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チョモランマ頂上付近で遭難した者は「遺棄罪」で言う「老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者」に当たるのか
http://www.asyura2.com/0403/dispute17/msg/604.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 5 月 02 日 15:01:37:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 結論:福岡チョモランマ登山隊の「見殺し」行為は是認できる。←カスだということです 投稿者 Mグループ 日時 2004 年 5 月 02 日 08:03:29)


Mさん、レスありがとうございます。

「遺棄罪」の適用を除けば、イラク人質問題を含めて大いに共感します。


チョモランマ登山隊の「不作為」は、刑法第二百十七条の「遺棄の罪」を構成しないと判断します。


日本国刑法:第二百十七条
 老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。

その判断は、チョモランマ頂上付近で遭難した人が、第二百十七条で言うところの「老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者」とは言えないからです。
第二百十七条が言う「老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者」は、チョモランマを8500メートルまで登攀できる能力を有する者を想定していません。

第二百十七条は、仕事ができない、食事をつくったり食べたりできない、用も足せないなど現在の社会生活を自力で営めない人や、通常の活動領域で突然の病気や欠けている身体能力のために危難に陥った人の“救済義務”を想定しています。

第二百十八条に「保護責任者遺棄罪」が別途に規定されているので、第二百十七条は、国民一般に対する義務違反処罰規定です。

近所や活動地域で自力で危難から抜け出せない人が困っている状況に直面した“普通”の人が、“見捨てたり”、“見殺しにしたり”すれば懲役の罰を与えるというものです。

「不作為」という行為を真正面から取り上げ罪と罰を規定する珍しい刑法条文でもあります。

チョモランマ登山隊の「不作為」に刑法第二百十七条の「遺棄の罪」を適用しようとするのは、過剰とも言える拡大解釈です。


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