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日本と中国の勤労者所得が同じになったとき、日中の勤労者のどちらが豊かになるか?
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/835.html
投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 22 日 22:02:06:Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: 「産業資本主義」の終焉:「金融資産」という大いなる“幻想”:フロー(所得)とストック(資産)について 投稿者 あっしら 日時 2004 年 7 月 22 日 19:23:21)


↑の書き込みで、(土地が資産となるのみならず他の資産や財よりも高く評価されてきた日本は、今後の国際競争力で不利な条件になる。機会があれば説明するが、たぶん、中国との国際競争力で決定的な問題になるはず)と書いたことを簡単に説明させていただく。


表題を「日本と中国の勤労者平均賃金が同じになったとき、日中の勤労者のどちらが豊かになるか?」としたが、同じ豊かさならどちらがより少ない給料でいいのかという問いにもなるので、「日中の産業競争力はどちらが優位か?」を考えるのと同じである。

この間の推移は、中国の勤労者所得が増加する一方で、日本の勤労者所得は減少気味という状況である。
念のため、間違っても、日本と人口13億人の中国の勤労者所得が同じなることはないと考えている。
ただ、中国の沿岸部に住む4億人ほどの勤労者所得が日本と同じになる可能性はあると思っている。(人民元が経済成長とともに、対日本円のレートで順調に高くなればそう遠い先ではないかもしれない)


現在の中国の労働者の平均賃金は、日本の労働者のそれの1/20から1/30だとされている。(外資系に勤める米国留学帰りの技術者や管理職は日本並みの給与水準と言われている)
日本の労働者の平均給与を30万円だとすると、円換算で1万円から1万5千円といったところである。

これを知って、中国の労働者は低賃金で喘いでいると同情するだけでなく、日本ではとうてい生活できない賃金でも、中国人はちゃんと生活できていることに驚いて欲しい。
(大家族でみんなが働いているという家族形態と生活慣行も支えになっている)

日中の物価水準とりわけ日常生活物価水準を比較すると、日本のほうが少なくとも10倍は高いから、中国の平均賃金は10万円から15万円の実質価値だと言える。

(日中の物価水準比較が変わらないとすれば、中国の平均賃金が3万円になれば実質として日本と同じになる。人民元は不当に安いと言われているから、レートが30%ほど高くなれば2万数千円で同じになる。人民元高は、輸入物価を押し下げるので物価水準を下げる働きはしても上がる方向には作用しない。人民元高で輸出競争力も劣化しないが、輸出先の購買力が増加する余地がほとんどないので、輸出増加依存ではなく、中国国内の需要連関(産業連関)を改善する必要がある)


問題は住宅費の日中格差である。

中国は土地が国有化されている。
上海で顕著なオフィスビルや高級マンションの開発業者も、120年間といった長期借地契約で事業を行っている。たぶん、べらぼうな開発権利料をイニシャルで支払い、年間借地料もけっこうな額を負担しているはずである。
それでも不動産開発が拡大しているのは、それだけのお金を支払っても契約期間中のフロー(所得)で稼げると判断しているからである。
ビルの寿命がきた時点で「総家賃収入−借地と建物(維持費を含む)に支払った総額」が他の投資を上回ると予測すれば、中国の不動産開発に投資をする。
(“期間限定”の家賃収入商売だから、上海などのオフィス家賃は東京より高くなる。借り手も、それだけ高い家賃を支払っても割が合うフロー(所得)が上海に拠点を置くことで得られると判断しているから入居している)

一方、庶民の住宅は、狭くて貧相であってもべらぼうに安い。(だから、高所得の人は、外資系ディベロッパーが売り出す近代的高級マンションを購入する)
一家6人がいちおう生活できるスペースがある住宅が月々数百円(20人民元とか)で済む。小さな庭付きの立派な住宅でも千円程度(100人民元とか)である。
1000人民元(約13000円)の可処分所得であっても、家賃に支払うのは100人民元であれば、900人民元(約11700円)が食費や耐久消費財そして娯楽費として残る。物価水準は1/10だから117,000円相当が残ることになる。
日本では、30万円の可処分所得があっても、住居費が高いので残るのは15万円から22万円といったところである。
中国勤労者の住居費は高くても可処分所得の10%であるのに較べ、日本の勤労者の住居費は可処分所得の25%から30%も占めているのである。

(これなら、中国の貯蓄率が30%強であるのも自然である。日本の貯蓄率は下がりに下がって7%ほど)

このような生活条件格差のなかで、中国の勤労者所得が増加する一方で、日本の勤労者所得は減少気味である。

住居費の日中格差がこのまま続くと仮定したら、中国の勤労者が日本の勤労者と同等の生活水準になるための所得は、名目ベースで日本よりもずっと少なくていいことになる。
日本の住居費を除く可処分所得が20万円だとすれば、中国の勤労者は、所得が640人民元(約8320円)増加すればいいわけである。
人民元が30%切り上げられたら、300人民元の所得増加があれば日本の勤労者並みの生活に近づく。日本の勤労者の所得が切り下げられていくのなら、300人民元はあっという間に埋められてしまうのだろう。
((1300人民元−100人民元)×17(円人民元レート)×10(物価格差)=204,000円)

日本の場合はマイホームの頭金を貯めるのも高い家賃を払いながらだが、中国の場合は、安い“官舎”で我慢して生活すればけっこう早く貯めることができ、高級マンションも手に入れやすい。

このような格差を企業側から見れば、中国の勤労者は日本の勤労者よりも安い給料で済むことになる。

日本と中国がノーガードで産業競争を展開すれば、住居費の格差から、日本の勤労者は中国の勤労者よりも劣った生活を甘受しなければ太刀打ちできないことを肝に命じておくべきであろう。

(慰めになるかどうかわらないが、海外旅行や高級自動車は、日中の物価水準の格差が打ち消されるので、日本の勤労者のほうが有利に享受できる)

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