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「産業主義近代」の終焉で最大の打撃を受けるのは、世界で最も成功した産業主義国家日本である。
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/419.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 6 月 26 日 00:01:32:Mo7ApAlflbQ6s
 


「米国支配層(世界支配層)は「産業主義近代」の終焉が近いことを知っていて、その後の世界に向けて動いている。」( http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/395.html )の続きである。

「産業主義近代」の終焉をことさら取り上げるのは、「産業主義近代」の終焉で最大の打撃を受けるのが世界で最も成功した産業主義国家日本だからである。

ただし、この間の動きを見る限り、「産業主義近代」が名実ともに終焉する前に、世界で最も成功した産業主義国家の冠を日本は失いそうである。
日本はその冠を失っても、限られてはいるが日本企業のいくつかはその活動力を減退させることなく隆盛を誇るだろう。

中国など他の国をバカにしないほうがいい。
日本が達成してきた技術革新力は、相対的に優れているとは言え日本人だけの特性ではない。今は日本からの輸入に頼っているものも、彼ら自身で開発・生産できるようになる。
仮に彼らが自主開発できないとしても、国際競争の苛烈さや日本の不況が日本企業に少しでも安い製造拠点を求めさせるのだから、開発は日本でも生産は外国という流れは進むことになる。


日本国民は、「産業主義近代」の終焉を心配するより先に、産業国家日本の没落を気にかけなければならないのである。
もちろん、産業主義的利益の獲得に狂奔している日本に醜悪さを感じている人には救いになることを否定しない。窮乏化革命論を信じているアホにとっても朗報かもしれないが、せいぜいが悪用されるだけである。

ともかく再確認しなければならないのは、食糧自給率が30〜40%である日本は、産業が上げた貿易収支の黒字で“食いつないでいる”という現実である。
産業主義的狂奔が消えたからと言っても、のんびり自然とともに生きていくというわけにはいかないのである。農業基盤の再生にも年単位の時間を要し、農業従事者の育成も必要になる。

日本国民のなかで災厄から逃れられるのは、どんな状況でも自己保身を最優先する支配層(政治家や官僚)や、保有する貨幣を使って世界のどこからでも金融利得を上げられる才覚者くらいである。
トヨタなど国際的優良企業に職を得ているサラリーマンも、国内市場の縮小から現場労働者や国内販売担当者は災厄から逃れられない。

ほとんどの国民は、自己保身を最優先する支配層に稼ぎをより多く吸い上げられ、失業などで増加する生活困難になった人たちを救済するためにさらに多くを吸い上げられることになる。
それはそのまま今の日本ではないかと思われるかもしれないが、今は、貿易収支黒字が10兆円超もあり、企業経営者も無慈悲に首を切っているわけではないのだから、今の悪政が天国と錯覚されるほどの状況になる。

このようなことを書いたからといって、国家破産論で危機を煽っている方々のように、不安を煽ったり、諦観を奨めているわけではない。

今ならまだ間に合うからこそ、このまま進めばそうなってしまうと警告している。

前回書いたように、10兆円を超える貿易収支を計上している日本は、生産性上昇の恩恵を多くの国民が享受して生活を豊かにしたり楽にすることができるのである。

今の日本でできることを行って、多くの国民が生産性上昇の恩恵を享受して生活を豊かになったり楽になるならば、「産業主義近代」の終焉もスムーズに乗り越えることができる。

看板だけの「小泉改革」でもじりじりと悪化することになり、理念主義的な「民主党の改革」なら悪化に拍車が掛かることになる。

貿易収支黒字を支えに日本の力である生産性の上昇がどうやったら国民生活の向上につなげていくことができるかを衆知の力で見つけることが、現在の日本人に与えられた歴史的使命である。

それが達成されなかったら、日本は歴史の流れのなかで衰退し、国民生活はより惨めでさらに大きな不安を抱えながらの酷いものになることは確実である。


● 「産業主義近代」が現在まで維持されているわけ

「産業主義近代」は先進国の多くで80年頃には終焉したと考えている。
日本は最強の産業国家であったおかげで、それをほとんど自覚しないまま90年代中期まで過ごした。
スタグフレーションで苦悩し高い失業率が常態化している西欧諸国や70年から勤労者一人あたりの実質所得が増加していない米国を思い浮かべていただけば、それなりにわかるはずだ。

米国や英国は、金融主義に軸足を移すことで「産業主義近代」の終焉をしのいできた。
西欧諸国は、社会民主主義的政策やEUでしのいできた。

「産業主義近代」がここまで生き延びてきた要因は、共産主義中国を「近代世界」に迎え入れたことであり、共産主義ソ連圏諸国を「近代世界」に組み込んだことを第一に上げる。
そして、それと変わらぬ重みがあるのが、国際基軸通貨国であり世界最大の市場規模を持つ米国が、「世界の需要者」として貿易収支の赤字を厭わず輸入を継続(拡大)したことである。
米国支配層は、覇権国家として存続するため、「世界の需要者」たる地位を捨てる愚を犯さなかった。
米国の覇権は、軍事力が究極の支えだとしても、日常的には「世界の需要者」として他の国が生産する財を大量に輸入することで維持されたのである。

前回の説明を思い出していただければわかるように、国が経済的に成長するための条件は輸出の増加である。
とりわけ、設備投資の資金を蓄えながら国民生活を向上させていくいくためには、輸出で稼ぐことが必須の条件となる。(中国など高価な生産財を輸入しなければならない後進国はハードカレンシーを稼ぐ輸出が不可欠である。それでも、中華思想の中国が外資に依存しているくらいである)

