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Re: 誰しも「産業主義近代」の終焉が近いことだけは知っていてる。
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/433.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 6 月 28 日 03:50:33:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 誰しも「産業主義近代」の終焉が近いことだけは知っていてる。 投稿者 Ddog 日時 2004 年 6 月 27 日 20:47:05)


Ddogさん、どうもです。

戦後日本がこうなったわけがわかるようなレスをいただき暗澹たる気持ちになっています。
「米国神話」に取り付かれているような分析もさることながら、「我々庶民は生産性を向上させ、来るべきNEXTに備えるしか選択肢はない。」が結語になっているのを見てがっくりです。(Ddogさんも、思いとは逆に、日本を破壊させてしまう人のように思えます)

生産性の上昇が庶民の生活向上に結びつかないことを問題にし、庶民の生活向上に結びつかない生産性上昇は、輸出増加のみが救いであり、輸出が鈍化すれば、企業(国民経済)及び国民生活にとてつもない打撃を与えると説明しています。
そして、貿易収支が黒字である好条件を活かさないでこのまままま進んで行けば日本にNEXTがないと言っているのに、「我々庶民は生産性を向上させ、来るべきNEXTに備えるしか選択肢はない。」と頓珍漢で空虚なことを書いているからです。
まるで旧陸軍の精神論を聞かされている気になりました。
失礼ながら、「「産業主義近代」の終焉が近いこと」を“お告げ”以上に知っているとは思えないレスです。

Ddogさんには、我々庶民が生産性を向上させると、どういう「来るべきNEXT」がやってきて、それにどう資するのかを説明して欲しいと思っています。


>誰しも今は、かのマルクスが予言したところの資本主義の最終段階に到達しようとし
>ているのではないかと思いはじめている。

そのような認識が世に溢れているとは思えませんが、具体的にどのような言説や動きにそれが現れているのでしょうか?

私は、産業資本主義は終焉を迎えるとしても、資本主義が最終段階になったとか終焉を迎えるとは考えていません。
(論理が現実を規定するとしても、論理が新しい経済社会パラダイムを生むことはありません。資本主義の最終段階云々というのは、歴史決定論的な見方のように思えます)


>間違っても、壮大な実験で失敗が明らかになった社会主義が建設されることはありえ
>ない。

「壮大な実験で失敗が明らかになった社会主義」と言われていますが、そのように人々が思っているというレベルでは同意できるとしても、ソ連に関してさえ、うまくいかなった要因は列挙的に説明できますが、「社会主義の失敗」が明らかになっているとは考えていません。
(多数派が社会主義はダメだと考えているからそれに向かわないと判断するのか、論理的にダメだから捨て去られると見るのかでは意味がまったく違います)


「産業主義近代」終焉後の世界では、ソ連型とは異なりますが、産業部門については内需専業企業を中心に国有化まで踏み込んだ社会主義政策が採用される方向に動くと予測しています。
(日本で国有化政策が採られないとしたら、日本の様々な企業が外資の手に落ち、利益を吸い上げられるというより悲劇的状況になっているときでしょう。これが、最悪とも言えるケースです。この意味がわかりますか?)

「産業主義近代」終焉後の世界は、ケインズ主義的政策で企業を延命させることはできるとしても経済成長に結びつかず、誰かが利潤を得ることがストレートに他者の損失を意味するようになるので、“不採算”企業は国有化して存続させるのが理に適っていると判断されるはずです。
ソ連や中国のような全面的な国有化ではなく、戦後英国のような国有化政策です。

国際金融家(世界支配層)も、自分たちの利益を保護するため、保有するジャンク産業資本を国家に売っ払い、恒常的な利益をその利息に依存するようになります。
(利潤が上がらない企業の株式を保有しているより、確実に利払いが行われる国債を保有しているほうを選択する時代になるということです)

>(私はこのまま恒久的に日本が米幕府にお取り潰しになるのを恐れるだけの弱小藩に
>なってほしくはない、時が来れば討幕できる雄藩として、今は米幕藩体制を支えなが
>ら、ひたすら未来に向い力を貯えておくのが、現在取りうる日本の国家戦略ではない
>かと思っています。)

是非とも、どうやったら「未来に向い力を貯えておく」ことができるのかお示しいただきたい。

戦国時代の政治闘争とは次元が異なり、現在において力を発揮しなければ、未来で力を発揮することなんかできないのが「経済経済システム」の峻厳な論理規定性です。
力を発揮し続けることが、資本主義で生き残る唯一の方策なのです。それは、企業活動を考えればわかるはずです。
(とりわけ軍事力で劣る日本は、経済力が何よりも国力の基礎です)


このまま進めば、日本という国家社会は、戦後の経済的蓄積を搾り取られるかたちで役割を終えると見ています。
そのときに、トヨタなどの優良企業が日本企業として存続して可能性はあります。

>スーパーパワーの一局支配、そして徐々に支配力が弱まりながらも、強固に世界を支
>配していくだろうと思われる。来たるべき国際社会は徳川幕藩体制に近いかもしれな
>いとDdogは想像するのであります。米国幕府のもとで、新たな封建主義社会が創造さ
>れようとしているのではないか?

