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暴虐のアラシ
http://www.asyura2.com/0403/war54/msg/1250.html
投稿者 長壁満子 日時 2004 年 5 月 11 日 11:54:49:ogX2fk4/l2p62
 

複数のメーリングリストおよびBCCで送らせていただいています。
重複お許しください。
転送歓迎。

・・・・・・・・
皆様

9日、チェチェン共和国の首都グロズヌイで、親ロシア派の大統領、アフマド・カ
ディロフが、戦勝記念式典の最中に爆殺されました。これは、「チェチェン独立派の
犯行」だとされています。

真相はわかりませんが、ロシア政府がこの事件をきっかけに、チェチェン人に対する
「テロ」をさらに激化させることは、十分に予測できます。「武装勢力の掃討」と称
して、彼らは何をしようとしているのでしょうか。
これ以上の「国家による犯罪」を止めるために、ロシア政府に対して、いかなる理由
においても、不当な人権侵害や殺人は許されない、という声を、今あらためて上げる
ことが必要です。

ロシア大使館の住所、Tel,Fax番号、メールアドレスを次に貼りつけます。
どうか、「カディロフ大統領暗殺をきっかけに、チェチェン人に対する人権侵害や攻
撃を拡大することを許さない」というあなたの声を届けてください。

〒106-0041 東京都港区麻布台2-1-1
Tel: 03-3583-4224 / 03-3583-5982
Fax: 03-3505-0593
E-mail: rosconsl@ma.kcom.ne.jp

アフマド・カディロフがどのような人物であったかについては、下の共同声明の中の
「チェチェン」の項をご参照ください。

「2004年初頭、ロシア軍とチェチェン武装勢力は、チェチェンにおける深刻な人権侵
害に関与し続けた。しかし、最近「カディロフツィ」(カディロフ一派)と呼ばれる
新興武装勢力が台頭してきており、多くの「失踪」事件を引き起こし、チェチェンの
多くの人々はロシア軍以上にこのカディロフツィを恐れていると語っている。このカ
ディロフツィは、親ロシア派のチェチェン大統領アフマド・カディロフの息子を中心
に組織された武装勢力である。」

チェチェン情報については、チェチェン・ニュースの受信をお薦めします。↓
http://chechennews.org/chn/sub.htm


西塔文子

************

アムネスティ発表国際ニュース(2004年4月7日)
AI INDEX:EUR46/014/2004

チェチェンとイングーシの状況は悪化している。
失踪、強かん、拷問、超法規的処刑の新たな証拠

アムネスティ・インターナショナル、ヒューマンライツ・ウォッチ、拷問被害者のケ
アのための医療基金、メモリアルによる共同声明

http://www.reliefweb.int/w/Rwb.nsf/480fa8736b88bbc3c12564f6004c8ad5/ec26a5ea
2294a9f085256e70006cb1f6?OpenDocument
----------------------------------------------------------------------

 2003年10月におこなわれたチェチェン共和国大統領選挙を、ロシア政府はチェチェ
ンが正常化へと向かう大きな変化であるとして歓迎した。しかし、同地域における暴
力と虐待の連鎖は依然として断ち切れていない。ロシア連邦軍とチェチェン武装勢力
による、強制「失踪」、強かん、拷問、超法規的処刑は、チェチェンでは日常茶飯事
のことである。同じような人権侵害がイングーシでも増加している。さらに、ロシア
政府は、「正常化」へ進む過程の段階として、イングーシの避難民キャンプを閉鎖
し、弱い立場にある国内避難民をチェチェンに移動させるために、圧力をかけ誘導し
ている。

 「アムネスティ・インターナショナル」、「ヒューマンライツ・ウォッチ」、「拷
問被害者のケアのための医療基金」、「メモリアル」は、チェチェンとイングーシに
おける人権侵害を終わらせるために直ちに措置を講じるよう、ロシア連邦政府に対し
て要請する。我々は国際社会に対し、ロシア政府が国際人権基準の下でその義務を果
たすように訴えることを求める。特に国連人権委員会は、チェチェンとイングーシに
おける状況に関し、そうした内容の強い決議を採択すべきである。重大で組織的な人
権侵害を明瞭に非難することに失敗すれば、同委員会の倫理的権威をおとしめ後退さ
せることになるであろう。

●チェチェン

 2004年初頭、ロシア軍とチェチェン武装勢力は、チェチェンにおける深刻な人権侵
害に関与し続けた。しかし、最近「カディロフツィ」(カディロフ一派)と呼ばれる
新興武装勢力が台頭してきており、多くの「失踪」事件を引き起こし、チェチェンの
多くの人々はロシア軍以上にこのカディロフツィを恐れていると語っている。このカ
ディロフツィは、親ロシア派のチェチェン大統領アフマド・カディロフの息子を中心
に組織された武装勢力である。

