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米国政府による日本改造(構造改革)が進んでいる
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投稿者 TORA 日時 2004 年 5 月 13 日 15:17:32:CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu70.htm

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関岡英之(著)「拒否できない日本」(文春新書)
米国政府による日本改造(構造改革)が進んでいる

2004年5月13日 木曜日

◆日米通商摩擦に発端が

建築基準法の改正は、実は阪神・淡路大震災が起きるはるか以前から決まっていたことなのである。それではこの法改正は、誰の、どのような利害に基づいて決められたのだろうか。一見、純然たる日本の国内問題のように見える建築基準法改正の背景を知ることによって、意外にも日本とアメリカの関係を新たな角度から見つめ直すヒントが浮かび上がってくるのである。日本の建築基準法の「仕様規定」から「性能規定」への歴史的転換のきっかけは、日米通商摩擦にその発端をたどることができるのだ。

阪神・淡路大震災からさかのぼること六年前の一九八九年五月、アメリカは悪名高い通商法スーパー三〇一条を日本に対して発動した。このときスーパーコンピューター、人工衛星とならんで標的にされた三品目のひとつが木材、つまり建築材料だったのだ。この三つの分野で、外国企業の市場参入を阻む不公正を行っているとアメリカは日本を攻撃した。

木材についてアメリカは、日本の建築基準法や製品規格などがアメリカ製木材の輸入を妨害していると非難した。このとき日本政府は、建築基準法は度重なる災害の教訓から日本の稿密な国土の状況に即して定められているのだから緩和する意思はないと抵抗したが、アメリカは一方的な制裁をほのめかせて圧力をかけ続けた。

ついに日本政府は、在米日本大使館の村田大使の名前でアメリカ通商代表部のカーラ・ヒルズ代表宛に書簡を出した。日付は一九九〇年六月十五日となっている。「木材製品に関連して日本政府が講じる措置」というタイトルのその書簡には、日米両国政府問の合意内容として、「建築基準は原則として性能規定とすることが好ましい」と書かれていたという。

◆大震災のどさくさにまぎれて法改正?

私はこれを知ったとき大変驚いた。「仕様規定」から「性能規定」への変更を主眼とする建築基準法の改正は、建築審議会が答申書で法改正を提言する七年も前に、日米両国の政府間ですでに合意されていたのだ。私はそのことを建設大臣官房政策課の監修により一九九〇年に出版された「日米構造問題協議と建設行政」(大成出版社)という資料を読んでいたときに偶然見つけた。そこですぐに日本経済新聞や朝日新聞の縮刷版を調べてみたが、一九九〇年六月前後にこの村田・ヒルズ書簡のことを報道した記事を見つけることはできなかった。

もしマス・メディアに公表されないまま、こうした政府間合意がなされ、あらかじめ決められたシナリオにそって審議会の答申がつくられ、阪神・淡路大震災のどさくさに紛れて法改正までしてしまったことが事実とすれば、これは驚くべきことではないか。審議会の検討作業や国会での審議はいっさい茶番ということになりかねない。あきらかにこれはアメリカからの内政干渉だ。しかもそれが日本の審議会制度などを利用して構造的に行われていることになる。

◆アメリカの公文書には堂々と記録

しかし不思議なことに、アメリカの公文書にはこのことが至極当然のことのように堂々と記録されているのだ。例えばアメリカ通商代表部が作成した『外国貿易障壁報告書』二〇〇〇年版には、日本の建築基準法の改正がアメリカ政府の要求に応じてなされたものであると、はっきりと書かれている。そして通商代表部は、この法改正が「アメリカの木材供給業者のビジネス.チャンス拡大につながった」と、自らの手柄として自画自賛しているのである。

建築基準法の改正以外にも、たとえば賃貸住宅市場の整備を目的とする「定期借家権制度」の導入や、中古住宅市場の活性化を目的とする「住宅性能表示制度」の導入なども、アメリカの建築資材供給業者のビジネス・チャンスを拡大することを目的とした、アメリカ政府の日本政府に対する要求によって実現したものであると堂々と宣言されている。

