★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 議論18 > 432.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
誰しも「産業主義近代」の終焉が近いことだけは知っていてる。
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/432.html
投稿者 Ddog 日時 2004 年 6 月 27 日 20:47:05:gb2b4T9TetGkU
 

(回答先: 米国支配層(世界支配層)は「産業主義近代」の終焉が近いことを知っていて、その後の世界に向けて動いている。 投稿者 あっしら 日時 2004 年 6 月 25 日 00:03:47)

米国支配層だけが産業主義近代(=現代資本主義社会?)の終焉が近いと思っているのではない。19世紀より常に西欧では、マルクスを筆頭に、資本主義の終焉が言われ続けてきた。古典経済学は20世紀初頭に限界に達し行き詰まった。ヒットラーはアウトバーンの建設や大軍拡により、習わずしてケインズ経済の極意を会得し、米国は、ケインズ理論を採用しニューディール政策を採ったが最後は戦争による有効需要の創出で、危機を乗り切りった。第二次大戦後、イギリスをはじめ多くの資本主義諸国がケインズ政策を採用し、資本主義は、社会主義化していった。ケインズ政策も1970年代には行き詰まり、再び新古典主義的なマネタリストが取って代わったが、限界が見え始めている。米国支配層に限らず、誰しも今は、かのマルクスが予言したところの資本主義の最終段階に到達しようとしているのではないかと思いはじめている。
間違っても、壮大な実験で失敗が明らかになった社会主義が建設されることはありえない。次の社会を予言した書物は幾つか目にするが、不安を悪戯に増長させる類のとんでも予言系の系譜にはいる近未来予想が多く、私のイメージにあうものはまだ出会っていない。
スーパーパワーの一局支配、そして徐々に支配力が弱まりながらも、強固に世界を支配していくだろうと思われる。来たるべき国際社会は徳川幕藩体制に近いかもしれないとDdogは想像するのであります。米国幕府のもとで、新たな封建主義社会が創造されようとしているのではないか?まだ米幕府は、完全な一局支配の完成には至ってはいない。むしろこれから幕藩体制を固めようとしている。ネオコンは晩年の徳川家康の心境で、経済的軍事的スーパーパワーを維持しているうちに、パックスアメリカーナ千年王国を盤石にしようと、米幕藩体制を揺るがす可能性がある日本を含めた対象国に無理難題をおしつけまわっているだけである。我が国の政府当局がどの程度理解しているかははなはだ疑問ではあるが、いまのところ、恭順の意を示し、イラク征伐に出兵して、親藩の地位は確保している。
(私はこのまま恒久的に日本が米幕府にお取り潰しになるのを恐れるだけの弱小藩になってほしくはない、時が来れば討幕できる雄藩として、今は米幕藩体制を支えながら、ひたすら未来に向い力を貯えておくのが、現在取りうる日本の国家戦略ではないかと思っています。)

確かに封建社会のように、イノベーションが発生しにくい成熟社会において、生産性の向上が、ある一定水準以上に向上してしまった場合、雇用が損なわれ失業者が増大する結果へ帰結してしまう。失職せずに、究極に生産性が向上した企業に残った従業者は、生産性向上収益重視の無限地獄を体験し、全員過労死寸前にまで追い込まれるまでる。そして富と職が偏在してしまう社会。階級職業は固定化してゆくだろう。失業者も労働者も究極に生産性が向上した社会では、大多数が幸福になれないというのは納得できる。

私も日高義樹氏の番組は見ているので多分フリードマン氏の話を視聴していたはずだが、私には生産性の上昇が国民生活を向上した趣旨だったような気がします。記憶違いでしょうか?米国経済の柔軟性が米経済の復興とデフレの終焉を齎した、低金利政策はまだ維持されるが、歴史的低金利によって生じた、過剰流動性相場はまもなく終焉するかもしれないこと。ブッシュの経済政策は間違いではないが、財政赤字と貿易赤字に対しあまりにも無分別であると指摘していたと思う。それから中国問題を語っていたいたと思います。そのなかで、米国の技術革新と企業家精神について触れていた記憶が残っているのですが?、WBSか他の番組で誰かのインタビューと混同していたら申し訳ないが….

社会経済学者シュンペーターの理論のなかに、「資本主義にとって最も大切なものは、革新innovationである。革新こそが資本主義の本懐。これが絶えてなくなれば、自由市場は活力を失い、資本主義は衰退して、遂には滅亡する。」と論じています。しかし創造的破壊を繰り返し、革新が日常業務化すると、革新そのものが 官僚化した専門家の合議制度になり、官僚化し革新そのものが腐朽し、「資本主義はその経済的成功故に行き詰まり、滅びる。創造的破壊を推進する資本主義のエートスが衰弱し資本主義の屋台骨ともいえる私有財産制と自由契約制が形骸化すれば、資本主義は衰退し、やがてその終焉を迎える」と予測しています。
フリードマン氏がシュンペーター理論を知らないわけがないでしょうから、番組では、資本主義精神の重要性を説いていたわけです。

シュンペーター理論を認識し、ハンチントン教授の文明の衝突理論が加われば、米国が推進するグローバリズムの真意を、ある程度善意に解釈はできると思います。
私はブッシュ政権の行動を、ある程度理解をしている。しかし小泉政権は、シュンペーター理論を、理解しているか疑問だ。小泉政権は、日本の腐朽した官僚システムを擁護強化にその重点が置かれている。官僚システムは、イノベーションを拒み、年金制度問題や、納税者背番号制度や、改悪に次ぐ改悪の税制は、小泉がホントに馬鹿の一つ覚えのように叫ぶ「構造改革」などとは正反対の、私有財産制と自由契約制を形骸化させているように私には見える。

