛り込まれております。
 基本法の一番の問題点というのはそこでございまして、行政や治安の維持といったものまで、すべてすべてイラク人の民意に基づいたものを行わなければいけないというふうに主張しているわけではないわけなんです。少なくとも恒久憲法だけは、憲法だけは国民の意見が反映されたような形で策定してほしいというのが今のイラクの国内世論の大半でありまして、残念ながら、統治評議会はそうした意見を吸収できるような立場には全くないという意味で信頼を失っているということだと思います。


○竹下委員<中略>宗教と女性、イラクの復興といったような問題についてどうお感じになっておりますか。

 
○酒井参考人 大変大きな問題でございますけれども、宗教と女性ということで考えれば、イスラム教の場合は、これは誤解を受けがちなんですけれども、もともとは、それこそキリスト教でも、男性が先にありき、女性が次につくられたというような順番があるということは確かにございます。ただ、その議論がそのまま今の現実生活に生きているかといいますと、例えばイランなどを見ておりましても、イランにおける国会議員の女性の比率というのは非常に高いものがございますし、同じイスラム教徒の国でも、サウジアラビアの場合は女性は車を運転することができない。しかし、同じように厳格にイスラムを適用しているイランの場合は、逆に女性のタクシードライバーがたくさんいて、社会進出はむしろ大変進んでいるということがございます。
 すなわち、これはどういうことかといいますと、イスラム教といいましても、どの程度融通をきかせた解釈をするかということによって随分国の体系は違ってまいります。
 特にシーア派の場合は、合意というものをイスラム教の一番大きな根幹に置いているところがございます。すなわち、教条的に過去の判例に従うとか慣習に従うとかいうようなことよりも、今現在そこにいる人々の合意によって、これはこう変えましょうというようなことがあれば、それは新しいシステムとして成り立っていくんだというのがイスラム教の法体系の中に入っておりますので、必ずしも女性が常にイスラム教圏の中で冷遇されているというようなことでは決してございません。
 二五%云々という、いわゆる国会議員比率の問題でございますけれども、これは若干論点が違っておりまして、つまり、女性であれあるいは少数民族であれ、すべてイスラム教徒、あるいはすべての人々は神の前に平等であるという原則から考えれば、ある特定の性別、ある特定の民族に特定のパーセンテージを付与する、特権を認めるというようなやり方はおかしいのではないか、まさに民主主義に反する、まさに自由に選挙をして、それこそ、ふたをあければ女性が七〇%の国会議員を占めていてもよろしいのではないでしょうかというのが反対の論点の一つでございますから、二五%の数字が多過ぎるということで議論が問題になっているわけではないと存じます。


○池田委員<中略>今、お話を聞いておりましたが、まずそこで浮かんだのがアメリカの中東民主化構想、これはかかわり合いが大いにあると思うんですが、酒井参考人はどのように認識されていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。


○酒井参考人 アメリカの中東全体に対する民主化構想ということでございますけれども、確かに、今回のイラク戦争において、イラクのフセイン政権という独裁体制を打倒しなければいけない、それこそが民主化の一歩であるという発想が根幹にあったことは事実であろうかと思います。
 その意味では、イラク戦争後、イラク人の間に、イラクはこれからはアメリカあるいは先進国を主導とした民主的な国になっていくんだという期待があったかと思いますが、残念ながら、現実に今、アメリカがイラク国内で行っていることは、むしろ民主化とは逆行する形になっている。
 具体的には、先ほど申し上げましたように、イラクの国民自身が直接選挙を要求している、しかも、実は市町村レベルでもう既に人々が、もうアメリカがノーと言うのであれば選挙をやってしまえというぐらいに自発的に草の根の選挙をやっている状況にあるにもかかわらず、アメリカは、残念ながら、そういった選挙は後延ばしにしようという単純に見れば民主化とは逆行したような政策をやっているということが、アメリカのいわゆる民主化政策の一番の矛盾ではないかというふうに存じます。


○池田委員<中略>アフガンも複雑といえば複雑なんですが、大分イラクというのは、シーア派、スンニ派、それからクルド人、さらにトルクメニスタンですか、その辺の距離というのは、なかなか一つの議会を構成するのは難しいのか。その辺はどうなのか、どうなっているのか、その辺を研究していらっしゃる酒井さんにお尋ねをしたいと思います。


