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2.現代の戦争と科学技術 田岡俊次(アエラ編集部)
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投稿者 ネオファイト 日時 2004 年 6 月 21 日 11:36:31:ihQQ4EJsQUa/w
 

(回答先: 2004年日本物理学会第59回年次大会 社会的責任シンポジウム 現代の戦争と物理学者の倫理とは 投稿者 ネオファイト 日時 2004 年 6 月 21 日 11:20:17)

現代の戦争と科学技術 田岡俊次(朝日新聞)

20世紀は戦争の「世紀」だった。主要な戦争約40回」。WWI(戦死者852万人、民間人死者664万人)、WWII(戦死者1940万人、民間人死者約5000万人)の他にもロシア革命後の内戦、中国の内戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラン・イラク戦争等の死者を出す戦争が頻発した。

19世紀末から科学技術、工業生産が急激に進歩、拡大し、戦場は「殺人工場」と化した。核兵器はその極致。工業、商業が経済の主体の時代(先進国では農業はGDPの2%程度)には領土面積より、技術、資本、情報が重要な要素。欧州列強はWWI以前に既に経済は相互依存関係。だが民衆も政治かも意識はなお農民的で土地が国力の源泉と信じた。技術・経済の実態と意識の"Time Lag"が大量の死傷者を出す大戦争の一因ではあるまいか。

核廃絶は可能か?と問われることが少なくない。1986年に65,057発が2002年に20,150発と約70%減、更に減少中。だが昔はoverkill。それが「適正」な数になっても危険は変わらない。仮に完全に廃絶できても必要となればすぐ作れる。「核物理学者、技術者を全員ガス室に送り、資料をすべて焼却しなければ核廃絶にならない」とのBlack Humourがあった。それでも駄目。今日の百科事典の記述ですら1939年8月2日のF.D.Rooseveltあての書簡でAlbert Einsteinが核爆弾の開発の可能性を訴えた時点の知識に比べればはるかに高度。Einssteinは船に積み港内で爆発させることを考えていた。一度核兵器が作られたと云う記憶を抹殺することは不可能。

核不拡散条約の矛盾と破綻をインド、パキスタン、イスラエルの核が示した。北朝鮮は核兵器を持っているか?(多分ミサイル弾頭になるほど小型化はできていまい)弾道ミサイル防衛は実効あるか?米国は大量破壊兵器の拡散防止に躍起。通常戦力の絶対的優位(大型空母12、対艦船用原潜54、B-2、F-22、Digital師団、Recon. Sat. NSAの傍受、精密誘導兵器、etc)残る危険はWMDとテロリズムだけ。米軍の人的損害は極減され、このため安易に武力行使、先制攻撃、一国主義に走る。国際法、国連軽視。世界は「カリブ海化」しつつある。国力は3つのM(Military、Money、Media)。米はMoneyだけは乏しいが駆りまくれる強みあり。米Mediaが世界のAgenda(議題)を決めPerception(認識)を形成する。米に好都合な独裁者は英雄となり、逆らうと世界の悪玉。Terrosists(ママ、Terrorist)とFreedom Fightersとの違いは?だが米国はイラクでパンドラの箱を開け、戦略的には自ら中東の一国になり、複雑極まる混迷の中に入り込んでしまった。民主的、親米的、安定的と云う3要件を満たすイラクを作るのはまず不可能。どれか1つを選ぶしかあるまい。一国主義(米国人は近年自国を「帝国」と誇っていた)に対する反省が生じつつある。

長期的Trendとしては経済のBorderless化が急速に進行中で農業とともに生まれた「国家」や軍隊の意味が薄れつつある。マルクスとレーニンは19世紀の帝国主義の時代を見て、それが資本主義の行き着くところと考えたが、実は当時は資本主義の萌芽期で帝国主義は中世の荘園経済の巨大化に過ぎなかった。資本主義は国家を突き崩しつつあり、21世紀はCapitalistic Anarchism(資本主義的無政府状態)の時代となろう。領土面積はかえって重荷となることが多い。(同じ中国人の国、地域でも1人当たりGDPは香港、シンガポール、台湾、中国の順で面積が小さいほど豊か)軍隊が守るのは領土だけで、資本、技術、情報は武力で守りにくい。

