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乃依さんへ、下戸の私ですが...。
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投稿者 如往 日時 2004 年 6 月 05 日 04:42:24:yYpAQC0AqSUqI
 

(回答先: 乃依さん。酔っ払いの話しでよかったら・・・ 投稿者 愚民党 日時 2004 年 6 月 04 日 22:35:22)

 
 乃依さん、こんにちは。


 ご提示のスレッドはROMしていましたが、入るべきか否か逡巡しているうちに私の目の前を通過し機会を逃してしまいました。何故逡巡していたかというと、デカルトについては学部時代に『省察』をテキストにしたゼミを受講していたこともあり、[Cogito, ergo sum.](確実性における自己のdefinition)に関しても、そのextension(外延)を含めて説明しなければならぬと感じたものの、何せ30年以上前のことで実家の書架にはその向きの書物があるはずなのですが、生憎目の前の書棚には見当たらず諦めてしまいました。遺憾ながら今もその状態に変化はありません。
 例えば、Subject(下に投げ出されたもの)やObject(前に投げ出されたもの)についても、これも神学がらみのラテン語の語源にまで遡行しないと原義は掴めません。Subject=人間存在、Object=人間存在を媒介として投影されるもの、この場合の投げ出す大本は一神教の神(yahweh)ということになるのですが、逐一こんなところから始めなければならなくなるでしょう。
 また、ニヒリズムの超克としての実存主義という観点に立脚しようとすれば、ニヒリズムの淵源が問題になります。それを一般に言われるキリスト教的世界観との訣別を起源と捉えると、キリスト教的な世界観を伝統的に有し得ない国家・民族のとりわけ日本にはニヒリズムを生む土壌もなく、したがって少なくとも後に潮流を形成するような実存主義の萌芽はあり得ないことになります。
 ご存知の通り、実存主義はハイデガーが提唱ないしは標榜したものではありません。無神論的実存主義者とされるサルトルの『実存主義はヒューマニズムである』が最もシンボリックな顕在化であるように、ジャーナリスティックな色彩を払拭できなかったのではないでしょうか。それ故、実存主義の本質に迫ることは特に日本的思惟の様態ではやはり難しいのではと見ています。

 私事で恐縮ですが、60年代の情況や自身の心象風景を思い起こしますと、当時はマルクス主義理論よりもむしろ文字通りの実存的投企にかかわるサルトルの『存在と無』、世界認識の上では吉本隆明の『共同幻想論』等の影響を強く受けていたことは確かです。一方で学部時代の中心はヘーゲルが3割でハイデガーが7割でしたが、大雑把に言えばヘーゲルが「世界」の運動を駆動するFunctionに関する考察、ハイデガーは「個」の運動を表象するParameterの解析をしたのだと受け取りました。
 Functionの探究は自身の非才に鑑みて断念しましたが、「個」の運動に係わるParameterの模索は個別的な課題として携えたまま今日に到っています。勿論、私なりにそこそこの試行を繰り返してきたつもりではあります。

 ところで、私は愚民党さんを今回の「宮台真司」考に関して別格においています。何故なら、愚民党さんは自身をParameterとして投企した過去と、今も尚水際にて自らの身体性をParameterにして格闘しているまさしく現役と感じるからに外なりません。身体性における応答関係は愚民党さんが到達しつつある境地だと捉えていますし、そこからのパースペクティブは少なくとも宮台真司の身体性が何たるかを透視しているはずです。
 私は前にも書きましたが、宮台真司もParameter探しをしているのだと捉えています。傍目にはコミットメントがやや弱いようにも見えますが、それは彼独特の弁えが作用しているのだと思っています。何せ師匠の小室直樹の提示するFunctionには抗いきれないといった怖れを感じつつ、もう一人の師匠の見田宗介が投げ掛けた数々のParameterのインデクスを受けとめようと躍起であると見受けられるのです。

 果たして乃依さんが求めるものに附合する回答になっているかどうか、危惧しております。けれども、乃依さん=実存との対話ということになりますと、それ相応の準備が必要だと感じますし、この掲示板を実存的情況に捉え直す作業も必要になってきます。
 何度もこの掲示板で語っていますが、無神論者の私は、しかしMatrixを信頼し、Matrixを感じながら生きて、願わくばMatrixに抱かれてそのときを迎えたいと希求している一個の生命体です。そのようなところをご斟酌いただき、お付き合いしていただければ幸いに思います。
 尚、宮台真司に関してはその著作を挙げて論評していただければ具体的な雑談(?)になると思います。手元にないものならば入手して備えたいと思っていますので、よろしくお願いします。

 また、会いましょう。

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