★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 戦争54 > 551.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
イタリア在住邦人からのメッセージ ☆「日伊」の人質問題に寄せて
http://www.asyura2.com/0403/war54/msg/551.html
投稿者 縄文人 日時 2004 年 5 月 03 日 20:12:47:bfek92EqWeCqg
 

★以下は、イタリア在住邦人から届いたメールです。
 「イタリアの人質問題」に関する最新情報にも触れています。

●最初のメール。

はじめまして、

私はイタリア在住の日本人女性です。イタリア人男性と結婚して、こちらに住んで十一年になります。
先月、イラクで日本人、イタリア人が相次いで人質になる事件が発生し、驚きましたが、日本人人質は無事解放され、本当に良かったと思います。

イタリア人人質は、一人は殺害され、残る三人は、未だに拘束されたままで、彼らの家族が必死の思いで行った平和デモで人質解放の願いが叶ったように見えましたが、犯人側はさらなる要求を、今度はイタリア政府に明確にしてきました。政府の強固な姿勢が、自国民の人質を救うために果たして変わるかどうか。官僚たちは、希望を捨てず、ただ黙って待て、とばかり言っています。一体、どうなるのか……。
解放された日本人の方々は、善意をもって、苦難に陥っているイラクの人々のために働いてきたのに、賞讃されるどころか非難と中傷を浴びていると聞き、非常に残念です。

拘束され命を危険にさらされるという恐怖の体験に加え、祖国の多くのひとから非難され自己責任なるものを問われ、精神的な打撃を受けてしまったとのこと。人質だった三人のうち男性二人は、事件について語る記者会見を行うなど、精神的に立ち直ってきている様子で、安心しましたが、女性の高遠さんがまだかなり苦しんでいるようで、本当に気の毒です。
彼女が誠心誠意で、命をかけてやってきたことを、非難、冷笑、中傷で多くの人が否定しようとしている。大変辛いと思います。でも、共感している人も少なくはないのではないでしょうか。
そのひとたちは、あなたは善いこと、正しいことをしてきたんだと認めてくれているはずです。どうか、その声を聞いて、励みにし、立ち直ってくれるように、心から祈ります。

高遠さんは、以前、マザーテレサのもとでもボランテイア活動をしたことがあるとか? マザーも、その活動をしていくうえで、賞讃ばかりでなくやはり不理解や中傷、反発なども受けたと思います。しかしそれにくじけず、苦難にある人々を救うために活動し続けました。その姿は、キリストとだぶります。
困難にいる人を助けるそのこころ、その美しいこころは何者にも否定できません。否定している人達こそ、おかしいのです。彼らはただ、自分達にできないことをしているひとに、嫉妬しているだけなのです。彼らこそ、目を覚まし、自分達のしていることの愚かさ、醜さに気づいて、自己責任なるものを追及し、反省、謝罪すべきです。
狂気を扇動された人達の言うことなどに囚われて、ボランテイア精神を、また自分自身までも見失ってしまわないように、こころから願っています。

日本人の人質の方々が解放されたのは、ひとえに、彼ら自身が現地の人々のために善意をもって働いていたから。もしもイタリア人の人質が同様にボランテイアの人達だったら、いまごろは彼らも、誰一人殺されずに、解放されていたかも。
残念ながら、彼らは米国の会社に金で雇われた傭兵(新聞などには警備員とかボデイガード等としてあるが)であり、銃器をもって現地人を敵視し米国のために働いていたのです。
しかし、人命は人命、何とか救出されなくてはならないし、イタリア政府は口先だけでなく本当に平和的解決にむけ動くべきです。一部の権力者の私利私欲にもとづく強情のために、人命が虫けらのように踏みつぶされることがあってはなりません。どうか、一日もはやくこんな戦争がなくなりますように。


●再びメールで…。

イタリア人人質の件は、解放寸前で新たな要求が突き付けられて以来、何の進展もないようです。クルド人はその要求には応じられないと言っているそうです。現地で活動するイタリア赤十字は、解放が実現しないなら引き上げると言い始めています。人質の家族は、彼らは元気で、危害は加えられないだろうという約束だけを頼みに、不安の中、ただひたすら解放される時を待っています。政府は実際、どういう対応をしているのか、あまりよく分かりません。

四月三十日に行われたという、今井さんと郡山さんの記者会見を、インターネットの日本のニュースで読みました。二人ともうまく話を
することができ、問題なく会見できたのだと思っていました。ニュースの文面も、そのようだったので。しかし、こちらの、うちで買っている新聞に載っている会見の記事を読むと、そのような穏やかなものでは全くなかったとしてあります。日本のマスコミは、まだ頭を冷やして自分達の愚かさ、醜さを反省していないのですか? 大人げない彼らの仕事ぶりにあきれ、恥ずかしく思っています。