こうやって考えてくると、戦後「近代世界」がいかに米国主導で動いてきたかがわかるはずである。


● なぜ「産業主義近代」は終焉するのか

ここまでの説明で、「産業主義近代」が終焉するわけをうすうす気づかれた方も多いであろう。

米国が「世界の需要者」として輸入を拡大できなくなれば、世界経済にある“電位差”が減衰し各国の経済活動は低迷することになる。
米国が貿易収支の均衡に踏み切れば、それこそすべての産業国家が大不況に突入する。
もちろん、それで最大の犠牲を強いられるのは日本である。日本は、自身の対米輸出と対米輸出に依存している中国への輸出で現状を維持しているからである。

貿易収支の赤字はペーパーマネーでしかないドルを印刷して支払えばいいという話も出てくるが、FRBがそれを行うとは思えない。
一つは、FRBが自分のために輸入するわけではなく、銀行を通じて輸入業者に貸し出しすることになるから、債務が履行される見込みがなければ貸し出しを実行しないからである。
もう一つは、ドル紙幣の増刷はドルの価値を低落させ、“彼ら”の金融資産を実質的に減少させてしまうからである。

現在の米国は、連邦政府の赤字が5千億ドルで貿易収支の赤字が5千億ドルという奇妙なバランスにある。言ってしまえば、連邦政府の赤字財政支出分が、“過剰輸入”に回っているということになる。
ご存知のように、日本政府は、円高抑制を名目に昨年1年で20兆円(約1800億ドル)のドルを買いそれで米国財務省証券を購入した。
日本の対米黒字は6兆円ほどだから、差し引き14兆円ほどを米国が「世界の需要者」であり続けるために献上したことになる。(おいおい貸しただけだぜ、と言われるかもしれないが、米国は返したいと思っていても返すことはできない。その説明は、中南米やアジアそしてアフリカの債務国を指導しているIMFに聞けばよい。貿易収支を黒字にしなければ、対外債務は履行できない。FRBが連邦政府が債務を履行するためにドルを増刷することも、自分たちの資産価値を劣化させることになるからないだろう)

日本政府が、ドルを買い続けることで米国連邦政府に資金を供給することはできる。しかし、借りたお金には利息を支払わなければならない。
日本政府は、その利息を受け取っているらしいが、現金で受け取っているのか財務省証券のかたちで受け取っているのかは知らない。(現金で受け取っても、それですぐに財務省証券を買えば同じことだが)

日本政府ほど米国政府に尽くすところは他にはないだろうから、米国連邦政府債務が積み上がっていくに従い、流出する利払いも増額することは確かだ。
米国政府が償還や利払いに充当する原資は税金である。
償還は借り換えで行うとして、利払いを取り上げると、現在の債務残高は7兆ドルとされているから、3500億ドル超の利払いがあると推定できる。
債務残高が10兆ドル(現在のペースであれば6年後)になれば、5千億ドルになる。
連邦政府の税収が1兆2千億ドル程度と考えると、税収の41%が利払いで消えることになる。

言いたいのは、利払いの増加分を誰かが補填しない(貸さない)限り、現在レベルの「世界の需要者」を維持できないことである。

もっと端的に言えば、日本政府が、米国政府の毎年の財政赤字の相当部分と増加する利払い分を補填しない(貸さない)と「世界の需要者」としての米国は、徐々に縮小せざるを得ないのである。
(中国は外貨準備を徐々にユーロにシフトしている)

米国政府の対外債務だけを考えるのなら、思いきったドル安にして、過去の債務の実質価値を大幅に減少させて楽になることはできる。(ドル建てだから、1億円の借金を実質5千万にすることはできる)
しかし、それは、「世界の需要者」としての米国の地位をなんら改善するものではない。5千億ドルの貿易収支赤字を1兆ドルにしなければ、同レベルも維持できないからである。

あれこれ書いたが、今後も日本が優位性を発揮できる「産業主義近代」を維持することが、どれほど困難でどれほど異様な手法に依存するか、そして、日本が他の国の輸出(経済成長)のためにどれほど莫大な資金を負担しなければならないかはご理解いただけたと思う。

昨年の日本を考えるなら、日本と中国の貿易収支黒字を合わせた1600億ドルを超える資金を米国政府に融通したことになる。
それが返したくても返せないお金であるなら、米国と中国のために、20兆円を超えるお金を献上したとも言える。(むろん、日本のためにもなっている)

このような仕組みが持続すると考えている方はその策を提示していただきたい。(ないわけではない)
策があるとしても、そのような仕組みがあまりにも醜悪なものだと思う人やそこまでやっていながら日本の現状があまりにも酷いことに怒りを覚える方は、「産業主義近代」の終焉をソフトランディングする方策を考えなければならない。

米国支配層(世界支配層)は、すでに、自分たちの利益になるかたちで「産業主義近代」を終わらせる策を持ち、その後の世界の在り方も構想している。

アフガニスタンやイラクに対する攻撃と支配そして喧伝されている「中東民主化」も、その一環として遂行されている。

本当にここ数年が正念場である。今なら間に合う。
“彼ら”を超える構想力を示し、“彼ら”をも溶かし救済しなければならない。
それが、日本が生き残る唯一の道であり、日本国民全体が安寧のなかで生活していける唯一の道である。

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