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監視社会:世界中で加速 カナダ・クイーンズ大のライアン教授に聞く[毎日新聞]
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 10 月 04 日 07:13:07:dfhdU2/i2Qkk2
 

◇9・11以降、治安対策が優先事項に/脅威理由に社会的弱者の人権軽視

 監視社会をテーマにした研究の世界的権威といわれるカナダ・クイーンズ大学のデービッド・ライアン教授(55)に、01年9月11日の米同時多発テロ以降、世界中で加速しているとされる監視社会化の動きについて現状と課題を聞いた。教授は「世界中で治安対策が優先事項になった。テロ対策を超えた措置もあり、悪用を注視していくことが重要だ」と警告した。教授は、18日に東京の上智大学で開かれた国際シンポジウム「<監視社会>と<自由>」(毎日新聞社後援)などに出席するため来日した。【臺宏士、乾達】

 −−テロなどから社会を守ることは従来も重要でしたが、9・11を境に大きく変わった点は。

 日常的にテロの危険性が認識されるようになったため、より多くの人に疑いの目が向けられるようになった。治安対策が世界中で政治的優先事項になった。カナダでも国境で盛んに警備が強化され、警察は航空機の乗客の個人情報を無制限に利用できるようになった。警察だけでなく、空港、鉄道への監視カメラ導入や警備員配置など民間の警察的活動も急増した。さらに職場、買い物など別々の場所でデータベース化されていた個人情報をネットワークで照合し、誰が「危険人物」かといった分類に利用することも正当化されるようになった。

 −−米国は愛国者法により容疑者の人権を制約できる捜査を認めたほか、入国する外国人から顔写真と指紋を採取しています。ある程度の人権の制約はやむを得ないという意見もあります。

 危険の予測には、より多くの個人情報が必要になる。一方、市民もテロの恐怖や不安を取り除こうと、情報提供に積極的に応じるようになるため、より監視が強化される。問題なのは、治安対策の強化がかえって目に見えない危険に対する恐怖が市民の間に増すという構図になり、その結果、危険が自己増殖して、情報の収集と提供の連鎖が起きていることだ。

 −−米国の対応はテロ対策によるプライバシー侵害をどこまで容認するかという問題にとどまらず、民主主義の原則を揺るがしかねないという指摘もあります。

 その通りだ。こうした一連の措置はテロ対策という枠を超えた大掛かりな検査手段になっている。テロリストを退治できる効果は薄く、不法移民など別の望ましくない人々を排除するのに有効に機能している。また、対テロ戦争の明確な定義はないので、緊急的な特別措置が延々と続けられることになり、テロリストの定義も拡大した。アテネ五輪は監視技術の「展示会」になり、特に標的になったのがアラブ系やイスラム教徒だった。カナダで個人情報保護のための第三者機関・プライバシー保護委員会の委員長は最近、「テロ対策がすべてのカナダ人の個人情報を使う口実にされている。プライバシー侵害だけでなく、民主主義に対しても悪影響が出ている」と発言した。

 −−9・11後の米国や世界が失ったものは何でしょうか。

 最も悪影響を受けているのは少数民族、女性、難民、移住労働者など社会的な弱者だ。これまでも麻薬戦争などさまざまな脅威が利用されてきたが、その中でも9・11という脅威は、政治的権利、言論の自由、平等を軽視しても、社会的な関心をそらすことができる便利な材料になった。その証拠にテロ対策に熱心な米英両国は、世界で最も貧富の差が拡大している国でもある。

 −−日本でも監視社会化に異議を唱える声が出ています。

 私は監視そのものに反対しているわけではない。福祉国家のようにすべての人がきちんとしたサービスを受けるには、個人情報の蓄積が必要になる。どのような目的なのか分析し、市民合意で作った一線を逸脱した悪用がないかを注視していくことが重要だ。

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 ◇国際シンポジウム「<監視社会>と<自由>」

 18日の国際シンポジウム「<監視社会>と<自由>」では、ライアン教授が基調講演をした後、田島泰彦・上智大教授(メディア法)をコーディネーターに、▽江下雅之・目白大助教授(メディア史)▽小倉利丸・富山大教授(情報論)▽渋谷望・千葉大助教授(社会学)が日本の状況について問題点を探った。

 ●グレート・マザー

 「監視社会を象徴する言葉に『ビッグ・ブラザー』があったが、今の時代は『グレート・マザー』だ。監視するかもしれないが、同時に守ってもくれる。ただし、手のひらの外に出ることは許されない」

 江下助教授は現代の監視社会をそう表現した。ビッグ・ブラザーは英国のSF作家、ジョージ・オーウェルが1949年に描いた近未来小説「1984年」に登場する超監視国家の絶対的支配者だ。ところが現代は、監視カメラなどのセキュリティー機器やサービスの低価格化が、従来監視される側だった市民の間での利用も促進した。江下助教授は「監視されていると分かっていても便利だと感じてしまう現代のジレンマだ。『いいんじゃないか』との議論が先行すると、個人情報はどんどんばらまかれていく」と指摘した。

 一方、田島教授は「監視カメラは商店街など民間による設置が圧倒的に多く、東京・歌舞伎町のような警察の管理は少ない。しかし、民間主体のように見えても背後には警察によるアドバイスがあることも少なくない」と話した。全国の自治体ではマンションなどでの監視カメラ設置や警察と連携した地域の防犯システム作りなどを柱とした「生活安全条例」の制定が相次いでいる。東京都は今年度予算に、治安対策として設置するカメラの設置補助費3億円を計上し、11の商店街への助成を決めている。

 ●共謀罪の新設

 テロなどの組織犯罪を未然に防ぐことは監視の大きな目的だ。渋谷助教授が「究極の予防」と表現したのが「共謀罪」の新設だ。秋の臨時国会で刑法改正案などの審議入りが予想される。同罪は4年以上の懲役・禁固刑を定める罪を共謀した場合に適用される。実際に犯罪を実行しなくても、運用次第では事前に犯行を仲間内で計画しただけで罪に問えるため、市民団体や労組の会合も適用対象になり、集会・結社や言論・表現の自由を侵害する恐れがあるとの指摘が出ている。

 渋谷助教授は「オーバーステイの外国人情報を入国管理局のホームページからでも通報可能になるなど、日本で『疑いの文化』が広がっている」と指摘した。

 ●変質する電子政府

 小倉教授は、経済産業省が昨年10月に出した「情報セキュリティ総合戦略」を取り上げた。小倉教授によると、産業界の利害を重視してきた同省が国益を前面に出し、IT産業の国家統制に道を開くような提言だという。小倉教授は「9・11以降、電子政府での自衛隊と警察の役割が強調されてきている」と指摘し、「監視ビジネスが大きくなり、日本の産業を支えるようになると、後戻りができなくなる。監視が一つの文化になると、私たちは監視されていることさえも気づかなくなる。監視ビジネスを産業化させない努力とともに電子政府の形を改めて見直す必要がある」と話した。

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 ■人物略歴

 ◇デービッド・ライアン

 英国エディンバラ生まれ。ブラッドフォード大学卒。90年から現職。著書に「9・11以後の監視」(明石書店)、「監視社会」(青土社)など。

毎日新聞 2004年9月21日 東京朝刊

http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/can/news/20040921ddm012070003000c.html



冗談も言えなくなる共謀罪の新設 ようこそ、プレ・クライムが裁かれる悪夢の世界へ [海渡雄一氏等]
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/769.html


内偵の道具としてのインターネット[No More Capitalism]
http://www.asyura2.com/0403/bd35/msg/364.html

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