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復古版『春と修羅』を持っていたのですが・・・
http://www.asyura2.com/0403/idletalk9/msg/630.html
投稿者 愚民党 日時 2004 年 5 月 27 日 13:27:31:ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: 『春と修羅』はお持ちですか? 投稿者 ぷち熟女 日時 2004 年 5 月 27 日 08:04:42)

ぷち熟女さん。こんにちわ。
ほるぷ社の近代文学復古版を1979年頃に買いました。
そこに、春と修羅がありました。

その頃から自分はコラージュなどを実験的にやっておったもんですから
春と修羅は、解体して、コラージュに使用してしまいました。
いまはありません。

竹中さんが紹介してくれたサイトから転載してみました。

ありがとうございます。

最下層に転載いたしましたのは
1995年に、ニフティ詩のフォーラムに送信いたしました
自分の詩です。


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心象スケッチ 春と修羅

http://why.kenji.ne.jp/haruto/sinla4.html


春と修羅 宮澤賢治

http://why.kenji.ne.jp/haruto/109harut.html

(mental sketch modified)

心象のはいいろはがねから
あけびのつるはくもにからまり
のばらのやぶや腐植の濕地
いちめんのいちめんの諂曲〔てんごく〕模様
(正午の管楽〔くわんがく〕よりもしげく
 琥珀のかけらがそそぐとき)
いかりのにがさまた青さ
四月の気層のひかりの底を
唾〔つばき〕し はぎしりゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
(風景はなみだにゆすれ)
碎ける雲の眼路〔めじ〕をかぎり
 れいらうの天の海には
  聖玻璃〔せいはり〕の風が行き交ひ
   ZYPRESSEN春のいちれつ
    くろぐろと光素〔エーテル〕を吸ひ
     その暗い脚並からは
      天山の雪の稜さへひかるのに
      (かげらふの波と白い偏光)
      まことのことばはうしなはれ
     雲はちぎれてそらをとぶ
    ああかがやきの四月の底を
   はぎしり燃えてゆききする
  おれはひとりの修羅なのだ
  (玉髄の雲がながれて
   どこで啼くその春の鳥)
  日輪青くかげろへば
   修羅は樹林に交響し
    陥りくらむ天の椀から
    黒い木の群落が延び
      その枝はかなしくしげり
     すべて二重の風景を
    喪神の森の梢から
   ひらめいてとびたつからす
   (気層いよいよすみわたり
    ひのきもしんと天に立つころ)
草地の黄金をすぎてくるもの
ことなくひとのかたちのもの
けらをまとひおれを見るその農夫
ほんたうにおれが見えるのか
まばゆい気圏の海のそこに
(かなしみは青々ふかく)
ZYPRESSENしづかにゆすれ
鳥はまた青ぞらを截る
(まことのことばはここになく
 修羅のなみだはつちにふる)
 
あたらしくそらに息つけば
ほの白く肺はちぢまり
(このからだそらのみぢんにちらばれ)
いてふのこずえまたひかり
ZYPRESSENいよいよ黒く
雲の火ばなは降りそそぐ

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無声慟哭  宮澤賢治


http://why.kenji.ne.jp/haruto/149musei.html

こんなにみんなにみまもられながら
おまへはまだここでくるしまなければならないか
ああ巨きな信のちからからことさらにはなれ
また純粋やちいさな徳性のかずをうしなひ
わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき
おまへはじぶんにさだめられたみちを
ひとりさびしく往かうとするか
信仰を一つにするたったひとりのみちづれのわたくしが
あかるくつめたい精進〔じゃうしん〕のみちからかなしくつかれてゐて
毒草や蛍光菌のくらい野原をただよふとき
おまへはひとりどこへ行かうとするのだ
  (おら、おかないふしてらべ)
何といふあきらめたやうな悲痛なわらひやうをしながら
またわたくしのどんなちいさな表情も
けっして見遁さないやうにしながら
おまへはけなげに母に訊〔き〕くのだ
  (うんにゃ ずゐぶん立派だぢゃい
   けふはほんとに立派だぢゃい)
ほんたうにさうだ
髪だっていっさうくろいし
まるでこどもの苹果の頬だ
どうかきれいな頬をして
あたらしく天にうまれてくれ
  (それでもからだがくさえがべ?)
  (うんにゃ いっかう)
ほんたうにそんなことはない
かへってここはなつののはらの
ちいさな白い花の匂でいっぱいだから
ただわたくしはそれをいま言へないのだ
   (わたくしは修羅をあるいてゐるのだから)
わたくしのかなしさうな眼をしてゐるのは
わたくしのふたつのこころをみつめてゐるためだ
ああそんなに
かなしく眼をそらしてはいけない