残る唯一の問題は石油資源。輸出可能な石油埋蔵量は地域的に偏在し、イスラエル問題もあり、不安定な中東が戦場となる。WWI以来西欧が中東に手を出したのはまず軍慣用の燃料が石炭から石油に切り替わったため。その後自動車、航空機の普及、プラスチックの発達で不可欠な資源になった。WWIIの一側面は石油争奪のための戦争、イラン・イラク戦争、湾岸戦争もしかり。米のイラク侵攻の一つの狙いでもある。チェルノブイリ原発事故(1986年)での直接の死者31名、ずさんな事故処理で55000名が放射線障害で死亡。石油のために死んだ人は数千万人。原子力発電より石油のほうがはるかに危険。軍事費のかなりの部分は石油確保のためで石油の間接コストは莫大。

すべての技術にはプラス面とマイナス面がある。核技術はこれまでマイナス面が多く出た。プラス面は原子力発電。核燃料は石油に比べ日々大量輸入する必要がなく争奪戦の対象となりにくい。高速増殖炉が実用化してエネルギー供給が無限となれば農地や油田を奪い合う戦争は無くなる。後ろ向きに「核廃絶」を求めるのは無理がある。むしろ前向きに核技術のプラス面を更に成長させて石油争奪戦の原因を除去し、今起こりつつある「国家の廃絶」を後押しされる方がよろしいのではあるまいか。

[投稿者注:以下田岡氏の発言。()内は私のオマケを追加。

武器の制限条約は、古くは甲冑を貫くボウガンを禁止する条約があったそうであるがそれも守られたためしがない。核兵器を廃絶しても保持し使用する意思があれば直に破る国は現れる。アメリカが核爆弾を完成させたときにソ連があれほど早く核を開発するとは思っていなかったように、北朝鮮までもが核保有を言い出すのであるから完成した技術を封印することは出来ない(ソ連の核開発では、ローゼンバーグ夫妻がソ連のスパイとして死刑になったし、アメリカ一人勝ちの危険な状態を恐れたオッペンハイマーやフェルミもソ連に技術を渡し冷戦を演出したとソ連の情報員が証言している。北朝鮮の場合はカーン?)。日本の原発でもプルトニウム原爆は作れるわけで周りから見れば日本は危険な国である。(罰則規定はないはずなのに東京裁判の根拠になった)不戦条約にしても(名前を失念)日本は原加盟国ながら戦争を起こし負けた。

民主国家になれば戦争は起きないのだと言われるが20世紀は戦争の時代だったことからも民主主義は好戦的なものに直に変容する(ワイマール共和国、これまでのアメリカ、拉致被害者に巣食う会も好例)。活版により聖書が読まれるようになったヨーロッパでは坊主の嘘が判明し、それに怒った民衆が戦争を起こした。日本人が大人しく欧州人が好戦的なのは農業民族と狩猟民族の違いだと言う人もいるが、狩猟民のアイヌ人も大人しいし、縄文時代の戦争は弥生時代に比べ少ないことからも狩猟民が好戦的というのは間違いだ。農業が起こり富の源泉である土地の奪い合いが戦争であり、土地を共同で使うものが国を形成した。

現在は多国籍企業が出現し国と資本が一致していない。エシュロンでの経済スパイも情報をどの企業に渡すべきか分からなくなり断念した。日本IBMとアメリカの東芝のどちらが自国企業かと言うことになって混乱するからだ。金大中の太陽政策は北朝鮮存続政策であるがそれは北朝鮮が崩壊すれば韓国は北朝鮮住民の面倒を見る必要が出てくるが疲弊した韓国経済には無理であるから北朝鮮国民の困窮を長引かせることで韓国経済を守る政策だった。また、韓国経済が北朝鮮との合併で駄目になれば韓国に金を出している日本経済も狂ってしまう。]

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