○酒井参考人 アフガニスタン同様、イラク国内も非常に複雑なので、今後の政治プロセスの中でどのような形でまとまっていけるのかということが御質問の御趣旨かと存じます。
 ただ、これは三つ以上あると複雑だというふうに言ってしまうと大変わかりやすい話なんですが、実は、イラクの国内の構成を見ますと、今御指摘がありましたように、例えば民族的には、アラブ民族とクルド民族、そして御指摘のあったトルコマン人やアッシリア人といった、本当に数%という一けた台のパーセンテージを持つ人口が幾つかあるということでありますから、大ざっぱに分ければ、アラブとクルドという二つの民族中心なわけです。そして、宗派的に分かれておりますけれども、これもシーア派とスンニ派という二つでございますから、大ざっぱに分けて、アラブのシーア、スンニ、クルドという三つでございます。
 三つを複雑と言うかどうかという問題でございまして、その意味では、例えばユーゴスラビアやアフガニスタンあるいはレバノンといったような、非常に狭い国土で少数の、少なくとも三つよりも大きい数で分かれているような国よりはまだ単純な構造ではないかと私は思っております。
 いずれにしても、その三つの距離関係でございますけれども、確かにクルド民族に関しては、これは、湾岸戦争以来十三年間にわたって、既にかつてフセイン政権のもとを離れてきてまいりました。その意味では、既に自治の実績があり、外交も行ってきたということもございますので、中央政権に対する凝集力といいますか、それはなかなか難しいものがあろうかと思います。もちろん、今、独立ということを目指しているわけではないにしても、かなりの自治権を獲得しないとおさまらないというような方向性は確かにクルドの中にはあろうかと思います。
 しかし、同じようなことが宗派対立に言えるかというと、実は私は、それはそうではないと思っております。もともとイラクは大変世俗的な国でございまして、子供たち、女性たちもベールをかぶらずに生活しているのが一般的な人々でございましたから、宗派の対立というものはそれほど大きな問題にはなってこなかった。よほど宗教熱心な人以外はそれほど問題になってこなかったわけです。
 ところが、残念ながら、今の統治評議会などの構成を見ておりますと、ある意味では、無理やり人口比率に沿った形でそのポスト配分を決めているというようなところがございます。そうしたことから、むしろ戦後、とみに宗派的な違いというものが政治的な意味を大きく持つようになってきてしまっているという現状がございます。そうした流れの中に、逆にイラクの国内社会は、むしろ、こうした宗派対立にあおられないように、乗っていかないようにという極めて強い自制心を持って活動しているというふうに見えます。
 先日、カルバラで大規模な爆弾テロ事件がございましたけれども、あの直後に、スンニ派のモスクでは献血運動が真っ先に行われる、あるいはスンニ派、シーア派の間で和解の対話をしていこうというような動きが非常に活発に見られますので、私は、実は、シーア派とスンニ派の宗派的な問題というのは、戦後の一時的なもの、あるいはアメリカがどうも人口バランスに基づいた配分というような、先ほどの女性のパーセンテージではございませんけれども、そういうようなところに随分拘泥しているがゆえに問題になってきている部分があって、自然な形ではそれほど大きな対立軸にはなり得ないのではないかというふうに存じます。


○池田委員<中略>米国寄りの勢力でつくっているイラク統治評議会から外された勢力を取り込むべきだと言っているわけです。これはなかなか難しいと思うんですが、いかがでしょうか。


○酒井参考人 おっしゃるとおりかと思います。
 統治評議会を広げなければいけないわけですけれども、残念ながら、アメリカのこれまでの戦後政策において、統治評議会以外のイラク国民に対するパイプというものを構築してこなかったという点がございます。とりわけ深刻なのは、旧体制、旧フセイン政権を支えてきたバース党あるいは旧軍隊といったような、必ずしもフセインを支持してきたわけではないけれども、やむなくつき合わざるを得なかったというような中間層が大変大きくイラク国内には存在するわけであります。
 国連などは、どちらかというと、そうしたところも取り込んで広範なイラク社会を代表するような形に持っていくべきだという議論だと思いますけれども、アメリカの場合は、先ほどちょっと申し上げましたようなアメリカなりの民主化という意向が強過ぎて、こうした旧政権に関与した者を一切入れないとか、そうした障害が若干出ているかと思いますので、その点では簡単に折り合いがつくとはなかなか思えないと思います。


○池田委員 次に、経済の活性化ということをおっしゃいました。実は私、一九九〇年の九月、イラクがクウェート占領した直後に、湾岸戦争の四、五カ月前でありますが、人質の解放を求めてバグダッドに入りました。空域封鎖の始まった日で、大変緊張した中で入りまして、人質解放の交渉をしたんですが、そのとき、バグダッドは非常に生き生きとしていました。
 ところが、二〇〇〇年の夏に、予算委員会の出張で、自民党の久間理事などと一緒にバグダッドに入ったんですね。もう大変疲弊していましたね。ちょうどそれだけの時間を置いて見ました比較です。ですから、他国が攻撃しなくても、経済的にはもう相当落ち込んでいたわけです、オイル・フォー・フードというのもやっていましたが、経済制裁をやっていましたからね。
 ですから、今はそういうくびきというか、なくなったわけですから。あの国は非常に名誉を重んずる国でありまして、我々の国も古いかもしれませんが、何せシュメール人が文字を三千年も前につくったという、世界の歴史では大変エポックを画した、そういうところの国であります。ですから、これは、他国の軍隊が行って長期間の占領するとかなんとかというのではなくて、一つ勢いがつけば、石油もありますから、復興は、相対的といいますか、軌道に乗れば早いんじゃないかという感じを受けておりますが、その辺いかがでしょうか。


○酒井参考人 まさしく御指摘のとおりかと思います。
 先ほども申し上げましたように、イラクの場合は、そもそも経済制裁を受ける以前の産業インフラ、生活インフラはかなり整っていた国でございますし、技術レベル、人材のレベルでも大変よいポテンシャルのある国だというふうに理解しております。
 ですから、そうしたところを、失われた十年間の技術あるいは経済制裁下で放置された産業施設の復旧というようなことを進めていけば、かなりその後の経済再建というのは順調にいくのではないかというふうに私は見ております。