歴代米国政権が強欲非道な政策をとるのは、軍事的に圧倒的スーパーパワーを持っているので、当然の権利かもしらない。日本は、バブル崩壊した90年代以降官僚ばかりでなく、官僚化したトップを頂く大企業や、地方の権益にまみれた土建産業に代表されるように、社会全体は、欲得権益に胡座をかく資本主義精神に欠けた腐朽したシステムを維持してきた。資本主義精神に欠ける未熟国家である、民度も高くないから、日本は米国の無理難題を甘受しなくてはならなかった。

官僚の権益は擁護する日本政府ではあるが、米国の外圧の結果として、持ち株制度という現代の株仲間にあたる、反資本主義的政策から民間企業は、解き放たれつつある。政府の不適切な政策にもめげず、日本の民間企業は真の資本主義社会の企業として再生しつつある。

もう一つシュンペーターで、有名な二重統治理論「資本主義社会において、貴族(政治的権益に才能)が資本家を政治的に支え、資本家(政治的諸問題を上手く処理できない)が貴族を経済的に支える」ですが、貴族を欧米支配層、資本家を日本に置き換えると、今の世界資本主義情勢と、未来が見えて来るような気がするのです。

多少苦しい解釈かもしれないが、日本がとるべき行動が見えます。幕府成立初期には、札差に代表されるような、幕府権益と深くかかわった御用商人が莫大な利益を得た。初期の豪商の一代目創業者達は、当所当然、資本主義的精神を持っていたであろう。彼らは元禄時代の頃までは莫大な利益を得た。しかし、その経営思想は「新儀停止」「祖法墨守」であった為、代を重ねて、幕府が崩壊したときには、融資した借金は最後に反故にされてその多くが消滅してしまった。
日本がそうならない為には、幕府中期御用商とは別に、個人の才覚で勃興していく新興勢力の商人群はを参考にすべきではないかと思う。現代日本までその系譜はつづいているのですが、彼らは、鈴木正三 石田梅岩の思想、正直 倹約 勤勉 質素 の影響を受けている。日本的資本主義精神を兼ね備えた新興商人たちでした。
彼らの行動原理は、現代日本において生産性を必至に上げている企業と重なり合っているように思います。正直 倹約 勤勉 質素の思想は、生産性の向上と結びつくと思いませんか?

現代日本株式会社の生産性は、バブル期とは比べ物にならないぐらい上がっているはずです。不幸なことに従業員の給料は上がっていません、雇用増も進んでいません。
確かに我々は幸せではないかもしれません。でも今のところ三度の食事にこと欠くことなく、米軍の爆撃の危機を感じることなく生きていけるだけ有難いとも思う。
第二次世界大戦で完膚なきまで日本の伝統と日本の人類史的貢献が破壊されてしまった。戦後においても日本が技術的文化的に人類の進歩に貢献した功績を、日本人自身で正しく自己評価できないでいるかもしれません。そんなこと不要かもしれませんが、私が思うに、日本人はプロテスタント的な健全な資本主義は難しいかもしれないが、江戸中期に鈴木正三や石田梅岩が発想した、日本資本主義の精神(日本教資本主義派)を発達させていくべきではないだろうか?
鈴木正三曰く「一鍬一鍬に、南無阿弥陀仏と田畑を耕せ。そうすれば五穀は清浄となって多く実り、食する人も清浄となる。商人は私利私欲を捨てて、世の為人の為正直に商売せよ。そうすれば世の人々が必ず支えて繁昌すること間違い無い」

日本は有能な政治家は、田中角栄亡き後、ほとんど皆無だ。(小沢ももう少し…)無能な政治家、亡国の官僚達に益々鉄火場と化した現代世界を巧みに乗り切り、国益を守護する期待はできない。国民が惰眠から目が覚める頃には手後れになっているかもしれない。
暴力革命でも起きない限り、腐朽官僚制は打破できそうにない。

我々庶民は生産性を向上させ、来るべきNEXTに備えるしか選択肢はない。

蛇足:
世界支配層という言葉はあまり適切でないと思っています。なぜなら、彼らが森羅万象すべてを支配しコントロールしているがごとくの印象を与えてしまうからです。中途半端な知識しか持ち得ない中途半端なインテリ層は、すべての責任を支配層へ転嫁するだけで思考を停止させてしまう恐れがあるからです。支配層でなく欧米資本家階級もしくは、資本家兼新貴族階級、もっと簡単に国際資本家層とでも表現されたほうが適切ではないでしょうか?
国際資本家層は、世界や経済を掌握しつつあるが、コントロールに苦慮し、支配できていない。そして彼らが繁栄を謳歌すべき未来を構築するのでなく、来るべき不幸な未来に備えているように見える。真に支配していたら、自ら首を絞めるような行動はとらない。
完全に世界や経済を支配できるのなら、地球上の資源を食い尽くす、中国インド経済のテイクオフを許さず、中東諸国の独立も民族主義の勃興を阻止していたでしょう。その支配層と呼ぶ人々は、日本やロシア、中国を含む第三世界の人間が持ち得ない資本主義精神を備えたがゆえに、地球上の富を寡占しつつあると考えるべきではないかと思っています。
支配層と言うより、国際資本家層の方が適切な表現ではないでしょうか?

 次へ  前へ

議論18掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。