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米英諜報・特殊部隊、救出作戦開始…3邦人人質 --- 小泉、米国が頼みの綱 (ZAKZAK 2004/04/10 )
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投稿者 まさちゃん 日時 2004 年 4 月 10 日 15:14:20:Sn9PPGX/.xYlo
 

米英諜報・特殊部隊、救出作戦開始…3邦人人質 --- 小泉、米国が頼みの綱


 【バグダッド10日=夕刊フジ特電】イラクで日本人の民間人3人が武装勢力に誘拐された事件で、現地の連合国暫定当局(CPA)は10日、中部ファルージャ近郊にあるバグダッド街道の迂回(うかい)路で拘束された疑いを強めた。日本政府の協力要請を受け、米英両国はCIA(米中央情報局)やMI6(英国諜報部)、特殊部隊などがスパイを使ったヒューミント(人的情報網)に基づき、諜報・救出作戦を開始した。武装勢力側が「3日以内」と突きつけた解放条件の自衛隊撤退刻限である11日午後4時(日本時間同9時)までカウントダウンに入った。姿の見えない敵、人質はどこに−。救出は時間との戦いになっている。

 【迂回路で拘束】 写真ジャーナリストの郡山総一郎さん(32)とボランティア活動家の高遠菜穂子さん(34)、市民団体代表の今井紀明さん(18)は6日午後11時、ヨルダンのアンマンをタクシーで出発して、バグダッドに向かった。

 イラク国境の検問で入国審査を終え、高速道路「バグダッド街道」を使うと、通常だと約10時間で到着する。この街道は以前から盗賊が出没しており、「アリババ街道」とも呼ばれている。

 バグダッド手前のファルージャでは米軍とイスラム教スンニ派との激しい交戦が続いているため、米軍がファルージャとその西隣ラマディとの間を通行禁止としている。このため、この間は一般道を迂回せざるを得ない。

 スンニ・トライアングルの一角にあり、元大統領のフセイン(66)を支持するスンニ派の武装勢力の支配下にある。

 CPAでは各種の情報から、郡山さんら3人もこの一般道を迂回する際に、武装勢力に襲われたとの疑いを強めた。

 この一般道には駐車場としては、食堂とトイレの2カ所があるが、郡山さんらが走行中も含め、どの場所で拘束されたのかつかめていない。

 【威力を発揮するヒューミント】
誘拐の犯行声明からすでに1日半以上が経過。手がかりを求めて駐留軍による捜索が続く=バグダッド郊外(AP)
 そこで、注目されるのが、米英両国や同盟国の諜報機関や特殊部隊の動きである。

 イラクで展開するのはCIAや映画「007」シリーズで知られるMI6のほか、ヨルダンのムハバラート・アル・アンマ、サウジアラビアの総合情報庁(アル・イスタフバラフ・アル・アマフ)、パキスタンの統合情報局(ISI)など。 1年前のイラク戦争の際には、電波信号情報や電子偵察情報を得る「シギント」「エリント」、電話や無線を傍受する「コミント」、スパイや協力者を使ったヒューミントを駆使し、大量破壊兵器の捜索や指名手配犯の追尾に成功している。

 特にヒューミントは昨年12月、フセインの生け捕りに成功したように、「捕捉作戦に最も有効手段」とされる。

 【救出作戦開始】 CIAやMI6、米特殊部隊のデルタフォースは現在も、旧バース党幹部やゲリラ民兵組織「サダム・フェダイーン」の幹部らの掃討作戦を継続して行っている。

 郡山さんらの救出に向け、当地のCPA関係者はこう証言する。

 「日本政府の協力要請を受け、ブッシュ米政権、ブレア英政権はCIAなどに武装勢力の特定、監禁場所の割り出しなど諜報・救出を命じ、作戦を開始した。イラク全土に張り巡らしたヒューミントで、必ず成果をもたらすはずだ」

 【皆殺し】 やはりバグダッドに向かう途中に拘束されて郡山さんら3人と合流後、解放された韓国人牧師7人のうち1人は、武装勢力が郡山さんらを殺害する可能性を示唆している。

 「武装勢力のメンバーが『米国人、日本人、英国人は皆殺しだ』と叫んでいた」

 武装勢力が保証した人質の命の期限は刻々と近づいているものの、日本政府は組織の実態がまったくつかめず、焦りの色を濃くする。

 カタールの衛星テレビ「アルジャジーラ」に犯行声明のビデオを送りつけたのは、「サラヤ・ムジャヒディン」(聖戦士旅団)を名乗るグループ。国際テロ組織アル・カイーダ系とされる。

 専門家によると、イスラム教シーア派では、まず使われない呼称だという。やはり、アル・カイーダを率いるウサマ・ビンラーディン(46)のシンパであることは確かなようだ。

 【やはりスンニ派とも関係?】 3人が拘束されたイラク中部と南部では、イスラム教シーア派の反米占領政策強硬派・サドル師が急速に勢力を拡大している。

 サドル師率いる民兵組織「マハディー軍」が激しい戦闘繰り広げ、誘拐事件も起こしている。6月のイラク人への主権移譲を前に、敵対するシーア派とスンニ派の武装勢力が反米国で共闘する動きもみせている。

 アル・カイーダ系の「聖戦士旅団」と連携したのは、シーア派、スンニ派のいずれなのか。

 陸上自衛隊の派遣先の南部サマワのあるムサンナ州で、サドル師のサマワ事務所長は10日、時事通信のインタビューに「3人の拘束は犯罪で許せない行為」と聖戦士旅団を非難している。

 前出のCPA関係者は「聖戦士旅団が共闘しているなら、相手はやはりスンニ派だ。救出作戦を開始した以上、犯行グループの全容解明は時間の問題だ」と話す。

 11日の期限に向け、現地は急速に緊張感が高まり始めた。

ZAKZAK 2004/04/10

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