○池田委員 これは予算委員会で質問できなかったんですけれども、援助といいますか、支援の仕方で、例えば、今回、自衛隊がイラク南部に行きまして復興支援活動に要する経費は、十五年度二百六十八億、十六年度百三十五億、合わせて四百三億もかかっているわけですね。そのうち給水活動にかかわる経費には、給水機材費などとして約九億円計上している。
 これに対して、大きなNGOの代表の方がおっしゃっていたのは、八万人から十万人を対象とした浄水・給水活動では数千万から一億円単位で済むということでありまして、我々はやはり、国の財政も考えればこの方がはるかにいいんじゃないかと。
 それからまた、時間がありませんので一遍に申し上げますが、軍隊的なものは自己完結型でありますので、地域社会に根差さない、溶け込めない、雇用の拡大につながらない、さらに、費用がかさむということで、これはもう冷静に考えて、やはりそういうシビリアンの援助がいいんじゃないか。別に与党、野党も何も関係ないですよ、これは日本の国益からいってですね。
 そういう点で、酒井さん、どのようにお考えになるか、お尋ねします。


○酒井参考人 御指摘のとおりかと存じます。
 自衛隊が現地で行う先ほどの給水活動等々の指摘もございましたけれども、残念ながら、イラク国内で求められていることは、いわゆる給水、配られる水ではなくて上下水道であるというような、もっとシステマチックな復興が必要であるというようなことがはっきりと意見のそごとして出てきております。
 コストに関しましては、私も残念ながら実務の面でどのくらいコストが違うかというところまでは申し上げかねますけれども、しかしながら、おっしゃったとおり、確かにシビリアンの部分で復興していくことこそが私は一番重要な点であるというふうに感じております。
 これは、とりわけ、先ほど世論調査のところで出てきておりましたように、アメリカが期待されながらしかも望まれていないということの最大の原因は、これは占領軍であるという点が一番大きいわけです。つまり、軍を派遣しているということに対するアレルギーといいますかフラストレーションというのは、これはイラク人の生活の中で大変大きな問題になっている。
 その意味で、日本がその代替案として期待されているとすれば、恐らくは、それは、力任せに、銃を持って復興支援だというふうにやって来るような人たちとは違うだろうという期待であろうかと思います。そういう意味では、やはり文民として期待されている部分を全面的に押し出していくのが一番有効な日本の貢献策ではないかというふうに考えます。


○池田委員<中略>沖縄の例を見ればもう明らかで、民族の違う軍隊が駐留するというのは大変摩擦を生みます、問題を生じます。それでなくても、イラクの人たちは誇りが高い。しかも、サウジの王様は何と言っているかというと、メッカ、メジナの守護をする王様であると言っているわけですね。プリンス・スルタン基地というアメリカ軍の基地があって、これがイスラム過激派の一つのよりどころ、アメリカに対する反対の大きなよりどころとなっているわけでありまして、異民族の軍隊が駐留するということは、我々日本の感覚からいってもどうかなという感じがいたしますが、その辺の、アラブの民衆といいますか、感じ方はどのように予測されますか。


○酒井参考人 これは、イラク人の間でのアメリカの駐留に対する反応と周辺のアラブ人のアメリカ軍の駐留に対する反応というのはやはり若干違ってきているかと思います。
 イラク人の反応は先ほどから申し上げておりますので、アラブ人という、周辺のアラブ諸国、ヨルダンやエジプト、サウジといったようなところに限らせていただきたいと思います。
 これは、ある意味ではイスラエルとの関係を非常に強く意識せざるを得ない。すなわち、占領という問題が、イスラエルのパレスチナ占領ということと常にオーバーラップしてアラブ人の頭の中には認識されるということを考えておく必要がある。
 ということは、すなわち、これはよく言われていることですけれども、イスラエルがパレスチナをじゅうりんしているようにアメリカがイラクをじゅうりんしているんだというようなパラレルな認識がこのままでは定着してしまうということで、イラク人にとっては、それは若干違うんだというところは認識できているわけですけれども、アラブ社会の中にこれ以上反米感情、アメリカに対するアレルギーというものを強めていかないためには、いかにいわゆる占領ではないんだ、良好な二国間関係に基づいた支援なんだということを強調していく、そういう切りかえがやはり必要になってくるのではないかというふうに思います。
 お答えになりましたかどうか。


○河合委員 酒井参考人にお伺いさせていただきます。
 私たちも、自衛隊による人道復興支援というのはイラクの復興の十の過程の中の最初の一ではないかと位置づけておりますけれども、先ほどの酒井参考人の陳述の中で、対テロというのは別の方途ですべきではないかと。確かに、論理的にはこういう考え方は十分成り立つと思いますけれども、具体的にどうすべきであったでしょうか、また、今後どうすべきだとお考えでしょうか。