日本の国内では、建築基準法の改正や住宅性能表示制度の導入は、阪神・淡路大震災での被害の大きさからの反省や手抜き工事による欠陥住宅の社会問題化などがきっかけとなって日本政府内で検討が始められ、導入が決定されたものだと理解されている。それは日本の国民の安全と利益のためになされたはずだ。

しかし実はこれらの法改正や制度改革が、日本の住宅業界のためでも消費者のためでもなく、アメリカの木材輸出業者の利益のために、アメリカ政府が日本政府に加えた外圧によって実現されたものであると、アメリカ政府の公式文書に記録され、それが一般に公表されている。

◆日本国民には知らされていない

どうしてこのような奇怪なことが起きているのだろうか。日本の法改正や制度改革の決定プロセスには、アメリカの介入を許すようなメカニズムが存在しているのかもしれない。そしてどうやらわたしたち一般の国民は、そのことをきちんと知らされているわけではないらしい。建築基準法の改正を提言した答申書を隅から隅まで読んでみても、アメリカ政府が介在していることなどもちろんひとことも書かれていない。法改正のニュースを侯えた新聞報道でもいっさい触れられていない。当のアメリカ政府自身が公式文書でそのことを堂々と公表しているというのに。

◆数年後の日本を知る必読の文献

これから数年後の日本に何が起きているか。それを知りたいと思ったとき、必読の文献がある。アメリカ政府が毎年十月に日本政府に突きつけてくる『年次改革要望書』である。日本の産業の分野ごとに、アメリカ政府の日本政府に対する規制緩和や構造改革などの要求事項がびっしりと書き並べられた文書である。

『年次改革要望書』では、最近まで五つの優先分野が指定されていた。通信、金融、医療機器.医薬晶、エネルギーとならんで住宅分野がそのうちのひとつだったのだ。しかし二〇〇一年版以降の『要望書」からは住宅分野が優先分野から姿を消した。住宅分野に関しては、アメリカは欲しい物をすでに手に入れた、というわけである。

住宅分野に関してアメリカ政府が日本政府へ要求していたのは、ひとことで言えば木材製品の輸入拡大、ということに尽きる。もともと日本はアメリカにとって木材製品の最大の輸出市場なのだが、アメリカはビジネス・チャンスを更に拡大しようとして、過去数年さまざまな要求を日本に突きつけていたのである。日本政府がこれまで建築基準法の改正、「定期借家権制度」の導入や「住宅性能表示制度」の導入など一連の規制改革を進めてきた最大の理由はここにあったのである。

◆日本政府はなぜ外国業者の利益をはかるのか

私はなにもそれをインサイダー情報や内部告発などによって知ったのではない。アメリカの情報公開法のお世話になったわけでもない。アメリカまで行く必要さえなかった。自宅に居ながらにして、インターネットで誰にでも公開されているアメリカ政府の公式サイトから簡単に知ることができた。アメリカ政府自身が、その事実を公式文書のなかで堂々と公表しているのだから。

それにしても日本の政府はなぜ、外国業者のビジネス・チャンスを拡大するために、審議会に諮問して答申書をつくらせた上で法改正まで行うという、手の込んだ手続を踏んでいるのだろうか。なぜそこまでする必要があるのか。

◆クリントン政権の考え出した「年次改革要望書」

そもそもこの『年次改革要望書』とはいったいどういうシロモノなのか。日本とアメリカとの外交関係において、それはどのように位置づけられているのだろうか。アメリカ通商代表部の『外国貿易障壁報告書』二〇〇〇年版に、『年次改革要望書』というものが毎年提出されるようになったいきさつが書いてある。それによると、これは一九九三年七月の宮沢首相とクリントン大統領の首脳会談で決まったことらしい。

個別産業分野の市場参入問題や、分野をまたがる構造的な問題の是正を日本に迫るための、アメリカ政府の包括的なアプローチである、と説明されている。わかりやすく言えば、アメリカが日本に外圧を加えるための新しい武器として、クリントン政権が考え出したもの、ということらしい