 
 
 

※あめゆきとってきてください
※あたしはあたしでひとりいきます
※またひとにうまれてくるときは
 こんなにじぶんのことばかりで
 くるしまないやうにうまれてきます
※ああいい さっぱりした
 まるではやしのなかにきたやうだ
※あたしこわいふうをしているでせう
※それでもわるいにほひでせう

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心象スケッチ 春と修羅

http://why.kenji.ne.jp/haruto/sinla4.html

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1995年ニフティ「詩のフォーラム」へ投稿

RE:NON
SUB:父へ (2)/katumi

  オンライン詩人への道 第一章 父へ (2)

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 だから、1970年代とは、生き延びてしまった者たちの時代だったといえる
かもしれない。殺されることもなく、自ら死を選ぶこともなかった者たちが、 
< われら >から切り離された< われ >だけをかかえながら、それぞれの
生を延長させていったのだ。それは例えば、死者たちの折り重なる川辺を眺めな
がら、静かに流れゆく水のような気分だったとでもいえばよいだろうか。

 1989年12月5日/『道浦母都子歌集:無援の抒情:』解説/桐山 襲
  1990,03,09発行/岩波書店/同時代ライブラリー6
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 父よあなたは 私がいた牢獄のような部屋に寝かされ 血圧が200に上昇するとき
 血管は切れるでしょう 医師の声 10月の精神治療病棟 

 精神分裂病者の息子たちと娘は、複合意識を抱え、社会へ、巣立ち
 あなたの温厚と素朴な水を継承したことに感謝します

 純子夫婦が面会に来てくれた 妹と父の再会
 両足がなく、車椅子でゆく、あまりにも鮮やかな妹の夫は、
 尊敬する生活と人生の実存主義者です 


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すでに選びしわが生くる道を知りたれば父よ幻の旗掲げたまえ  道浦母都子
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 10月12日池上本門寺 万灯講がゆく 巨大な民衆の祭
 地元/市野倉・長勝寺/一心/一心講/いちの会 大波の太鼓 生命力の心臓の音
 純子が行く 車椅子で芳徳さんがゆく 民衆の祭の行進の中心にて

 父よ 私は発見したのです 祭着のエネルギーとエロスに満ちた
 純子と芳徳さんを 
 やがて本門寺の長い石段を,祭若衆が,車椅子ごと芳徳さんを担ぎ上げ昇るとき
 すぐ後ろに守るごとく純子が続く

 巨大な仁王像が左右にかまえる王門の前で,市野倉・長勝寺一心講は輪になって踊る
 潮騒のような太鼓のリズム まるで起源としての騎馬民族のリズムのように
 王門を万灯講がくぐりぬけ本堂へ 民衆の熱情と祈り 祭と鎮魂 あれは海
                               あれは山海

 父よ あなたの血管が滅んでゆく今 幻の旗を掲げたまえ 人生の最終に
 本門寺から純子の太鼓と踊りは,あなたが眠る精神病棟牢獄へと波動するのです

 父よ叫びたまえ おれは天皇家の血を引く鬼怒天皇であると再び
 父よ牢獄の壁を,幻の鬼怒天皇の旗で突き破りたまえ
 父よ騎馬民族の馬に乗り,幻の草原をどこまでも駆けて行きたまえ

 すでに選びし最終の人生を賭けて,父の水が河になり,池上本門寺王門に立ち上がる
 民衆の水 民衆の血 祭は海だった 
 幻の馬の大群が輪を駆ける夜空は草原の輝きにあった 選びし約束の絆 活力に燃え

 エロスより幻の天皇として宣言する父の名は:宣(のぶ):
   その不可視の呪文と民衆史こそ,あなたの生の道として,最終の旗を掲げたまえ

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 くろくもたなびき,ひかりみられず
 もとむるものは, てにとりがたし
 やがてじせつの, とうらいすれば

                 うき雲のまよいはなれし峰の上に
                 心もすめる月を見るかな

        =永年=
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1995,10,14 katumi

1995年ニフティ「詩のフォーラム」へ投稿
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