○酒井参考人 私も警察関係、安全保障関係の専門ではございませんので、具体的にどうということを細かく申し上げられるだけの能力はございませんけれども、ただ一つ申し上げられるのは、アルカイダあるいはその他の国際テロ組織がまず具体的にどういう環境の中でどういう形で存在しているのかということに対して、果たして正確に把握していたかどうかという問題があるかと思います。
 先ほど、イラク戦争は対テロ戦争のためには有効な方策ではなかったというふうに申し上げたのは、まさに、フセイン政権のときにはアルカイダはイラクにはほとんどいなかった、少なくともフセイン政権の統治していた部分にはいなかった、逆にフセイン政権が崩壊した後に入り込んでしまったということを考えると、本来なかったところにアルカイダをむしろ持ち込んでしまうというような逆効果を生んでいるということが一つあろうかと思います。その意味では、アルカイダならアルカイダといったようなテロネットワークの正確な把握というものがまず必要であったと思います。
 さらに言えば、もっと遠因から言えば、そうしたアルカイダなどのようなテロ組織が生まれるような土壌は、それぞれ、例えば中東諸国にせよ、中央アジア諸国にせよ、どういうような背景で彼らが生まれてきたのかということのその根絶に力を注ぐべきであったというふうに思います。
 そして、今現在ということを申し上げれば、例えば、先ほど、今のイラク支援とテロへの闘いが違うというふうに申し上げた最大の理由は、それではアメリカは今イラク国内でテロに対する闘いを十分に有効に遂行しているかというと、全くそうではない。むしろ、これはカルバラでの爆破事件で明らかになりましたように、イラク国内でテロ事件が起こるたびに、それの反発として米軍に対する批判が国内から噴出している。すなわち、米軍はイラク国内にいるにもかかわらずちゃんと有効にテロをとめられていないではないか、だとすれば一体何のためにいるんだという議論になっているわけですね。
 例えば、イラク国内であれだけ国外からテロリストが入ってきているというようなことが報道されている割に、では国境警備がどの程度きちっとできているのかということになると、そういうことはほとんどできていない。むしろ、イラク人の側から、業を煮やして、先ほどお配りいたしました資料のほかの記事を見ておりましたらば、まさに、宗教指導者であるシスターニさんが、国境から非合法的な形で入国する者はこれを宗教的に禁ずるというような宗教令をあえて出さなければいけないほどにアメリカの対テロ政策はできていないというのが、実は今のイラク人の認識なわけです。
 ですから、その意味では、イラク国内で今米軍が展開しているような駐留方式、これでは、テロに対する抑止には全くなっていないどころか、逆に、米軍がイラク国内にいることでむしろテロリストたちを引きつけてしまっている、そして、米軍が動くたびにテロリストがそれにくっついて回るというような世界環境自体をやはり変えていく必要があるということ、それこそが一番の対テロ政策の根本ではないかというふうに存じます。


○河合委員 テロを引きつけているものに対する対テロ政策が必要だという、まさにこのリアリズムというのは、酒井参考人の貴重な御意見としてお伺いさせていただきます。
 きょうお伺いしました御意見というのは非常に経済的な側面の御意見が中心であったと思いますが、私は、先ほど参考人も触れられました、宗教対立を生んでいるもの、それをまた乗り越えるもの、それは文明間の対話という人類としての大きな課題を私たちは持っておりますけれども、自衛隊の人道復興支援、それから、参考人がおっしゃいました経済的な支援のほかに、例えば文化ですとか教育ですとか環境ですとか、そういった側面の支援もやがてその次のステージとして必要になってくると思いますが、参考人はどのようにこの点についてはお考えでしょうか。


○酒井参考人 もちろん、文化、教育、環境等々についての支援というのは、今後、大変重要な支援案件になってくるかと存じます。ただ、そのときに、一体何をどういう形で支援するかというのは大変重要なポイントかと存じます。
 といいますのは、先ほど御指摘のありました文明間の対話、これは大変重要なことでございますけれども、その前提に、ではイラクが文明間で対立しているのか、文明間で衝突しているのかというと、そうではないわけですね。
 つまり、先ほど申し上げましたように、必ずしも、宗派で、シーア派とスンニ派が対立していて今治安が悪いわけではないわけです。治安が悪い原因は、先ほど言いましたように、国外の、亡命イラク人がイラクの国内事情もよくわからない形で行政運営、経済運営を行っている、そうした武家の商法で物事が進んでいるところに対して、実際に物事がわかっている国内のイラク人が自分たちにやらせろというところが今一番の焦点になっているわけでありまして、そういう意味では、必ずしも文明とか文化でぶつかっているわけではないわけですね。ですから、まずそうした部分を解決していくことが重要。
 逆に、先ほどちょっと申し上げましたけれども、アメリカの統治政策が、統治評議会の構成にもわかりますように、どうしても、もともと文化、文明は分かれているものだ、シーア派は何人、スンニ派は何人、クルドは何人というふうに分けておかないとややこしいんだというような前提で物事を動かしておりますから、イラク人にしてみれば、逆に言うと、今、そうやってアメリカがむしろ宗派分断的な政策をとる一方で文化的な和解をしましょうというふうな政策を持ち込んだところで、ある意味ではマッチポンプ的な形になってしまう。ですから、今、一体緊急に何が必要とされるかということは、必ずしも文化的な対立や教育ではない。
 これは繰り返し引用いたしますけれども、先ほどの世論調査でおもしろかったのは、いろいろな分野において、外国なりどういう組織が主導権をとって復興を進めていくかという設問がございました。その中で、確かに今、現時点では、治安維持、外国から攻められてきたときにだれが責任を持ってイラクを守るかという問いに関しては、実は、外国軍、アメリカ軍という回答が多かった。ある意味では日本のようなイメージでございますね。とりあえず今は国防はアメリカにお任せしたいというようなイメージをイラク人は回答しているんですが、その中で、最もここの分野だけはイラク人が独自にきちっとやらなきゃいけないんだという回答を示した項目がある。それは教育でございます。
 ですから、ある意味では、かえって、外国が今の時点で下手に協力の手を差し伸べることが、ここの部分だけはイラク人が自分たちでやりたいと思っているところにさわってしまう可能性がある。そこら辺を留意しつつ、長期的な目的として文化・教育事業にも積極的に関与していくことは必要かと存じます。