この宮沢・クリントン首脳会談のときの政府間合意を根拠として、一九九四年に最初の『年
次改革要望書』が提示された。それは三十二ぺ-ジの英語の文書で個別産業分野としては農業、自動車、建築材料、流通、エネルー、金融、投資、弁護士業・医薬・医療・情報通信など、分野横断的なテーマとしては規制籍や行政改革、審議会行政や情報公開・独占禁止法と公正取引委員会、入札制度や業界慣行、そして民事訴訟制度などが網羅され・まさに日本の産業、経済、行政から司法にいたるまで、そのすべてを対象にさまざまな要求を列挙したものだった。

◆マス.メディアが今まで報道しなかったこと

日本政府も同時にアメリカ政府に対する要望書を提出することになっていて・表面上は対等かつ双方向という建前になっている。しかしもともとこの要望書は外圧の一手段としてアメリカから提案されたものだ。ことの発端からして双方向ではなかったのである。

外務省の公式ホームページには、日本政府が毎年アメリカ政府へ送った『年次改革要望書』は掲載されているが、アメリカ政府が日本政府へ提示した方は公開されていない。不思議なことにマス.メディアでも従来このことはほとんど報道されていないのだ。

二〇〇三年十月にもアメリカ政府から日本政府へ『年次改革要望書』が出されているが、なぜか主要な新聞はそのことを報道しなかった。二〇〇一年十月のときは・シンガポールで開催されたWT0」の非公式閣僚会議の際に田中真紀子外務大臣(当時).がゼーリック通商代表部代表と『年次改革要望書』を交換し合ったということを、十月十五日付けの日本経済新聞が小さなベタ記事で報道した。

しかし「米国側の要望内容は明らかになっていない」として、内容にはいっさい踏み込んでいない。日本の将来にとってこれほど重要な意味を持つアメリカ政府からの公式文書である『年次改革要望書』の全文が日本のマス・メディアで公表されたことはないのだ。それでは、アメリカ政府が日本政府に毎年どんな要求を突きつけているのか、われわれ一般の国民はどうやったら知ることができるのだろうか。

◆内政干渉を隠そうともしないアメリカ

種明かしをすればどうということはないのだ。アメリカ政府の日本政府に対する『年次改革要望書』は誰でも簡単に読むことができるのである。全文が日本語に翻訳され、在日アメリカ大使館の公式ホームページで公開されているからだ。過去数年のバックナンバーも、すべてそこで日本語で閲覧することができる。

私は大学院の修士論文を書くために、建築基準法の改正についてインターネットでいろいろ調べているときに偶然それを見つけたのだ。なるほどアメリカという国は堂々と構えているものだ。内政干渉の事実を隠そうともしない。伏せようと努力しているのは、干渉している側ではなく、もしかしたらされている側の方なのかもしれない。

◆要求の進捗状況は日米当局者が点検

『年次改革要望書』は単なる形式的な外交文書でも、退屈な年中業事でもないアメリカ政府から要求された各項目は、日本の各省庁の担当部門に振り分けられ、それぞれ内部で検討され、やがて審議会にかけられ、最終的には法律や制度が改正されて着実に実現されていく。受け取ったままほったらかしにされているわけではないのだ。

そして日本とアメリカの当局者が定期的な点検会合を開くことによって、要求がきちんと実行されているかどうか進捗状況をチエツクする仕掛けも盛り込まれている。アメリカは、日本がサボらないように監視することができるようになっているのだ。

これらの外圧の「成果」は、最終的にはアメリカ通商代表部が毎年三月に連邦議会に提出する『外国貿易障壁報告書』のなかで報告される仕組みになっている。アメリカ通商代表部は秋に『年次改革要望書』を日本に送りつけ、春に議会から勤務評定を受ける、という日々を毎年過ごしているわけである。(P47−P53)


関岡英之(著)「拒否できない日本」(文春新書)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4166603760/249-3886933-3928335

(私のコメント)
私はこれまでも日本がアメリカの植民地であり、日本にある政府はアメリカ政府から見れば一地方の行政府にしか過ぎないと書いてきました。日本の総理大臣や外務大臣は飾り物でしかない。しかしこのように書いても単なる民族主義者のプロパガンダとしてしか受け止めてもらえなかった。しかし関岡氏の「拒否できない日本」と言う本を見れば、日本がどのようにアメリカによって統治されているかが良くわかる。