 人権団体メモリアルは、チェチェン領の約3分の1の状況を組織的に監視してい
る。メモリアルによれば、2004年上四半期で78人がチェチェンで誘拐され、そのうち
の41人がその後「失踪」したとしている。また同時期に、少なくとも30人の民間人が
武力紛争によって死亡した。アムネスティ、ヒューマンライツ・ウォッチ、メモリア
ルが記録している最近のいくつかの人権侵害事件は、以下のようなものである。

・2004年3月18日午前2時、迷彩服を着て覆面をかぶった男たちが、チェチェン北部に
あるナウルスカヤ村にあるハムブラトフ一家の自宅に押し入り、24歳のティムール・
ハムブラトフを拘束した。彼の親戚によると、侵入者たちは自らを連邦保安庁
(FSB)の者だと名乗り、ティムール・ハムブラトフを違法な武装集団に所属してい
る容疑で、地元警察署へ連行していくと述べた。同午前遅くに、ティムール・ハムブ
ラトフは拘禁施設の中で死亡した。メモリアルが親戚から入手した、彼の死体を写し
た映像は、腕や脚が切断され、これまで寄せられている情報と一致する拷問の傷痕が
認められた。

・2004年3月27日午前2時頃、シャリ地方ドゥバ・ユルト村に、迷彩服に身を包んで覆
面をかぶった大勢の男たちを乗せた8台の軍用車が入ってきた。彼らは、19の民家を
襲撃し、28歳から44歳の11人の男性を拘束した。そのすぐ後、3人の男性が村の近く
で解放されたが、残りの8人は「失踪」した。ある情報筋が親類たちに伝えたところ
によれば、彼らはハンカラにあるロシア軍基地に拘束されているという。しかし検察
はそれを否定している。

 2004年4月15日火曜日、英国の公益団体「拷問被害者のケアのための医療基金」
は、チェチェンにおける武力紛争において強かんが行なわれているという、最初の重
要な信頼できる証拠を提供する報告書を発表する。

 報告書「チェチェン紛争における強かんとその他の拷問:英国にやってきた難民申
請者から得られた証拠」
 シャーロッテ・グランヴィル・チャップマン博士著、
 拷問被害者のケアのための医療基金(英国ロンドン)発行(2004年4月)
 (なお、報告書は以下のウェブサイトからも入手できる、  
http://www.torturecare.org.uk/
 医療基金広報部−電話+44-[0]20-7697-7792)。

 報告書は、ロンドンにある医療基金の治療センターに収容されている、チェチェン
紛争から逃れてきた35人の難民申請者−男性が16人、女性が19人−を対象にした、医
学的かつ心理学的な記録に基づいている。検査と治療の間、16人の女性と1人の男
が、医療基金の臨床医に強かんされたと打ち明けた。このうち13件がロシア兵による
もの、3件がロシアの警察官によるもの、1件がチェチェンの反政府武装勢力によるも
のとされている。また17人の強かん被害者のうち、10人がチェチェン人、5人がチェ
チェン人とロシア人の両親を持つ人であり(その中に、チェチェン武装勢力により強
かんされたという女性も含まれている)、2人がロシア人であった。強かんの被害者
からの聴き取りはすべて、強かん被害者やその他の性的暴力の被害者からの聴き取り
について何年もの経験を持った専門医によって行なわれた。彼らの証言は信頼できる
ものであり、他の強かん被害者の証言とも一致していると、医療基金は結論してい
る。

 人権団体は、これまで長らくチェチェンで性的暴力が蔓延していると考えていた。
しかし、事件そのものが恥辱として隠されてしまうため、そのような性的暴力に関す
る情報を収集することが困難であった。実際、強かんの被害者の半数以上は、事件か
らはるかに時間を経た後でも、不名誉ないし恥辱だという傷痕を抱えている。ある女
性の被害者は、彼女が強かんされたことが明らかになったとき、同じ地域に住む女性
に侮辱され暴行されたと、医療基金に語っている。

 医療基金は、報告書の中で、何度も蹴られたり、殴られたり、あるいは焼かれたり
するなどの拷問や虐待についても報告している。基金の医師たちは、肩の不接合、骨
折、腎臓の損傷などを記録している。これらの報告は、チェチェンで行なわれている
拷問について、この声明に署名している他の団体が集めた情報と一致している。

●国内避難民の状況

 イングーシにある10の避難民キャンプには何千人もの国内避難民が生活している
が、彼らは、チェチェンの治安状況に対して十分根拠のある不安を抱いている。しか
し、ロシア政府は、彼らの不安を無視してチェチェンに戻るようにと圧力をかけ続け
ている。多くの場合ロシア政府は、イングーシに住み続けたいと望む国内避難民に、
代替の居住施設を提供するという約束を果たしていない。また、多くの帰還者が住ま
わされているロシア政府が運営するグロズヌイの居住施設は十分な状況にはない。