○赤嶺委員<中略>米英がイラクに戦争を開始した三月二十日から、ちょうど一年を経過したところです。アメリカとイギリスは、有志連合をつくって、この戦争を始めました。<中略>一年たってみて、例えば、スペインで与党の政権が倒れて、そして、米軍の撤退が新しい政権によって主張される。あるいは、南米のホンジュラスのマドゥーロ大統領も、「アメリカがイラク側に主権移譲する六月末を期限とすることで国会の承認を得たのであって、派兵の延長は求めない。」さらに、ポーランドの大統領も、「大量破壊兵器問題で釣られたことは全く不愉快だ。我々は作り話でだまされた。」このように発言をするようになっております。
 一年たって、アメリカの対テロ戦争は逆に国際的には孤立を深めているのではないか、こういう意見を持つわけですが、両参考人は、この一年たってみて、対テロ戦争ということで始めたアメリカのこの戦争、そして、それが有志連合という形で形づくられていったけれども、その中に亀裂が生じている、これらについてどのような御意見をお持ちでしょうか。


○酒井参考人 イラク戦争から一年たったということで、有志連合のさまざまな動きということで御質問でございますけれども、対テロ戦争というふうに位置づけられたイラク戦争がいかに出発点で方向性が違っていたかということについては、先ほどの陳述で申し上げたとおりかと思います。
 そういう意味では、そうした、そもそも大義名分と実際の行動がずれていたではないかということの問題点の指摘というのは、これは今の有志連合の中でのさまざまな国の対応の違いにまさにあらわれてきているかと存じます。
 これは大変大ざっぱな分け方かと思いますけれども、私は、アメリカと共同歩調をとってイラク戦争に加わった、あるいは今有志連合という形で加わっている国々の間でも、大きく分ければ二つあるかと思います。
 それは、まず第一に、これは前提といたしまして、今、ポーランドがああいうことを言っておりますけれども、どこの国も恐らく、大量破壊兵器が本当の理由でイラク戦争が行われたということを信じてアメリカに同調したという国は余りないのではないかというふうに思います。
 いずれにしても、どういう理由であってもアメリカはイラクを攻撃するというような前提があって、その中からどういう自国の国益を追求していくかというところで、少なくともポーランドやあるいはその他の旧東欧諸国などに関しては、アメリカの協力、今後の協力なり、あるいはイラクとのこれまでの旧東欧諸国の関係ということを考えれば、戦後の復興事業における利権等々というようなものを期待して有志連合に加わったというところが多かったのかと思います。
 スペインなどは、戦争直前まで、イラクにおいては、経済制裁下のいわゆるオイル・フォー・フードの計画でかなり大きな商売を行っておりましたから、イラク戦後もそうしたイラク国内で築いた経済関係の地歩というものを生かしていきたいというような国益が恐らくあったんだろうと思います。
 それじゃ、そうした国々はまさに今、その当時に望んだような戦後の復興事業における利権あるいは復興事業によるメリットというものが一年間たってどれだけ得られたかということを考えれば、明らかに、そのコスト、リスクの方が大きい。駐留していることによって払っているリスクの方が圧倒的に多くて、それに見返るだけのイラク国内での事業展開が見られなかったという意味で、若干見直しを考えている国がふえているということなんだろうと思います。
 もう一つの種類は、恐らくイギリスでございまして、イギリスの場合は、アメリカについていった理由は、こうしたポーランドやスペインとはまた別のところに恐らくあると思います。
 それはどういうところかといいますと、アメリカの統治、イラク占領がアメリカ単独でいかせてしまっては大変厄介なことになる、非常にバランスを欠いた統治のやり方になってしまうので占領統治が失敗してしまうだろうということもあって、知恵袋のようなつもりで恐らくブレアさんは合意していったのではないかと思います。
 しかし、そのような形で知恵袋としてアメリカについていくというようなやり方をとった国でも、残念ながら、その知恵袋が十分に生かせているかといえば、それは決してそうではないという現状に至っている。
 いずれの側面においても、戦前に期待していたような自国の役割が今の有志連合の枠の中では十分に果たせないという認識が、イギリスの側にしてもそうですし、ポーランド、スペインの側にしても高まっているのではないかというふうに認識しております。


○赤嶺委員<中略>そこの有志連合で亀裂が生じ、そういうもとで米英の占領が続き、そして今、イラクでは、基本法がつくられて、独立に向かっての一つの政治プログラムがスタートしております。
 当委員会等で何度も問題になりましたが、イラク人が完全に主権を回復する前に外国軍隊の駐留がイラクの政府との間で合意された場合に、それは将来にわたってイラクの不安定、現在のような不安定を継続していくものになるんじゃないかという不安を私は抱いております。それは、私が沖縄県の出身で、二十七年間の米軍統治下というものをよく知っているからです。米軍統治の枠内で復興支援なるものがいろいろ行われたにしても、それは、日本人としての誇りを満たすものではなくて、屈辱でしかありませんでした。
 そういう体験を持っているがゆえにこういう質問をするわけですが、今の統治評議会とCPAと国連の枠組みで一つの政治プログラムをつくっていこうというときに、やはり国連が主導権を握る、あるいは国連がもっと中心的な存在として位置する、米英占領当局の権限を国連に移した上でやっていくという国連の枠組みに切りかえて政治プログラムを進めていくという配慮がなければそれは成功しないんじゃないかということを考えますが、イラクの国内事情に大変詳しい酒井参考人にその辺の御意見を伺えたらと思います。