日本にももちろん国会がありますが、重要な法案ほど日本の国会では審議することが出来ない。五十年以上も日本国憲法は改正されることもなく店晒しにされている。安保条約と平和憲法とはセットとなって日本を縛り、真の独立国としての体をなしていないのだ。同じ敗戦国のドイツは着々とヨーロッパの明主として地位を固めているのに、日本は敗戦国のままなのだ。

イラク戦争を見れば半世紀前に日本にしたことをアメリカはイラクにしていることがよく分かる。憲法から何から何まで押し付けて統治するつもりだ。在イラク米国大使館は3000名もの人員を要して何をするつもりなのか。当然恒久的な軍事基地も作られて半永久的に武力による支配は続くのだろう。

日本にしたって何一つ変わらない。日本には米軍基地が作られ特に首都の東京周辺は米軍基地に囲まれている。これらの米軍基地は日本を守るための基地ではなく日本を監視するためのもので、一旦事が起きればアメリカは本性をあらわにするだろう。このように書くと少し大げさだと思われるでしょうが、単に国民は騙されているだけだ。

ポチ保守たちに言わせると、北朝鮮から日本を守ってくれるのはアメリカだけだと言っている。しかし日本が本格的な軍事力を整備すれば北朝鮮にびくびくしなければならないような国ではないはずだ。このような状態が続く限り日本はアメリカ政府からの『要望書』と言う名のアメリカ帝国から指示に従わなければならない。

ところがこの『要望書』の存在を日本の官僚達やマスコミはほとんど公にしてこなかったのは日本国民の感情に配慮したものだろう。小泉首相が構造改革と連呼するのもアメリカから毎年突きつけられる『年次改革要望書』を実施に移すだけなのだ。日本からもアメリカに『要望書』が出されているが、BSEの全頭検査を見ればわかるとおりまったく無視されているのだろう。

この『年次改革要望書』といえば単なる「お願い」のように思えますが、英語では「イニシアティブ」と言う言葉が使われており、これは「主導権」と言う意味でアメリカ主権の改革の要望なのだ。このような状況を放置していたら日本はアメリカのいいように「構造改革」されてとんでもないことになる。

よく自嘲的な言葉で「日本はアメリカの五十一番目の州」と言われますが、まさしくそのとおりで、アメリカは便宜上日本を独立国としているだけだ。そして当然のように日本に15年度は35兆円も米国債を買わして税金代わりにしている。さらに日本に駐留している米軍にも毎年5000億円も支払っている。これは決して小さな金額ではないが、それだけの金を年金に振り向けてほしいものだ。

日本のマスコミもすっかりアメリカ資本にイニシアティブをとられて、一部の左翼系マスコミを除いてアメリカ様様になってしまった。森田実氏が次のように指摘している。

◆小泉内閣の本質は「日本をアメリカ化する」ための政権である 森田実
http://www.pluto.dti.ne.jp/~mor97512/C0731.HTML

関岡英之著『拒否できない日本・アメリカの日本改造が進んでいる』(文春新書、平成16年4月20日刊)は、全国民に読んでほしい本である。
 ここには、テレビはほとんど取り上げず、新聞が書かず、雑誌すらもほとんど取り上げていない日本の真実の姿が鮮やかに描き出されている。

日本のアメリカ化を先頭に立って推進しているのが小泉内閣である。小泉内閣の3年間の間に、銀行の90%は米国の金融機関に握られてしまった。製造業の70%が米国に握られた。東京のホテルのほとんどが米国資本のものとなった。流通も、食糧も、土木建築業すらも米国資本の傘下に組み入れられている。最近はマスコミがこれを応援している。それどころか、マスコミまでアメリカに握られてしまった。

 最近、政官界内部で次のような噂が流れている――「広告業は米国資本に握られたため、テレビで米国批判を行うものは、テレビ界から排除されることになった。ほとんどの大手のコマーシャル提供の大企業は米国資本が握ったからだ」。
 ちょうどその頃、私はあるテレビで米国の日本支配、日本従属国化、植民地化について語ったあとは出演依頼がほとんどなくなったことを経験したので、思い当たることがあった。米国の影響力は巨大である。日本人の頭脳のなかまで変えつつある。

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