 4月1日、ロシア政府はスプートニク国内避難民キャンプを閉鎖した。これは、イ
ングーシでこの半年間で閉鎖された中で四番目に大きなキャンプである。キャンプに
いた避難民は、ロシアとチェチェン政府の役人たちが彼らをチェチェンに戻るよう
「あめとむち」の手法を使ったと、アムネスティ、ヒューマンライツ・ウォッチ、メ
モリアルに語った。避難民たちによると、役人たちは、もし彼らがチェチェンに戻れ
ば、損失財産に対する補償を約束するが、彼らが戻らない場合には人道支援を打ち切
ると警告した。さらに、法執行官は、もしチェチェンに戻らないなら、弾丸を撃ちこ
むか麻薬づけにするぞと脅したという。アムネスティ、ヒューマンライツ・ウォッ
チ、メモリアルの調査員は、同じような「あめとむち」の方法がイングーシにある最
後のキャンプのサツィタでも行なわれていることを確認した。

 多くの国内避難民は、キャンプから追い出されてチェチェンに戻され、いわゆる
「一時居住センター」(TAC)に滞在している。3月下旬にグロズヌイにある4つの一
時居住センターを訪れた際、アムネスティ、ヒューマンライツ・ウォッチ、メモリア
ルの調査団は、一時居住センターの環境は国際基準を満たしていないことを確認し
た。それぞれの一時居住センターでは、6人用につくられた14平米の部屋に8人からそ
れ以上が収容されていた。どの施設にも水道設備や下水設備はなく、人道支援の食糧
は不定期で不充分で、国内避難民は人道支援機関から何も受け取っていないと語って
いた。

 調査団はまた、ロシア政府が、チェチェンに戻った避難民に対してその損失財産を
補償するという約束を果たしていないことも確認した。グロズヌイにある一時居住セ
ンターにいる12人以上の国内避難民のうち、補償を受け取った人は誰もいなかった。
多くの人は、書類手続が取られていないとか、補償を受取者リストから奇妙にも名前
が消えていたりした。

●イングーシにおける状況

 長い間チェチェン紛争の特徴であった人権侵害は、イングーシへと急激に広がりつ
つある。メモリアルは、2004年だけで多数の「失踪」の情報を受け取っている。人権
団体は、ここ数か月の間に行なわれた多くの即決処刑、民間人の死傷につながるよう
な攻撃があったことを記録している。

イングーシにおける最近の調査で、アムネスティ、ヒューマンライツ・ウォッチ、メ
モリアルは以下のことを報告している。

・2004年3月11日、武装した人々が、ヴェルクニエ・アチャルキ村の近くでイングー
シの副検察官であるラシド・オズドエフの車を止め、彼を拘束した。目撃者が彼の親
戚に語ったところによると、彼は始めイングーシの首都であるマガスにある連邦保安
庁(FSB)の本部に連行され、その後チェチェンのハンカラにあるロシア軍基地に移
送され、別の名前で拘束された。イングーシ検察庁は、3月15日に彼の誘拐について
刑事事件としての捜査を開始したが、今日まで彼の消息の公式な確認はなされていな
い。ラシド・オズドエフの親戚によると、彼は連邦保安庁(FSB)による違法
な行為を調査していたとのことである。

・2004年3月15日、午後10時30分頃、ロシア軍のヘリコプターが、イングーシのスレ
プツォフカヤ村近くの川岸に停めてあった車を攻撃した、非武装の民間人に対する故
意の攻撃を行なったと思われる。車に乗っていた4人が車から出て逃げたとき、ヘリ
コプターは彼らをロケット弾で攻撃した。4人のうちの1人である20歳のムサ・ハム
ホエフは、その場で殺された。10代の2人は重傷を負い、地元の病院に収容された。
そのうち1人、16歳のイブラヒム・ハシャグルゴフは、1週間後に怪我のために死亡し
た。もう1人の若者も現在重体である。車に乗っていたもう1人がどうなったのかは
明らかではない。イングーシ検察庁は刑事事件として調査を行なっている。

・2004年3月2日、午後5時頃、51歳のイサ・ハズビエフと彼の妻と娘は、アルティ
エボ村近くを車で走行していた。家族は、3台の車にのった武装した男たちが他の車
を停めるのを目撃した。武装した男たちは、車に乗っていた人を引き連り出し、外へ
投げ出した。彼が逃げ出そうとしたところ、武装した男たちは彼を撃ち殺した。ハズ
ビエフは車を40メートルほど前で停め、進むべきか後退すべきか迷った。彼が車を停
めたとき、3人の武装した男が何の警告もなく彼の車に4回発砲した。ハズビエフは肩
と脚に怪我を負った。彼の24歳の娘は首と頭に怪我を負い、3日後に病院で
死亡した。メモリアルは最近、それらの武装した男たちがイングーシの連邦保安庁
(FSB)に所属しているという証拠を発見した。


*****************************************************
このリリースについての問い合わせ先:
社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-7 小笠原ビル7F
TEL:03-3518-6777 FAX:03-3518-6778
E-mail: ksonoko@amnesty.or.jp
ホームページ: http://www.amnesty.or.jp/

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