○酒井参考人 御指摘のとおり、今の占領下において物事が進められているということに対する国民の不信感、それがまず第一に払拭されなければいけないということがあるかと思います。
 何はともあれ、今の占領を早く終わらせるということが大変重要になってくるわけなんですけれども、先ほど申し上げましたように、では占領が終わった後にどういう体制が立てられるのかということ、どんな体制でもいいから占領が終わればよいというわけではこれは決してないわけであります。
 その意味では、先ほど申し上げましたような統治評議会、国民に必ずしも信頼のない統治評議会の延長線上で暫定政権をつくっていくというような今の路線がそのまま引き継がれていくようでは、これは必ずしも今後の国民の信頼回復ということにはつながらないということになろうかと思います。
 国連の役割ということでございますけれども、確かに、占領を終えるために、占領を終えてその後だれもケアしないというような状態に至るということは最悪でありますから、その意味では、しっかりとした国際社会、国際機構が戦後の体制を支えていくような、そういう必要性があるかと思います。
 しかし、若干懸念すべき点は、必ずしも今の国連というものがイラク人にどれだけ信頼を得ているかというと、これはかなりネガティブなものになってしまうということであります。
 これは、先ほどお配りした数字などをごらんいただいても、今後、イラクの復興にどの国が中心的になってやっていくべきかというような設問のときに、必ずしも国連の数字は大きくない。少なくとも、先ほど申し上げましたように、アメリカ、日本というふうに来た後で、それと並ぶような形で国連というものが期待されているわけではないわけなんです。
 これは、ひとえに、かつて経済制裁の時代に、経済制裁によってイラク人の生活を苦しめてきたというその母体が国連であったという記憶は、やはりなかなかぬぐい去ることができない。それは、言いかえてしまえば、国連といったところで、結局のところは、アメリカの言いなりである、あるいは安保理事国の言いなりであるということで、国連が占領にかわって出てきたところで、アメリカの窓口、要するに代弁者としての国連でしかないんだというようなことになってしまえば、これは逆に、昨年起こったような国連事務所爆破事件のような形で、国連自体がターゲットになってしまうという危険性があるかと思います。
 その意味では、どこを窓口にするかということは重要な問題ではございますけれども、その実態がどう運営されるかということはより大きな問題として取り組むべきだと思います。


○赤嶺委員<中略>最近のアラブ首長国連邦の有力紙アルバヤンに書かれている記事を読んだのですが、「さらば友好的な日本人よ」という論説を目にすることができました。
 日本がイラクの占領に参加することは、みずからを友好的で平和的な国として演出してきた努力を台なしにするものである。日本がイラクで引き受けた米国の占領の手助けをするという役割のために、祖国の独立を守ろうとするイラク人が日本軍を標的にするのは当たり前であろう。占領に抵抗することは国際法に照らしても合法的な行為なのだ。
 このように、米英の占領について、イラクの人たちの感想、感情の持ち方、これを指摘しているわけですが、ずっと懸念されてきました自衛隊の派兵によるイラクやイスラム、アラブ社会との関係、これについて、最後に酒井参考人の御意見を伺いたいと思います。


○酒井参考人 残念ながら、そのドバイの新聞にについて、現物、実際のその記事を拝見しておりませんので、ちょっとコメントが難しいところがございますけれども、確かに、御指摘のように、アラブ諸国の間で日本に対する評価が下がったというふうに考える知識人は少なからずいるというふうに見ております。
 先ほどの陳述でも申し上げましたように、日本がイラク、あるいはアラブ世界全体というふうに申し上げてもよろしいかと思いますけれども、そうしたところから高い期待、高い評価を得てきた背景として、やはりアメリカと違うという点があるかと思います。
 アメリカと違うというのは何が違うかというと、恐らく、ヨーロッパ、欧米ではなくてアジアだ、そういうような側面もあろうかと思いますけれども、それ以上に、まず、中東において植民地経験がないこと、そして、いずれにしても中東に軍を送らないこと、力任せに、力をもってイラク人、アラブ人をあごで使うというような関係ではなくて、対等に、丸腰の関係で民間企業がさまざまな国において国づくりに貢献してきたということが恐らく一番の評価になってきたんだろうと思います。
 そういう意味で、日本が変わってしまったんだというふうに考える国は確かにいるだろうと思います。ただ、それが、先日の報道等にありましたように、ではアルカイダが即座に日本に来て大規模なテロを行うというようなことが実際にあるかどうかということに関しては、必ずしもそこまでターゲットにはなっていないのではないかというふうに思います。
 ただ、ここでやはり気になるのは、先ほど言いましたように、アメリカと違うと言ったときに、軍の派遣の問題もありますけれども、日本の対中東和平問題、パレスチナ問題、対イスラエル関係という点でのアメリカとの違いということがやはりアラブ諸国との間では十分に重要になってくるかと思いますので、その意味では、例えば今回のアハマド・ヤシン、パレスチナ・ハマスの指導者に対する爆殺事件などに対して、ヨーロッパ諸国でかなり強い非難が出されているのに対して、日本が果たしてどこまで、アラブ人の側から見て、アラブの気持ちをわかってくれる日本であるというふうな発言ができているかというと、若干危ないところもあるのかなという気がいたします。
 そういう意味では、軍の派遣ということもさることながら、全体的にアラブ諸国が最も気にしているパレスチナ問題に対して日本がどういう独自のスタンスを立てていくのかというところはやはり重要なポイントになるかと思います。