戦後世界のイメージや国民国家的枠組幻想から脱しきれないようですね。

戦後世界こそが、“米国幕藩体制”ですよ。

米国は国際金融家が支配する国であり、米国が国民国家や連邦国家という触れ込みは虚構です。
国際金融家は、米国という国家社会や米国民に思い入れがあるわけでも、米国を強くしたいと願っているわけでもありません。
“彼ら”にとって、米国は、自分たちの貨幣的富の増大やそのために不可欠の政治的権力行使で利用するための“客体”でしかないのです。

将来の「新世界秩序」については、EUがテストケースだと見ています。
米国も、強国ではあっても「新世界秩序」に組み込まれる国家であり、幕府になることはありません。
(「世界の需要者」を続けられない国家が幕府を張ることはできません)


>まだ米幕府は、完全な一局支配の完成には至ってはいない。むしろこれから幕藩体制
>を固めようとしている。ネオコンは晩年の徳川家康の心境で、経済的軍事的スーパー
>パワーを維持しているうちに、パックスアメリカーナ千年王国を盤石にしようと、米
>幕藩体制を揺るがす可能性がある日本を含めた対象国に無理難題をおしつけまわって
>いるだけである。

正気とは思えない分析ですね。
軍事力で一極支配ができると夢想しない限り通用しない話です。
米国を攻撃したり米国を挑発するのは狂気の沙汰とは言えますが、それをもって支配とは言えません。

戦後の米国がスーパーパワーであったことは認めていますが、日本から20兆円もの資金を融通してもらわなければ、国民生活も軍事活動も維持できず、「世界の需要者」としていい顔もできない米国がスーパーパワーなんて、よっぽど「米国神話」に囚われているんですね。

「米幕藩体制を揺るがす可能性がある日本」というのは、どのような可能性を指してのものですか?


>我が国の政府当局がどの程度理解しているかははなはだ疑問ではあるが、いまのとこ
>ろ、恭順の意を示し、イラク征伐に出兵して、親藩の地位は確保している。

これまでも何度かDdogさんに言ってきましたが、米国政権にきちんと話ができない日本政府を米国政権が信頼するはずもなく、資金を出したり兵を出したりしたとしても、親藩の地位などはるか彼方の夢物語です。

Ddogさん自身も「資本主義精神に欠ける未熟国家である、民度も高くないから、日本は米国の無理難題を甘受しなくてはならなかった」と認識しているのですから、米国政権の立場で日本のことを考えてみればわかるはずです。

日本(政府)を言うことを聞く便利で重宝な存在だと見るとしても、信頼できる相談相手とは思わないはずです。

米国政権にただ反対すればいいというものでもありません。
支持するにしろ、反対するにしろ、理非をきちんと説明することが信頼される最低限の条件です。

>私も日高義樹氏の番組は見ているので多分フリードマン氏の話を視聴していたはずだ
>が、私には生産性の上昇が国民生活を向上した趣旨だったような気がします。記憶違
>いでしょうか?

フリードマン氏は、「これまでは生産性の上昇が国民生活を向上させてきたが、このところの経済状況を見ていると、生産性の上昇が国民生活の向上に結びつかないようになった」(趣旨)と説明しています。

(Ddogさんが列挙した内容はフリードマン氏と前任者のリンゼー氏を合わせたかたちで語られていました。リンゼー氏は、人民元は切り上げたほうが中国にとってもいいのだが中国政府はそうしないだろう、と的確な指摘をしていました。日高氏は、貿易赤字や財政赤字を1桁間違って500億ドルと言っていました)

>シュンペーター理論を認識し、ハンチントン教授の文明の衝突理論が加われば、米国
>が推進するグローバリズムの真意を、ある程度善意に解釈はできると思います。
>私はブッシュ政権の行動を、ある程度理解をしている。

せっかくですから、シュンペーター理論とハンチントン教授の文明の衝突理論から、米国が推進するグローバリズムの真意を説明していただければ幸いです。
それが、日本とどう関わるかについても....

>彼らの行動原理は、現代日本において生産性を必至に上げている企業と重なり合って
>いるように思います。正直 倹約 勤勉 質素の思想は、生産性の向上と結びつくと思
>いませんか?

生産性上昇は固定資本比率の増大が基本ですから、そのために過大な借り入れをしないために「倹約・勤勉・質素」に励むのは理に適っています。

大事なことは、そうやって蓄積することは倹約や質素であっても、蓄積したお金を設備投資に使うことは“散財”だということです。

散財するのは、それによってさらに蓄積ができるようになるとの見通しがあるからで、その見通しがなければ、退蔵となって経済活動が縮小することになります。

「産業主義近代」の終焉は、生産性の上昇のために蓄積したお金を散財しなくなったり、生産性の上昇のために借り入れたお金を返済できなくなる状況が常態になることを意味します。

>蛇足:
>世界支配層という言葉はあまり適切でないと思っています。なぜなら、彼らが森羅万
>象すべてを支配しコントロールしているがごとくの印象を与えてしまうからです。
>中途半端な知識しか持ち得ない中途半端なインテリ層は、すべての責任を支配層へ転
>嫁するだけで思考を停止させてしまう恐れがあるからです。
>支配層でなく欧米資本家階級もしくは、資本家兼新貴族階級、もっと簡単に国際資本
>家層とでも表現されたほうが適切ではないでしょうか?


これまで見失われているのが、産業資本家と金融資本家の利害対立です。
産業資本家と労働者は、利害対立があるように言われそのようにも見えますが、論理的に共通の利害基盤に立っています。

深刻な利害対立がある産業資本家と金融資本家を一緒くたにして国際資本家層とすると、世の中が見えなくなります。
また、外面的ないし形式的には国民主権ですが、そのような制度や米国の覇権を利用して世界レベルで政治権力も制御しているのですから、「世界支配層」という呼称がふさわしいと思っています。

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