以下に、うちで買っている新聞の記事を日本語訳したものをご紹介します。

〔イタリアの、共産主義系の風刺的な新聞、
‘il manifesto’(イル・マニフェスト)五月一日付けより〕

★タイトル
日本からのニュース、「東京で隠される」←(誘拐される、に似せている?)
中傷され、カットされた、解放された人質

★記事
軍隊というのか、それとも自衛隊というのか? 
軍事的占領か、それとも人道主義的使節団か?
テロリストか、パルチザンか?
世界で最も豊かで、さるぐつわをはめられた報道の定める隠喩と婉曲語法の何年にもわたる独裁を受けざるを得なかった何百万人の日本人を眠りから覚ますには、ふたりの人質だった日本人の勇者が必要だった。
三人目の勇者、ナホコ・タカトウは、帰国した際祖国で受けた扱いと、ドバイでの解放後受けたほんとうの尋問によるショックから、未だ立ち直っていない。
昨日、日本では報道は、極地に達した。解放された人質は、何日もマスメデイアから中傷、愚弄され、政府は大人げない怒りをもって彼らに帰国費用の勘定(15000ユーロ)を請求した。生中継の記者会見は、まず中断され、つぎに隠され、しまいには音声もそれ以上聞こえず、ビデオの片隅に追いやられてしまった。

解放された人質のことば<シンプルかつ厳格な>のかわりに、視聴者はスタジオのゲストの非難と悪口雑言で辛抱しなければならなかった。ゲストの多くは、記者である自分にとり言うのは残念だが、同業の記者たちだった。
「前代未聞だ、謝罪するどころか、こいつらは自分たちの無責任な行動を弁護しに来るんだ」
フジテレビの同業者は生中継でこう言い、番組監督が会見を不明瞭にし中継から音声を外したことを擁護した。
「この若僧たちは頭がイカれているんだ、それも誘拐のせいでなく、たぶん生まれつきだ」。

イカれているどころか。ノリアキ・イマイは、共産主義の両親から生まれた罪があり(←ユーモア)、十八歳そこそこだが、驚くほどの明敏さと話のつぎ方のうまさに恵まれており、生中継がつながっていたほんの数分の間に、国のついているウソの大鍋のフタを開け、中身を視聴者にぶちまけた。
「私が責任を感じているかですか? もちろんですが、それはイラクで起きていることの真実を伝えるという責任です。私たちを誘拐したのは、絶望したひとたちで、彼らの国を守るため、このような行動に出ざるをえなかったのです。彼らのうち何人かは、自分たちの子供を目の前で殺されました。」

だが、日本では報道関係者は第一に社員であり、検閲を批判し異議申し立てすることは誰の頭にも思い浮かばなかった。一度あるネットワークから生中継が中断されれば、他の局もみなそれに従った。ましだったのはNHKで、これは公営のTVラジオ放送だが、はじめから中継が実際のものとは異なるかたちで放送されるだろうと予告していた。

ふたりの解放された人質は、この歓待ぶりに落胆したが驚きはせず、(数日前には正真正銘の道徳的なリンチがあった:いくつかの週刊誌は、誘拐事件は全てムジャヒデインとぐるで企てたものではないかという疑いまであげてきた)、夜遅くには、もうひとつ記者会見をもうけていた。東京の海外特派員協会においてであった。
そこでは、鋭敏でおそらく連帯感のある同業者は、もはや新展開と新情報に気をそらしていたが、ソウイチロウ・コオリヤマは、できるだけはやくまたイラクに行きたいという希望を告げ、危険を冒して今日イラクに行く者の考えうる自己責任につき、政府が不当で受け入れざる非難をしていることを、どう考えるか説明した。
「私はフォトグラファ?でありジャーナリストであります?コオリヤマは言った?たとえ多くの、多すぎる同業者が彼らの任務を放棄したとしても、危険が高くても現地に赴き、そこで起きることを伝えるのが、自分の明確な義務であると考えます。私はイラクでテロリストには会いませんでした。自由のために闘うひとびと、軍事的占領でないとはいえないものに抵抗する決意をしたひとびとしか見ませんでした。私たちの軍隊が、憲法違反を犯して参加しているものに。」
しかし新聞とテレビの記者仲間たちは昨日、検閲に抗議せず、命令に従った。
隠しながら、信じ、闘い、服従することに。
東京より、ピオ・デエミリア記者。

M.N.(イタリア在住)
http://www.creative.co.jp/top/main1746.html

 次へ  前へ

戦争54掲示板へ



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。