○照屋委員<中略>イラク人への主権移譲プロセスについて助言をするために近く現地入り予定のブラヒミ国連事務総長特別顧問に対して、イスラム教シーア派の最高権威シスターニ師から、イラク基本法を拒否するように要請をする書簡が届けられた、こういう報道に接しました。
 書簡はまた、報道では、米国が検討を始めたとされる新安保理決議に同法の内容が反映されることへの懸念を表明して、国連側が応じない場合に、ブラヒミ氏が率いる選挙専門家チームというのでしょうか、それとの面会も拒否をするというふうなことのようでございますが、この背景というのでしょうか、シスターニ師の書簡の背景等についてお教えいただければありがたいなと思います。


○酒井参考人 先ほども指摘させていただきましたけれども、基本法はシーア派のシスターニ師が反対をしているという現状でございます。これは、シスターニ師が個人で反対しているというわけではなくて、イラク、必ずしもシーア派だけではないかと思いますけれども、主にシーア派の住民の世論動向を反映させたものとして、そういう発言として出てきたというふうに考えた方がよろしいかと思います。
 といいますのは、実は、シスターニ師は、御存じのように、基本法の調印の前後に、同じように、この基本法では問題があるよということでクレームを言っておりますけれども、最終的には合意して、調印はそのままスムーズに行われて、その後、シスターニ師は、後づけで、いろいろ問題があるということを後になって言う。つまり、前もって反対の意を表明するのではなくて、補足意見というような形で後から反対を言うというような形で事をおさめようとしたわけなんです。
 ところが、残念ながら、それで事がおさまらなかった。むしろ、世論の中には、あれじゃけしからぬ、なぜあのまま基本法をいかせたんだというような批判が恐らく強く上がってきてしまったがゆえに、シスターニさんとしても、より一層強く、何とか基本法をとめる方法を模索せざるを得なかったんだろうと思います。
 そういう意味では、まず、基本法で何が問題になったかというところは、先ほどちょっと触れましたけれども、少数民族を中心とした一部のイラク人の中に、一種、拒否権という特権項目が含まれているということでございます。
 これは、具体的にはクルド人ということになるわけですけれども、クルド人が憎くてやっているというわけではない。むしろ、クルド人であろうが、トルコマン人であろうが、あるいはほかのアラブ人であろうが、すべて国民は平等であるべきだという、これもむしろイスラム教的な平等概念にのっとった発想かと思いますけれども、そうした部分から、一部の国民に特権を与えるような条項は除くべきだと。
 そして、先ほど言いましたように、任命によって選ばれた統治評議会、あるいは任命によって今後選ばれるであろう暫定政権が憲法を決めていくというような主体性のない国体づくりということに対してそもそも疑義を呈しているというのがその批判の点かと思います。
 ただ、これが完全に決裂するかどうかというのはまた、今申し上げましたように、シスターニ師自身も、どちらかというと調停的な役割を果たす人でありますし、そもそも彼は全く政治的な野心はない。繰り返しになりますけれども、国民の世論動向を代弁するような形で、あるいはほかに代弁するような場がないので、シスターニさんが代弁せざるを得ないというような状況にありますので、いわゆる交渉相手として彼がむしろ出てくるということになると、かえって宗教が政治に介入してしまうということになるわけです。ですから、余り、逆に、彼が政治的に発言力があるから、彼を政治の場に巻き込んで、彼を黙らせれば物事が解決つくんだというような方向で持っていくことは、大変大きな間違いになる。
 あと、補足で申し上げますと、この中で問題になっているのは、ブラヒミ特使の問題がございます。
 ブラヒミ特使は、もともとアルジェリア出身の方でありますので、そういう意味では、実は、フセイン政権の時代のイラクとアルジェリアの外務大臣として何らかの関係があった方ですから、その意味では、戦後、むしろ、フセイン政権後ということでフセイン政権色を払拭しようとしている今この時期に、かつてフセイン政権との、外交関係とはいえつき合いのあった人物を特使にして送り込むということ自体がイラク人のアレルギーを呼び覚ましているという部分はやはりあるかと思います。人選の問題ということはあるかと思います。


○照屋委員 基本法が制定されたときに、シスターニ師が、恒久憲法の制定に向けてむしろ基本法は障害となるだろうというふうな趣旨の声明を公表しておられました。これは、米英と統治評議会が進める国づくりの手法に疑問を呈したのかなと。そして、今度の書簡では、基本法の調印を迫った米国への強い反発があるのかなというふうにも思うわけであります。
 酒井参考人は、多分、新聞での論評だったと思いますが、私が読んだもので、基本法では主権移譲の受け皿となるべき暫定政権の選出方法があいまいなまま残されたというふうな論評をしておられたと思います。この基本法の、私たちが注意をしなければならない問題点、これから関心を持たなければならない問題点というのはどういった点がほかにあるんでしょうか。


○酒井参考人 これもまた繰り返しになるかと存じますけれども、基本法で今後一番焦点になってくるところは、今後の暫定政権がどれだけ民意を反映した形で設立されるかということでございます。
 基本法制定前に国内で一番もめていた問題は、やはり直接選挙をやるかやらないかという点でございます。国内のイラク人の多くが直接選挙を望む、それに対して、時期尚早であるという形でアメリカが拒否するということから、結局のところは、暫定政権をどうつくるかというところが白紙のまま基本法が制定されてしまったということになります。
 では、もめた以上は、ある程度、そのもめた解決策として、国内の、そういった国民の意思をある程度反映した形で暫定政権をつくるというような手法がとられればいいんですけれども、残念ながら、今はとにかく主権を移譲することが先だということが先に立ってしまいまして、そうした詰めの部分は全く行われていない。
 むしろ、暫定政権は今の統治評議会に若干プラスアルファということで立ててしまえばよいというような簡便なやり方がとられようとしているというところがございますので、それでは、まさに今、統治評議会が国民から不信感を持たれているというところの、アメリカに任命されただけであるというその不信感をただ延長するような形になってしまうかと思います。
 そうしたところで、これは基本法の中でということではございませんけれども、注目すべき点として、先ほどもちょっと申し上げましたが、実はイラク人の間で、実際に国民の間で自発的に選挙をやっていこうという動きがございます。これはとりわけシーア派の地域でそうした動きがあって、特にサマワの南部のナシリヤというところでは、多くの市町村で、実際に国民がみずから自分たちの市評議会を選ぶというようなやり方をとっております。
 ですから、もう既に草の根レベルで進んでいるようなことをどこまでCPAなりアメリカなりが認めていくかというところを、むしろもうちょっと積極的に認めていくような方向で暫定政権を模索していく必要が出てくるのではないかと思います。


○照屋委員<中略>年の五月だったでしょうか、ブッシュ大統領によるイラクの戦争終結宣言、ところが、その戦争終結宣言後に、むしろ、アメリカに対する攻撃がふえておるんですね、六月以降。その原因というのを<中略>参考人はどのように分析しておられるんでしょうか、お教えください。


○酒井参考人 戦後、対米攻撃がふえていることの原因ということでございますけれども、これは、一言で言いまして、アメリカの占領政策の失敗ということに尽きます。
 統計的にごらんいただいても、戦後すぐ、一カ月半の間は、アメリカに対する攻撃というのは、非常に少ないというか、ほとんど見られないわけです。しかし、六月の後半以降、徐々に徐々にふえて、秋口からはかなり本格的になってきているということがございます。
 これはいろいろな理由があるかと思いますけれども、アメリカが戦後、占領政策を五月の半ばごろからいろいろな形で着手し始める、とりわけ五月十六日には、イラク国軍やバース党の幹部を公職追放に処するというような、旧政権に対するパージ政策を本格的に始めたのがこの五月の終わりごろになります。ですから、そうした政策が徐々に効果をあちらこちらにあらわしてきた過程で、本来ならば自分がパージされるはずではないと思っていたような人たちまでパージされてしまったことに対する不平不満といったようなものが、こうした治安の悪化につながっているというふうに思っております。
 ただ、では、こういった米軍に対して反発している人々がフセイン政権のいわゆる残党、支持している人たちであるかというと、それは決して正しくはない。例えば、フセイン政権が倒れたことを喜ぶという人たちは、国民の八割から下手をすると九割近くにもなる。あるいは、先ほどの世論調査でいえば、今後のイラクのリーダーはだれがなってほしいかというような設問、自由回答のときに、設問に対してフセインという名前を書いた人も確かにいます。しかし、それはわずか三%近くというような、ごくごく少ない数でしかないわけですね。
 ですから、むしろ、フセインからはもう早く脱却したい、フセイン政権のくびきからは早く離れたいと思っていた人たちが、しかし、次の新しい体制のもとで、アメリカの指導のもとで乗ろうとしたけれども乗せてくれなかった、自分たちは排除されてしまったというような人たちの間でアメリカに対する不満が高まっていることが今回の対米攻撃の激化につながっているというふうに私は理解しております。


○照屋委員 最後に、酒井参考人に、イスラエルによるハマスの精神的最高指導者ヤシン師の暗殺が、アラブ社会というか中東社会というか、それに今後どのような影響を及ぼすものというふうにお考えでしょうか、お教えください。


○酒井参考人 これは大変大きな悪影響が予想されるというふうに思います。
 ヤシン師をどういうふうにとらえるかということはいろいろ議論はございますけれども、しかし、これは先ほど言いましたサダム・フセインと違って、少なくとも、国内、パレスチナ人の間に大変大きな支持、信頼を得ている人物なわけでありまして、必ずしも、イスラエルが主張するように、テロのゴッドファーザーであるというふうに位置づけることは間違っているわけです。
 そうした人をああいう形で攻撃したということは、これは、アラブ諸国にとってはもともと根強く残っている、イスラエルの正規軍によるテロというような印象を今後ますます強めることになる。既にハマスは、イスラエルに対して全面攻撃というような対応をとっておりますし、それに対してイスラエルの側は、アラファト自治政府議長すらも暗殺するというような態度を表明しているということを考えれば、どう考えても、アラブ諸国としては今のイスラエルの政策に対して徹底的に激しい対決姿勢をとらざるを得ない。
 となってくると、これは当然のことながら、そのイスラエルをバックアップしているアメリカに対する批判、非難というものもアラブ人を中心に高まってくるということになりますから、イラクということでいえば、イラク方面、イラク国内に多く入り込んでいる反米勢力、これがますますふえるという危険性をやはり想定する必要があるかと思います。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/013315920040325009.htm
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

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